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『機動刑事ジバン』感想17

先週分。
◆第23話「マンガを喰いすぎた怪物」◆ (監督:岡本明久 脚本:扇澤延男)
町中の書店や図書館からあらゆる本が消滅するという怪事件が発生。目的不明のこの変事に世間はパニックに陥るが、こんな斜め上かつ大規模な悪事を行うのは、もちろん我らがバイオロンしかなかった!
「動機が掴めぬ? 愚かな人間共の発想の貧しさよ」
「まさか、この世から一冊残らず本を消滅させる事が、我がバイオロンの目的とは、夢にも思いませんね。あははははははは」
うんそうだね、思わないね……。
古代より、文化・文明の根本にあるのは文字。
そして文字によって記された本こそが知識を伝え、文化・文明を継承していく。
ならば、その文字、そしてあらゆる書籍を消滅させれば、人類文明はその保持が不可能となり、崩壊するのだ!
……凄い、凄いよギバ様!
相変わらずこの、ちょっとした嫌がらせの思いつきを人類社会への大規模攻撃へとすり替える手際がエクセレントです。
そしてその手段は、ヤギノイドによる、本の食べ尽くし。
書き上げたマンガの原稿が怪物に喰われた、という漫画家・星山の通報で現場を調べた直人は、窓枠に付着した獣毛を基地で調べた結果、それがヤギのバイオ怪物のものであると確認する。もう一度、星山の話を聞こうとする直人だったが、星山は「おまえには少女マンガは向いてない」と駄目出しに現れたヤギノイドに、何故かさらわれていた。
(なんて弱い怪物なんだ。こいつには戦闘力がないのか)
それを阻止しようと立ちはだかったジバンは強者の驕りを見せた隙を背後から秘書ズに撃たれ、漫画家はさらわれてしまう。はたしてヤギノイドの目的は…………自分を主人公にしたドリームマンガを書かせる事だった!!
「ヤギノイドが漫画家と行方をくらましただと?!」
基地で重々しく振り返るギバ様。今回は、もう、ここが、最高に面白かったです(笑)
作戦そっちのけで私欲に走ったヤギノイドはマッドガルボに発見されて折檻を受け、基地へと回収される。……あ、マッドガルボが、役に立った。
「ヒーロー? ヒーローになりたかっただと?」
そう、ヤギノイドは命令に従ってあらゆる書物という書物を食べている内に……気付いてしまったのだ。この世には、ヤギが主人公の物語が、あまりに少ない。むしろ、狩られたりおいしくいただかれたり、散々だ!
「一度でいいから、自分がヒーローになって大暴れする姿を、本に載せたかったのです。それであの漫画家に」
途中からわけのわからない展開に吹っ飛んだと思ったら、なるほどこう来ましたか。
「社会の落伍者の諦観と歪み」というのは、後の《レスキューポリス》シリーズで特に顕著になる、扇澤脚本のベースとなるテーマ性の一つですが、それを“ヤギに生まれたが為に華々しく活躍できない怪人の悲哀”に持ってきたのは、面白い。
「それほどヒーローになりたいのなら、望みを叶えてやってはいかがです」
それを聞いたマッドガルボ、ヤギノイドを戦闘用に再改造する事を提案。
「改造し、ジバンと戦わせる」
「それは、面白い」
あ、ギバ様が最初の作戦どうでもよくなった(笑)
「いやだ……死にたくない」
「ヒーローになりたくないのか」
えぐいメタネタ(笑)
バイオロンの全体方針に逆らった見せしめの意味も含めてヤギノイドは強制的な改造を受ける事になり、警察署にはヤギがジバンを倒すマンガがFAXで送られてくる。直人と先輩がFAXの発信元へと急ぐと、そこでは星山が電気椅子に縛り付けられ、強制的にマンガを書かされていた。
先輩、直人がヤギと組み合っている所も、容赦なく撃つ。
ヤギに吹っ飛ばされたのを利用して、直人はジバンに変身。
「本は人類の英知の結晶だ! それを食いつくさせるわけにはいかぬ!」
ギバ様の忘れた本筋に話を戻すジバン、偉い(笑)
