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2013年を振り返る:特撮編

今年もまた、〔東映特撮YouTubeOfficial〕に踊らされた日々でありました。
前年同様、、各部門に分けてランキング形式で振り返ってみたいと思います。対象エピソードは、先週分まで。対象作品は、“それなりの話数を見た上で、今年、最終回を見た作品&劇場版&現在見ている作品”という事で、以下の通り。
〔『爆竜戦隊アバレンジャー』、『特救指令ソルブレイン』、『世界忍者戦ジライヤ』、『快傑ズバット』、『五星戦隊ダイレンジャー』、『科学戦隊ダイナマン』、『特捜エクシードラフト』、『仮面ライダー電王』、『特捜ロボジャンパーソン』、『炎神戦隊ゴーオンジャー』、『特捜戦隊デカレンジャー』、『仮面ライダーブレイド』〕
性質上、上記作品のラストにまで触れている場合がありますので、ご了承下さい。
なお昨年のランキングはこちら→〔2012年を振り返る:特撮編〕
では今年もまずは特撮の華、ロボット&メカ部門から。

☆メカ部門☆

1位 ダイナロボ (『科学戦隊ダイナマン』)
2位 大連王 (『五星戦隊ダイレンジャー』)
3位 ターボユニット (『特捜エクシードラフト』)
次点 デカレンジャーロボ (『特捜戦隊デカレンジャー』)
1位は、風車の理論とダイナフラッシュからの無敵コンボであらゆる進化獣を撃破し尽くした、愛と復讐のスーパーロボット、ダイナロボ。物凄く思い入れがあるわけではないのですが、クライマックス最大最後のダイナミックジャンプはまさに名シーン、という作品補正も込みで。デザイン的にもスマートで格好良く、豊富な内蔵武器の80年代的な楽しさも良かった。
「科学剣・稲妻重力落とし!」
2位は、物語終盤まで苦戦らしい苦戦の無かった瞬殺ロボット・大連王。圧倒的強さもさる事ながら、単純にデザインが好き。
大連王・疾風怒濤!」
3位には、エクシードラフトのダッシュ機能、ターボユニット。活躍期間の長さ、最初のパワーアップポイント、悪人を走って追いかけるという絵面の面白さ、と高ポイント。使いやすさと決定的ではないという要素を兼ね備え、直接敵を倒す武器ではない、便利能力としては、非常に秀逸なギミックであったと思います。
「子どもの命がかかっているんだ、何だってやってやるぞ」
次点として、今後の期待も込めて、デカレンジャーロボ。これも単純に、デザインが好きです。そしてあの図体で、横っ飛びからの香港警察撃ちに惚れました(笑) 欠点は、名前が長くて毎度打つのが面倒くさい事。もう、デカロボでいこうと思う。
デカレンジャーロボ・ビルドアップ!」
今年は真っ当に(?)、戦隊ロボから3つ。好みのデザインが揃いました。

