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銀河の果てまで追いかけてゆく

◆『特捜戦隊デカレンジャー 10 YEARS AFTER』◆ (監督:竹本昇 脚本:荒川稔久
 ヒロインはウメコ
 エージェント・アブレラによる、身内のオーバーキル兵器をきっかけにした宇宙警察壊滅計画を阻止し、バンがファイヤースクワッドに転属してから10年――かつて宇宙警察地球署で最高のチームワークを誇った6人はそれぞれの道を歩んでいた……という、“10年後のデカレンジャー”物。
 中心となるのは、今も地球署の実働部隊として第一線で任務にあたるセンとウメコ。2年前に宇宙警察を震撼させた汚職事件の重要証言を握る少女、帰ってきたバン、かつての仲間達がすれ違う中で、本編第46話で色々あった二人に進展はあるのか?! と、ささきいさおのゲスト出演はじめ、TV本編の小ネタをふんだんに盛り込みながら、サービス満点に展開。
 ただ序盤、事あるごとに10年前はこうだった、と回想が挟まるのは、親切だし作品として正しくはあるのでしょうが、物語としてはテンポが悪くはなってしまいました。
 見所は、
 10年後にして明かされるジャッジメントタイムの真実――宇宙最高裁判所の惑星周辺では時間の流れが違うので、実はジャッジメントタイムの間に8ヶ月の審議が行われているのだ!(という事に世間向けにはなっているのだ!)
 と
 まさかのシンキングバトルそして回転。
 脚本は本編でメインを務め、愛と煩悩とテクニックを兼ね備えた信頼の荒川印、本編最多演出でラスト3話も担当した竹本監督の『デカレン』愛もほとばしり、バンの10年分の成長も描かれるなど(今見ると、10年前の髪型が凄い……)そつのない出来なのですが、個人的にはやはり、特に90年代以降の戦隊というのは“若者達のドラマ”というのが基本構造であるな、と(もちろん、ほどほどの設定年齢のキャラクターや、キョウリュウブルーなどの例外も居ますが)。
 つまり、あれから10年……経ったキャラクター達の物語をやるならもはや戦隊とは別の文法が必要であり、しかしそこを変えてしまうならもはや戦隊である必要がないという二律背反を、企画時点で抱えてしまっているといえます。
 職業戦隊であるデカレンジャーの場合、10年後に同じ仕事をしていても違和感は無い、という強みはありますし、かといってそれに胡座をかいてしまうばかりでなく、荒川さんは実に荒川さんらしい手法で、この二律背反に立ち向かって戦隊を成立させようとしているのですが、やはり苦しい部分もあったのは否めません(會川昇が『ゴーオン10YEARS AFTER』でこの課題にどういう手段で挑んだのかは、少々気になるところ)。
 また、『ゴーカイジャー』のように、他作品にゲスト出演の場合はそれなりに誤魔化しが効くのですが、10年ぶりの完全続編ともなると、どうしても“キャラクターが歩んできた10年”よりも、“俳優が歩んできた10年のキャリア”の方が出てしまうので(勿論、それをキャラに寄せられる役者さんも居ますが、そこがまさにキャリア次第になってしまう)、戦隊10 YEARS AFTERという企画そのものの難しさを感じたところです(基本的には、それを飲み込める熱心なファン向けの企画でありましょうが)。
 率直に、10年経ったテツはエリートのキラキラが消えすぎでしたし、さすがのスワンさんもアイドル力が失われていた事は否定できませんし、かといって役者さんにチューニングしすぎると(そういう手法は手法で有るのですが)『デカレン』である事を見失ってしまう、というのが実にアンビバレント
 そんなこんなで、見る前から覚悟していたとはいえ10年後の難しさを色々と感じていたわけですが、揃い踏みから主題歌流れるとコロッと参ってしまうのが、我ながら馴らされすぎて業が深い(笑)
 荒川×竹本コンビらしく、赤座剣法・雷神剣まで拾いながら、やる事は一通り詰め込んで不足なく収め、そして衝撃のエンディングへ。
 やはり『デカレン』は最終的にそこへ集約されるのだな、と深く納得(笑)
 あと、ラストを締めるナレーションは『10 YEARS AFTER』ならではであると同時に、荒川さんらしい世代を超えたヒーロー賛歌になっていてく、内容の満足度は程々ながら、少なくとも、とても気持ち良く見終える事ができました。

 「S.P.D――スペシャルポリス・デカレンジャー。燃えるハートでクールに戦う彼らは、これからも、永遠に不滅である。くじけそうな時は思い出してほしい。今そこに居なくても、デカレンジャーは、いつも君の心の中にいる。これからも一緒に戦おう。人生のエマージェンシーを乗り越えた向こうには、きっと、素敵な宇宙が広がっているのだから。フォーエバー・デカレンジャー

 ごっちゅう!