はてなダイアリーのサービス終了にともなう、旧「ものかきの繰り言」の記事保管用ブログ。また、旧ダイアリー記事にアクセスされた場合、こちらにリダイレクトされています。旧ダイアリーからインポートしたそのままの状態の為、過去記事は読みやすいように徐々に手直し予定。
 現在活動中のブログはこちら→ 〔ものかきの繰り言2023〕
 特撮作品の感想は、順次こちらにHTML形式でまとめています→ 〔特撮感想まとめ部屋〕 (※移転しました)

そんなわけで昨日の『隠し目付 参上』はこんなに凄かった

一日置いてしまったので、後半、物語の筋を追っている部分で記憶違いや順番違いなどが多少あるかもしれませんが、御了承下さい。大筋は合っている筈です。
というわけで、初見の上に最初を見ていないので設定などはさっぱりわからないのですが、昨日の放送分を見た限りから判断できる内容は、ベースが『隠密同心』+『必殺!』系。市井にまぎれて暮らす隠し目付達がお頭から指令を受けて悪のからくりを暴き、最後は成敗。
メインキャストは、“からくり先生”と呼ばれるちょっと武士っぽい人(浪人?)に江守徹
紅一点の女飛脚に秋野陽子(!)。
食い詰め浪人、みたいな感じのちょっと目つきの悪い(しかし人情に厚い系)武士に竜雷太
遊び人風の二枚目に沖雅也
そして、からくり先生と一緒に住んでいる(?)からくり人形の三太。……本当に人形です。見た目的には、大人の腰ぐらいまである大きな日本人形を想像して下さい。からくり仕掛けになっていて、前後に移動したり、瞼と口が開閉します。……いやこの人形が、凄い重要キャラなのですよ。
いつの作品かまだ調べてないのでわからないのですが、とにかくみんな顔が違いすぎて、エンディングのキャストロール見るまで誰だかさっぱりわかりませんでした。主役なんて、一瞬、中村エロ右衛門吉右衛門かと思いましたもの。……というのはまあ多少、私が反応過敏になっている所はあるかもしれませんが、しかし若い(?)頃の江守徹は、割と中村血統の顔でびっくり。
話の筋は最初を見ていないのと途中でちょっと中座した為にちゃんとわからないのですが、とにかくお頭の指令で、隠し目付達はとある商人を探索します。この商人、別の商人が身代を潰した所を奪い取って成り上がったのですが、その陰に何者かの策謀がある模様。更に潰れた商人の所から2万両が消えており、それが黒幕の所にあるのでは、というのを調べます。で、この黒幕とおぼしき人物が、“からくり御前”と呼ばれる幕閣の実力者(演ずるは大滝秀治!)。それでまあ調査を開始するのですが(この辺りで中座した為にどういう紆余曲折あったかわからないんですが)三太と、からくり先生の所に遊びに来ていた知り合いの子供が御前の手の者に捕まった模様。子供はよくわかりませんが、三太は御前(通り名の通りに、からくり好き)の趣味で奪ったのか、お城に連れていったり寝室に置いていたりします(笑) で、御前は難攻不落のからくり屋敷に潜んでいる為に安易に手出しも出来ず、悪事の証拠も集まらず、子供を助けに行く事もままなりません。
そうこうしている内に子供は哀れ死亡。色々とあった末に、お頭の策謀などもあって、最後の証拠を掴む為に、からくり屋敷へと潜入作戦開始。
ここで、ナレーション(「此の世が悪がのさばるように出来ているなら、からくり一つでそれをひっくり返してみせよう」とかなんか、そういった感じのもの)とともに出撃準備中の映像が入り、いよいよ出撃。
画面が変わると、なぜか全員、黒装束。
…………えーーー。
いや、リアルといえばリアルなんですけど、ただでさえまだキャラの区別がついていないのに、面白くない事この上ありません。
全員本当に忍者なのか潜入スキルがあるだけなのかはわかりませんが、壁を乗り越え、屋敷に侵入。庭先で、さっそく仕掛けに引っかかります
……鳴子をよけて落とし穴に落ちた忍者は初めて見たよ(涙)
潜入1ターン目にして、早くも沖雅也と秋野陽子が脱落。二人は脱出不能の小部屋に閉じこめられてしまいます。
先行部隊が落とし穴にはまったのを見た後ろの二人は、慎重に地面を探りながら進むのですが、今度は竜雷太が地面に仕掛けた網が持ち上がって宙吊りにされるタイプのブービートラップに引っかかります(笑) あわれ持ち上げられた上に屋敷の方まで運ばれてしまった竜雷太
侵入者が罠に引っかかると鐘でも鳴るのか、屋敷の中から警護の武士達が笑いながら出てきます。
当然、宙吊り状態の竜雷太グルグル回します。
バシバシしばきます。
