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『特捜エクシードラフト』感想19

◆第37話「復讐の爆走ロード」◆ (監督:三ツ村鐵治 脚本:中野睦)
白バイとパトカーに追われる漆黒のライダー。対向車と衝突して吹き飛ぶも……走って逃げる。
ライダーは、通称“ブラック・ウェンズデー”。この一ヶ月、決まって毎週水曜日の朝6:00に盗難バイクで第四京浜を暴走するが警察から逃げおおせ、一般警察では手に負えないと、エクシードラフトに逮捕命令が下される。
そのブラックのスーツが、開発中の衝撃吸収スーツに酷似している事に隊長が気付き、手始めに開発している稲垣博士に話を聞きにいく。しかし衝撃吸収スーツは未完成であり、まだ複数回の衝撃吸収に耐えられる段階ではなかった。ではいったい誰が、衝撃吸収スーツを完成させたのか……?
尺の都合で仕方ない面もあるのでしょうが、これまでも何度か使っていますが“たまたま読んでいた雑誌に情報が……”パターンはやはり厳しくて、まだシムなど、スーパーコンピュータの出鱈目検索能力の方が納得いくような。
翌週水曜日、ブラックを待ち伏せし、追撃するエクシードラフト。バイクで走るブラックを、ターボユニットでブルースが追いかける、の図は面白かった……隊長ならマッハを超えられるから、すぐに捕まえられた気もしますが(笑)
連携包囲でブラックを追い詰めるエクシードラフトだったが、突然投げ込まれた爆竹に気を取られた隙に逃げられてしまう。爆竹を投げて逮捕を妨害した少年は、山口洋一。衝撃吸収スーツの研究者にして、稲垣博士の先輩にあたり、半年前に死亡した山口シンイチ教授の息子であった。
事件の裏にあったのは、研究を全て自分の功績にしようとする稲垣の欲望であった。稲垣と手を組んだ産業スパイ・シバタは、山口教授の研究資料を盗む際に研究所に放火、博士は死亡。洋一の目撃証言があったにも関わらず、警察は事件を漏電による失火として片付け、警察に強い不審を抱いた洋一は、事件の真犯人を暴き出す為に、水曜日の朝6:00――研究所から火が出た時間に、衝撃吸収スーツを身につけたブラックウェンズデーを走らせていたのだ!
しかし、山口博士の縁者に、ブラックウェンズデーと思われる人物は居ない。洋一少年が「お兄ちゃん」と強く慕うブラックは、いったい何者なのか――?!
「いったいブラックウェンズデーは誰なんだ?」
超直球で洋一少年に問いただすも、少年の根深い警察不信の前に、あえなく玉砕する隊長。
ヒーロー達の所属組織に対してゲストが露骨に悪意を向けられる、というのはレスキューシリーズの面白い要素の一つではあります。その点も汲み取った上で、一般の巡査警官を格好良く描いた前作第14話「愛を呼ぶ銃弾」という秀逸回もありました。
「こうなったら今度の水曜日に決着をつけるしかない」
と、ブラックを待ち受けるエクシードラフトだったが、警察の積極的な介入を受け、シバタが洋一少年と接触。洋一少年を背にいつもと違う場所に現れたブラックは、約束の場所で、稲垣、シバタと対峙する。父殺しの真犯人をあぶり出す為、虎口に飛び込む洋一、そんな洋一を脅して完成した衝撃吸収スーツを入手しようとする稲垣達。だが……
「衝撃吸収スーツが本当に完成したと思っていたのか?」
「馬鹿な、じゃあその男はどうしてビルから落ちて死ななかったんだ」
「それはブラックウェンズデーが、ロボットだったからさ」
ブラックウェンズデーの正体は、山口博士がスーツの実験用に作ったロボットだった! 洋一は、衝撃吸収スーツが完成したように見せかける事で、真犯人の注意を集めていたのだ。
人道的なのは間違いないけど、そのロボット組む予算で色々出来そうだよ?! と思ったのですが、この世界の標準から言うと、顔も擬装していないし会話能力も持たないし、さして高性能ではない気がするので、意外と安いのもかもしれないブラックウェンズデー。高性能なヒューマノイドロボットが溢れすぎて、「実はロボット」ネタはもう、驚きが無いのが恐ろしい(笑)
ちんぴら達に囲まれるも、ロボット大暴れ。大活躍するが、シバタの持ち出したバズーカで左腕を吹き飛ばされ、洋一を守って崩れてきた鉄骨の下敷きになってしまう……そこへ駆けつける、エクシードラフト。
えーなんか、シンクレッダーさんが、威嚇と言っていいのか悩むレベルで、生身の人間に向けてバルカンカートリッジ撃チマシタ。
稲垣達を逮捕したエクシードラフトは、ビルドライバーで鉄骨の下から洋一を救出。
そしてシンクレッダー、
工場の崩壊を食い止める為に
屋根をサイクロンノバで消し飛ばしす(笑)
正義とか悪とかではなく、純粋に強い力が、人を狂わせるのです……!
