はてなダイアリーのサービス終了にともなう、旧「ものかきの繰り言」の記事保管用ブログ。また、旧ダイアリー記事にアクセスされた場合、こちらにリダイレクトされています。旧ダイアリーからインポートしたそのままの状態の為、過去記事は読みやすいように徐々に手直し予定。
 現在活動中のブログはこちら→ 〔ものかきの繰り言2023〕
 特撮作品の感想は、順次こちらにHTML形式でまとめています→ 〔特撮感想まとめ部屋〕 (※移転しました)

『五星戦隊ダイレンジャー』感想23

◆第43話「激白 禁断の過去」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:杉村升
コウ母を巡る乱戦の中で、コウ母とホウオウレンジャーをまとめて攻撃するシャダムだが、二人を助けに白虎神剣が飛んでくる。シャダムは白虎神剣を捕まえて姿を消し、イカヅチ、阿古丸、事務員達も撤退。なんとかダイレンジャーはコウ母の救出に成功するが……いい加減、名前を(笑)
一方、地上に降り立った大神龍におののく人々……「何あれ」……っていや、つい一ヶ月ほど前に東京を大破壊したのですが。
なんかこの世界、途中で何者かに改変されていそうで怖くなってきました(笑)
神龍が放つ謎の光を浴びた人々は、突如、人相が変化し、高い所にずらっと並ぶように。それは大神龍による催眠術であり、とっとと戦いを止めないとこの人達を端から転落死させるよ? というえらくピンポイントでミニマムな脅迫と警告であった。
月で一休み中に、随分と人間社会の事を勉強したようです、大神龍
もっとこう、問答無用で超越しているから良かったのになぁ(^^;
神龍によるこの暴虐を止めなければならない……しかし、ゴーマに停戦協定を守るつもりはない……いったいどうすればいいのか煩悶するダイレンジャー
道士「まずは、コウを探すのが先だ」
……いや申し訳ないけど、それもはや、凄く些少な問題になっているような(^^;
お互いの問題の重要度が潰し合っていて、物凄く食い合わないのですが、どうしてこんな重ね方をしてしまったのか。
コウ母によるとコウの誕生日は12月24日――それはもはや、明日に迫っていた。そしてコウのゴーマ化を防ぐには、白虎神剣で洗礼の儀式をしなくてはならない。この窮地に「白虎神剣は私が取り戻す」と道士カクはコウ母を守っての待機を命じ、前回の休戦協定の際の不可解な動きも合わせ、改めて道士に不信感を抱くダイレンジャー達。ネタ抜きで胡散臭くなってしまった道士は、再び輿でゴーマ宮へと向かうが、そこではゴーマ15世が阿古丸をゴーマから追放していた。
前回から急に社長相手に主導権を握ったシャダム事務長ですが、浮気の証拠写真でも突きつけたとしか思えません。
にしても阿古丸は、前回登場時に“なんでも見通せる千里眼”を手に入れたと発言しているので、出生について疑問があるなら、駄目父に質問しないでそれを使えば良いと思うのですが、辻褄合わせの為に“千里眼”を装備させたら、新たな矛盾が生じるという、恐ろしいデフレスパイラル
道士の帰りを待つダイレンジャー、コウ母はリンの部屋でコウの写ったアルバムに目を通し、男衆は部屋の二酸化炭素濃度が上がるので、12月23日の路上で放置プレイを受けていた。
気力があるから大丈夫!(多分)
「阿古丸は……あの子は私の息子なんです。コウとは、兄弟だったんです」
アルバムを目にしながら驚愕の真実を告白するコウ母。そこへ道士カクが帰還し、集まったダイレンジャーに向けて、なぜか高い所から白虎神剣を投げつけると「行け! 一刻も早くコウを取り戻すんだ」と言い残して姿を消す。白虎神剣と指輪の力でコウの気力を追うダイレンジャー……コウのゴーマ化を食い止めるには、正午までにコウの元へ辿り着かなくてはいけない! コウ母と亀夫をともないコウを探すダイレンジャーは遂にコウの潜む洞穴へと辿り着くが、その前に阿古丸とイカヅチが立ちはだかる。
阿古丸は「妖力合身!」でイカヅチにパイルダーオン。亀夫がダイムゲンとなってコウ母をガードする中、ダイレンジャーと阿古イカヅチの戦いが始まる。果たしてダイレンジャーは、コウを救う事が出来るのか?!
