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『超新星フラッシュマン』感想29

第49話「逆襲ラー・デウス
いよいよ最終決戦の時が迫る……!
時村博士は脱出に成功し、サー・カウラーはジンとの一騎打ちに敗れた。だが、最後の力を振り絞ったカウラーはサラを連れてどこかへ飛び去ってしまう。一方、大帝ラー・デウスの倒れたメスでは、実権を握った大博士リー・ケフレンが、自ら宇宙の支配者となる事を目論んでいた。反フラッシュ現象の進行により、フラッシュマンが地球へ居られるのは、あと6日。果たして、彼等はメスを討ち果たし、故郷を守る事が出来るのか……?!
さらったサラを田舎の民家に置き去りにするカウラー。
そこは、前回タイムストップ空間とタイムマシンの反応により 集団幻覚 タイムスリップ?でサラが目にした家だった。生活の跡が残る、うち捨てられた空き家の中で、サラは古い写真立てを見つける。そこには若かりし日の時村夫妻と赤ん坊が写っていた……!
どうやらカウラーは前回の「遺伝子シンセサイザーを弾いたら両親の事を教えてやる」という約束を守ったらしい。
……しかし、家ごと忘れているのか、博士?
写真に写る赤ん坊の首にかかった黄色い石を見たサラは、それが自分の変身ブレスに付いている物と同じ事を確信し、時村夫妻が自分の本当の両親であるという確信を深める。だがその時、突然の身を折るような苦痛がサラを襲う。同じ頃、サラを探し回っていたフラッシュマン達も同様の頭痛や吐き気に襲われていた。フラッシュマンが地球に居られるのは――あと4日!
一方、サラを生家?に送り届けたカウラーは、瀕死の体でUFOを操り、ラボーへと進路を向けていた。
「ゆくぞ、ケフレン……!」
UFO突貫……爆発
部長、玉砕して地球に散る。
ラストに男らしい所を見せ、いい最期でした。
前回、カウラーとレッドフラッシュが戦っても、もはや盛り上がりが微妙、と書きましたが、やはりカウラーとケフレンこそ、ぶつかり合うべきでありました。間接的とはいえ、最後にマッチアップが実現して満足。
社長、部長が次々と死亡し、遂にメス内部に敵対する者の居なくなった専務、社長の椅子に座ってみる。
多くの人が憧れるあれです(笑)

「大博士リー・ケフレン、、ついに今、改造実験帝国メスの頂点に立ったぞ!
 全宇宙の生きとし生けるもの全てを、この私の手で思うままに改造できるのだ!
 どれだけこの日を待っていた事か……」

「頂点に立った」というか、「独りぼっち」状態ですが……ネフェルさん復活はこの為か。
誰か一人ぐらい讃えてくれるキャラが残っていないと、あまりにも切なすぎます。
あと、やること変わってないような……
高笑いするケフレンだったがその時、床を伝う赤い遺伝子液が倒された筈のデウスの体に接触
社・長・復・活
……というか、入れ物、放置していたのか(笑)
「この私がおまえたちごときに負けると思っていたのか!!」
大激怒の社長ですが、もはやあまり説得力がありません。
「負けるものか、私には遺伝子シンセサイザーがある!」
閃光を放ちながら迫る社長に対し、遺伝子シンセサイザーを奏でる専務。その背後をネフェルがかばう中、響き渡るシンセサイザーに社長は苦悶の叫びをあげる。社長を自分の思うままに改造してやると吼える専務。
だが、社長も負けてはいない。
「地球人ごときにこの私が操られるものか!」
遂に、社長の口から告げられる真実。

「カウラーが言ったように、おまえは地球人なのだ! おまえは300年前に、この地球から誘拐されたのだ!」
この一言にとうとうアイデンティティの崩壊したケフレンは遺伝子シンセサイザーに崩れ落ちる……が、