事前にバルカンカートリッジを使っていなかったら、大胆なナイス判断、と思えたかもしれませんが、直前にバルカンを乱射している為に、もう、オーバーキル兵器の暗黒面に飲み込まれたようにしか見えません。
もはや、レスキューポリスシリーズ名物。
洋一少年を遠ざけ、爆発の中から、ロボの上半身だけでも救い出すシンクレッダー。洋一少年の為に戦い、彼を守り続けたロボは、その腕の中で機能を停止するのだった……。欲望、復讐、そして警察の怠慢が生んだ不幸に隼人は涙し、洋一は父の復讐の代わりに、自分がかけがえのないものをまた一つ失った事を知る……と、最後は無言のロボが効き、私がこういうネタを好きなのもありますが(やや無機質系のロボットと人間の交流とか)、綺麗にまとまりました。
ただ、クライマックスのロボはアクション含めて格好良かったけど、他はテンポ悪し。演出も物語も、全体通して、だらだらとしてしまいました。今更ながら思うに、情報収集シーンはなるべく3人を分割しないと、画面上に最低4人(うち最低でも男3人)というのは、やはり画面が重い。
…………次回、また、扇澤さんがやってしまうのか……?


◆第38話「不発弾、出前一丁」◆ (監督:三ツ村鐵治 脚本:宮下隼一/鈴木康之)
と思ったら、扇澤脚本では無かった。
「たった今、根来商事で銃器の搬入が行われてるぜ」という密告電話を受けた耕作、「内偵通りだ」と単独で根来商事に向かい、会社に運び込んでいる段ボールをあらためようとする。
「捜査令状はお持ちかな?」
「この箱から、銃や爆弾がごっそり出てきた時に、そんな強がりが言えたら、大したもんだ」
……いやでもね、耕作さん、幾らここが世紀末TOKYOディストピアだからといって、密輸した銃器の運び込みを、真っ昼間から通りに面した玄関ではやらないと思うんですよ(笑)
そして耕作が開いた段ボールの中から出てきたのは……「HAHAHA、これで今日から君もムキムキさ!」的なバネのついた運動/健康用具のたぐい。
根来商事から追い返された耕作、
「馬鹿者!」
と本部長に怒られるが、一方で内偵を知った上での罠の可能性が示唆される。根来商事が牽制を仕掛けてきたという事は、既に武器は国内に運び込まれてどこかに保管されている可能性が高い。痛恨の捜査ミスはあったものの、エクシードラフトは捜査の続行を決定する。
まあ、世紀末TOKYOディストピア税関が機能していないのは有名ですし。
「おうらっしゃい、セクシードラフトのあんちゃん」
五代作吾という老人のやっているラーメン屋台へ入った耕作、屋台を手伝っている少年・太郎と出会う。作吾の住むアパートのお隣さんで、母親が遅くまで仕事をしている間に預かっている兼手伝いをしてくれているという太郎少年は、作吾にとっては孫のような存在であり、また、勝の同級生。
ここで、勝の塾のテストの話から東京大空襲に繋げ、作吾の友人で元大工のモキチも混ぜて、戦争ネタの伏線。
そんなある日、取引前に根来商事が武器の確認を行っている現場を目撃してしまう太郎。作吾と一緒にエクシードラフトへ駆け込むが、隊長と耕作が突入した時には、倉庫は既にもぬけの殻。根来商事の様子を確認しに行った拳も、怪しい荷物の運び込みを目にするものの、先日の捜査ミスから中を確認するに至らず、社長のはったりに追い返されてしまう。
取引を先延ばしにした根来商事は武器を一時的に社内に保管すると、目撃者である太郎を始末しようとし、車で轢かれた太郎は意識不明の重体に陥る。
…………目撃証言を「信じてる」とか言った割には一切ガードつけてないとか、本日は捜査ミスが多すぎやしませんかね、エクシードラフトの皆さん?