☆助演ヒーロー/ヒロイン部門☆

1位 夢野久太郎 (『科学戦隊ダイナマン』)
2位 山地哲山 (『世界忍者戦ジライヤ』)
3位 東条進吾 (『快傑ズバット』)
次点 城忍・フクロウ男爵 (『世界忍者戦ジライヤ』)
次点 光の戦士 (『特捜エクシードラフト』)
昨年段階での下馬評では、山地哲山が圧倒的大本命だったこの部門ですが、終盤怒濤の追い込みで1位に輝いたのは、科学戦隊総司令、遠山博士こと夢野久太郎。『ダイナマン』は最終盤の盛り上がりとまとまりが(予想外、という部分も含めて)非常に素晴らしく、作品補正が強いのですが、科学者としての夢と過ちを背負い、失ってしまった者への償いのために戦い続ける男の「許してくれるかな……こんな男でも。戦ってくれるかな……こんな男のもとでも」会心の名台詞。前半のブラックさを吹き飛ばす、素晴らしい長官キャラでした。途中の天狗仮面モードも戦隊長官キャラらしいキチガイぶりで高評価。
「若かったんだよ」
2位には、えげつない山地哲山えげつない。登場当初のインパクトそのまま、圧倒的な存在感を最後まで放ち続けた『ジライヤ』影の主役。脳内投票で、ヒーロー部門と票が割れました(笑) 100%バランスブレイカーなので強引に弱体化されるか途中で物語から抹消されるかと危惧したのですが、最後まで出続けた上に最後まで最凶だったのもポイント高い。また、主人公の師匠であり父親、という物語面のポジションでも終始いい味を出しました。キャスティングの妙もあり、非常に素晴らしい傑作キャラクター。
「戸隠流正統、山地哲山。科学を邪悪な忍法に、利用しようとするその方達、許せん!」
3位は、エリート刑事課長だと思ったら、とんだキチガイデカだった東条進吾。類は友を呼ぶ。朱に交われば赤くなる。ズバットの友達はやはりズバットと似たレベル。当初まともそうだったのにどんどんキチガイになっていったのが非常に印象深い。
「しかし署長、早川は絶対に、殺人など起こす男ではありません」
次点として二人、まずは助っ人世界忍者の雄・フクロウ男爵。特徴的な男爵語、格好いい騎乗戦闘で、初回から最終回まで劇中最多のゲスト登場を果たし、『ジライヤ』ワールドを体現しました。『ジライヤ』勢は他に、脳が適当すぎる雷忍・ワイルド、見た目が強烈すぎる爆忍・ロケットマン、色々と危険すぎるスミス博士、と面白いサブキャラが多かったのですが、それらを代表する、という部分も含めて。
「アイアムにせものなどノーサンキュー」
もう一人は、愛される男・叶隼人争奪戦で一歩抜けだしたあの男、光の戦士デビッド秋葉。聖夜の告白、そして最後の最後を持って行く愛の執念。ラブ・フォーエバー。
「一緒に来ないか、隼人」
来年の大本命はドギー・クルーガーデカマスター。果たして今後、地獄の番犬を上回るインパクトのキャラは登場するのか?!

☆挿入歌部門☆

1位 「ジライヤ参上」 (『世界忍者戦ジライヤ』)
2位 「唸れ磁光真空剣」 (〃)
3位 「正義のために」 (『特捜ロボジャンパーソン』)
次点 「Double-Action Ax form」 (『仮面ライダー電王』)
「力と力 技と技 火花を散らす忍者の誇り」
新設の、印象に残った挿入歌部門。率直に、『ジライヤ』を楽曲的に評価したい部門ですつまり(笑)
『ジライヤ』挿入歌は粒ぞろいな上に、本編でも非常に良い使われ方をしており、印象的。主題歌も含め、特撮ソングは劇中使用の関係上、イントロが大事、と改めて思わせてもくれました。勿論、メロディ、歌詞も良く、シリーズ歴代でも屈指の挿入歌群。そしてそれを活かす使われ方、と非常にいい曲、いい演出に恵まれました。
半分総集編の第27話が顕著ですが、音楽の使い方のセンスがいい三ツ村鐵治監督がメインを務めたのも大きい。
「怒りを込めた レーザー刀が 光れ! 唸れ! 切り裂け!」
3位には、恐怖のジャスティスソング。登場が遅かったのが惜しまれますが、抜群に格好良く、また『ジャンパーソン』を体現する歌。登場後の仕様頻度はかなり高い。
「正義ってなんだ あいつの事さ」
次点として、戦闘そっちのけになってしまうネタ曲(笑) ウイングフォームもかなり凄いですが、本編の複数回使用もあり、インパクト凶悪。
「俺の 俺の 俺の強さにおまえが泣いた〜」
もう一つ、新設部門。