……て、あれ? 全く、「禁断の過去」が明かされない、という物の見事なサブタイトル詐欺(笑)
阿古丸がコウの兄弟というのは、「ただの現実」であって、「過去の真実」ではないので(^^; というかどちらかといえば、何がどーして事務長とコウ母が付き合っていたのか、の方を知りたいわけなんですが!


◆第44話「感動!!君も泣け」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:杉村升
とりあえず、サブタイトルどうか(^^;
戦闘に乱入してダイレンジャーに襲いかかるキバレンジャーは、ウォンタイガーを召喚。ダイレンジャー大連王を呼び、阿古丸と分離したイカヅチも巨大化。これに堪忍袋の緒が切れた大神龍、次々と催眠をかけた人々を飛び降りさせるが、それを気力で救う道士カク。
……凄く珍しく、道士が人道的な行いを!!
というか、劇中初?
最近あまりにも怪しいので、「いや、道士は根っから悪い人では無いんですよ」というフォローぽいですが。
これにイラッときたのか、飛び立った大神龍は成り行きで、ゴーマ本社ビルを攻撃。とばっちりで崩壊していくゴーマ本社の中で歯がみするシャダム。
「阿っ古丸……!」
いやどうしてそこで、阿古丸に怒るのか事務長(笑)
ウォンタイガーを本気で攻撃できない大連王は、イカヅチとの2対1という事もあってか、まさかの大苦戦。そんな中、地上でイカヅチに指令する阿古丸のもとへ辿り着くコウ母。
「コウは、私とシャダムの間に生まれた、双子の弟なのよ。あなたの、兄弟なの」
ゴーマ族では双子は不吉なものと忌み嫌われ、生まれた場合には弟を殺すという決まりがあった。しかしコウ母は幼いコウをどうしても殺す事が出来ず、生まれたばかりのコウを連れて、ゴーマから逃走。阿古丸を愛していなかったわけではない。だが、コウを殺さない為には、そうするしかなかったのだ。
「嘘だぁ!」
母親に捨てられたと考え、両親を憎み続けながら生きてきた阿古丸は動揺して走り去り、イカヅチの動きが止まった隙にウォンタイガーに乗り移ったリュウレンジャーはコウを気絶させる。そして、阿古丸の前に現れるシャダム。
「父上、本当なのか、コウの母親が、私の母親だというのは。本当なのか!」
「その通りだ。ふんっ、なんとも皮肉な運命だな。だが今更気付いても、もう遅い。貴様のせいでゴーマは崩壊寸前だ。……地獄へ行けぃ!」
容赦なく阿古丸を攻撃するシャダム。
更にシャダムは、白虎神剣を返す条件として、ダイレンジャーの解散を条件にカクと休戦協定を結んだ事を告げ、もはやキバレンジャーをゴーマにする事の意味も無くなった、と阿古丸を吹き飛ばす。
ここに来て、よくわからない立ち回りの挙げ句に、意味ありげな間を置いていた息子を攻撃しまくるシャダムさんはすっかり意味不明。……というか、ただの悪い人なのでしょうが。含みを持たせた割には、何の深みも奥行きもないキャラになってしまって、非常に残念。
「父上……母上……コウ……」
瀕死の体を引きずり、その場を去って行く阿古丸。
一方、リュウレンジャーはコウを母親の元へ届け、コウ母の儀式中に、大連王イカヅチを食い止めるべく戦う。
わざわざ洞穴にこもって儀式を行い、落盤を起こす母。
母の決死の儀式によりコウは正気を取り戻し体内のゴーマの血は消え去るが、母の開けた大穴と地上の戦闘の影響で洞穴は崩壊を始め、コウ母はコウをかばって岩の下敷きになってしまう。母をなんとか引っ張り出そうとするコウを、コウ母は叱咤。
