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『超新星フラッシュマン』感想28

第47話「ワンダ!死の絶叫」
「聴け、デウス、おまえが生命改造実験の為に殺した、多くの生命のレクイエムだ!」
部長、超のりのりでセッション継続中。
UFOの中から響き渡るシンセサイザーの調べに、苦しみ続けるラー・デウス。駆けつけたリー・ケフレンは、社長のカルテが開示されているのを読みとり(どこに表示されているのかは不明、よくわからない)、その体が過去に幾度もの生命改造手術を受けている事を知る。
「わかったか……私の秘密
メスの究極の目的とは、この私が宇宙最強の存在になる事なのだ。
その為に、私は何百年にも渡って大博士と名乗るものから生命改造手術を受けてきたのだ」

社長、いきなりの告白タイム
メスの“大博士”とは、リー・ケフレン以外にも過去に存在し、ラー・デウスがケフレンに数々の生命改造実験を任せていたのは、「自分を改造するのにふさわしい“大博士”に鍛えあげる為」であった! 自分に改造させてくれるのかとちょっぴり喜ぶ専務だったが、
「たわけぇ! おまえにまだそんな力はない!」
と説教ビームを受けてしまう。
その姿に、自分の細胞を使ってくれと進言するワンダ。
一方、何故かラボーに侵入していたガルダが、全てを柱の陰から盗み聞きしていた……。
ケフレンの力をデウスに証明する為、フラッシュマンの元へ姿を見せるレー・ワンダ。ワンダーラに変身後、獣戦士・ザ・ワンダルとの合体攻撃によりパワーアップした《タイムストップ3秒殺し》は、もはや“3秒”に限らず、永遠に対象の時間を停止させる!!
4人を逃したものの、光線を浴びて停止してしまうレッドフラッシュ。
動きを止めたレッドをなぶり殺そうとするワンダーラ。4人はレッドを助けようとするが、バリアー(と言っているけど、時間の停止した空間、とでも捉えた方が格好いい気がする)に阻まれ、内部に攻撃が出来ない。
その頃、時村家の次女が父を助け出そうと、何を考えたのか、タイムマシンを弄っていた。
うっ、このパターンは……と思っていたら、次女が適当にタイムマシンを弄り、マシンが起動したのに合わせて、なぜかバリアー消失。
うん、まさかもうね、とんでもタイムマシンが、終盤までこれほど活躍するとは、思いもよりませんでした。というかもう、タイムとかマシンとか地平の彼方でどうでもいい謎のブラックボックスですよねこれ!



……すみません、あまりにあまりな展開に、ちょっと動悸が激しくなってしまいました。
タイムストップ空間が崩壊した隙をついて、レッドを助けて逃げ出すフラッシュマン。だがその逃亡中、とうとう太陽からの直射日光にすら、ダメージを受けるようになってしまう!
太陽のコロナ活動が収まり、なんとか普通に行動できるようになるフラッシュマンだが、その地球上でのタイムリミットは残り15日にまで迫っていた。更にワンダーラとワンダルに追いつかれ、5人はタイムストップ空間に捕まってしまう。
いよいよフラッシュマンに迫る最期の時……UFOから戦いを見物していたカウラーの後ろで映像を見ていた時村博士は、カウラーとガルダンの意識が戦闘の映像に逸れたその一瞬のタイミングに、転送ビームを用いてUFOからの脱出に成功する。
「私のタイムマシンを使えばフラッシュマンを助けられる」って、その確信は何故。
一応、そもそも博士の初登場回で、タイムマシンが獣戦士の次元バリアーと反応を起こしているというのはあったわけですが、それにしても、ご都合すぎるというか、意味不明すぎる世界。
都合良く、UFOのビームで時村家の研究室に着地した博士は、タイムマシンを起動。ワンダーラのタイムストップを打ち破ると共に何だか色々と大変な事になって、過去の時村家?を垣間見るフラッシュマン達。
エネルギーを使いすぎたワンダは、妖獣変化の力を失う。
「タイムストォォップ!」
「タイムストォォォップ!」
と必死に叫ぶシーンは、広瀬さん熱演で、ワンダのへたれぶりが全開に炸裂するいいシーンになりました。
続けて、ススキ野原での、レッドvsワンダ、最後の殺陣も格好良かったです。
エネルギーのほとんどを失ったワンダはプリズム聖剣の攻撃により全身に傷を負いながらも、最後の力を振り絞ってレッドフラッシュへと迫る。無言で待ち受けるレッドフラッシュ。突き出された渾身のキラーセイバーはその喉元に突き刺さる寸前で力を失い、止まる。
倒れ伏すワンダ、大爆発!
ここにメスは係長軍団の全てを失った……かに見えた。
だが、タイムマシンでフラッシュマンを助けた後、戦場を離れていた時村博士を再び捕らえようとしていたボー・ガルダンを、一つの影が奇襲する。それは、レー・ネフェル!
祝・真ヒロイン復活
先週、爆発しなかったので可能性はあるかもとは思っていましたが、本当に復活するとは思いませんでした。
なんだか、ネフェルさんを真似した結果、自分は先に爆死してしまったワンダ係長が、ちょっとだけ可哀想。
あ、巨大化したワンダルは、タイタンノヴァで瞬殺されました。
グレートタイタンは、この期に及んで、未だ劇中でかすり傷一つ負っていない気がする……。
ワンダは、ワンダはなぁ……「超パワー!!」の回で死んでおけば良かったような気がします。
まあ、着ぐるみでは無しに役者さん使っているので、そういうわけにも行かなかったのかとは思いますが、あそこで一度、絶頂期で死亡した後、カウラーが落ち着いた後の3クール目開始前後ぐらいで強化復活とかすれば良かったので無いかなぁ……。係長軍団の個性化が始まった所で、ナルシー設定の美形悪役ポジジョンにクラスアップしてレッドとライバル関係を築きかけたわけですが、「かけた」で終わって、そのまま部長に完全に食われてしまったという、悲惨な流れ。
課長昇進(妖獣変化)で一旦スポットライトを浴びかけますが、何が悪かったかといえば、《タイムストップ3秒殺し》が悪すぎました。。やたら技名を発してからの準備モーションが大きいのにフラッシュマンは発動するまでおたおたしているだけ、発動したら発動したで何故かワンダーラはしばらく見ているだけ、そして微妙に効果的でないダメージを与えて満足して終わり、という。加えて、効果的に使うと本当に必殺になってしまうというのが、何より致命的。
はったりと勢いで遂やってしまったのかもしれませんが、この必殺技は、本当に失敗でした(^^;
或いは最初に使った後、うまく制限をかけるべきだったと思うのですが、結局それが最後までかけられなかった。
せめてレッドとのライバル関係をちゃんと構築できていたらなぁ……監督がラストバトルを格好良く演出してくれたのが、せめてもの手向けとなりました。
フラッシュマンが地球に居られるのは、
あ と 15 日