「おまえを倒し、俺はヒーローになるんだ」
古紙回収センター内部での戦いは、シュレッダーで刻んだ紙くずみたいなものが飛び交ったり一面に散らばっているのが良い感じに雰囲気を出しました。
「今だ、ミサイルを撃ち込め! ヤギノイドもろとも、吹き飛ばすのだ」
ジバンとヤギの交戦を確認したギバ様は、まとめて抹殺しようとミサイルを発射。
ギバ様は、定期的にミサイルを撃たないと、くしゃみが止まらなくなる体質なのです。
だが、挿入歌とともに飛行マシンが出撃して、このミサイルを撃墜。
「これがギバのやり方だ!」
「黙れ! ギバなんかどうでもいい。俺はおまえを倒して、俺の物語を、完成させるだけだ」
ヤギに生まれ、ヤギに死す。そんな物語を、自分が主人公に書き改めるべく猛然とジバンに挑みかかるヤギノイドだったが、激しい飛び道具の打ち合いの末、最後は舞い散る紙くずの中、ジバンエンドが炸裂する。
「ヒーローが負けるなんて、そんな馬鹿な!」
かくてヤギの夢は儚く打ち砕かれ、漫画家は電気椅子から解放され、大団円。
「あの怪物は、自分がマンガのヒーローになる為に、命を懸けたんですね。俺、改めてわかりました。ものを書くって事が、一冊の本を作るって事が、どれだけ重い意味を持ってるかって事」
この辺りは、作り手としてちょっとメタだけど、入れたかったネタか。
「俺ね、俺、いつかジバンを主人公にしたマンガ、書きますよ」
この世から本を無くして人類社会を崩壊させるという気宇壮大な計画が何故か俺主役のドリーム小説作戦にすっ飛びどうなる事かと思われましたが、奇想天外な展開からヤギに生まれた怪人の悲哀に繋ぐという、ようやく今作でも扇澤延男らしさが出たエピソードで、まとまりも良くなかなかの秀作でした。途中でヤギが強化改造を嫌がる辺りが素晴らしい(笑)
ところで最初の捜査シーンで、空気を読まない漫画家が唐突に先輩をナンパし、この大団円のオチにちょっとだけ使われるのですが、特に何かの伏線になるわけでもない上に要素としてはほぼ無意味。これは、先輩の扱いを少し良くするようにと、上層部から圧力でもあったのか(笑)
ゲストの漫画家・星山役は、どこかで見覚えのある顔だなぁと思ったら、後のアイスマン(『特捜ロボジャンパーソン』)でした。
次回、本当に村松刑事も狙われたよ……!(笑)


◆第24話「ようこそ!!大霊界へ」◆ (監督:岡本明久 脚本:高久進
珍しく、直人と村松のコンビが犯罪者を追うというシーンから。追跡中、村松が犯人の銃撃で負傷し、変身して犯人グループ(バイオロン戦闘員だった)を叩きのめしたジバンは、基地に運び込んで村松の脚を緊急手術する。
――結果として、“現場で脚を撃たれた筈なのにどこにも入院せずに一夜明けたらにこやかに出勤した男”になってしまう村松
現場で気を失って気がついたら自宅で寝ていた、と村松が先輩の追求を受ける姿に、やっちまったーーーと無言でコーヒーをすすっている直人が、面白い(笑)
婦警コスでセントラルシティ警察署に潜入していた秘書ズがこれを立ち聞きし(警察……)、ジバン基地の場所を知っているに違いない、と狙われる事になる村松刑事の身辺に、ジサツノイドの影が迫る。
「俺は大霊界への道案内人だ」
と意味不明なテンションのジサツノイドは、もろに髑髏モチーフの顔に、尻尾と触手というグロテスクなデザイン。目が輝くと何故か大霊界のイメージ映像?が浮かぶのですが、よく、わかりません(^^;
そういえば映画『丹波哲郎大霊界』ってこのぐらいの時期だったっけ……と思ったら、ちょうど同じ89年の公開でした。ただ配給は松竹だったので、直接の宣伝企画というよりは、単なるブーム便乗?か? そもそもブームはあったのか、とか、詳しくはよくわかりません。映像は東映の昔の映画からそれらしいのを引っ張ってきたのかと思われます。
ジサツノイドの体内には腐食ガスが充満しており、「必ず奴を道連れに、死んでみせましょう」と相討ち前提で始まる、ジバンの戦力分析。
