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残念な出来

◆『仮面ライダーW RETURNS 仮面ライダーアクセル』◆ (監督:坂本浩一 脚本:長谷川圭一
見所は、路上で拾った変なスリッパから所長の危機に気付く照井課長にどん引きするゲストヒロイン。(※なおエージェントS)
アフターエピソードとか番外Vシネマに基本興味が無いと言いつつも、照井竜大好き人間としてかねてから気になっていた作品を勢いで借りてきてみたのですが……うーん、正直、見なくて良かった。
とりあえずストーリー云々以前に、全編やたらめったらカメラを小刻みに動かす演出が辛くて仕方が無かったのですが、坂本監督が普段からそういうわけでもないので、端々の演出なども鑑みると、何やらオマージュ的な要素だったのでしょうか……?
コンセプトとして香港系?のノンストップアクションムービーをやりたかったようなのですが、坂本監督の趣味が悪い方に出て、アクションの為のアクションが、くどくて煩雑。
そもそも照井、生身でアクセル剣を振り回してマスカレード軍団とドーパントに立ち向かってしまう男(劇場版『運命のガイアメモリ』)なので、いくら変身不能とはいえ、用心棒レベルのチンピラを叩きのめす姿を見せられても、全く盛り上がりません。
この辺り、日本的な変身ヒーローと、一般的なアクションヒーローの、物語の中での意味づけの違い、というのが見えてくる所でもありますが、そういう観点では、照井竜をアクションヒーローとして描こうとして失敗した作品。
アフターストーリーならではの要素というのも含めて修羅場カーチェイスは面白かったですが、総じて、「《仮面ライダー》シリーズの外伝Vシネマ」という体裁に乗っかって、趣味の映画を撮りました、という内容。
ほどほど魅力的だった悪役に「おまえには処刑人の資質がある」と突きつけられ、フォー・ジャスティスだった登場初期の清算を迫られる辺りは因果応報が面白かったのですが、そこから一ひねりする事もなく、本編で半年ほどかけてじっくりやったテーマをダイジェストで振り返っただけになってしまい、着地は当然、傑作だった本編43−44話(脚本×演出は同コンビ)の焼き直しにもならないレベル。
トドメがスタッフロールで流れるメイキングシーン集で、これもオマージュ的なお遊びなのでしょうが、一番苦手ともいえる手法で萎えてしまいました。そういうのは、物語から切り離されたところでやっていただきたく、最後の最後で、これが痛恨の一撃。
あー、本編で照井と絡みのあった、リリィ白銀とフランク白銀が出てきたのは良かったです。
それと、課長の「変…身!」と、アクセルのテーマ曲はいつ聴いても格好いい。
好きな作品と、《平成ライダー》屈指の好きなキャラだっただけに、色々残念。
んー、口直しに何か他の作品を見たくなる所ですが、また別の地雷を踏む可能性もあって悩む。