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『侍戦隊シンケンジャー』感想16

◆第二十六幕「決戦大一番」◆ (監督:中澤祥次郎 脚本:小林靖子
疲弊した丈瑠に迫る十臓。
「次に会った時と言ったのはそいつだ」
あ……それ優先なのか(笑)
確かに筋は通っていて、ぐうの音も出ません。
若干、殿が疲れている所を通りすがった感もありますが、十臓はそういう性格では無さそうなので、本気で普段は携帯でゲームとかやりながらぶらぶら彷徨っている、ランダムエンカウントシステムっぽい。
丈瑠もそれに応じようとするが、そこへナナシ軍団が出現し、いらっと来た十臓はナナシ軍団を薙ぎ払って全滅させる。
「寿司屋。おまえに免じて一日待とう。寿司が食えなくなるのは惜しい。明日だ。場所はカンナ岬。俺もこいつも飢えてきている。おまえが来なければ、適当に人を斬らねばならん。十人や二十人で足りるかどうか」
十臓は消え、太夫は三味線を抱えて歩み去り、アヤカシは乾燥肌で撤退し、シンケンジャーはひとまず難局を乗り越える。
屋敷に戻った茉子は、太夫に対する自分の迷いがことはを傷つける事になったと、己の中の甘さを切り捨てる為に料理本とエプロンをゴミ箱へ。
「迷ってたら守れるものも守れない。だから……もう一度侍として、きっちり覚悟決めないと」
それを黙って見つめる彦馬だが……侍として覚悟を決めるという事が人間的な部分を切り捨てるという事ならそこは肯定してはいけない所だと思うのですが、さて。
十臓の無差別辻斬りを止める為に決闘に赴こうとする丈瑠に対し、全員で砂にすれば良いで御座ると提案する流ノ介。だが、それでは十臓は出てこないだろうし、そうなったらどこで辻斬りを始めるかわからない。
「丈瑠しか戦えないなら、行くべきだと思う」
固い表情の茉子も丈瑠を支持した事で、結局は強く反対する流ノ介を丈瑠が押し切るが……納得のいかない流ノ介は稽古で剣気を研ぎ澄ます丈瑠を、正座で凝視。
「お守りしようとしているのに、肝心の殿がご自分の命に無頓着では、正直頭に来ます」
「十臓と戦えるのは俺だけだ。それに……志波家当主じゃなくて、ただの侍としての俺が……戦いたいと思っている」
内容の良し悪しはさておき、ここで初めてこぼれる、丈瑠の、個人としての執着。若干ヒャッハー方面なのは、侍の、デフォルトだから仕方ない。
また、執事回のことはとの差異の強調もあるのでしょうが、L・O・V・E・殿・INOCHIだった流ノ介が、その忠節ゆえに、時には真っ正面から殿へ諫言するキャラに成長。
着々と、彦馬二代目への道を歩んでいます。
その頃十臓は、もうこの三味線放り捨てたら気が済むかなー、なんか酔っ払いの相手しているの面倒になってきたしー、仕事辞めて印度でも旅に行こうかなー、と黄昏れていた太夫と出会っていた。
「外道に堕ちるほどの未練。たかが数百年で晴れるのか」
「なにを?! おまえも望んでいる事だろう。聞いたぞ。バラバラになって消えてしまいたいと」
「ははははははははは!」
「何がおかしい?!」
「それは俺の――欲望だ。そこまで斬り合って、ようやく、満たされるかどうかの。誰が綺麗に消えたいものか」
十臓に関しては、マッド人斬りとしては若干キャラの弱さを感じていたのですが、この台詞でぐっと面白くなってきました。
十臓は歩み去り、太夫はその言葉に、己の本質を思い出す。
「未練……そうだったな。永遠におまえ達の魂を結ばせまいと。……手放してなるか! 消えてなるものかぁ!! はぐれ外道と蔑まされようと、このまま……永遠に苦しめ。新佐……ふっふ……ふふふ」
ストレスの多い職場で退職を考えていたけど、通りすがりのミシュランカウンセラーのお陰で、太夫、復活。
太夫と十臓は過去に何か因縁でもあるのかと思っていましたが、単純に、「はぐれ外道」という立ち位置が同じという話か。
翌朝、十臓との決闘へ赴く丈瑠を見送る家臣達。