☆残念部門☆

1位 メギド王子 (『科学戦隊ダイナマン』)
2位 ジョージ真壁 (『特捜ロボジャンパーソン』)
3位 戸増宝児 (『特捜戦隊デカレンジャー』)
次点  弾北斗 (『科学戦隊ダイナマン』)
残念、それは避けては通れぬ男の道。今年最も残念だったのはやはりこの人……!
美形ライバル悪役として華々しく登場しながら、味方の爆弾攻撃に巻き込まれて落馬に始まり、数々の残念ぶりで視聴者の度肝をぬいたミスター残念、残念王子こと、5本尻尾改め4本尻尾のメギド王子。花の世話も出来ず、ピエロの扮装をして地上に潜入し、勝手に進化獣の封印を解いては身内から袋叩き。軽いセクハラ、方向性の間違った努力、全てが残念。他の追随を許さない、圧倒的な残念ぶりでした。素敵。
「このメギド、伊達に人間どもの下等な社会を見に行ったのではありません。父上、見ていてください!」
王子には水をあけられたものの、これも高得票で2位に輝いたのは、最初から最後までへたれでぽんこつ、正真正銘の小物として終わってしまった、<ネオギルド>大首領ジョージ真壁。本人が駄目なばかりか、組織も駄目駄目。裏切り続出、支離滅裂、人事も運用もまともに出来ず、ラスボスの猛威の前に完全敗北。敵が悪すぎたとはいえ、あまりにあまりの結末でした。組織の残念度で見ても、しばらくこれを超えられないのではないか、というレベルの高さ。あと、高橋和興さんのへたれ演技が、はまりすぎた(笑)
「なんという……なんというざまだ」
3位には、ホージーこと、戸増宝児/デカブルー。わずか1クールで3位に食い込む、見事な残念。二枚目ポジションにして、「自称エリート」な所が非常にポイント高い。来年もパーフェクトな活躍を、期待しております。
「これにて一件コンプリート。スーパークールにパーフェクト」
次点として、正統派二枚目のルックス、高い戦闘力、優れた知力、と猛者揃いの科学戦隊のリーダーを務めるにふさわしい高い能力を誇りながら、字が汚い、ネーミングセンスが微妙、デザインセンスは更に微妙、と絶妙な残念ぶりを見せてくれた弾北斗/ダイナレッド。残念美形として、メギド王子といいライバルでありました。
「ゴールデンスパーク! ドリームギャラクシー!!」
来年は、現状、残念以下のなにか、である橘朔也/仮面ライダーギャレンのクラスチェンジに期待したい所です。

☆悪役部門☆

1位 メギド王子 (『科学戦隊ダイナマン』)
2位 カー将軍 (〃)
3位 鬼忍・毒斎 (『世界忍者戦ジライヤ』)
次点 洞田博士 (『特捜ロボジャンパーソン』)
今年のベスト悪役は、そんな圧倒的残念から奇跡の大逆転を遂げた、メギド王子! 放逐から再起、そしてアイデンティティの崩壊を乗り越え、作品のテーマ性の一部を担う事になる、という驚愕の精神的成長。ダークナイト時代を含め、鳴り物入りで登場→残念化→勘当→被り物!→悪魔的奸智!→革命! とやり尽くした素晴らしさ。終盤の展開がキレキレだった『ダイナマン』を象徴するキャラクターです。
「大切なのは己を鍛え、自ら強くなる事なのだ!!」
2位には、そのメギド王子と切なささえ感じさせる擦れ違いを見せた、ジャシンカ帝国の忠臣・七本尻尾の軍神カー将軍。師弟コンビでワンツーとなりました。貫禄ある大幹部としてのノーマルな格好良さに、最後の最後まで「ビッグバン・ビーム!」にこだわる突き抜けぶり、そして言葉にしないながらも見せるアトンとメギドへの忠節と思い、と渋すぎる軍人を重鎮・石橋雅史が好演。
「メギド王子、良い所に気付かれたようですな!」
3位には、大物感漂う飯塚ボイスとは裏腹の圧倒的な小物臭、プライドよりも命と金が大事で特技は逃げ足と身代わりの術、零細企業・妖魔一族を率いる鬼忍・毒斎様。さんざん小物路線を歩んだ上でのアルティメット化、そしてまさかのジャイアント。昔の女の前で格好つけて壮絶な戦死を遂げるなど、最後の最後までやりきってくれた、素晴らしい悪役でした。終盤、ラスボスの座を追われるかと思いきや、粘りきったのもポイント高い。ついでに、いっそ追われていた方が良かったのでは、と思わせる辺りが更にポイント高い(笑) 組織+ボスの合わせ技としては、数々の特撮ヒーロー作品の中でも、かなり上位です。
「ふふぅ、ふふはははははは、今までの俺は、敵である戸隠流を欺く為の仮の姿よ」
次点として、ビルゴルディも綾小路麗子も押しのけて、ラスボスを相手に作中でも屈指の激闘を繰り広げたスーパー超能力者、伝説の勇者ほらだ。まさかギガディンまで使うとは思いませんでした(笑) エピソードの秀逸さ、ダベ星人作戦のキチガイぶり、それでいながら真っ正面からラスボスとやりあう戦闘力、そしてUFO。凄すぎました。
「耐えろ〜、かおるの為ダベ〜。愛・試練ダベ〜。かーならず、最後に愛は勝つぅ! ダベぇ〜」

