はてなダイアリーのサービス終了にともなう、旧「ものかきの繰り言」の記事保管用ブログ。また、旧ダイアリー記事にアクセスされた場合、こちらにリダイレクトされています。旧ダイアリーからインポートしたそのままの状態の為、過去記事は読みやすいように徐々に手直し予定。
 現在活動中のブログはこちら→ 〔ものかきの繰り言2023〕
 特撮作品の感想は、順次こちらにHTML形式でまとめています→ 〔特撮感想まとめ部屋〕 (※移転しました)

『大鉄人17』感想1

◆第1話「謎の鋼鉄巨人」◆ (監督:山田稔 脚本:上原正三
「だいてつじーん・わーんせぶん!」
三郎少年の叫びと共に手を広げたポーズから前奏と共にタイトル文字が入って、ワンセブンの変形シーンに繋がるOPが実に格好いい。
主題歌は、隠れた名曲。
国際平和部隊科学研究所において、世界中の人々をあらゆる災害から守る為、気象異変や地震の予知などを行っていた世界最大の人工頭脳ブレインが、研究所を破壊して逃走。物凄い巨大コンピュータなんですが、映像見る限り、「逃走」としか言いようが無いので仕方がない。大きさのイメージ的には、奈良の大仏が走り出す感じか。同日、研究所で夜間勤務をしており、ブレインの失踪後に行方のわからなくなったハスラー教授(大月ウルフ!)が事件への関与を疑われるが、ブレインともども、その行方は杳としてしれない。
いきなり疑われまくるハスラー教授は、どれだけ人望ないのか。
あと、やたら完全武装な警備隊は、明らかにテロとかではなく、ブレインを警戒していたよーな(笑)
ブレインに向けて撃ちまくっていたし
国際平和部隊の必死の捜索もむなしく、ブレインが消息を絶ってから1年――今日も国際平和部隊、別名、レッドマフラー(ナレーションでさらっと流されるけど、何故)はブレイン、そしてハスラー教授の行方を追っていた。
山間の村で、溝にはまったトラックを助けるレッドマフラー隊員。助けを求めてきた少年によると、そのトラックで姉が嫁入りだという。家の中から出てきた紋付き袴の両親と、白無垢の姉を見て、おもむろに隊員の一人がハーモニカで結婚行進曲を吹き出すというのが渋い。
一方、レッドマフラーの別働隊がとある山腹で不思議な震動音をキャッチしていた。そこに行き合う、嫁入りトラック一行。その時、突然の地滑りが起こり、レッドマフラーと嫁入りトラックはそれに呑み込まれてしまう……。
主人公の父さん母さん姉さん、嫁入りの日に死亡
現場に駆けつける佐原博士のもとには、絶望的な報告が届く。
「岡崎も……中津も……山田も……」
「おそらく、絶望かと」
と、Aパート超ハード。
唯一の生き残りとなった三郎少年はレッドマフラーの後続部隊に救助されていたが、目を醒ますと地滑りの時に見た謎のロボットに怒りを燃やし、山へと駆けていき、地下洞穴に滑り落ちる。そこでブレインと遭遇した三郎少年はハスラー教授とその部下に追われる内に、洞穴の奥に眠っていた17を発見。たまたま電源スイッチを起動し、目覚める17。しかし17を敵ロボットと認識した三郎少年は、17から渡されたヘルメットを投げ捨て、逃亡する。
1年の経過により、ハスラー陣営に部下(もろにナチっぽい服装)が居たりするのが自然なのは良いところ。
レッドマフラーの基地で、自分の見たものを妙に達者な絵で説明する三郎少年……そこに、東京郊外に怪ロボット出現の報が入る!
現れたのは、地均しロボ
巨大ローラーで街を破壊していくロボットの前に奮戦するレッドマフラーだが、次々とやられていく。
なぜか、博士の乗ったヘリの攻撃が、一番効いた!(笑)
基地のオペレーターのお姉さんが博士の娘である事が会話から判明するのですが、職場で「お父さん」と呼ぶ娘も、それを普通に受け入れている博士もどうか(^^; まあ博士のレッドマフラーにおける立場もよくわからないのですが。通称「博士」なのに、何故か中井隊長ら実働部隊の指揮権を握っているみたいですし。
両親と姉の仇、とローラーロボの眼前に特攻し、拾った手榴弾を投げつけたりする三郎少年だが、あわやローラーでぺしゃんこの危機……その時、地中から現れてローラーを弾き返す巨大な手!
山中で三郎少年が出会った巨大ロボは地均しロボを殴り倒すと、必殺グラビトンで地均しロボを撃破する。
果たして、この巨大ロボは敵か味方か? そして、全ての糸を引くのはハスラー教授なのか……?!


