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『炎神戦隊ゴーオンジャー』感想24

◆GP−39「郷愁ノコドモ」◆ (監督:佛田洋 脚本:會川昇
祭り囃子に誘われて、怪しげな神輿についていった子供達が次々と行方不明に……と幻想的な演出で割と珍しい、ファンタジック展開。手分けして事件の調査にあたるゴーオンセブンだが、その影には、ヤタイバンキを用いたキタネイダスの作戦があった。
「ヤタイバンキは子供達をお祭り好きに変えてしまうゾヨ。子供達は大人になっても、祭りの事しか考えられないようになり、毎日お祭り騒ぎ。世界は汚れ放題ゾヨ。名付けて、毎日がお祭りわっしょい作戦ゾヨ」
作戦としては駄目そうですが、説明する紙芝居のイラストが面白すぎます(笑)
それにしても、ガイアークは幹部を失って大攻勢どころか、ここに来てえらい悠長な作戦に転じているのが、キタネイダスとケガレシアが意外と割り切り早いのか、それともヨゴシュタインを失った悲しみで脳が駄目になっているのか、悩ましい所です。
祭り囃子に遭遇した軍平と範人はヤタイバンキの作り出すお祭り空間に入り込み、そこで時代劇から抜けだしてきたような丁髷に着物姿の2人の少年、晴之助と昭之助の兄弟に出会う。
実は2人は、刀を守るという使命を持ってサムライワールドから逃げてきたのだった……そして2人を追う2体の妖怪もヒューマンワールドへ、と劇場版にからめて展開。
キシャモスの突進でお祭り空間を吹き飛ばして合流したゴーオンジャーだが、ヤタイバンキに大苦戦。
「こいつ、見かけはふざかてるけど、かなり強いっス!」
まあ、蛮鬼獣はだいたいそう、というか(笑)
妖怪はヘルガイユ宮殿を訪れ、ガイアークに、晴之助と昭之助の捕獲協力を依頼。キシャモスに乗り込んでサムライワールドへ帰ろうとするも次元の壁を越えるにはパワーが足りずに失敗したサムライ兄弟に接触する軍平と範人だが、「刀に見覚えがある……」と軍平が迫った為に逃げ出されてしまう。
屋台バンキがその前に立ちはだかり、サムライ兄弟には大臣ズが接触。大臣ズに籠絡されそうになる兄弟だったが、範人にもらったお菓子を踏みつけにされた事をきっかけに本当の悪人に気付き、またも逃亡。いつの間にか懐に失敬していたキシャモスのソウルを、屋台に苦戦するゴーオンジャーへと渡し、グリーン、カンカンバーを発動。
とにかく子供2人があっちこっち動き回る上に刀に関する態度も微妙に一貫せず、それはまだしも、そこで物語の動向を左右する筈のゴーオン側との交流をしっかり描けていないので、非常に全ての展開が適当(^^;
グリーンの発動したストップ攻撃により屋台は花火に気を取られ、カンカンバーの幻覚攻撃は踏切に限らない事が反面しました。動きを止めた屋台へブラックがカンカンエクスプレスを炸裂させ、屋台の中に囚われていた子供達を救出。産業革命した屋台バンキに挑む三大ロボ(炎神王・頑張王・青空王)だが、お祭り空間に飲み込まれてしまう。
お祭り空間の力により、金魚すくいのプールの中を泳ぐ青空王と、射的の的になっている炎神王。バルカが青空王をすくいあげ、ガンパードが炎神王の戒めを狙撃で破壊する、という左右W攻撃で両ロボを幻覚から解放する、という頑張王に貴重な見せ場。
屈辱のお祭りプレイに怒りに燃えるレッドとゴールドが復帰し、連続攻撃から三大ロボ御神輿フォーメーション・グランプリフェスティバルで、屋台を撃破。
晴之助・昭之助兄弟と合流するゴーオンジャーだが、剣を追う本当の追っ手はまだ健在……そして、街に巨大な火柱が落下する。駆けつけたゴーオンジャーが目にしたのは、石化した巨大ロボ。
「炎神大将軍……」
サムライワールドにある筈の炎神大将軍がどうしてヒューマンワールドに出現したのか? そしてサムライ兄弟の守る刀の力とは? という所で、次回へ続く。
劇場版(未見)と絡めた展開のようですが、どうにも雑(^^;
ガイアークのお祭り作戦とサムライ兄弟を繋げなてこそなわけですが、全く上手く噛み合わず、焦点の定まらないエピソードになってしまいました。會川昇に設定しているハードルが少し高めというのもありますが、兄弟が戻ってきてからの逆転の流れも前振りが全くないので面白くないし、残念回。
妖怪二体は劇場版の 使い回し パワーアップ版らしいですが、本人達は「あかぬけた」と主張しているものの、劇場版のカラーリングの方が格好いい(笑) なお、CVは、元デンジグリーンと元メガブルー。


