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『手裏剣戦隊ニンニンジャー』感想・第29話

先週分。
◆忍びの29「忍者すごろく決定版!」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:下山健人)
旋風は九衛門に忍タリティと記憶を奪われていた、という真実が好天の口から語られ、衝撃を受けるニンニンジャー。一方、九衛門は次なる十六夜流忍者・イッカクサイを召喚し、めっきり影の薄くなった軍師様の入れ知恵で、子供を閉じ込める忍者双六を作り出す。囚われの子供達を救うべく、双六に突入したニンニンジャーは二手に分かれ、「いけいけどんどん」組に入れられる凪。
……どう考えてもその組は、天晴・キンジ・風花、だと思うのですが、口に出して文句は言えないヒエラルキーです。
合わせてやってます。
順調に進んだかと思われたいけいけ組だが、「力を失い絶望して永久に休み」のマスで子供達と一緒に囚われてしまい、残されたじっくり組は双六が、旋風の記憶から作り上げられている事に気付く。
この双六を突破する為には、たとえ忍タリティを失った時の辛い記憶が甦ったとしても、旋風の力を借りるしかない――八雲は旋風を連れて双六に再突入し、旋風はその中で、自分が弟弟子の九衛門(やはり美少年だった)に力とその時の記憶を奪われた過去を思い出す……。
それは、優しすぎるが故に忍者には向かないと指摘された旋風の、苦い挫折の記憶であった。だが――
「ライバルが現れようが、爺さんになんて言われようが、そんなもん、諦めちゃいけなかったんだ! 反論して、戦うべきだったんだ! だからみんな! ……俺みたいになっちゃいけない」
力を失った事が問題なのではない、夢を簡単に諦めてしまった事が問題なのだ……誰かのせいにするのではなく、自らの過ちとしてそれを認め、乗り越えた旋風は、子供達に檄を飛ばす。
「夢なんて……最初から真っ暗で見えないんだ。だから、自分で切り拓くしかないじゃないか!」
父さん(中年)だってトラウマがあっていいし、父さん(中年)だってトラウマを乗り越えていい……親世代向けのメッセージですが、下山さんがこのぐらいの世代なのか、普段よりむしろメッセージ性に力が入っている気がします(笑)
旋風は、自分に敢えて過去のトラウマをぶつけてきた八雲を「魔法忍者とかどうやってなるのかおじさんに言ってみろ!」と煽り、八雲は、闇の中を手探りで夢に向かって進む為、その杖を振る。
「見えないなら、こうする!」
ある種の劣等感(旋風に対する九衛門、八雲に対する天晴)を持って、旋風と八雲を繋げる、という意外な組み合わせは面白かったのですが、八雲が「前代未聞の魔法忍者への道(笑)」について悩んでいるというのが初耳すぎて、もう一つ唐突になってしまったのは残念だったところ。……まあ今作に、その手の積み重ねは基本的に期待出来ないのですが、視聴者的な八雲の扱いは「開き直って魔法を使いだした忍者」だったと思うのですが(^^;
八雲が魔法で作った光の道に続いて、ニンニンジャーも絶望を切り裂く光を放ち、強引に双六をゴール。犀だけにサイを使う忍者イッカクサイは、時間の都合でさっくり撃破。リアルだけど変化球の武器を、駄洒落で使ってくれたのはちょっと良かった。
「俺の夢は、かなわなかったけど……天晴や風花達に、それを継いでもらうのが、今の俺の夢だ。あの頃見えなかったものが、今は見える。…………父さんのお陰だ」
失った記憶を取り戻し、真実を受け止めた旋風――かつて抱きしめられなかった息子――を無言で抱きしめる好天。
二世代の親子の繋がりも盛り込まれ、このラストはとても良かったです。
前回から、爺ちゃんが急に反省するようになったのがちょっと気持ち悪いけど(おぃ)
爺ちゃんは元々、天晴の崇拝の対象であり、能力的にもジョーカーという、神聖不可侵のキャラクターだったのですが、ライオンハオーの辺りから、時に失敗もすれば短所もある人物、という描き方に変わってきているのは、興味深い所。後はそれが話の展開に都合の良い失策ではなく、好天の人間的弱さとして、物語で厚みをしっかり持たせて欲しい所です。
その点で今回、いい大人(旋風も好天も)が、過去の自分の過ちを認め、関係を改善していく、その上で今の自分を肯定する、という構造になっていたのは良かったです。今作はなんだかんだ、「家族」テーマの時は軸がしっかりする事と、キャスティングの成功もあって、あまり外れない。
浦沢−大和屋ラインという事で自然と期待されてしまう向きもあるかとは思うのですが、正直、過去の戦隊参加も含めてここまでの下山脚本を見る限り、それ程はっちゃけた話が得意なようには見えず(例えばむしろ小林靖子とかの方が狂っている)、手堅く真っ当な路線の方が今作アベレージ高かったのではないか、とはちらちら思う所。
次回――まさかの、天晴に女の影。