はてなダイアリーのサービス終了にともなう、旧「ものかきの繰り言」の記事保管用ブログ。また、旧ダイアリー記事にアクセスされた場合、こちらにリダイレクトされています。旧ダイアリーからインポートしたそのままの状態の為、過去記事は読みやすいように徐々に手直し予定。
 現在活動中のブログはこちら→ 〔ものかきの繰り言2023〕
 特撮作品の感想は、順次こちらにHTML形式でまとめています→ 〔特撮感想まとめ部屋〕 (※移転しました)

『電磁戦隊メガレンジャー』感想29

すみません、あまりにも最終話の感想が長くなったので、今日(50話)と明日(51話)に分割します(^^;
第50話「壮絶! 灼熱の超戦士ユガンデ」
あっれーーー
ユガンテ
ってずっと書いていました。
第50話(しかも2回目)にして、「ユガン」だった事が発覚。
……もう直しません、直しませんとも。直すの凄く大変だから(おぃ)
今回と次回だけ、正しくユガンデで。
卒業式を二日後に控えながら、健太達5人は地上の隠れ家に潜んだままだった。アイネットではメガウィンガーがネジレジアの本拠を捜索するべく軌道上から偵察を繰り返していたが、なかなか見つける事が出来ない。
食料の買い出しに出た瞬とみくは、「メガレンジャーが戦ってくれるのはいいけど、巻き込まないでほしい」という心ない声を聞く。落ち込むみくをなぐさめる瞬。
一方ネジレジアでは、起死回生の作戦として作戦目標をアイネット本拠地の奇襲に定め(振り出しに戻る)、メガウィンガーを追跡しようとしていたが、ステルス機能に阻まれ、尻尾を掴めない。ヒネラーが研究室に籠もりきりになる中、なんとか状況を打開しようと調査の手を伸ばすシボレナは、デジ研に侵入して、月面基地の情報を得る事に成功する。
珍しく、いい所に目をつけました。
これはアイネット、迂闊。



「敵は月だ!」
「月面? ……そうか。
 シボレナ……おまえにもう一つだけ頼みがある。この俺を、最強の戦士に改造してくれ!
 このネジレアクターをセットして」
「それはダメだ! 私にはできない」
「なぜだ?! おまえなら出来るはずだ」
「危険すぎる! 確かに一時的にはパワーアップするかもしれないが、
 その分、体内のエネルギーが一気に使い尽くされ……命を落とす事も」
「かまわん!
 これが最後の戦いになろうと……」
「ユガンテ……」
「頼むシボレナ……頼む!!」

なんか君たち、むしろ正義の味方みたいだぞ(笑)
(故意だとは思いますが)
強化改造を受け、真っ赤になったユガンデは、デジタル回線を通じて月面基地を強襲。メガシルバーと月面での戦闘となり、巨大化。メガウィンガーをはねのけて月面基地を破壊し、博士達はメガシップに退避して難を逃れるが、ボイジャーマシンが瓦礫の下に埋まってしまう。
地上では、メガレンジャーを誘き出す為にシボレナが街を襲撃。かなり派手にビルが吹っ飛んだりしているので、おそらくネジレジアの残存戦力のかなりを注ぎ込んでいると思われます。襲われる人々の中で、買い物先でメガレンジャーを悪く言っていた女性が「メガレンジャーはなんで早く助けに来ないの」と勝手な事を言っているのを聞くが、みくは結局は変身して助ける事を選ぶ。
この辺りのテーマは、主題に据えて突き詰めている作品が過去に有るので弱い所もありますが、正体厳守を貫いてきた『メガレン』なりには処理されていると思います。
シボレナから連絡を受け、地球へ向かおうとするユガンテを止めようと、メガウィンガーが足にとりつくが、切り伏せられる。そこへ現れたのは、ギャラクシーメガ! 
「こいつは我々が倒す!」
久保田博士&アイネット職員達の操るギャラクシーメガが攻撃。博士の指示でデルタメガも戦うが、しかし赤ユガンデの圧倒的な攻撃力の前に八つ裂きにされてしまう。3体の巨大メカの善戦虚しく、メガウィンガーも屠り、地球へと現れる巨大ユガンデ。
今までがあんまりだったので、デルタメガを一撃で粉砕する赤ユガンデの強く見えること見えること(笑)
ボイジャーマシンは発進不能、デルタメガは既にリタイア、追い詰められるメガレンジャーに巨大ユガンテの剣が振り下ろされる。しかし間一髪、メガサーベルがその一撃を受け止め、選手交代。
だが、赤ユガンデの戦闘力は、メガレンジャーが乗り込んだギャラクシーメガをも上回っていた! メガサーベルを折られ、倒れるギャラクシーメガ。動力回路を破壊されて絶体絶命に陥るが、とどめの一撃を放つ寸前、ユガンデの肉体が強化改造の限界に対し、巨大化状態を維持できなくなる。
デザインもかなり好きなのですが、やはり、ギャラクシーメガは(職員が乗っているのも含めて)格好いい。
負けるとはいえ、最後に見せ場がたっぷりあって大満足です。
人間大に戻ったユガンデと、最後の決戦に挑むメガレンジャー
5人の攻撃が次々と炸裂し、メガレッドのドリルセイバーがユガンデを両断……する寸前、割って入ったシボレナの背中を切り裂く!
ユガンデの手の中で倒れるシボレナ。怒りに燃えるユガンデは最後の力を振り絞って突撃するが、メガレッドのバトルライザー3段攻撃を受け、遂に力尽きる。
キング・オブ・ヘタレ幹部、ここに爆死
遂にネジレジア最強の戦士を倒したメガレンジャーだったが、アイネット側の被害も大きかった。月面基地は破壊され、デルタメガ殉職、メガウィンガーも戦闘に耐えられる状態ではなく、ギャラクシーメガも動けない、そしてボイジャーマシンは発進不能。切り札となる巨大戦力を失い、果たしてネジレジアに打ち勝つ事が出来るのか……?
その頃、自身の体がネジれるような異変を感じながらも究極の研究を完成させつつあるヒネラーの元へ、シボレナが帰り着いていた。


