はてなダイアリーのサービス終了にともなう、旧「ものかきの繰り言」の記事保管用ブログ。また、旧ダイアリー記事にアクセスされた場合、こちらにリダイレクトされています。旧ダイアリーからインポートしたそのままの状態の為、過去記事は読みやすいように徐々に手直し予定。
 現在活動中のブログはこちら→ 〔ものかきの繰り言2019〕
 特撮作品の感想は、順次こちらにHTML形式でまとめています→ 〔特撮感想まとめ部屋〕 (※移転しました)

『仮面ライダーW』感想31

◆第40話「Gの可能性/あなたが許せない」◆ (監督:柴崎貴行 脚本:三条陸
最初にざっくりまとめると、川相透の人格改善と社会復帰への道と、フィリップが家族を取り戻す可能性への希望を見いだす事、を映画作りネタを通して繋げ、ついでに亜樹子の力を描いたのですが、コンセプトは悪くなかったものの、物語としては上手く収まりませんでした。
まず、川相が変化する成り行きにドラマ的な面白さが無い。
前後編の内20分ほどかけて亜樹子の熱量が押し切ったのですが、最終的にはたいて決まりだったり、そこが今ひとつ物語として面白くなりませんでした。
次に、川相が変わっても別に見ていて嬉しくも楽しくもない(笑)
これは結構重要な所で、物語における川相の変化を見て「おお変わった! 良かった!」となる事でカタルシスや面白さが生じるわけですが、それが全然ない。ド変態が真人間への道を一歩踏み出したのはともかく、その最初の発言が逆ギレ気味演技指導では、好感の生じようがありません(^^;
亜樹子が凄い好きだと、「亜樹P報われた!」となって嬉しいかもしれませんが、亜樹子は亜樹子で良いキャラだとは思いますが、特別思い入れはないので(^^;
そして上と繋がりますが、ゲストヒロインの虹村さんの造形がてきとう過ぎ。
自分に変身して勝手に主演映画作って上映していたド変態の映画作りに改めて協力するという39話の時点でかなりネジは飛び気味だったのですが、その上、口を開いたと思ったら「明るすぎるからもっとダークにやれよ!」とか叫び出す相手には、右手のブロードソードで兜割りしても許されると思うのですが。
“善人”で済ますには描写の説得力があまりに足らず、話を転がす為のダシ以上でも以下でもないキャラクターになってしまいました。まあ、風都の悪女力の反作用で生まれた聖母のような存在なのかもしれませんが!
そんなこんなで、軸になっている二人のキャラクターにどちらも感情移入するとっかかりが薄いので、この二人の関係が上手く転がっても特に盛り上がりがなく、しいてはフィリップの心境変化への連動も説得力が薄い。
こういった連動は、理屈よりも、劇のダイナミズムで発生するものなので。
そういった訴求力の弱さは感じたのか、川相の変化をより劇的に見せる為に、クライマックスで川相が亜樹子を流れ弾から守るシーンを描いてポイントを与えていましたが、極端に言うと、そのシーンを付加しないといけない時点で負け戦というか、これまでの流れと関係なく誰がやってもポイントを稼げる行為なので、誉められた展開ではありません。
というわけで、フィリップにとっては再起のエピソードだったのですが、あまり上手く噛み合わなかった、というのが正直な所。以下、かいつまんで。
「笑わせないで……。おまえは物なのよ来人。家族じゃない」
家族とは戦えないというフィリップに対し、冴子は冷たく告げ、一度退いた後、再び若菜を襲撃。
「死んだ男たちの未練に縛られた亡霊よあなたは!」
クレイドールなんて護身用の玩具みたいなメモリしか与えられてないお子様に、大人の女の何がわかるの」
「なんでっすてぇ?!」
まあ要するに“姉妹喧嘩”で少々子供化しているという事なのでしょうが、自分で自分を「大人の女」とか言ってしまう冴子さん(笑)
「川相透を変えるなんて、絶対に不可能だ」
「おまえはまだ、うちの所長様の凄さを理解してねえよ」
その所長様は、スリッパでクレイドールにダイレクトアタック。
「何がミュージアムの女王よ……どいつもこいつも! 流されてばっかで! それ、ホントにあんた達のやりたかった事なの?!」
「言ったでしょう。私は女王になる。姫は卒業よ」
だが、クレイドールはジーンの力により全身に融合させたガイアプログレッサーを起動し、その力はダブルとアクセルを2対1でも上回り、更にプリズム剣の《対再生能力》を無効化する。
「残念ね、来人。私変わったの。見せてあげる。お姉様もそこでよく見てるといいわ」
ガイアの力が今、クレイドールから迸り――
「えくすとりぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃむ!!」
わ・れ・た!