太郎が轢かれたのは根来商事による口封じに違いない、という話を漏れ聞いた作吾は怒りを燃やし、たまたま、工事現場で不発弾が発見された現場に行き会う。
「俺に任せとけ! 俺は、空襲をくぐり抜けてきた男だ!」
パニック状態の作業員はついそれに従ってしまい、荷台に不発弾を載せたトラックで根来商事へとカチコミを敢行する作吾。途中でトラックがエンストで停止してしまうが、ラーメン屋台を引いたモキチが現れ、二人は不発弾付き屋台を引っ張って、根来商事へと突入する!
屋台で突入する、というのが今回の面白い所の筈なのですが、そこに繋がる必然性が薄かったのは不満。“不発弾の入手”が偶然に頼るのは仕方ないとして、それが屋台に搭載されるまでの顛末というのが非常に重要だと思うのですが、それが“トラックのエンスト”で済まされてしまったのは残念。サブタイトルにまでしたわけですし、テーマとはまた別の面白さを、その部分に何とか組み込んで欲しかったです。
「爆弾が迫っているから早く武器を持ちだして逃げろ」という本部長からの電波的な連絡を鼻で笑って斬り捨てる根来商事だったが、そこへ本当に、不発弾が乗り込んでくる。太郎の敵討ちだ、と信管を叩いてもろともに果てようとする作吾とモキチ。そこへ駆け込んでくるエクシードラフト、そして勝。
「お爺ちゃん! また、焼け野原を作るの?!」
「親爺さんの家族を奪った焼け野原を、今度は親爺さんが作る事になるんだぞ!」
「儂は…………儂は…………!」
勝と耕作の説得を受けた作吾は崩れ落ち、不発弾の爆破は回避された……かに思えたが、それはそれとして、この場を切り抜ける為に、事務所に堂々と置いていた段ボールの中から武器を取り出し、銃撃を開始する根来商事の皆さん。そして何を思ったのか、先ほどまで怯えていた爆弾に向けて、榴弾を投げつけるチンピラA。
全て台無しに(笑)
レッダーは信管の作動した爆弾を抱えて外へと走り、根来商事の面々は、ブルースとキースが撃破、逮捕。ターボユニットで採石場へ辿り着いたレッダーは、放り投げた爆弾をサイクロンノバで消滅させ、処理に成功。そして病院からは、太郎が無事に意識を取り戻したと連絡が入るのであった……!
プロットはわかるのですが、過去の戦争への怒りと悲しみと武器売買への憤りと少年の復讐、というのがうまくシンクロせず、物語としての焦点が定まりきりませんでした。その為、クライマックスの説得シーンも、何をどうやって説得しようとしているのか、若干ちぐはぐ。
勝の思考として普通に考えれば、「そんな事をしても太郎が悲しむだけだよ!」みたいな台詞が最初に出てくるのが自然で、それが一足飛びに「焼け野原」に繋がってしまい、なぜか作吾の復讐ではなく、作吾の復讐の結果、を止めるような言葉になってしまっている。これは小学生としては弁が立ちすぎですし、そこを重ね合わせたかったのはわかるのですが、劇中で重ね切れていない。
やろうとした事が何となく見えるだけに、一歩二歩と足りない。
あと、前半の方にやっていれば話は別だったかもしれませんが、爆弾の危険性を訴える横に、爆弾より危険な武器を持った人(シンクレッダー)が立っているというのが、どうしてもギャグにしか思えませんでした(^^;
結論:宇宙人が悪い。
劇中のピントはともかく、締めのナレーションは格好良かったです。
「エクシードラフトの活躍によって事件は解決した。だが、人々の笑顔の中に眠る、哀しみという名の不発弾は、永遠に消えないのかもしれない。時がどんなに流れようとも」
なお、この連名脚本は前作の42話、45話で、大きくやらかしているコンビ。その時に比べればだいぶマシではあるものの、相変わらず色々と穴は多く、後ろの人は、いったい何なのだろう……。
(※参考:『特救指令ソルブレイン』まとめ4