「ドクターヒネラー、ユガンデが、メガレンジャーの本拠地を破壊しました」
「なに、やつらの本拠地を! そうか、よくやった。で、ユガンデは?」
「メガレッドに……倒されました」
「ユガンデが?! ええいっ!」
「うっ……」
「どうしたシボレナ?!」
「来ないで!」
――既にメガレッドの攻撃で致命傷を受けていたシボレナは、近づこうとするヒネラーを押しとどめる。

「ドクターヒネラー……私に命を与えていただき、ありがとうございました」
「何を言っている」
「いつまでも…………あなたの、忠実な部下で居たかった」
「シボレナ……」
「さよなら……父上」
「シボレナ!」

――シボレナ、爆死。

ヒネラーはバラバラに吹き飛んだシボレナの部品の中に、二人で並んで映った写真(残されたメモリーの映像化?)を見つける。
「シボレナ…………おのれメガレンジャー……許さん! どんな事があろうとも、おまえたちを倒す」
絶妙なところでかかる、モーツアルト『レクイエム』より「ラクリモーサ」、シボレナ演ずる城麻美さんの熱演もあり、素晴らしくいいシーンになりました。モーツアルトのレクイエムは、クラシック引用の中でも屈指の卑怯BGMですが、ここはもう、素直に負けておく。
実際の構成では、この後に、ギャラクシーメガが倒れボイジャーマシンも発進不能、俺達は勝てるのか、というメガレンジャー側のシーンが入るのですが、ネジレジア側が悲惨すぎてメガレンジャー側の悲壮感が全く感じられないという(笑)
単騎での戦闘能力はもともと高かったユガンデですが、クライマックスで3体の巨大ロボを戦闘不能に追い込み、見事なリタイア。今まで、散々へたれ街道を驀進して声の無駄遣いをしてきましたが、ここぞの所での鈴置洋考の声も格好良すぎた。
脚本段階ではどの程度だったのかはわかりませんが、ユガンデとシボレナの絡みは、長石監督のちょっと助平な所と城麻美さんの色気がうまくマッチ、着ぐるみ相手に情感たっぷりに演じていただき、もう完全にラブシーン。
ところで、kanataさんからのコメントにもありましたが、配信の都合で同じ時期に見たからというのもあるでしょうが、メガレンはこの終盤に来て、『超新星フラッシュマン』が下敷きにあるのかなぁ……と思わせるところが幾つかあって興味深いです。
シボレナさんの立ち位置とか散り際とか(更に最終回で設定が明かされますが)ちょっとネフェルさんを想起させますし(よく考えると、武器も一緒)、Dr.ヒネラーはもしかすると、“序盤からしっかりと伏線を引いたリー・ケフレン”の描き直し、なのかなぁとか。
勿論、狂気の天才科学者、というモチーフ事態は連綿と存在するものですし、悪の組織のキャラクター造形というのも、ある程度、重なる事はあるわけですが、そういった部分が幾つかあるというのは、面白い。
(もっとも、戦隊物の新シリーズは、常にあらゆる過去の戦隊シリーズを参考にしている、とは言えますが)
そう思うと、デスネジロもラボーに似ているように見えてくるから不思議。
あと、たまーに、ヒネラーが使う悪魔科学装置は、そもそも遺伝子シンセサイザーに非常に似ています。
まあ、この造形・アイテムも、似た作品を探せば色々と出てくるだろうとは思いますけど。
この辺りは、最後に総括でもうちょっと詳しく書きたい予定。
……しかしこれ、配信スタッフは、意識したのでしょうか? 色々と各作品ごとに大人の事情などもあった上で配信作品を選定しているのかとは思いますが、この2作を意図的に同時期に配信したという可能性は、否定できない気はします。そして意識していたら、凄い。
次回、いよいよ最終回。メガレンジャーは、無事に卒業式を迎える事が出来るのか?! そして妄執のヒネラー、最後の戦いへ!

Lacrimosa

罪ある人が、さばかれるために、ちりからよみがえるその日こそ、涙の日である
願わくば神よ、かれをあわれみ給え、主よやさしきイエズスよ
かれらすべてにやすみを与え給え、アーメン