「どうして母さんの言う事が聞けないの。おまえはキバレンジャー・コウなのよ! 大勢の人のために戦わないといけないの。それを忘れないで!」
「母ちゃん!」
「生きるの……強く! リンさんやみんなが居るじゃない」
リン、ナチュラルに小学生男子を押しつけられる。
母の思いを胸に、振り切って洞窟を飛び出すコウ。それと擦れ違い、崩れゆく洞穴の中へと入っていく阿古丸。
ここで、コウと阿古丸がお互いを認識しない、というのは良かった。
「母上……」
「阿古丸……」
10年越しの再会を果たした母子は今ようやく手を繋ぎ、そして、岩の下へと埋もれていく……。
外へ出たコウは、気力転身。
「気力・転身! キバレンジャー!」
ダイムゲンも現れ、七星合体・重甲気殿。「重甲気殿・大圧殺!」で、この連続エピソードにおいて最も真っ直ぐで阿古丸に忠実だったイカヅチ、瞬殺。
母を失ったコウをリンは抱きしめ、亮はその体にジャケットをかけてやりながら、上腕二頭筋を見せつけるのであった。
「コウ……おまえの母ちゃんはな、おまえの心の中で生きている。いつまでもな」
ううん、これ、大神龍関係を抜きにして、2クール目ぐらいに5話程度の連続エピソードでやれば良かったのでは。
そもそも年少向けの作品ですし、禁忌の双子、という鉄板ネタも別に構わないのですが、半年引っ張った末にこれ、というのはどうなのか。関わったあらゆるキャラクターに、時間かけただけの深みが生まれてないし。仮にこれを「子供向けだからこれでいいんだ!」と言ったら、それはここまでのシリーズの積み重ねに対して失礼なレベル。
で、結局、コウ母とは死に別れる、というオチにするなら、中盤の段階で“出生の秘密と母の死を乗り越えてコウ/キバレンジャーがヒーローになる”というエピソードにすれば、しっくりまとまったと思うのですが。台詞は明らかに、それを意識していますし。
残念ながらつくづく、半年引っ張ったネタの畳み方としては酷すぎます。
で、どうも恋愛関係とは言いがたかったようなシャダムとコウ母の関係ですが、えーとつまりこれ、多分、あれですよね。子供向け番組としては描けない事を邪推しろという感じですが、本当にその気だったら、感心しない。
阿古丸が母親を知らないのと、シャダムがコウを知らないのは、生まれてすぐに生き別れたから、と一応の説明をつけましたが、阿古丸はともかく色々なデータからシャダムは類推ぐらい出来そうですけど、事務長ぽんこつだから仕方ない。
というか前半の扱いを考えると、ここに来て事務長がそれなりの実力者みたいな立ち位置にされても、全くピンと来ないのは全体として凄く困った所。
ラスト、母の事を思いながら、雪の降り出した外を見つめる為に曇りガラスを拭くコウ。
そこへケーキを持ってリンが帰宅し、部屋でクリスマスを祝う、リン、コウ、白虎神剣。
ケーキを囲む3人、の図からカメラを引いていって、窓ガラスの拭かれた部分から室内を抜く、という演出は、監督が意地を見せました。
こうしてコウのゴーマ化は防がれた。が、しかし……その裏では恐るべき事態が進行していた。コウと阿古丸の悲劇に憤るカクに、血を分けた息子がどうなろうと何とも思わないとうそぶくシャダムは、停戦協定の取引を突き付ける。
ダイレンジャーを解散して、おまえはゴーマに戻る。そうだったな……ゴーマ族参謀長、カク!」
次回、道士、コスプレデビュー。
或いは、昔のジャンルに戻ってみた。