昨年末の『タイプスクープハンターSP』の録画を見たので、すじと感想
◆「戦国SOS カラス天狗を追え!」
前シーズンのラスト、未来へタイムワープする直前に盗賊団の毒矢を受け、倒れた沢嶋雄一(要潤)。果たして彼の命は無事なのか?!
冒頭からしばらく、カメラだけが生きていて、意識を失って倒れた沢嶋を定点で撮影している、という演出。毒矢を放った盗賊団が沢嶋に近づいて彼の衣服を物色していると、突然、画面の外からの攻撃で、盗賊団が次々と倒れる。フレームに入ってきたのは、火縄銃を片手に持った、天狗の扮装をした男。
男は盗賊団の持っていた金銭を奪うと、更に沢嶋のつけていた腕時計を奪い、褌を見せつけながら去っていく。
ピクリとも動かない沢嶋はこのまま息絶えるのか……その時、通りすがりの巫女の姉妹がこの惨劇の現場を発見。沢嶋に息があるのに気付き、彼を前夜の宿であった村人の家まで運んでいく。毒に倒れた沢嶋の治療を試みる、巫女姉妹。
「この方の頭頂部に穴を空け、その穴に神を降ろします」
荷物の中から、木槌と鉄釘を取り出す巫女姉妹。
沢嶋、頭蓋骨貫通の危機
その時、一人の巫女が家の中へ駆け込んできたのが画面端に写る。
医術専門の巫女を名乗り、秘術で沢嶋の治療をすると言ってうまく家主と巫女姉妹を追い出したのは、未来から沢嶋を助けにやってきた古橋ミナミ隊員(杏)であった。古橋の解毒治療によって一命を取り留め、意識を取り戻した沢嶋。二人はすぐにタイムワープで未来へ帰ろうとするが、その時、腕時計を失っている事に沢嶋が気付く。
「今度は時計ですか」
古橋隊員の目が冷たい。
カメラの映像を巻き戻して天狗姿の男を確認した沢嶋は、時計を取り戻す為にそのまま残る事になる。彼をナビゲートする為に、一足先に未来へと戻る古橋隊員。
「よかったらこれ、使ってください」
何故か、変装に使っていた巫女衣装の上掛けを置いていく
「大事な装飾品を天狗に奪われたような……」と話すと、巫女姉妹の目の色が変わる。なんと彼女達は、一族を皆殺しにした仇である、天狗に扮した強盗を追って、諸国を回っていたのだった!
そしてそこに村からの急報が入る。村人の一人が惨殺、村の御神体が盗まれたのだ! ニューロ粒子が不安定な為、カモフラージュ機能を使えない沢嶋は、苦肉の策として、古橋隊員が置いていった上掛けを羽織り、巫女姉妹とともへ現場へと向かう。
「男巫女に化けますので」
沢嶋、巫女コス
惨殺死体が、タイムスクープ社規制によりモザイクかかっているなど、この番組の小ネタの挟み込み方は、相変わらず秀逸。
現場に残されたカラスの羽根から、村人はこれが天狗の仕業だと恐怖する。どうやら沢嶋の腕時計を奪い、巫女姉妹の仇である天狗姿の男は、人々の迷信を利用して恐怖をうまく煽る連続強盗殺人犯であるようだった。更に、集められた幾つかの情報から、近隣の領主・室尾が、妖術に凝って土地ごとの鎮守の神を集めている事がわかる。どうやら天狗の男は室尾と取引して、御神体を奪っていったらしい。
一致した利害の為、室尾の陣屋へと赴く事になる、沢嶋と巫女姉妹。
沢嶋、そのままでは目立つので、獅子頭を被る。
勝ち運の祈念に神楽を舞うと称して、陣屋の潜入に成功する巫女姉妹&沢嶋。舞もそこそこに、酌を要求され、襟元をまさぐられる巫女姉……を、部屋の隅でじっと見ている獅子頭(沢嶋)
「さっきから気にはなっていたが、その獅子は何だ」
――さすがに、私の獅子が怪しまれた。
近づいてくる室尾様。
沢嶋、貞操の危機
だがその時、天狗の男が室尾の元へやってきて状況は一変。沢嶋、危機を脱する。
御神体と金子の取引が行われ、その場で一席が設けられる。酒杯を口にした途端、血を吐いて倒れる室尾。杯に毒を塗って用済みの天狗を害そうとしていた室尾の企みを見抜いた天狗が、杯をすり替えていたのだった!
殺気立つ室内。室尾の部下に囲まれた天狗は、火縄銃をぶっ放して逃走。追いすがる足軽達も次々と銃弾に倒れていく。
――火縄銃は連続しての発砲が出来ない。弾を装填する合間を縫って接近していく!
と沢嶋がナレーションしているのですが、足軽達、へっぴり腰すぎて、射撃後に即突撃とかしない為、次々と殺られていきます。
一応ルールはあるのでしょうが、自分の腕時計を取り返すという目的もあるのに、女の子が撃ち殺されそうになっても、ひたすら見ているだけの沢嶋。だが遂に、巫女姉妹の短刀が天狗を背後から抉り、とどめの槍が腹を突き刺す。
こうして巫女姉妹の敵討ちは果たされ、沢嶋の腕時計と村の御神体も戻り、大団円。
後に残ったのは、
毒殺された殿様・頭吹っ飛ばされた足軽達・刺し殺された天狗姿の男
どう考えても、
犯人は、消えた巫女姉妹
旅の歩き巫女である姉妹はいいとして、この場合、報復にあうのは御神体を取り戻した村だな……。
と、一抹のアレな感じを残しつつ、スペシャル終了。
前シリーズ衝撃のラストからカラス天狗出現に繋げ、バイオレンスを交えつつ歩き巫女を中心に当時の呪術や迷信などを時代背景を交えてリポートする、充実の内容でした。
また是非、新シリーズをやってほしい。