ここでまたも殿の前に立ちはだかった流ノ介が、「家臣としては止めたいけど、一人の侍としてなら殿の言いたい事もわからないでもないでもない」と、またも侍脳な事を言いだし、殿と家臣とはまた違う、侍と侍、男と男の絆が新たに発生して光輝くのですが、構成的には少々しつこくなってしまい、前夜の内にここまでまとめしてしまっても良かったような。……まあ、流ノ介がそこに至るまでに一晩かかった(自室で考え込むカットがある)という流れを取ったのでしょうが。
その時、夢アヤカシが再び人間界へ出現し、流ノ介は丈瑠から印籠を預かり、お互いの再会を約す。源太登場後のバランス調整の一環として、ここ数話で一気に流ノ介がサブリーダーっぽくなりました。
スーパーシンケンブルーは、青地に白+金で、配色としては超レッドより格好いいかも(笑)
巨大化した夢アヤカシの変則的な動きに苦戦する大海真剣王だったが、相手の攻撃を受け止めて隙を作ると、最後は折神大海砲で成敗。
そして――歪つな何かを抱える侍と、外道に堕ちた修羅は凄絶な一騎打ちで火花を散らしていた。
「思った通り面白い。戦うほど、手応えが増す」
剣の交錯後に背面で睨み合うなど、「静」と「動」の差を強調した、今作らしい、時代劇を強く意識した立ち回り。
始めは互角の戦いを見せるシンケンレッドだったが徐々に追い込まれ、十臓の刃がその身を捉えていく。遂に十臓の裏正がレッドの右肩を貫くが、レッドは取り落としたと思われたシンケン丸を左手で掴むと、右腕を犠牲にして十臓の懐へ飛び込み、左手で会心の一太刀を浴びせる。
続けての打ち下ろしに対して十臓は受けに回るが……友達(裏正)折れたーーーっ!
レッドの斬撃は裏正を断ち割って見事に十臓の体を捉え、外道の剣士の骨の髄までバラバラに。
「シンケンレッド……見事だ。これほどの快楽、他には……ない」
十臓は崖から海へと真っ逆さまに転落し、殿が勝利した所に皆が駆けつけて、大団円。
気合いと勢いで大技出して決着、ではなく、死中に活を求め、力量差を執念で埋めて技で勝つ、という良い一騎打ちでした。
十臓は海に落下したので復活の目が充分にありそうですが、話し相手(裏正)が折れてしまったのが心配。まあ、魔剣ぽいので、根元からまたにょきにょき生えてきそうな気もしますが。
真・侍合体ディスクは全折神召喚可能という事で、巨大戦と一騎打ちを完全に分けて純粋なクライマックスに持ってくる事が出来たのも良かった所。
パワーアップ前後編を踏み台にして、幹部退場前後編をやるという荒技でしたが、2話続けて大海真剣王は搭乗員不足で苦戦気味だったり、十臓との対決でレッドがスーパー化しなかったり、新ギミックが微妙な扱いながらしかし物語の中にきちっと組み込まれた上で、明らかに23−24話より25−26話の方が全てのテンポが良く、大海真剣王周りがかなりの難産であった上に色々と投げ飛ばされた事が窺えます(^^;
戦い終わって、源太が三つ星寿司を持ち込んで祝勝会に雪崩れ込む中、一人固い表情の茉子に、捨てた筈の料理本とエプロンを渡す彦馬。
「これは……」
「覚悟をするのはいい。しかしな、少しぐらい余裕がなければ、外道衆と一緒だ。ははは」
「はい」
受け取った本を大切そうに抱きしめて、珍しくストレートに可愛げをアピールする姐さん(“女子が胸の前で何かを抱きかかえるポーズは可愛さ3割増しの法則”)。
茉子は非常によろしくない方向に行きそうだったので、ここは年配者からフォローが入って、良かった。
まあ長編としては敢えて今回で解決せずに、茉子の中の影として引っ張るという手もあったかとは思いますが、それだと扱いが大きくなりすぎるので、さらっと解消しておいたのは妥当な所か。彦馬の立ち位置の意味も出ましたし。
こう見ると、メンバー個人の抱える事情を年間通して引っ張って使った『未来戦隊タイムレンジャー』はかなり意欲的な構成をしていたのだなぁと改めて。
右腕を負傷で吊っている殿に、ちゃっかりことはが寿司をあーんと食べさせ、ジェラシーを燃やした流ノ介と寿司屋が強引に寿司を押し込もうとする馬鹿騒ぎで、一件落着。
なおこの後、責任を取って姐さんの料理の被検体となった彦馬が、死にそうになったとかならなかったとか。