「みんな……みんな改造してやる。
 生命改造こそが私の喜び。
 その中でも最高の遺伝子を持つ、デウス
 貴様を改造するのが、私の最大の喜びなのだ!」

社長「なに?」
DMC*1 DMC! DMC
「出たーーーっ! ケフレン様の1秒間に10回生命改造実験だ!!」
……ごめんなさい、でもなんかもう、こんな感じ。
辻褄とか物語性とか云々を通り越して、リー・ケフレン(清水紘治)の熱演が凄すぎて、全て持っていっています。
大博士リー・ケフレンのかき鳴らす遺伝子シンセサイザーの鬼気迫る音色がラボーに響き渡る!!
そして、異変を見せながら飛ぶラボー(やはりデウスと一心同体?)を見つけて追いかけていたフラッシュマンの前に、最強最大の獣戦士が放たれる。
「勝ったぞ……
デウス獣戦士デウスーラ、たんじょぉぉぉ!!」

ケフレンの改造実験に屈し、獣戦士と化したラー・デウスフラッシュマンに襲いかかる。だが、プリズムシューターの一斉射撃を受け、何故か元に戻る社長。
「ケフレン見くびるな、大帝ラーデウスの力を。フラッシュマン、よくもここまで逆らってくれたな。だがそれも、ここまでだ」
でも結局、戦う(笑)
番組史上最大量の火薬が炸裂し、吹き飛ぶフラッシュマン
その頃、サラを探し求める時村一家。そしてサラは、そんな時村一家の声に答える事なく、自らの生家を離れようとしていた。写真立てを見つめながら、
「お父さん、お母さん、て呼びたいんだけど、呼べないよね」
ここは良かった。
不思議空間へ引きずり込まれ、デウス相手に絶体絶命のフラッシュマン。その時、間一髪、サラが駆けつける。
5人揃ったら勿論、ローリングバルカンです。
直撃するローリングバルカン、だが、爆炎の中から社長が姿を現す。
「はぁ、ははははは、はは、あはは、ははははははははは!!!」
「よし、もう一度だ!」
またそれですか
最初から最後まで最強だったといっていいローリングバルカンの2撃目を受け、今度こそ砕け散るラー・デウス。クラーゲンによってデウスーラとして巨大化するが、フラッシュキングのスーパーコスモフラッシュを食らって絶命する。
この期に及んでフラッシュキングが大活躍だったのですが、この戦力比を見ると、結果的に、如何にズコンダが大金星だったかがわかります。
ローリングバルカンといい、フラッシュキングといい、フラッシュ星人の科学力は極悪すぎです。むしろ何故、もっと早くメスを殲滅できなかったのかと……おそらく、もう少しでメスを仕留められるぜひゃっはー、という時期に反フラッシュ現象が発見され、英雄タイタンが死亡、逆転されたとか、そんな所でしょうか。
遂にフラッシュマンはラー・デウスを倒した。
彼等が地球に居られるのは……あと1日
……あれ? いつのまに3日縮んだ?
ローリングバルカンの連続使用のせいでしょうか?
そして、爆発跡で怪しげに光る社長マスク。次回、いよいよ最終回!
今週は完全に、大博士ワンマンショー
結局、強いのかどうかよくわからない社長、とかどうでも良くなる勢いです。


