はてなダイアリーのサービス終了にともなう、旧「ものかきの繰り言」の記事保管用ブログ。また、旧ダイアリー記事にアクセスされた場合、こちらにリダイレクトされています。旧ダイアリーからインポートしたそのままの状態の為、過去記事は読みやすいように徐々に手直し予定。
 現在活動中のブログはこちら→ 〔ものかきの繰り言2023〕
 特撮作品の感想は、順次こちらにHTML形式でまとめています→ 〔特撮感想まとめ部屋〕 (※移転しました)

『烈車戦隊トッキュウジャー』感想45

◆第45駅「君が去ったホーム」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:小林靖子
最初に断っておくと、少々テンションが低いです(^^; いや、単独のエピソードとして見れば別に悪い出来ではないのですが、私の今作クライマックスへの期待値が高すぎて。
キャッスルターミナルの移動により、解放される昴ヶ浜。闇の力を噴出し、皇帝ゼットと渡り合う暗黒1号。夜が明けた事でゼット、モルク、ネロは一時撤退し、気絶したライトは烈車へと運び込まれる。
「単刀直入に言えば、ライトは、ゼットだ。簡単に言えば、ゼットはライトだ」
総裁が導き出した推論は、昴ヶ浜が闇に呑み込まれた日にライトとゼットが接触した事により、ライトはゼットの闇と一緒に大人になってしまったという事。そしてこれまでの戦いにより、ライトと共にその中の闇も成長、更にゼットの闇と共鳴した結果、とうとう暗黒1号が誕生してしまったのであった。
一方、ゼットもまた、ライトの持つ強力なイマジネーションに触れてしまい、それをキラキラとして求めるようになり、両者は互いに相容れない物を抱えながら影響しあっていたのである。
結局ここは、あまりひねらずストレートに。ライトが第1話でいきなりシャドーラインの中で寝ていたのは、闇の力の影響の為だった、と仕込みが繋がりました。
「私には……陛下が、ただお気の毒だとしか……」
キャッスルターミナルを深い闇の中に沈めようとしたグリッタだがゼットに阻まれ、ゼットは遂にキャッスルターミナルを地上へと浮上させる。
「俺は最初から……闇でしかねえ」
ライトはトカッチ達4人のレインボーパスを受け取ると、4人を置き去りにしてレインボーラインへと乗り込む。
「お前達だけでも…………戻ってほしいんだ。あの、秘密基地の頃に。俺はもう……戻れないから」
4人が子供に戻る方法――それは、レインボーラインを降り、トッキュウジャーとしての記憶を無くす事。4人のパスはワゴンの手によってストーブで燃やされ、4人は子供に戻るとそれぞれの家へと帰る……ライトの事を忘れ去って。
そういえばここまで無かった気がしましたが、烈車戦隊として、ホームでの別離シーンをクライマックスに入れてきました。
4人が無事に家に戻れるか、明に見届けを頼んだライトは、その後で合流するという約束を破ると、独りでキャッスルターミナルへと突撃する。
(母さん……みんな、ごめん。絶対に戻るって、手紙に書いたのに。その代わり、二度と闇なんか近づかせない。絶対だ)
単身でクローズ大軍団に挑むライト。
(ごめんな明。負けない。シャドーにも闇にも、絶対に負けないから! でも……なんで勝利のイマジネーションが見えないんだろ……なんで)
そして皇帝ゼットは、全てを、闇で塗りつぶそうとしていた……。
(ライト……てめえを潰して、地上のキラキラも全部潰す。世界は真っ暗で丁度いい)
クローズ軍団を吹き飛ばす暗黒一号は、皇帝ゼットを打ち破る事が出来るのか。最後の戦い、迫る。
うーーーーーーーん……個人的に小林靖子を高く評価している点として、「劇中でのルールの制定」と、「そのルールの内部でのカタルシス作り」というのがあるのですが、ライトがもう戻れないという闇の影響の断定、4人はパスを燃やせば子供に戻れる、という重要な部分が、今ひとつ、物語と連動しきりませんでした。
一応、第32話において「闇の影響で大人になりすぎると子供に戻れない」、という提示はされているのですが、そこから、「4人はまだ闇の影響が少ないから記憶を消せば戻れる」というのが、飛躍しすぎました。
またこの展開だと、元々の子供に戻る条件が「トッキュウジャーとしての記憶を消す」事だったのか、闇の影響が強くなったから「消さないと戻れなくなった」かの判断がつきません。
前者の場合、5人の行動目標が「昴ヶ浜の解放」だったのに対し、5人が子供に戻る設定条件が別に存在していた、という事になり総裁ますます外道になるわけな上に、多分こちらが正解の気がするのですけど、その辺りの条件は事前に提示してクリアにしておくべきだったと思います。
合わせて、今作においてがずっと曖昧な扱いだった為に、「闇の影響」というのが非常にふわふわとしてしまいました。その辺りを「シャドーラインとは何か」という点と一緒に踏み込んでくれると思っていたのですが、この期に及んで全然触れてくれないのが、肩すかし気味(故に、キャッスルターミナルが浮上しても、盛り上がりが足りない)。
あと多分2話?あるので、まだここから、そこへ踏み込んでくる可能性はありますが、出来ればその辺りは繋げてほしいなぁ。
闇の皇帝・ゼットという哀しいラスボスの造形は凄く好きなんですが、逆にゼットが哀愁漂いすぎて、哀しいヒーローとしてのトッキュウ1号を食ってしまっている所もあり(笑)
演出からするとグリッタは死んでない感じですし、明が(恐らくライトに頼まれて)秘密基地で何かしていったぽいというのも気になり、その辺りが最後を盛り上げてくれる事に期待したい。大傑作が見たい。