☆悪の組織部門☆

1位 ジャンパーソンと仲間達(三枝組) (『特捜ロボジャンパーソン』)
2位 スーパーサイエンスネットワーク (『〃』)
3位 妖魔一族 (『世界忍者戦ジライヤ』)
次点 ガイアーク (『炎神戦隊ゴーオンジャー』)
堂々1位は、なにか色々間違っている気もしますが、しかし間違っていないと思う、狂気の正義に突き動かされる最強ロボ・ジャンパーソンと、そのジャンパーソンを超える狂気の科学者・三枝かおる+それに巻き込まれたガンギブソンとアールジーコと三枝周平。法も国家権力もぶち破り、正義という名のテロルで世界を服従させろ!
「俺たちが守るべきは法律じゃない。命と愛だ!」
2位には、数々のキチガイを排出し、最後の最後まで首領への圧倒的な忠誠度の高さが光ったスーパーサイエンスネットワーク。個性的でトンデモな悪役のラインナップという点では今年随一でしたが、それに加えて、首領・綾小路麗子の個人的魅力に支えられながら、麗子様が超獣神へと姿を変えてもなお忠誠を尽くす下僕達、という最終章で一気にジャンプアップ。秘密結社としての総合的なレベルの高さが光りました。
「そして私は種を蒔くのよ。剥き出しとなった大地に――この手で種を」
3位には、金が全ての零細悪の秘密結社・妖魔一族。瞬間最大風速的なインパクトに欠ける為、部門別では毒斎様ともども3位となりましたが、面白秘密結社としての総合評価は私の中で非常に高いです(笑)
「日本のヤングどもは享楽に走り、刹那的に生きておる」
次点は、期待票も込めて、ガイアーク。3幹部の面白さに加え、怪人デザインの秀逸さは特筆もの。アンテナバンキ、ハッパバンキなどに続く傑作怪人の登場を、今後も楽しみにしています。
産業革命!」

☆ヒロイン部門☆

1位 磁光真空剣 (『世界忍者戦ジライヤ』)
2位 野上愛理 (『仮面ライダー電王』)
3位 三枝かおる (『特捜ロボジャンパーソン』)
次点 クジャク (『五星戦隊ダイレンジャー』)
義理の妹と同じ血統に連なる謎のくノ一に挟まれ、敵の女幹部とフラグを立て、浜名湖でも下部組織のくノ一と爽やかに交流し、山の中で女の子に「私の犬になってほしい(意訳)」扱いを受けるなど、華々しい女性関係が展開する中、主人公が最後に選んだのは……先祖伝来の日本刀だった!
激闘のヒロインレースの勝ち抜けを評価して、今年の1位は磁光真空剣。ダブルヒロインが空振りに終わった中、ブラックセイバーの助手席に座り、最後の最後で闘破の心を持っていったそのインパクトの勝利。というかホント、割と女性キャラ多いのに、主人公が最終的に日本刀LOVEに落ち着くとは、さすがに予想外でしたよ!
「遂に、おまえとの別れの時が来た。俺は悲しまない。おまえは、パコを守って、宇宙の彼方へ飛び立つのだ。 さらばだ、ありがとう、磁光真空剣」
2位は今年最も真っ当なヒロインだった、愛理さん。無敵のフェロモン、魅惑のコーヒー、そして全てを貫く愛と理。ヒロイン力とはこういう事だ! を見せつける、素敵なヒロインでした。作中の扱いも優れているし、綺麗なお姉さん属性持ちなので普通に好きなのですが、なぜ刀に負けているのかというと、刀のインパクトが強すぎたので勘弁して下さい。
「でも、変わっちゃうのよね。みんな同じ所には、居られない。このブレンドと、同じかな。ただ、覚えている事は、確かじゃない?」
3位は、最終回、まさかのサヨナラ満塁ホームランで作品を飲み込み、ヒロインレースでも怒濤の差しきりを決めた三枝かおる! それまでヒロイン力が限りなく低かったキャラが最終盤で急にアピール初めても大抵無残に夢破れるものですが、やってのけました、視聴者の度肝を抜く形で。まともな人格になってヒロインを確保したのではなく、狂ったままヒロインの座を奪い去った、というのが実に凄い。参りましたという他ありません。
「私も戦う、愛と、命と、正義の為に」
次点として、ダイ族の女戦士・クジャク。大五さんの補正込み。色々ぐだぐだだった『ダイレンジャー』の中では比較的まとまったエピソードで、正統派のヒロインでした。最後、道士カクに謀殺されたのがあれでしたが、藤井脚本なので仕方がない。
「大五……甦って良かった。あなたに会えて……良かった……」
来年は、キャスティングのいい『デカレン』『ゴーオン』の両女性陣に期待。あと、低レベルで乱立する『ブレイド』のヒロインに誰が躍り出るのか、注目。