最終話「さらば!故郷の星」
なんだかんだで、最後だと思うとOPも感慨深い。
デウスは死んだ。だが、デウス遺伝子は尽きる事がない」
ふわふわしていた社長マスクは、社長がしぶとく生きていたというわけでなく、社長を構成していた遺伝子液の影響らしいのですが、この辺りはもう、さっぱりよくわかりません(笑) もはやここまで来ると、どうでもいいといえば、どうでもいい。
「ラボーが壊れる前にフラッシュマンを倒さねばならん」と、ケフレンは遺伝子シンセサイザーを奏で、巨大化した社長マスクとクラーゲンが合体、最強獣戦士デーモスが誕生する。
社長が苦しむとコンピューターから火花出たり、社長がケフレンと争っている間に青い閃光が散ったりと微妙な伏線のあったラボー要塞ですが、結局、社長と一心同体という事で良いのでしょうか?
しかし……仮にフラッシュマンを倒してもラボー無しでネフェルさんとケフレンだけ居てもどうしようもない気がするのですが、専務も切羽詰まってちょっとよくわからなくなってきているっぽい。
フラッシュマンが地球に居られるのは……あと10時間
デウスーラを撃破後、フラッシュベースの医療カプセル内部で治療を受けていたフラッシュマンだが、デーモス出現の報にマグを振り切り、フラッシュキングで最後の決戦に挑む。
フラッシュマンが地球に居られるのは……あと8時間
一方その頃、廃屋に辿り着いた時村一家は、そこで写真立てとサラの置き手紙を見つける。
サラはてっきり真実は自分の胸だけに仕舞っておくのかと思ったら、全くそんな事は無いという。
「私はメスと戦う戦士です……(中略)……地球に居られるのも今日かぎり」
という、置き手紙の内容は、フラッシュマンらしさ全開ですが。
置き手紙とオーバーラップして描かれる、フラッシュキングとデーモスの戦い。今まで数多の獣戦士を打ち倒してきたキングミサイルもビームも通じず、コスモソードまで折れた!
デーモスにエネルギーを吸収され、倒れるフラッシュキング。
「遂にフラッシュキングを倒したぞ!」
……………………………………15話で(部長が)倒しましたよね、専務?
フラッシュマンが地球に居られるのは……あと6時間
フラッシュキングを脱出した5人は、通信を受けて時村夫妻こそサラの本当の両親であったという事を知る。「私だけ、親がわかったと喜べなかった」と言うサラに、「陽が沈むまでにメスを倒せば、地球を脱出する前に会う事ができる」と、団結を強くする5人は、フラッシュタイタンを発進させる。
フラッシュマンが地球に居られるのは……あと4時間
前座のタイタンボーイこそ軽くひねられたものの、ここで真打ち、グレートタイタン登場。
タイタンノヴァのエネルギーすら吸収しようとするデーモスだったが……やはりグレートタイタンは無敵だった。タイタンノヴァのエネルギーを吸収しきれず、デーモス大爆発。
グレートタイタンは、18話で初登場以降、2〜3話に1回ぐらいの登場ですが、結局、無傷・完封
しかし結局、フラッシュキングがコスモソードを受け取る時の「フラッシュキング・ジャンプ!」を妨害して、スーパーコスモフラッシュを破る、というネタは無かったなぁ……初めて見た時から、きっとやってくれると思っていたのに(笑)
……いよいよタイムリミットは残り2時間、不時着したラボーへ乗り込むフラッシュマン
襲い来る戦闘兵達を蹴散らし、遂にケフレンの元へ辿り着く。
フラッシュマンを確認後、何故かおもむろにフラッシュマンに背を向けてシンセサイザーを弾き始めるケフレンをかばい、プラズマ聖剣に貫かれるネフェル。
「おとう……さ……ま!」
今度こそ、爆死。
真ヒロインにふさわしい最期でした。
「ネフェル……!」
怒りのケフレン、杖から光線。
……てっきり戦闘力は無いのかと思ったら、自分で光線出せるのに、どうして乗り込んできたフラッシュマンに背中向けてシンセサイザー弾き出していたのか(^^; 演奏に没頭して奇襲を受けたとかならわかるのですが、一度フラッシュマンの姿を確認してから弾きだしたのが割と謎。
だが結局は大博士、復讐の超戦士フラッシュマンには敵うべくもなく、プリズム聖剣スーパーカッターがその体を両断する。重傷を負ったケフレンは、「遺伝子シンセサイザーで、地球に居られるようにしてやろう」と、悪魔の取引を持ちかける。
だが……!
「多くの命を傷つけ、弄んできた遺伝子シンセサイザー、そんな物の力を借りるわけにはいかないわ!」
ついに本当の両親を知り、最も地球に残りたい筈のイエローフラッシュ、その放ったプリズムシューターの閃光が遺伝子シンセサイザーに突き刺さる!
「私の、遺伝子シンセサイザー……」
シンセサイザーにすがりつく、リー・ケフレン。その指が、最後の力で鍵盤を叩く!