第48話「カウラーの最期!!」
ネフェル、ガルダンを捕まえてラボーに帰還。
ガルダンを改造したデウス獣戦士ザ・ガルデスを連れ、フラッシュマンに挑戦状を叩きつけるネフェルさん。
行方不明の部下を気にしていたのか、乱入してきたカウラーと三つ巴の戦いになり、どういうわけか、獣戦士と人間と、二つの姿を行き来するガルダン。その攻撃を受けてカウラーは右手を負傷するが、プリズムエネルギーの不調により、フラッシュマンは変身を解除されてしまう。いよいよ5人の体は、そこまで弱っていたのだ!
フラッシュベースから、「頑張って」とか「立て、立つんだ」とかマグが声援を送るのですが、精神論ではなく、対策をもう少し立てろと、このロボットは正座させて説教した方がいいと思います。
サラを攫って、UFOへと逃げ込むカウラー。
右手を負傷したカウラーは、「本当の親の事を教えてやる」のを交換条件に、遺伝子シンセサイザーを弾くように強要する。フラッシュマンに変身する事も出来ず、カウラーの要求を呑むサラ。サラがシンセサイザーを弾きだすとガルダンも正気を取り戻し、ガルダンをUFOで回収したカウラーは、いい感じにハイになってきたのか、そのままラボー要塞へ突貫する。
一般兵を蹴散らし、社長室へたどり着くカウラーとガルダン。
度重なるシンセサイザーの演奏で弱っているのか、数百年かけて改造を続けてきた宇宙最強を目指す存在と大口叩く割にはけっこう苦戦するラー・デウス
そして遂にカウラーの一撃がデウスに致命の一撃を与える!
……割 れ た?
戦いの決着を陰で見ていたリー・ケフレンは、ラボー内部の装置を使って、二人を外へ排出。同時に、なぜかカウラーのUFO、墜落。
砕けたデウスの仮面を手に取ったケフレンは、その正体が遺伝子液の塊であった事を知る。「蒸発してしまえば終わり……」ほくそ笑むケフレン。その足下では、真紅の液体が妖しく蠢いていた――
一方、ラボーから外へはじき出されたカウラーとガルダンはフラッシュマン接触。ラー・デウスを倒した今、全ての雌雄を決するべく、暗黒のハンターとフラッシュマンの決戦が始まる!!
「夕陽を浴びて流れる血は、綺麗だぜ」
前回に引き続き、レッドvsカウラーが一騎打ち、他の4人はガルダンの相手、という構図(前回はレッドvsワンダ、4人vs獣戦士、という構図)。
夕陽を浴びて海岸線での立ち回りは、気合いが入ってさすがに格好いいです。
これまで圧倒的な戦闘力を誇っていたカウラーですが、デウス戦で、HPとMPが減っていたのか、レッドフラッシュに苦戦(カウラーにしてみればボス戦2連戦状態)。エネルギー鞭を槍に変形させて激闘を演じるものの、わずかな差で、プリズム聖剣が部長の鎧を貫く!
遂に倒れるサー・カウラー、その前にガルダンが立ちはだかるが、その時、遺伝子シンセサイザーの響きと共にラボー要塞が姿を見せる!
「カウラー、この宇宙では策略を使わねば生きていけんのだ」
全ては二人にデウスを倒させ、その後で、ガルダンを獣戦士に戻す事で部長とフラッシュマンを始末する作戦だったのだ、と語る専務。
作戦だったのだ!!と力強く言われましても、作戦だったの……? という感じだったりしますが(^^;
せめて専務が部長達をラボーに引き込むとか、そのぐらいは描いてほしかった所です。
そもそも、部長達のラボー突撃からして物凄く唐突で、あれよあれよという間に社長との決戦になってしまい、とにかく、話の流れが無い。
部長的には、戦闘中にシンセサイザー弾いてくれる人(サラ)ゲット! とかあったのかもしれませんが、その辺りの台詞や意思の説明が専務サイドも部長サイドも全く無いので、ラボー突入に至るプロセスが杜撰すぎて、後から「作戦」とか言われても、さすがに納得ができません(^^; ここは部長なりの展望を描いて突入させた所で、実は専務の手の上だった! という構成に本当はしないと格好がつかないわけですが、なんかもう、書いている人も、撮っている人も、よくわからなくなってきてないか……?(笑)
デウス亡き今、宇宙の支配者を標榜するケフレンに向けて、カウラーが吼える。