☆ヒーロー部門

昨年は香川竜馬の圧勝だったこの部門、今年はあまりに大激戦だったので、第5位から順に発表していこうと思います。まずは第5位。
5位 星川竜 (『科学戦隊ダイナマン』)
私の忍者好きの原点、とも言える超人忍者。自称天文学者の変身ヒーローでありながら、生身で分身の術を使いこなし、宙を舞う、忍者最強! 戦闘力もさる事ながら、キメラ王女との絡み、メイン回ジャックなど、改めて見ると物語上でも実に面白い活躍をしており、それは幼少のみぎり、忍者に洗脳されるわけだと、しみじみ思いました。
「星川竜、見参! しゃぁぁぁぁぁ!!」
4位 早川健快傑ズバット (『快傑ズバット』)
ズバット参上、ズバット快傑、ギターの響きと共に現れる、血塗られた復讐鬼。伝説のヒーローは殿堂入りで競争除外しようかとも思ったのですが、既知のインパクト的不利も含めて、この順位に。今更特に、言う事なし。
ズバットの鞭に、できぬことはない!」
さて、伝説のヒーローを押さえ込んだベスト3は……
3位 天幻星・大五 (『五星戦隊ダイレンジャー』)
まずはこの人、緑色ながら圧倒的なヒーロー属性と主人公補正、五星戦隊を支える超いい男! 大五さんは、ただただ真っ当に好きです。子供と動物を愛し悪を憎む超正統派をてらいなく真っ直ぐにやり抜いた、素晴らしい格好良さでした。とにかく大五さんは、キャラに照れが無いのが素晴らしかった。
「シシレンジャー、天幻星・大五!」
2位 ジャンパーソン (『特捜ロボジャンパーソン』)
生まれ変わった鋼の体、人間愛を信仰し、正義を追い求め、敵対するもの全てを無慈悲に蹂躙する狂気の大魔王! ヒーロー部門でエントリーするかについてちょっと悩みました(笑) 「ヒーロー」の秘める狂気と暴力性を体現し、93年に東映ヒーローが到達してしまった、正義と狂気の果ての極北。
「ジャンパーソン・フォー・ジャスティス!」
そして1位はこの人……
1位 桜井侑斗(桜井さん) (『仮面ライダー電王』)
仮面ライダー電王』という物語の最初から最後まで、誰よりも長く戦い続け、物語の最後の最後に浮かび上がる“最初にして第三の仮面ライダー”――愛する女性とこれから生まれてくる未来の為、全てを賭けて戦った男、桜井侑斗。
物語の真相が解き明かされる時、そこにもう一人のヒーローの姿が現れる……と、これはもう、作品の構造がお見事、という他ありません。劇中にずっと登場していながら、しかしヒーローとは縁遠いと思われていた男が、実は戦い続けるヒーローだった! そして彼は何の為に戦うのかといえば、何よりも、愛する者達を守るためなのだ、と。幾つかのヒーロー像が交錯する今作において、ただのミッシングリングを繋ぐキーではなく、個のヒーローとしての存在をしっかりと描かれたのも素晴らしい。今年最も、琴線の震えたヒーローでした。
「守れたのね……私たちの、未来」
最後に、作品ベスト3。

