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『機動刑事ジバン』感想4

◆第4話「すてきなバラのプレゼント」◆ (監督:岡本明久 脚本:藤井邦夫)
「お父さん、やっと出来たわ。私、このバラで、絶対にお父さんの仇を討ってあげる!」
5年前に死んだ父の研究資料を基に、超麻薬バラの開発に成功した少女・篠原ゆきは、そのバラを用いて、父を陥れたかつての共同研究者達に復讐を開始する。3人の内2人までを超麻薬バラにより肉体が結晶化する奇妙な仮死状態においたゆきだが、最後の1人の正体は、なんとバイオロンのバラノイドであった。
眼鏡の中年が真っ赤なバラの怪人に変身するというバラノイド……うーん、どうして『ジバン』怪人はこの方向性なのだろう。ギバの基地にいるクリーチャーも、親しみとユーモア要素を意図した配置なのでしょうが、今ひとつ、滑っていますし。とにかく今作は、作中の色々な要素が八方破れで噛み合っていない(^^;
バイオロンは芥子から精製される麻薬より何百倍も強烈な超麻薬により、人間を奴隷状態にしようと計画していた。だが、ゆきの父、篠原博士は真摯に超麻薬を医学の為に使おうと考えており、他の3人と決裂。超麻薬の研究資料を隠すも、3人の手によって殺害されてしまったのである。
二つの現場でバラの花びらを拾った直人は、基地のコンピューターで篠原教授に辿り着く。超麻薬バラを研究している危ない研究者として、篠原博士を対バイオロン法執行リストもとい怪しい科学者ファイルにリストアップしているお爺ちゃん(笑)
博士は5年前に死んだが一人娘が居る事を知った直人は篠原家へ向かうが、一足遅く、共同研究者の最後の1人の元に案内すると言って、秘書ズがゆきを連れ出してしまう。
「それにしてもあの女達はなんだ? ……まさかギバの」
木陰に引っ込んだと思ったら、いきなりジバン変身。どうしてこんな、ヒーローの登場シーンに盛り上げる気がないのか(^^; 岡本監督は前作『ジライヤ』で10本演出していますし、取り立てておかしい監督というわけはない筈なのですが。
まさか、ジバンがどういうメカニズムでどうやって変身するとか、この時点で決まってなかったのかなぁ……(^^;
レゾンに乗り後を追ったジバンは、バラノイド人間体から5年前の真相を聞かされると共に超麻薬バラを奪われ殺されそうになったゆきを救出。気絶したゆきを篠原家へ連れ帰り、直人の状態でどうやって誤魔化すのかと思ったら、
「詳しい事はジバンに聞いたよ」
で済ませました(笑)
仮死状態の2人を元に戻す事は出来るのか、という直人の問いに、元に戻す事は出来るが戻す気はない、と答えるゆき。
「ゆきちゃん、あの2人の体を元に戻し、お父さんを死に追い込んだ罪でちゃんと裁判にかけるんだよ」
「嫌よそんな事」
「ゆきちゃん、人間なら、どんな凶悪な奴でも、法で裁く義務があるんだ。そうしなければ、ただの獣になってしまう」
いきなりの重い社会派展開で、前回が「日本を野菜で埋め尽くせ」作戦だっただけに、ギャップ、というか、シリーズとしての方向性の定まってなさを激しく感じさせます(^^; 中盤の変化球とかならともかく、4話までのアップダウンが激しすぎて、バラエティ豊かというよりも、作品としてどこへ進みたいのか、さっぱりわかりません。描写は猟奇なのに、サブタイトルはえらい軽いし(笑)
そこへ先輩刑事がやってくるが、バイオロン戦闘員が屋敷を襲撃し、突然の銃撃アクション。先輩もゆきちゃんをガードして射撃の名人ぶりを発揮するが、秘書怪人に叩きのめされ、ゆきをさらわれてしまう。屋外に誘き出されてバズーカで吹っ飛ばされた直人は、しれっとジバンの姿で篠原家へ戻ってくるとそれ聞き、専用バイク・バイカンで追跡を開始。
イカンは低い車高に丸みのある外観、黒ベースにワンポイントで黄色という配色が良く、なかなか格好いいデザイン。
爆撃を切り抜けたジバンの前に現れ、助けを求める、2人のゆき。
「どちらかがバラノイドの化けたゆきちゃん」
いや貴方、バラノイドと会った事ないヨ。
「どっちだ……どっちが本物のゆきちゃんなんだ?!」
悩んだ末に、超麻薬による結晶化の治療法を問うジバンに対し、1人のゆきは「いいのよあんなやつら!」と切り捨て、1人のゆきは治療法を答える。それを聞いたジバンは、切り捨てた方のゆきに外道照身霊波光線。
えーーーーーー?!
ゆきちゃんが復讐を捨てて心変わりする時間も描写も一切無かったと思うのですが、直人、自分の説教にそんなに自信があったのか。それとも、治療法を知っているのは本物のゆきちゃんだけ、というごく単純なお互いの機転なのか(しかしそれだと、ドラマ的な深まりが全く無いのですが)。
とにもかくにも正体を現したバラノイドに対し、いきなり片言ぎみになって対バイオロン法を読み上げるジバン。
先程まで凄く流ちょうに喋っていたので、なにか言わされてる感が、怖い。
今回は読み上げている最中に相手の攻撃を弾きという演出が入り、駆けつけた先輩に本物ゆきちゃんを託して、戦闘開始。バラノイドの猛攻に苦戦するも、本日も突然逆転。
「第二条補足――場合によっては抹殺する事も許される」
どう見てもジバンさん、最初から逮捕とかする気ないけどな!
人間なら、どんな凶悪な奴でも法で裁く義務があるけど、バイオロンには人権が無いからシカタナイ。
かくてバラノイドはジエンド。ゆきは結晶化した2人を血清で元に戻し、2人は裁判で罪を認めるのだった。そしてゆきと直人は、人類にはまだ早すぎた……と超麻薬バラに関する篠原博士の資料を焼き捨てるのであった。
「直人さん、どうしてジバンは、貴方しか知らない事を信じてくれたのかしら」
「え? そ、それは……」
「まさか……直人さんがジバンじゃ」
4話にして早くも、ばーれたーーー。
「しっ。ゆきちゃん、それは言わぬが花の秘密だよ」
……え、それ、格好いいつもりなのか、直人。というかスタッフの中で一応、格好いい扱いなのか直人。いや一応、主役なので格好いいに越した事はないのですが、ここまで特に格好いい描写無かったのに、急に洒落っ気とか出されると、反応に困ります(^^;
シナリオの展開、キャラ描写、悪くはないけど統一感のないアクション、と『ジバン』のどこへ行きたいかわからない感じが凝縮されたエピソード。
例えば後年の『特捜ロボジャンパーソン』も序盤は暴走&迷走していましたが、立ち上げ4話で、これだけ腰の据わってない作品もなかなか珍しいような(^^;
ドラマとしては、復讐を望む少女の葛藤部分が全て吹き飛ばされたのが致命的。
ゲストキャラのゆきは、どこかで見覚えのある顔だなぁ……と思ったら、翌年『特警ウインスペクター』第7話(藤井邦夫脚本)に、ダメオヤジを支える娘役で出演していました。
調べたら他にも『仮面ライダーBLACK』『超獣戦隊ライブマン』『高速戦隊ターボレンジャー』『超人戦隊ジェットマン』『特救指令ソルブレイン』『特捜ロボジャンパーソン』『超力戦隊オーレンジャー』と、前後にゲスト出演多数。道理で落ち着いた演技。