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『鳥人戦隊ジェットマン』感想13

◆第21話「歩くゴミ」◆ (監督:東條昭平 脚本:荒木憲一)
トランの嫌がらせにより、マリアが使おうとしていた次元虫がゴミ収集場のぬいぐるみなどと融合し、ゴミジゲンが誕生。壊れた熊のぬいぐるみを中心に、色々なゴミが合体しているというエグいデザインのゴミジゲンは、次元獣らしからぬ穏やかな性格で、壊れた物を直す光線を目から放つが、その見た目と悪臭により人々から石を投げつけられて追われる事に。
情けない怪人をお仕置きに出たマリアだが、ゴミジゲンは通りすがりのアコに助けを求め、更に4人がやってきて撤退。鞄につけていた鈴に反応するゴミジゲンの姿を見たアコは、それが自分が捨てたぬいぐるみだと気付く。
「おまえ、もしかして……プータン?」
「ママ?」
幼い日のアコの思い出のままに、アコをママと慕ってつきまといを開始するゴミジゲン。逃げるアコだが、お腹をすかせたゴミジゲンが道に倒れ込んだ事からゴミ収集場で連れて行く事に。
「こいつぁー、おでれーた! 科学も進歩すると、ゴミも喋るかい」
ゴミジゲンを受け入れ、アコの売り込みにより時給800円でアルバイトに雇ってしまう収集場のおじさんがおいしい(笑)
次々とゴミを平らげていくプータンだが、値崩れを避ける為にまだ使える商品を不法投棄していく業者に怒りを燃やし、ゴミを操って攻撃。しかし、それを逆恨みした業者の男達は、夜になって寝入ったプータンをブルドーザーで襲撃する。
「ははは、人間の恐ろしさを思い知ったか!」
社会風刺と絡めつつ、人間の醜さを描くアプローチが直球すぎて凄い(^^;
「人間が憎いか? 姿が違うというだけで、差別し憎しみ抹殺する。それが人間だ。人間こそ、腐ったゴミなのだ!」
ブルドーザーに押し潰されてボロボロになり、失意に彷徨うプータンに悪意を吹き込むマリア。人間への憎悪により顔が凶悪化したゴミジゲンは巨大化し、その目から放つ光線は車をスクラップにするだけではなく、浴びた人間を一瞬で白骨化させる! というなかなか刺激的な描写。
おじさんとアコが説得を試みるも、凶悪化したゴミジゲンにもはやその声は届かず、ジェットマシン出撃。覚悟を決めたアコもマシンに乗り込んでジェットイカロスに合体するが、思わぬスピードを見せるゴミジゲンはイカロスの攻撃をかわして投げ飛ばし、マシンガンを浴びせるという、ここまでで最高の強さを見せる。
逃げ遅れた子供を救いにイカロスを飛び出した青は、子供をかばって瓦礫の下敷きになってしまうが、ぬいぐるみを抱えた少女の泣き声に、理性を取り戻すプータン。プータンは瓦礫の下から青を救い出すが、直後に、マリアの攻撃を受けて死亡。怒りの青と戦い、ジェットマンの攻撃を受けたマリアは退くのであった……。
「あんなに人間らしい奴はいなかったぜ。プータンには、ゴミの中の方がよっぽど住みやすいのかもしれねえな」
おじさんがゴミ収集場に造った墓標に、アコが思い出の鈴をかけ、ちょっといい話でセンチメンタルに終わるのかと思いきや、事の元凶といえるプータンをブルドーザー攻撃した業者がトラックから次々とゴミを投げ捨てていき、アコが「ばかやろおっ!」と叫んで終わり……救いも解決も明確にされず、むしろ苦みを残して閉じるという、70年代的というか初期『ウルトラ』シリーズを思わせるようなエピソード。
思えば東條昭平は長く円谷作品に関わっており、あの『帰ってきたウルトラマン』第33話「怪獣使いと少年」を監督していたりもするので、シナリオ時点からなのかわかりませんが、そういった意識があったエピソードなのかもしれません。
次回、「――そして、果てしなく続く泥まみれの殴り合い」。
……身内のな!