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『特救指令ソルブレイン』感想5

◆第9話「父と娘の赤い絆」◆ (監督:小西通雄 脚本:宮下隼一)
銀行強盗の車を追って、珍しくごく普通にカーチェイスするソルブレインだったが、逃走車が他の車と衝突。乗っていた少女・神崎茜が重傷を追ってしまう。極めて珍しい血液の為、ハーグの血液センターから輸血用の保存血液が手配されるが、それが届くまで体力が保つかもわからない、極めて厳しい状況に関係者の焦りが募る。
そんな中、病室に現れた茜の父は、毒性の高い化学物質を不法投棄している疑いで内偵が進んでいる中光化学の社長、神崎栄三(時村博士ぇぇぇぇぇ!!)であった。
やってる。間違いなくやっている(おぃ)
上述の理由から取り巻きとソルブレインの間の険悪な雰囲気をわざわざ描くのは、この作品のいい所。神崎サイドが警察に非協力的なのも、伏線として機能。
……しかしまあ、警察の捕り物に巻き込まれて娘が重体で、病室に行ったらうすらでかくてちゃらちゃらした若いのが、黒革・黒革・茶革、で並んでいたら、それはイラッとするよね……!
玲子さんがまた、に戻ってしまったのですが、絵的に暑苦しくなるので、前回までのように、カラーリングで彩りを添えた方が宜しいかと思います。
その頃、中光化学の不法投棄に関わり会社から尻尾切りをされた男の娘、早瀬美穂は新聞でこの事件を知り、空輸されてきた保存血液を盗むと、神崎に取引の電話をかける。事件を知り駆けつけた大樹達に、神崎社長は「1億円と引き替えだと言われた」と語るが、電話を受けた妻の態度に、この事件には何か裏がある、といぶかしむ大樹。そう、美穂の目的は金などではなく、中光化学が毒物の不法廃棄を認め、その工場を閉鎖する事。そして毒物の影響で今も苦しむ父に償う事であった!
尾行をまかれた大樹から連絡を受けて神崎妻に追い込みをかけた本部長は、電話の内容と事件の裏の真実を聞き出す。一方、取引現場で美穂と対面した神崎社長は、「たとえ娘の命をたてにとられても、聞けない事がある」と、生死の境をさまよう娘よりも会社を優先し、あくまで金でかたをつけようとする。
神崎家と早瀬家の二つの家族の思いに、社長の会社への思いも絡め、あくまで神崎社長が根っからの極悪人というわけではなく(悪い人なのは確かなんですが)、一つの会社を背負ってしまったものとしての葛藤がある、としたのは良いところ。
結局、交渉は決裂。攻撃的な社長の部下二人は美穂を縛り上げた上に時限爆弾を設置して彼女を亡き者としようとし、娘の命を諦めた社長を急き立ててその場を去る……話の都合により、むしろ部下二人の方が悪い人と化すのですが、時限爆弾で木っ端微塵にするぐらいだったら、拷問でもして血液の在処を聞き出せばいいのにと思うのですが、まあ、絵的にできないか(^^; ただ、交渉決裂→即木っ端微塵、で血液の在処を探す努力を一切しないのは違和感というか、部下二人が超酷い。社長に対して。
正木から得た情報を持って大樹達は中光化学に乗り込むが、神崎社長の態度はにべもなく、松田の罵倒にも無言。
会社の廊下に立っているドーザーが怖いけど、それでも無言。
そこへ現れた本部長、おもむろに神崎社長に近づくと、制服の内側からポケットレコーダーを取り出す。
「パパ……私の言う事を聞いて……」
息も絶え絶えな娘の呼吸器を外して、レコーダーに録ったコメントを、社長に突きつける正木
本部長、超鬼畜
……そうか、正木はこうやって、今の地位を確立したのか
かねてから、《寝業》や《根回し》が得意スキルと思われていた本部長ですが、遂にその片鱗が公開。
思った以上に凶悪でした
崩れ落ちる社長。
時限爆弾の話を聞いたソルブレインは美穂の囚われた工場跡に向かい、無事に彼女を救出。
今週も、ジャンヌとドーザーは何の役にも立ちませんでした。
神崎社長は会見で自分たちの罪を告白、美穂は血液の在処をソルブレインに託し、神崎茜の手術は無事に成功。美穂の父も最新の治療を受ける事が出来るのであった……そして娘は逮捕(多分)。というか娘をちゃんと捕まえないと、テロリズムを許容する事になるからなー。目的は手段を正当化しないんですよ?
前半、登場人物それぞれの立場と想いが交錯する展開は悪くなかったのですが、取引の時に、部下二人が血液を探そうともしないというのは、やはり問題。あの二人にとっては、社長の娘 < 会社、なところが冷たく描写されているといえばされているのですが、探すフリぐらいしましょうよ、と。あと神崎茜さんがあまりにも嘘っぽい人格者になってしまったので、最後の病室のシーンは要らなかったかな、と。
基本的にレスキューシリーズは、ラストで大団円の雰囲気を出そうとしている時ほど、造っている側が「これで済まないよなぁ……」と思っているっぽいのが透けて見えて困ります(笑)
むしろ、どす黒い。
そして真っ黒な正木回でした。
まさか、こんな形で正木回とは。
で、次回、


誕生! 老人放火団

ナレーションが疑問の余地なくおかしい。
日の丸鉢巻きの老人達が火炎瓶投げるとか、予告映像が既に頭オカシい。
ワクワクしますね!(おぃ)