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(追加分)ものかきと映画:第2回『ロケッティア』

(※第1回に書くのを忘れましたが、内容には映画本編のネタばれを含みます。御了承下さい。)
ロケッティア (1991年)


舞台は1938年、ロサンゼルス。
一流の飛行機パイロットを目指すクリフ(ビル・キャンベル)はある日、FBIに追われるギャングがオンボロ飛行機の中に隠した、極秘開発のロケットパックを発見する。背中に背負えば自由に空を飛ぶ事の出来るロケットパックを手にした彼は、偶然からそれを背負った仮面のヒーロー“ロケッティア”となる事に。
しかしそのロケットは、FBIばかりでなく、ナチスドイツも目を付けていたものだった。恋人ジェニー(ジェニファー・コネリー)と共に、彼は国際的な陰謀に巻き込まれていくのだが……。


我が愛する、馬鹿映画。
“SFXアクションアドベンチャー巨編”という、よくある頭の悪そうな煽りをつけられた、つまりは“金のかかったB級アクション娯楽映画”。
原作はアメコミ。ヒーローが居てヒロインが居て悪役が居て、ロマンスがあってアクションがあって大団円、という極めてストレートでシンプルな物語。
陳腐な展開と言わば言え、何も考えずに胸躍り気楽に楽しめ、見終わった後に気分爽快。これが全て。
最初に言うのも何ですが、はっきり言って、万人にはお薦めしません(笑) ただ、個人的には非常に好き。実はこういう、ハリウッド流の金をかけた馬鹿っぽい痛快ヒーロー娯楽映画って大好きだったりします。しち面倒くさいテーマ性は置かず、変にスタイリッシュに走るわけでもなく、とにかくストレートに娯楽である事。これが好き。
先にB級と書きましたが、演出や脚本は水準レベルで、特に問題なく楽しめます。随所に挟んだ笑い所も効いてますし、ヒロインと悪役のやり取りなんかも、なかなか面白かったり。
コミック的な演出も多いのですが、敵役の大男が図体に似合わない二挺拳銃使ったり、敵も味方もドラムマシンガン撃ちまくりだったり、クライマックスでアメリカ国旗を背景に飛行船へ向けて飛び立つシーンがあったりと、そういう演出がお好きな方には堪りません。
本作の悪役を務めるのは、元007俳優、ティモシー・ダルトン。楽しそうです。ただまあ、ティモシー・ダルトン自体の演技は割と微妙だと思いますが(^^; しかしそれを見事にカバーしてくれる吹き替えが、名優・小川真司でありました。これが実にはまってます。というか、変な言い方ですが多分、ティモシー・ダルトンより小川真司の方が、上手い、ので(笑)
ちなみに私が見たものでは主人公が堀内賢雄で、ヒロインが井上喜久子でした。これは洋画ヒーローものの、一つの黄金コンビだと思っております。ヒロインは場合によって変わりますが、やっぱり、ちょっととっぽい気味の青年主人公は堀内賢雄だよなぁと。脇も田中信夫富田耕生郷里大輔などが固め、非常にいい感じ。
声優のメンバーにもよりますが、多分、吹き替えで見た方が面白い映画。
映画全体で好きな所は、最初に鉄仮面を被ってロケットパック背負って大空へ飛び立つシーン。
それから終盤の、ナチスドイツのロケット兵士計画のプロパガンダ映像。“犠牲者を出して入手したフィルム”なんですが、その実態は古臭い白黒アニメーション。ロケット兵士軍団が次々と世界各地に侵攻していくという代物なんですが、みんなしてそれを真剣に見ているのが好き。終盤でそんな映像を交えてしまうセンスも好き。
クライマックスの、「さらば、ハリウッド」も効いてますし、何よりエンディングは大好きです。完全無敵の大団円エンドの見本のようなオチなんですが、それがまた作品にぴったり。「ああやっぱり、こういうオチはいいよなぁ」と思わせてくれる感じ。
さて今作、内容は基本的にアニメ・コミック調のヒーロー物であるので、特にストーリー的にここが心に残る、というものでも在りません。そんなわけで見た人の大半の感想が、
とりあえずまあ、ジェニファー・コネリーは可愛かった
になりがち(笑) いやまあ、私も大好きな女優さんなので何も問題は無いのですけれども。
詳しくはこちらとかこちらを参照していただくとして、日本人好みの美形で、日本では割と人気がある模様。一時期、モイスチャーリッチか何かのシャンプーの宣伝にも出てました。出演作の主なところは、『フェノミナ』『ラビリンス/魔王の迷宮』『ダークシティ』といった辺り。出演作になんとなく恵まれないと言われる事が多いのですが、『ビューティフル・マインド』でアカデミー助演女優賞を受賞。しかしその後に出た映画が『ハルク』(笑) 実際、本国でどういう位置づけと評価なのか、ちょっと気になります(^^;
とにもかくにも、単純に楽しめる今作。多少の子供っぽさは気にする事なく、馬鹿なアクション映画を馬鹿なアクション映画として楽しめる方には、ちょっとだけお薦め(弱気)。
(※なおこの映画、興行的には、大失敗であったそうで)