「ジバンエンドの破壊力はダイナマイト5本分」って……バイオロン怪人って、ダイナマイト5本で倒せるのか(笑)
先日、怪人の素が警視庁に分析されてこの事実が明るみに出ていた日には、一気に殲滅されていたかもしれません、バイオロン。紙一重だった……。
突然、「何を隠そう。僕が機動刑事ジバンなんだ」と、お茶くみの女の子に告白していた村松はジサツノイドに拉致され、秘書ズからジバン基地の在処を探る為に脅迫を受ける事になる。
村松の発言が唐突かつ突飛すぎて意味不明で、単なるナンパとも思えるのですが、このお茶くみの女の子も、どうして警察がお茶くみの女の子を雇っているのか、と縁故の香りしかない謎の存在であり、謎と謎がぶつかりあって、作品そのものが対消滅しそうな勢いです。
「直人さん、彼を助けた事が仇になってしまったね」
村松が誘拐された事が判明し、ハリーボーイのストレートな発言に、「き、気絶していたから大丈夫な筈……」と苦しい言い訳をする直人。緊急手術に必然性を持たせるなら、脚ではなくもっと命が危なそうな場所を撃たれた事にすればスムーズだったと思うのですが、今回は脚本も演出もひたすらちぐはぐ。
緊急手術に用いたスーパーセラミックの反応を探知して村松を助けに行く前に、今度は基地で3大メカの設定を確認。
回想シーンは少しずつで総集編というほどではなく、タイミング的には夏休み編? と思って放映リスト確認したら7/9放送だったので少々早く、大霊界のイメージ映像といい、妙な尺稼ぎが続きます。まあ、新展開もあったので、この辺りで一度、色々アピールしておこう、という話だったのかもしれませんが。
頼れる仲間達の確認も終わったので、頼れない先輩の救援に向かう事にしたジバンの前にマッドガルボが立ちはだかるが、サイドカーを壊すと、あっさり退却。物凄い勢いでゾウリムシ以下の存在へと落ちていきますが、一体どうするのか。というかもはや、どうするつもりだったのか、レベル。無理に毎回出さない方がまだ面目を保てると思うのですが、無駄に毎回出す為、傷口が物凄い勢いで広がった上に腐ってしまって手遅れ状態。
(ジバン……やはり僕は、ジバンではなかったのか)
どうやら村松は、ナンパ目的ではなく本気で勘違いしていた様子ですが、そもそも何がきっかけで勘違いしたのか全く描写が無いので、100%意味不明になってしまいました。
ただそれはそれとして、ジバン頭部の桜の代紋に気付いた村松が敬礼を返すのはちょっと面白かった。
村松を助けたジバンを強襲する、ジサツノイド。
「死んでくれ、一緒に死んでくれ、ジバン」
何の目的で作ったんですかギバ様(笑)
「ジバン、俺はどんな事をしても、おまえを道連れにして、あの世に行くのだ」
その名の通りの自殺願望を剥き出しに、大霊界に迫るジサツノイドの攻撃に対し、ジバンはダイダロスを召喚。超久々のダイダロス飛行から、ジバンフライングクラッシュそしてエンドで撃破。しぶといジサツノイドは玉砕特攻を仕掛けるがそれも回避し、何とかジバンは勝利、ジバン基地の秘密も守られるのであった…………たぶん。
〔拘束された村松に「場所はどこなの、どこなの?!」と秘書ズがメスを持って迫り村松が悲鳴をあげる→ジバンとマッドガルボ戦闘→ジバン、アジトに突入→秘書ズも怪人の姿もなく、ジバンは拘束された村松を助ける〕
と場面転換による物語の流れが全く繋がっておらず、結局尋問がどうなったのかは、全くわかりません(^^;
大霊界イメージ映像に始まり、全編あまりに意味不明すぎて、面白いとか面白くないとか、高久先生の脚本が酷いとか、岡本監督の繋ぎとシーン選択がおかしいとか、そういうレベルを通り越し、破綻しているというよりもまとめるのを放棄したようにしか見えない、謎の1本(^^;
唯一、村松を尋問する筈が「大霊界を見た途端、俺は死にたくなった」と、いきなりガスを吐き出し始めるジサツノイドは、狂っていて面白かったですが(笑)