個人的にはクレイドールのデザインなら、腕をぐおーんとやって、『大魔神』的な変身が見たかったのですが、割れずにはいられないらしいエクストリーム。
クレイドール=土人形はそもそも、神への祈りの器。クレイドールを究めた時、若菜が地球という神の御子になる……それこそが琉兵衛の狙いであり、ミュージアム最終計画の一環であった。
ここで琉兵衛は、エクストリームへ至る分析の為にこれまでダブルを泳がせていた事と、加頭が冴子を拾った事を知っているのを示唆。終盤で黒幕が「お前達は私の手の中で踊っていたに過ぎないのだ」的な発言をするのは好きではないのですが、今作の場合、明らかに素性の割れている翔太郎達にミュージアムの直接攻撃が無い理由は必要だったので(冴子さんは、“勝てないから”だったけど)、許容範囲。
むしろそのクッションの為に、9−10話という、かなり早い内に素性割れしたと見るべきか。
地球という神の御子、クレイドールエクストリームは、格好良…………くはない(笑)
もともと幹部怪人としては格好悪い上に弱そうで、早期リタイアか強化変身のどちらかと思われたクレイドールですが、エクストリーム化したその姿は、ぷかぷか浮かんで触手を伸ばす超凶悪な土偶
「なんだこいつは?! 圧倒的すぎる」「どうすりゃいいんだ、こんな相手」
その破壊力とパワーは桁違いでもはやドーパントのくくりに収まらず、RPGのイベントボスみたいな扱い(笑)
エクストリームが防御特化のシールドを展開して何とかX土偶の光弾を防ぎ、背後でビルが吹っ飛ぶ中、X土偶は嗤いながら時空の亀裂を通って去って行く、と全てにおいて規格外な力を見せつける。
玩具だと思っていたクレイドールが実は最強の可能性を秘めたガイアメモリであった事を知り失意の冴子だが未だ怨念の炎は消えず……今回の勢いで退場も危惧した冴子さんですが、ポジションが様変わりしつつまだ踏ん張ってくれるようで良かった。今後、ガイアメモリ直差しの影響による狂気の部分も出てくるでしょうし、楽しみです。
そして、クレイドールについて星の図書館で調べるフィリップの前に、若菜が姿を現す。
「若菜さん。本心を言います。今でも僕は思っている、貴女は大事な家族だと。だから僕も諦めない。必ず貴女を救う。僕は、僕の家族を取り戻す!」
「うふふ、ふふふ、馬鹿な子……地球一頭がいいくせに」
川相は人を傷つけてこそいないものの、映画館にかなり損害を与えた気がするのですが、逮捕までされなかったようで、映画館の同僚達と映画を作る日々……まあ、映画館を解雇されて借金を背負っていない、とは言及されていないし今作の世界観としては責任取っていてしかるべきなのですが、もしかしたら虹村さんが資産家の令嬢で借金の肩代わりとかしてくれたのかもしれない。
そんなわけで今回の結論は、風都の男達は虹村さんを女神と讃える、聖ジェシカ教団を設立するべき。
だが次回、ゴッデス虹村の反動で、風都史上最強の悪女現る……?!