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『プリキュア』デビュー

以前より、1度は『プリキュア』なるものを真面目に見てみようと思っていたのですが、このほどタイミングが合ったので、新番組『Go! プリンセスプリキュア第1話を見てみました。
シリーズ作品に関しては、たまに地方局で再放送しているのをちらっと見た事があるぐらいで、1エピソードを通しで見るのは初だったのですが、Aパートは女児向けアニメの文法で進んでいたと思ったら、Bパートでいきなり変身ヒーロー物の文法で展開し、物語を貫く、凄いアップダウンに驚愕(笑) 急にスピード感も変わるし。
例えば全て変身ヒーロー物の文法でやるなら、冒頭に忍び寄る闇の存在を匂わせるなどするわけですが、そういう段取りが一切無くて、Aパートは全面的に女児向けのフックをゆったり散りばめたと思ったら、アイキャッチ前に悪い人が出てきて、Bパートは不思議生物との出会いから、え? 殴り合いで解決するの? という凄いジェットコースター。
これはもう、(『セーラームーン』辺りに端を発する)元々はやや異質な物を掛け合わせて作っていた文法が、お約束と化して“《プリキュア》という文法”になってしまっているのでしょうが、凄い悪魔合体だなぁ。

  • 「プリンセスになりたい」という夢を持つ女の子が、みんなの夢を守る為にプリンセスとなって戦う話
  • 「ヒーローになりたい」という夢を持つ男の子が、みんなの夢を守る為にヒーローとなって戦う話

と、Bパートにおける主人公の台詞の中の「プリンセス」という単語を全て「ヒーロー」に置き換えても通用してしまうわけですが、主な対象年齢を考えた時の男女差って意外とその程度のものなのだろうか、など、色々と考えさせられます。その辺りの差異は今後の物語の中でつけられていくのかもですが。
これは、別に女の子がヒーローとして戦って悪いわけではなく、プリンセスが悪と戦っても良いわけだけど、主人公が夢見ていたプリンセスと、Bパートのプリンセスって同じものとは思えなくて、「女の子にとってのプリンセス」と「男の子にとってのヒーロー」が同じ描かれ方でいいのか? そこで「プリンセスとは何か?」というのを描けないと、物語としてはヒーローの代替品にしかなっていないのではないか、という話。女の子向け作品って普段見ないので、他作品や歴史的にその辺りどうなのかはわかりませんし、“女の子向けヒーロー”の物語としてそれでいいというのなら、それでいいのですけど。
ただまあ、そんな事を言いつつ、ヒーロー物の文法になった途端に凄くすんなり飲み込める自分はとても駄目だと思いました(笑)
或いは私が勝手に、事象を全てヒーロー物の文法に置き換えすぎなのかもしれないですが。
夢を嘲笑い、夢を閉ざす事で怪物を生み出す敵、というのは色々と物語のバリエーションを作れそうで面白い設定。悪役もしっかり印象深い。
演出としては、もう少しバンクシーンを本編に馴染ませてほしかったですが(バンクに入る時に直前のシーンからの流れがぶった切られすぎで、初回ですし、もうちょっと予備動作が欲しかった)、バンクのあるアニメも久々に見るので、こんなものでありましょうか。
にしても、学園物で、褐色紫髪の王子に、画面の四隅でレース模様が回転しているとか、世界を革命してしまうのか。
それともパフュームを手にしたものは誰でもプリンセスになれるパラダイス・ロストかもしれないけど!
主人公役の嶋村侑さんは、腹に力入れた感じの台詞だと、アイーダ様だ、とわかるけど、全く違って凄いなぁ。
ちなみに一番面白かったのは、合間のCMの
「攻撃もできちゃう!」
CM全体の雰囲気から浮いてるけど、やっぱり、そこ、必要なんだ……という(笑)
とりあえず、しばらく見てみようかと思います(例の如く、急に力尽きるかもしれないけど)。