☆最優秀作品部門

1位 『科学戦隊ダイナマン
2位 『特捜ロボジャンパーソン
3位 『仮面ライダー電王
今年は粒ぞろいで上位拮抗、順位をつける事もないのでは……という僅差でしたが、そこから敢えて選んだ1位は、『科学戦隊ダイナマン』。
最大公約数としての“戦隊もの”のイメージを体現するような、如何にもな80年代戦隊であり、戦隊of戦隊と呼ぶにふさわしい作りながら、いい意味で予想を裏切ってくれた怒濤の最終盤は実に衝撃。アクションの派手さばかりでなく、物語面でもまごう事なき名作。キレキレの曽田脚本を、君は見たか!
「爆発! 科学戦隊ダイナマン!!」
第2位には、今年最大のインパクト、登場人物の大半が狂っているという暴走の英雄伝説特捜ロボジャンパーソン』。「正義とは何か?」というテーマを脇に置く為に「俺が正義だ!」とした結果、どういうわけか正義と狂気が交錯する見果てぬ地平へ辿り着いてしまった怪作。正直1クール目はネタ度高いぐらいだったのですが、2クール目の再起編を経て以降は各エピソードも平均して面白く、年間通してのアベレージも意外と高い。作品の出来・テーマ性ともに、《レスキューポリス》と《ビーファイター》の間の徒花として埋もれているには惜しく、再評価の望まれる作品です。
「DEDICATE MYSELF TO JUSTICE」
第3位は、活き活きとしたキャラクター、巧妙な伏線、鮮やかな展開、凝りに凝りまくった小林靖子の脚本が冴え、抜群の完成度だった『仮面ライダー電王』。総合的な出来の良さ、年間通しての笑いと感動、作品の質では間違いなく今年のベスト1なのですが、どうして3位かというと、上位2作のインパクトが強烈すぎた、という他ありません(笑) 作品としては非常に好きでしたし、この中でどれをもう一回見たいか、と言われたら『電王』なんですけど。劇場版も含め、素晴らしい作品でした。
「言った筈だぜ……俺は最初から最後までクライマックスだってな!」
ベスト3がハイレベルになった為、惜しくも選考に漏れたのは『世界忍者戦ジライヤ』。闘破はヒーロー部門でもランクイン出来ず、今年は相手が悪かった。
というわけで、80−90−00年代と並ぶベスト3になりました。
今年をまとめると、「再発見」の年であったかな、と。
まあこれだけ見ていると、毎年何らかの「再発見」なのですが、今年は特に。
メタルヒーローの鬼子扱いである『ジライヤ』が、意外やトータルでかなりの秀作である事。
如何にもな80年代戦隊として1年間の物語としてはあまり期待していなかった『ダイナマン』が、終盤予想を超える盛り上がりでびしっとストーリーが収まる事。
ラストのトンデモ展開がよく話題にあがる『エクシードラフト』は、ラストだけに限らず結構トンデモが散りばめられていた事。
知名度のあまり高くない『ジャンパーソン』が、実は物凄く頭の狂った怪作であった事。
そして『電王』は噂に違わぬ名作であった事。
今年も沢山の配信作品を、ありがとうございました。
おしまいに、今年の大きな出来事として、敬愛する長石多可男監督が亡くなられました。
いい歳した後に、監督の演出作品に出会う(再会する)、という個人的体験が無ければ、今こうして、特撮ヒーロー物に時間を注いでいなかったと思います。足かけ40年近い特撮ヒーロー物最前線での活躍、数々の素晴らしい演出をありがとうございました。
東映Youtubeでは、その長石監督のデビュー作である『カゲスター』を見られたのも、今年は良かったです。
改めて、心よりご冥福をお祈りいたします。
来年に向けてですが、HTML版まとめの各種宿題を少しずつ片付けていきたいと思います(^^; 『ジャンパーソン』終了で週3作(6本)になるとだいぶ楽になるので、溜めに溜めている現在進行形の作品も消化していきたい。
今年色々とコメントくださった皆様、来年も適当に構ってやっていただければ幸いです。
締めは今年を代表する名台詞で一つ。
「サイボーグにならんか?」