◆GP−40「将軍フッカツ」◆ (監督:佛田洋 脚本:會川昇
石化した炎神大将軍の出現で街は大被害。今日もまた、『ゴーオン』世界の政府首脳部は、異次元世界協定に関する、高度で政治的な判断のやり取りで大忙しです。
前回ラストを受けて、炎神大将軍について劇場版のポイントを解説。炎神大将軍は、人型の炎神ソウルである3人の炎衆がキャスト化した姿。しかし走輔達と共に戦ったサムライワールドでの激闘において炎衆は力を使い果たし、そのソウルは失われていた……いわば、抜け殻。サムライ兄弟が守っていたのは、炎衆のリーダー・烈鷹が、万が一の事態に備え自らの魂の一部を用いて鍛えた刀であり、炎神大将軍を起動するキーなのであった。
妖怪ズの目的は、その刀を手に入れ、正義のソウルを持たない炎神大将軍を思うままに操る事。その為に妖怪ズは、ヒューマンワールドで1人の人間と接触していた。
それは、烈鷹と瓜二つな、遠回しに言って住所不定無職の青年(半田健人・二役)。
クレジットでも、「青年/烈鷹」表記で名無しなので、とりあえず仮称「たっくん」で(おぃ)
パラレルワールドには、同じ魂を持った別人が存在する――すなわち青年は、ヒューマンワールドにおける烈鷹、とでも言うべき存在であった。何故か妖怪ズに協力する青年はその容姿を利用してサムライ兄弟からあっさりと刀を手に入れると、それを炎神大将軍めがけて投げつける!
「俺を、俺を必要としないこんな世界、全部なくなってしまえばいい!」
烈鷹の魂の一部と、たっくんの意志をインストールされた炎神大将軍は、再起動すると大暴れして街を大破壊。挑みかかる三大ロボだが、大将軍は頑張王と青空王のW必殺技を弾き返し、両ロボを粉砕。
「炎神大将軍! 本当におまえの中に、烈鷹の心はなくなっちまったのかよ!」
大将軍への攻撃をためらっていたレッドもやむなく炎神王で立ち向かうが、大将軍の必殺剣を浴びて撃破されてしまう。圧倒的な力でゴーオンジャーを壊滅させた炎神大将軍は街を廃墟へ変えていき、その光景に喜ぶ大臣ズだったが、妖怪ズに身柄を拘束され、ヘルガイユ宮殿を乗っ取られてしまう(笑)
一時撤退したゴーオンジャーは怪我の治療とキャストの回復を急ぎ、走輔は何とか炎神大将軍を止めようと、夜の街でたっくんを探し、世界を破壊しようとするたっくんと殴り合いに突入。
「誰も俺を認めない! 必要としない! 俺の居場所なんかねえからだ!」
「甘ったれんな! なーにいじけてやがる」
事情はよくわからないが、とりあえず青春パンチを炸裂させてみる。
「なんとか就職した職場があっさり倒産しやがって。仕事もなく、こんなざまだ。全部この世界のせいだ。俺を認めてくれないやつらの!」
……たっくん、予想以上に、ノーマルな駄目人間だった(笑)
そこへ、走輔を止めに来る連と早輝。
「その人と話しても無駄っス!」
連は定期的に、自分と理解し合えないの確定、みたいな判断をした人に対して酷い言い方スルヨネ。
「ヒーローとかやってみんなに誉められてるおまえらに……何がわかる」
「いいか、俺たちだけが特別なんじゃない。おまえだって、本当はヒーローになれるんだ!」
「そんなものいらねえ! あれが俺の心だ。この世界を憎み、破壊したい。それだけだ!」
ここでヒーロー話になるのは、今作らしいところ。
「俺が……炎神大将軍を倒す」
たっくんの説得を諦めた走輔は、懐からキシャモスを取り出す。
前回は軍平と範人が周囲が変身しているのに何故か変身しないとか、今回は強烈王をなかなか使わないとか、この前後編、ギミックの使用制限が理由不足なのは、悪い意味で目立つところ。ままある話ではあるのですが、古代炎神のソウルが微妙に行方不明気味というか、物語の中から消えてしまっていて、脚本と演出も若干噛み合っていない感じ。
走輔の戦意が低くて強烈王を使いたくなかったとか、後付けで解釈はできますが、前回今回と、サムライ兄弟に絡んでキシャモスがキーアイテムになっているだけに、そこはもう少し、物語とテクニカルに絡めて欲しかった所です(いい時の會川昇ならそれぐらいはこなせると思っているので)。
ここで決意を込めてキシャモスを取り出す走輔が格好良くなれば(つまりキシャモスそのものに作劇上の意味が込められていれば)物語の流れとしては成功なのですけど、今ひとつ、唐突になってしまっていますし。
「あれは走輔にとって、大切な烈鷹の……」
で早輝の発言がルート確定済みみたいな言い回しなのですが、何があったんだ劇場版。
今作のヒロインは、知らない所で既に決まっていたのか?!