「さらばフラッシュマン
 さらば、地球よ!!」

飛び散る火花、崩壊していくラボー。
シンセサイザーを奏で続けながら、その中へと消えていく大博士リー・ケフレン。
「はははははははははっ、はははははははははははははははっ、あはははあははははは、あーっはっはっはっはぁーー! ははははは、はははははは! ははははははは!!」
20秒間、高笑い
大博士リー・ケフレン、自らのレクイエムを奏でながら、ここに散る。
終盤、組織の博士としてはぐだぐだでしたが、狂気の芸術家としての道は全うしました。
爆発四散するラボーを脱出したフラッシュマンは、勝利の雄叫びをあげる。
「遂にやったぞ!」 あと5分 「やったぁ」「やったー!」「「やった」「やったわね」
……すみません、そこでテロップ重なったのは、つい笑ってしまいました。
勝利の瞬間、しかし限界に達したフラッシュマンは変身も解除され、地面に崩れ落ちる。もはや、時村一家とサラを再会させるわずかな時間を得る事も敵わない。
「もうすこし、もうすこし……この星に……」
「うあ……ああ、ああ……」
「……はぁ、はぁ、くっ……!」
「うあっ……ううぅ……う……」
「うう……さようなら、お父さん、おかあさん!」
泣き崩れる5人。
敢えて必要以上に台詞を言わせずに、それぞれが慟哭と共に地球の地面をかきいだく、というのは良い。
なにしろ、
「フラッシュ星、本当にひどい星だった……」
だから。
残り1分、間一髪、駆けつけたマグのスターコンドルに回収されたフラッシュマンは、地球を離れ、宇宙空間へ。
20年前の真実に辿り着き、娘と姉を見つけながら、家族として直接の対面かなわなかった時村一家は、地球からそれを見送るのだった。そして戦いを終えたフラッシュマンは、いつの日か、反フラッシュ現象を克服して地球に帰ってこようと、誓い合いながらその身を休めるのであった……ありがとう、フラッシュマン、いつの日か、美しい地球の大地でまた会おう!
……というわけで、家族だとわかったサラと時村一家の直接の対面は果たせなかったものの、帰還と再会に含みを持たせ、エンド。最後に、「フラッシュ星の科学力ならきっと」と言わせてしまうのは余計だったとは思いますが、その辺りは視聴者層を考えれば、入れた方が無難といえば無難か。……少なくともダイは、数年後に初代艦長シュバリエ(『地球戦隊ファイブマン』)として帰ってきますが(おぃ)
さすがに、ラスト2話は盛り上げてきました。
特に、リー・ケフレン(清水紘治)は凄かった。
完全に、ラスト2話では、主役状態
まあ、嫌な言い方をすれば、敵役を派手に散らせれば、なんとなく収まりがついたように見えてしまう、という作劇上の効果はあるのですが、それにしても、見事な最期でした。伏線として49話の冒頭でカウラーの格好いい玉砕があり、そこから専務ワンマンショーに繋げたのも構成上の勝利。
……お陰で社長はちょっと情けなくなってしまいましたが、これは仕方ない。
ラスボスに社長を残すよりは、専務の方がやはり格好良かったと思います。
これで終盤、“メス内紛のぐだぐだ”とか“社長の正体に関するぐだぐだ”をもっとすっきりとさせて、フラッシュマンの鏡像としてのリー・ケフレン”に踏み込んで描けていればドラマとしての完成度は抜群に上がったと思うのですが、そこは残念。
あとは感情を普通に追いかければ仕方ないとはいえ、時村一家がサラ以外、眼中になくなってしまうのは、少々なんだかなぁ、とは。
最終的に、
「君たち全員が、私たちの子供だ」
的な展開を、個人的には期待していたのですが、まあ仕方ないか。
総括と、構成に関する分析などは、また後日。

*1:デトロイト・メタル・ケフレン