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『仮面ライダーブレイド』感想7

(※サブタイトルは存在しない為、筆者が勝手につけています。あしからずご了承下さい)
◆第12話「広瀬、年齢を気にする」◆ (監督:鈴村展弘 脚本:宮下隼一)
意気揚々と出撃するも、今日も快調に蜘蛛アンデッドに叩きのめされる仮面ライダーへたれ。駆けつけたブレイドも参戦するが、蜘蛛に翻弄されて終わる。
ギャレンブレイドの攻撃がろくに通用しない、とこれまでに無い強さを見せる蜘蛛は、カードを使おうとする所を糸で妨害する、などアクションも面白い。
ギャレンは上司命令でカテゴリエースを追う……前にしつこく呼び止めるタマネギに銃撃一発。
なんかブレイドは段々、自分を捨てた彼女の足下にすがりつく昔の男、みたいになっています(笑)
「全ては究極のライダーを作り出す為。奴には文字通り、その人柱となってもらう」
恐怖心を克服するお薬の影響で、戦闘本能だけが増大してしまっているという橘。果たしてその行き着く先は、そして暗躍する伊坂の真の目的はなんなのか。
一方、親子連れを襲うサザエの壺焼きを蹴り飛ばした始さんはカリスに変身して戦うが、サザエには逃げられてしまう。助けた親子に手を伸ばすも怯えてはたかれて、ちょっとショックを受ける始さん。ここで、物陰から見ていたメガネに仮面ライダーである事を知られる。
そして、カリスがカードで相川始に変身しているという描写。
大きな謎の一端が解明されましたが、ここは凄くさらっと、しかしわかりやすく見せた、のは良かった。
そんな始に接触してくる、メガネ父(前回から登場)。辣腕音楽プロデューサーであるメガネ父は息子は「自分から逃げている」だけであり、音楽の才能が無い事を認めて、自分と同じプロデュースの世界に入る事を望んでおり、手切れ金として始に白紙の小切手を渡す。
白紙小切手を渡す、とか久々に見ましたよ! ちょっと格好いい(笑)
「わからないんだ。人間ってやつがさ。やはり俺には理解できない」
家族ゆえの愛情、家族ゆえの束縛、始は人間同士の感情のやり取りに惑う。
自分を狙うサザエの壺焼き、近づきすぎた人間関係、ここに居るのも潮時だ、と去ろうとする始だったが、メガネがそれを引き留める。「俺は、おまえと違って人間じゃない」という始の告白を、「仮面ライダーって事は秘密にするから」と軽く請け合うメガネだったが、そこへサザエの壺焼きが現れ、その攻撃で船が炎上。必死に火を消そうとするメガネを押しとどめ、始はカリスへと変身する!
メガネの親子関係のもやもや、始の戸惑い、夢への出航、それを奪う炎……と劇的な段階を踏んで、感情の高まりの曲線にしっかり上昇カーブを描かせた所で戦闘への突入、と基本のド基本なのですが、ドラマの流れの中にしっかりと戦闘が入るだけでこんなに気持ちいいのか、と(笑)
トルネードチョップで壺焼きを撃破するカリスだったが、戦闘中の負傷で流した緑の血に、船炎上のショックが重なって、激高するメガネ。
「来るな! 本当だったんだな……人間じゃないって」
いきなりの手の平返し。
……うーん、ここで手の平返すなら何の為のキャラだったのか、という感じですが、ドラマの構造自体も変えていくという事なのか。「アニキ」「アニキ」って慕っていた人間も正体を知った途端に態度が変わって始はやはり孤独の道を歩む……という流れをやるだけなら、4話も使う必要ないですし、予定通りだとしたら少々中途半端。まあ、このメガネの退場自体は歓迎ですが!(笑)
ただこの後、再びやってきたメガネ父がメガネの「それでも自分の限界を試したいんだ」という言葉に何となく満足げに去って行く、というのは、メガネ父を単純に身勝手で理解のない父親、にせずに、今作における人物の描き方では、今までで一番良かった。
一方、蜘蛛アンデッドが再び登場し、現場へ向かうブレイドだったが蜘蛛の強さはブレイドを寄せ付けない。
「カテゴリーエースは俺のものだーーー!!」
そこへ、偶然遭遇した小夜子を振り切って突撃してくるへたれ。
しかし勿論、へたれ一人増えた所で何の役にも立たない。
というかバーサク状態で、近づいてくるとブレイドも殴るので、むしろ邪魔。殴られるのがわかっていて、「橘さん!」とかしがみつくブレイドもいい加減、捨てられた事を理解してほしい。
それにしても、お薬キメて復活展開の後も、なんとかシマウマ倒しただけで、相変わらず出てくる度に叩きのめされるのですがギャレンはどれだけ役に立たないのか。ライダーシステムに不備はないかもしれないけど、ギャレンはそもそも欠陥商品ではないのか。
中の人(橘朔也さん)が根本的にへたれだからなのか。
放映当時、ギャレンのソフビ人形だけ鈴なりで余っていたのではないだろうか、とか余計な事まで気になります。
タマネギとクワガタが蜘蛛にあしらわれている頃、始はメガネの元を脱出して独りバイクを走らせていた。
「俺も、もう、俺から逃げない。俺は、俺だけで生きる。俺だけで、戦う!」
TVに映っていた始を捜して街へ出た天音とそれを追った虎太郎は、燃えてしまった船に辿り着くが、擦れ違い。ここで天音の足下に緑の血痕、という演出は良かった。
そしてモズクに関して新たな事実を知った小夜子に迫る伊坂の影。薄幸そうなオーラ漂う、へたれカップルの行く末や如何に。
現状面白いかどうかは別にして、だいぶ修正傾向が目に見える形で出てきましたが、あとは毎度通り魔すぎるアンデッドにもう少し差別化が図られるといいなぁ。