◆第2話「地上最大の巨人頭脳」◆ (監督:山田稔 脚本:上原正三
ワンセブンを見て、
「三郎くんがジャングルで出会った、ロボットだな」
と曰う佐原博士。
いったい日本の山中のどこにジャングルが
立ち去ろうとするワンセブンを追うレッドマフラー。いつの間にやら関係者のように「僕も行きます!」とヘリコプターに乗り込む三郎少年だが、17はスモークを出して逃走。
場面変わって、両親と姉の墓に合掌する三郎少年と、佐原一家(博士、オペレーターの姉、三郎と同世代ぐらい?の妹)。
特に説明も言及も無いのですが、三郎少年は佐原家の養子か何かになったという事なのかな……? 博士、いい人そうというか、昭和の金持ちの匂いが凄くする。
そこへやってくる、声の渋い中井隊長と、部下二人。妹によると、オペレーターの姉と中井隊長は結婚を控えているらしい。
やめてー、死亡フラグやめてー
にしても、妻がオペレーターで、義父が上司とか、嫌な職場だなぁ……。
一方ハスラーとブレインは、世界中の凶悪犯を集めて手駒となるブレイン党を組織しようと、ハリケーンロボットで世界中の刑務所を襲撃し、凶悪犯達を集めだす。世界各地で起こる被害に紛糾する対策会議。
行方不明のハスラー教授がブレインを操っているとすれば、ブレインの超生産能力により、どんな侵略ロボを作ってもおかしくないという博士の意見に、上層部は総攻撃を決断する。だが、侵略ロボの戦闘力は絶大であり、いたずらに攻撃をしかけても味方の被害が増えるだけ……と苦悩する博士。
(兵士達の命は無駄にしたくない。どうすればいい)
回想の中井隊長「ブレインは殺人マシンになってしまったのです」
(そんなつもりで作ったのではなかった……)
薄々そんな気がしていたけれど、やはり元凶は貴方か
そこへ中井隊長が作戦を上申する。相手の思惑を逆手に取り、凶悪犯に化けてブレインの基地に潜り込もうというのだ。話を聞き、止めようとする姉。
姉「やめて、やめてください」
隊長「チエさん……」
姉「お父さん、やめさせて」
隊長「ブレインを破壊しない限り、僕たちの幸せはないんだ」
いいから職場で「お父さん」はやめなさい
結局、博士は隊長の作戦を承認。ライフル強盗に扮して銀行を襲った中井隊長は、これまでは刑務所や護送車ごとだったのに、なぜか単品で運ばれる(笑)
ハスラー教授の適当すぎる面接によりさっそくブレイン党に組み入れられた隊長は、ブレインの元へ潜入して銃口を向けるが、ブレインに変装を見破られ、捕まる。一方、レーダーで隊長を追っていたレッドマフラーは、再び、あの山へ。三郎少年は先週捨てたヘルメットが落ちているのを見つけ、何故かおもむろにかぶってみる。そしてその先で彼等が発見したのは――
拷問の後も生々しく、十字架にかけられ、絶命した中井隊長の姿であった
その十字架に残された、「ブレイン・ハスラー」という血文字。
ブレインとハスラーが繋がっている事は判明したが、中井隊長という犠牲はあまりに大きかった……そこへ、東京をハリケーンロボが襲撃する!
隊長の弔い合戦だと意気込むが、次々とやられるレッドマフラー。
だからなぜ、三郎少年とオペレーターが最前線に出るのか。
この辺りのご都合というよりも杜撰さは、いかにも大先生脚本。
それにしても、兵士の損耗率が激しすぎるのですが、まあ毎回律儀に一般兵が死んでいくのは最初の内だけかもしれませんが。変身ヒーロー作品でいうところの戦闘員ポジションが居ないのでその分を回しているのかと思いますが、レッドマフラーの名も無き兵士達がそれなりに居て、ばたばたやられていくのは特徴的。
このまま、怪ロボットの前になす術もないのか……? その時、三郎の足下に転がる例のごついヘルメット。
………………どこから出てきた?
ワンセブンと三郎を繋ぐ超重要アイテムの筈なのに、1話では投げ捨てられ2話でおもむろに拾って被ったかと思えば隊長の磔死体を見ている内にどこかへ消えクライマックスではどこからともなく転がってくるという物凄いぞんざいな扱い
そしてまた、おもむろにかぶってみる三郎
少年だから仕方ないで済まされないレベルで、野生の勘だけで生きている主人公。
そこへ飛んでくる、ワンセブン。
まるで三郎の呼びかけに応えるかのように奮戦したワンセブンは、ハリケーンロボットを撃破。そして三郎少年を手に乗せ、自らの名前を胸のマークで告げる。
その名は……17(ワンセブン)
大鉄人ワンセブン


その頃、ハリケーンロボを撃破されて激昂したハスラー教授は、より強力なロボを作成するようブレインに喚くが、立ち去ろうとしたその背に、思わぬ声がかかる。

ハスラーくん」
「……ハスラーくん? 私のことかね?」
「そうだ、おまえのことだ」
「無礼な! たかがコンピュータごときに、おまえ呼ばわりされる覚えは――ないわいっ!」
「そんな口を私に聞いていいのかな、ハスラーくん」

ブレインの威嚇攻撃を受け、呻くハスラー教授。
早くも、立場逆転(笑)
ブレインはデザインもいいし、声が渋くて格好いい。
ハスラー教授も素敵。


白無垢で化粧していた為によくわからないのですが三郎の姉と佐原姉はそっくりという演出があり、どうも二役で、第1話では嫁入りの日に自分が死に、第2話では結婚を目前にして婚約者が死ぬ、という、チエさんが不幸すぎる
次回予告でほぼバレしていたとはいえ、やたらに渋い声でキャラも立っていた中井隊長の死亡はかなり衝撃的。
70年代、恐るべし。
小道具の整合性とか最初から取る気の感じられないめくるめく大先生脚本は、いっそここまでくると面白いので本当に凄いと思う(笑)