「おまえの破壊の願いなんて、マッハで打ち砕いてやるぜ。そして、炎神大将軍の、正義の心を甦らせる!」
「そんなもの……悪魔になったあいつの、どこにある」
「おまえと同じ顔をした、烈鷹ってヤツの心が、あの中にある筈だ、それは、決して滅びない……!」
廃墟となった街を、炎神大将軍の元へ向かう赤・青・黄の前に立ちふさがる妖怪ズ。
「炎神大将軍は、炎衆と俺たちの正義の心が、一つになったものっス!」
「それを、悪の目的に使うなんて、絶対に許さない!」
「俺たちは、ぜってぇ負けねえんだ!」
ここで3人だけフィーチャーされているのは、大将軍が炎神王ベースなので、おそらく劇場版で炎衆と主に絡んだのがこの3人だからか。
妖怪ズに苦戦する3人だったが、残りの仲間も合流し、戦闘仕切り直し。
その頃、暴れ回る炎神大将軍を遠巻きに見つめるサムライ兄弟の元を、たっくんが訪れていた。
「おまえ達、あれと同じ世界から来たんだよな。……そこなら俺は、本当の俺になって、もっとすげえ事とかやれたりすんのかな。だったら、行ってみたいもんだな」
「同じです」
「?」
「人が居て、辛かったり苦しかったりする事もありますが、生きています。この世界と何も変わりません」
楽な救いなどない。
どんな世界でも、人は、前を向いて戦う事でしか、ヒーローにはなれない。
どこまで逃げても……本当の自分はここにしか居ない。
「ん。……そっか。そうだよな。わかってんだよ、そんな事は。戦えって事だよな、ここで。この世界で」
ここはようやく、純粋な少年の言葉が人生にひねくれた男の心に届く、と少年の意義が出て、良かった所。
割と強かった妖怪ズは必殺技連発でざっくりめに撃破されるが、ゴーオンセブンの背後に迫る炎神大将軍。だがその時、たっくんの叫びが大将軍の動きを止め、大将軍はキャストと刀に分離。ガイアークから奪ってきたビックリウムを直接経口摂取で巨大化した妖怪ズに対し、大将軍キャストに、スピードル・バスオン・ベアールVのソウルを入れて、本日限りの、大将軍特別復活。
「炎神大将軍、堂々出陣!」
概ね年に一度の佛田回という事で、炎神大将軍、大暴れ。……まあなんか、街を破壊していた尺の方が長かった気もしないでもないですが(笑) トドメは炎神剣・ゴーオン紅蓮斬りで妖怪ズを覆滅!
「あったのですね、あなたの中に烈鷹殿と同じ心が」
「そんなんじゃねえよ。ほらよ」
たっくんは兄弟に刀を返すと去って行き、兄弟はパワーを溜めた恐竜列車に乗って、大将軍キャストと刀を手にサムライワールドへと帰還していく。そして、たっくんは次元の彼方へ走り去っていく列車を見送ると、ぱりっとした服に着替え、新しい人生を歩む為に踏み出していく……でオチ。
……あれ、古代炎神、合法的に抹殺された?
いや、居ないとG12になれないし、新しい武器もあるし、次回にはしれっと帰ってきていそうですけど。
前回からはだいぶリカバーしましたが、根本的に、幹部を1人失ってガイアークが少々落ち目の所で、外から来た勢力がこれまででも屈指の大破壊を行うというエピソードを、どうしてもこのタイミングでやらなくてはならなかったのか、というのは正直(^^;
何か大人の事情でもあったのか。
にしても『ゴーオン』の劇場版って、仮面ライダー555、ダイナブラック、メガブルー、デンンジグリーン、デカピンク、と、もう一つ戦隊組める、みたいなメンバーだったのか(笑)
次回、最終クール突入でそろそろクライマックス展開かと思いきや、もう少し単発エピソードで、兄、隠し子発覚?!