「何が宇宙の支配者だ。
ケフレン……貴様は地球人だ!
ケフレン、貴様が、ウジ虫と軽蔑していた、地球人だ!」

遂にカウラーの口から語られる衝撃の真実。
「地球人だ!」のところで、それまで鳴り響いていたシンセサイザーの音色がぴたっと止まる、という演出は格好良い。

「嘘だ! 私は地球人なんかじゃない!
私は宇宙一の天才だ、大博士リー・ケフレンだ!」

……正直なところ、この宇宙観における地球人のヒエラルキーがよくわからないので、天才だったら別に、地球人でも良いのではないか、とかいう気はしないでもありませんが。「フラッシュ星人だ!」ぐらいまで行けば衝撃的でしたけど。
巨大化したガルデスを、タイタンノヴァで今日も瞬殺したフラッシュマンは、地に倒れるカウラーの元へと駆け寄る。カウラーは、フラッシュマンに関わる全ての秘密を抱えたまま死んでしまったのか……だが!
「ケフレンを倒すまでは死ねん!」
目を見開いたカウラーは、最後の力を振り絞ってUFOを呼び、近づいていたサラを連れて飛び去っていく。
フラッシュマンが地球に居られるのは、
あ と 6 日
序盤から色々と贔屓されていたサラですが、ここに来て、最後のヒロイン推し。
最終回に向けて、ネフェルさんからヒロインの座を取り返せるのか?!
前回と今回に共通して明確になった事ですが、『フラッシュマン』最大の失敗は、敵サイドとフラッシュマン達の間に、個人的な因縁を構築できなかった事になると思います。
メス(エイリアンハンター)vsフラッシュマン、の間にはしっかりした因縁があるものの、それが個人レベルのドラマとして成立できなかった。
だから、レッドvsワンダにしても、レッドvsカウラーにしても、映像的には格好いいものの、ドラマが乗らないので、あと一押しの盛り上がりが無い。カウラーに関して言えば、5人で倒すか、ケフレンに倒させるか、の方が、作劇の筋としては成立するわけです。あそこで、レッドと一騎打ちする事に、“画が格好いい”以上の意味が全くない。その意味を、物語として付加出来なかった。これが失敗。
ワンダはともかく、カウラーは20年前に地球から5人を攫った、という極めつけの因縁があるにも関わらず、その因縁が戦闘に繋がるドラマと絡んでこない。
ただ、敵だから、そこで出会ったから戦闘、といった形になってしまっていて、そこへ至る積み重ねが無い。
これは、カウラー→ケフレン、ケフレン→デウス、にも言えて、個人単位のドラマの蓄積が薄いので、最終盤における各キャラクターの動きが全て成り行きに見えてしまう。
フラッシュマンに関して言えば“戦う理由”そのものはブレていないわけですが、逆に1話から全く前にも後ろにも進んでおらず、折角ブンが憎しみの連鎖を乗り越えたのも、やはり活かされそうにない。
1年やってきた作品としては、非常に残念。