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日本かんたん特撮史3

結局あんまり簡単になっていなくて御免なさい。
でも多分、今回はあんまり語る事が無いので簡単です。


1980年 『ウルトラマン80』(TV)
1982年 『宇宙刑事ギャバン』(TV)
1984年 『ゴジラ』(映画)
1987年 『仮面ライダーBLACK』(TV)
1989年 『ゴジラVSビオランテ』(映画)
1995年 『ガメラ〜大怪獣空中決戦〜』『ゴジラVSデストロイア』(映画)
    『超力戦隊オーレンジャー』(TV) ※スーパー戦隊シリーズ20周年記念作品
1996年 『超光戦士シャンゼリオン』『ウルトラマンティガ』(TV) ※ウルトラシリーズ30周年記念作品
2000年 『仮面ライダークウガ』(TV) ※仮面ライダーシリーズ30周年記念作品
75年以降、個々の作品としては見所のある物も存在するも、大きな流れとしては約20年、静寂の時代が続きます。特に80年代半ば以降は、完全に氷河期。
1980年にはウルトラマン80』登場も、シリーズ化ならず。翌年には『(新)仮面ライダー』(スカイライダー)が登場しますが、これも次の『スーパー1』まで。企画物の『ZX』も特番1本にとどまり、二枚看板が、やや手詰まりに。
一方、82年には後のメタルヒーローシリーズの先駆けとなる宇宙刑事ギャバンが始まり、初期シリーズは好評を博すも、視聴率の低下にともない、『超人機メタルダー』(87年)の放映途中から放映時間がゴールデンタイムから日曜朝へ移動。まあ、結果としてはこの移動により生きながらえたという所があるので、現代から見ればこれはむしろ良かった、と言えるのですけど。
とにかくまあこの時期、手を変え品を変え、なんとかシリーズを継続し続けた東映の努力・姿勢は賞賛に値します。勿論、我慢してくれたスポンサーのお陰もあるのですけど。
映画の方では84年に、コンセプトを初期作に戻したゴジラが復活。実はこれ、子供の頃にしか見た事がなくて、もう一回ちゃんと見たい作品。当時の印象は悪くないのですけど、今見るとどうなのかなぁ、と。
87年には仮面ライダーBLACKによって、仮面ライダーが再復活。第2シリーズ『RX』に繋がる健闘を見せるも、そこで打ち止め。この後しばらく、ライダーシリーズはオリジナルビデオ展開をするもやる度に失敗、という茨道に突入していく事になります。
89年ゴジラVSビオランテの名前が入っているのは、単に私が好きだから(笑)
これは、80年代以降のゴジラ映画唯一の傑作ですよ。
誤解されがちなのですが、『ビオランテ』はいわゆる<VSシリーズ>ではありませんので、そこの所よろしく。『ビオランテ』は思想的にもストーリー的にも84年『ゴジラ』の継承作であり、後のVSシリーズとは一線を画しております。
さて、完全に冬に突入している80年代後半〜ですが、90年代に入ると実は東映が、表だってはいないものの、ある“仕掛け”を始めています。それは後述するとして、まずは95年、怪獣映画に二つのタームが訪れます。
一つは、ガメラ〜大怪獣空中決戦〜』による、にわか怪獣映画ブーム。
そして、ゴジラVSデストロイアによる、<ゴジラ>シリーズの再沈黙。というか蒸発。
一方、なんとびっくり20周年の戦隊ものは、その記念作品超力戦隊オーレンジャーが歴代最低クラスの視聴率を叩き出すという不名誉な結果に終わるものの、ひっそりとひそやかに計画は進行中。
そして96年には、地上波特撮番組が4本というにわか春が訪れるものの、やはり一瞬の春に(笑)
とはいえ、ウルトラシリーズ30周年記念作品ウルトラマンティガは、一応のシリーズ化に成功し、円谷プロもほっと一息。
この、1995年・96年というのは、爆発こそしなかったものの、新世紀特撮ブームに繋がる大きな布石の年であったといえます。
まあ、“特撮史”という見方をすれば『シャンゼリオン』の名前をここに入れるのは行きすぎなのですけど、この作品は結局のところ振り返ってみれば東映にとっての一つのターニングポイントであったのだと思えます。
そこには先程ちょっと書いた“仕掛け”というのも絡んでくるのですが、実は東映は、いつからとは明言できませんがある時期から確実に“昔見ていた今親世代を子供と一緒に取り込む作戦”というのを行っております。
この辺り全て、仮面ライダークウガから突然始まったと思われがちですが、常識的にもそんなわけはなく、じわじわと布石を打った上で、結果的に起爆剤となったのが2000年『仮面ライダークウガ』、というのが正解。
無論、『仮面ライダークウガ』という作品のクオリティもポテンシャルも相当に高いというのは間違いないのですが、作品単品という以上に、5年10年の時の流れの結実があそこにはあります。
この辺りが、TVシリーズにおける東映特撮が現在において他に比べて一歩抜きんでているという状況を生んでいる一つの要因なのですが、“いきなり”やっているわけではなく、ちゃんと手順を踏んでいるのですよ実は。
というわけで、新世紀特撮ブームが現在に至る、という日本大雑把特撮史。
更に概略を記するなら、こんな感じでしょうか。

1954年 『ゴジラ』――全ての始まり
1966年 『ウルトラQ』『ウルトラマン』――TV特撮の時代へ
1971年 『仮面ライダー』――“変身”ブーム到来
1975年 『秘密戦隊ゴレンジャー』――戦隊シリーズの開始・一方でゴジラウルトラマン仮面ライダーの休眠
1995年 『ガメラ〜大怪獣空中決戦〜』――にわか怪獣映画ブームとゴジラ再び終演
2000年 『仮面ライダークウガ』――新世紀特撮ブームの始まり
後もうちょっと付記的な話を書こうかと思っておりますが、それはまた次回。