3人の屍(まだ死んでません)を踏み越えて、何とか屋敷内部の侵入に成功した江守徹。隠し通路や妙な仕掛けがいっぱいの屋敷を探索する内に、とうとう御前の寝所を発見。囚われの三太と感動の再会(いやホントになんか、そういう感じなんですよ)。
「すまなかったな、三太」とか「辛かったろう」とか真面目な顔で人形に話しかけます
それに反応して(?)、目を開き、口をぱかぱかする三太(人形)。
「うんうん」と真剣に頷く江守。
…………………………
オカルトか、オカルトなのか。
それともただの危ない人なのか。
雰囲気的には完全に時代劇というよりも70年代特撮*1。私は『怪奇大作戦』を思い出してしまいました。「青い血の女」の巨大版、みたいな。
一方その頃、小部屋に捕まった二人の方には、部屋の壁がプレス機よろしく迫ってくるという罠が発動。
後始末が凄まじく大変そうです
壁と壁の間で潰れた人間の死体の始末なんて、想像するだけで嫌。
と、悪党下っ端側の気持ちに思わずなってしまったのですが、あわやぺちゃんこ寸前というところで、江守が救出に成功。3人パーティになった所で、肝心の2万両を探すべく御前の寝所に戻ります。……あれ、竜雷太は??
なんか彼等の中で雷太は捨て置いても大丈夫という事になっているのか、捜索を優先する3人。御前の寝所のからくり仕掛けを作動させると、なんと偽装された襖と壁の間に、2万両の小判が!
意外な事にここの演出がけっこう格好良かったです
ダミーの襖が次々と上に持ち上がっていくと、その下から壁に貼り付けられた大量の小判が姿を見せ、部屋の中が金色の光に包まれる――。ここで、おっ、と思わなければ、ホントに駄目で馬鹿な時代劇だったんですけど。不覚にもちょっと感心してしまいましたよ(笑)
で一方、雷太のもとには御前があらわれ、もっときつくしばいてやれ、などと言っていると地下の二人が侵入者に救出されたという報が入り、慌てて侵入者を探しに戻る御前と家臣達。見張り一人になった隙をつき、江守、ようやく雷太を救出。
御前は部屋に戻ると、隠してあった筈の小判の壁が表に出ていてビックリ。
……なんかあれですよ、出かけていて帰ってきたら引き出しの中に隠しておいた筈のデスノートが机の上に乗っていました、みたいな。
仰天する御前と部下。そして庭に何者かの影。
……て結局、お約束の殺陣をやるのなら、殺るだけ殺った後にゆっくり調べても良かったのではとか一瞬思ったのですが、一応は正義の味方でそれはまずいか。
そんなわけで襖を開けると
そこには
そこには
正装した4人が
………………
町人風だった沖雅也まで、紋付き来て(よくわからないが、三つ葉葵)髷も武士風になってます。
いつだ、いつなんだ、黒装束の下はみんなその格好だったのか。というかもう、何の躊躇いもなく、「変身」て感じの世界観ですか
……えーまあ、そんなわけで色々とやりきれない疑問を残しつつ、バトル開始。まあここは普通。気になったのは、何故か江守が主役のくせに大刀でなく脇差しで悪人を刺し殺す所。
戦闘はあっさりと収束し(どう考えても探索シーンの方が力が入っている)、最後に残るは大滝秀治
よたよた逃げた秀治、大好きな小判の壁にすがりつきます。
それを追いかけた江守、秀治を見、部屋に置いてあるままの三太を見、なぜか、三太だけを置いて襖を閉めて部屋を出ていきます。
あへあへ言っている秀治が振り返ると、歯車を鳴らしながら近付いてくる三太。
三太、開口
…………
まさか
いやそんな
それは
やってしまうのか
うわぁ
毒針 発射
しかも、3点バースト
3発の毒針を首に受け、秀治、絶命。
……うあー、殺人人形ですよ、オートマタですよ、助けて、楯先生。
そして始末が終わった頃合いを見計らって、部屋に入ってくる4人。
「これで○○(殺された子供の名前)も浮かばれるじゃろう」と雷太。
……いや、浮かばれないと思いますが。
「よくやった、三太」としみじみと人形に語りかける江守。
夜露に濡れたか、水滴か、三太の頬には、一筋の水跡が……
て、そんな綺麗なオチで騙されてやるものか
文章だと三太人形のホラーっぷりが伝えきれないのが残念で仕方が無いのですが、とりあえず大きい日本人形ってだけで怖いですし、口がばかばか空くのも怖いのですが、江守と会話している感じなのが一番怖いです。
いやこれ、ホントに毎回このノリだったら凄いんですが。
見たいけど、見たくない。
しかし恐怖のオチはまだありました。
エンディングの背景に、シルエットが6つ。……今回出てきた隠し目付は4人。
あと二人も居るのか隠し目付っ?!

*1:まあ、この二つ自体そもそも近い位置関係ではありますが