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『仮面ライダーストロンガー』感想7

◆第9話「悪魔の音楽隊がやってきた!!」◆ (監督:内田一作 脚本:鈴木生朗)
――ある地方都市に、東京から有名な楽団がやってきた。
茂(この街にそぐわない立派な音楽会。俺はそこにブラックサタンの計画を感じて見張っていた)
街 の 人 に 謝 れ (笑)
会場に居たタイタンおじさんに誘導され、今回は独り言の多い茂は、まんまとその後を追ってしまう。
神経ガスか。普通の人間ならともかく、俺がこんなもので参ると思うか)
第7話のフォローのつもりだったのかもしれませんが、実質的に理由が無いのは全く同じなので、むしろ言わせない方が良かったような(^^;
タイタンの罠により、背中にロケットをくくりつけたブラックサタン特攻隊(本当に70年代は平気でこういうネタが出てくるなぁ)がストロンガーに組み付いて大爆発。それを見届けたタイタン怪人は、次元の狭間にワープして消えるという一芸を披露。
なおストロンガーは平然と無事でした。
一方、音楽会ではブラックサタンにまとめて憑依されていたバンドが異常な音楽を奏でると、それを聞いた街の大人達が凶暴化し、子供達を敵視して襲いかかるようになってしまう。ブラックサタンの目論みは、この凶暴化音楽を全世界規模に広げる事によって、子供と大人を戦わせて人類を滅亡に追いやる事にあった!
バンドリーダーに乗り移っていたカマキリ奇械人は、頭部に二つ並べたドクロでカマキリの大きな複眼が表現されているというデザインが非常に秀逸。今回、話は正直全く面白くなかったのですが、このカマキリ怪人のデザインだけでも見る価値はありました。右手の大きな鎌をブーメランのように投げるのも、映像的になかなか格好良く表現。
ユリ子がステージに上がって演奏を妨害するも、正体を現したカマキリに苦戦している所にストロンガーが戻ってきて、カマキリは一時撤退。ところがカマキリは教会の神父に憑依すると、今度は別の音波で子供達を凶暴化させる。子供達を守っていたユリ子と藤兵衛は、哀れダブル磔で火あぶりにされそうになるが、そこに例の口笛が響き渡ると何故か気絶する子供達。
ストロンガーは遠距離エレクトリックファイヤーでユリ子達を拘束するロープを器用に切断するが、一歩間違えると、二人とも盛大に火葬になっていたのでは(^^;
カマキリ怪人はストロンガーに一方的に叩きのめされ、電キックに耐えるも新必殺技のエレクトロウォーターフォール(地面から吹き上がる強力な電気の滝)を受けて、爆死。大人も子供もバンドもみんな元に戻って大団円…………ただ一人、カマキリの正体を見て殺されてしまった市長が、この日、謎の失踪を遂げる事になるのでありました。
個々のシーンの繋がりが粗雑すぎて、非常にテンポの悪いエピソード。今作、適当なりに大きな流れはスムーズで、だからアクションも気持ち良いのですが、今回は完全にアクションの為のアクションシーンになってしまっており、ストーリーとアクションがお互いを切断し合っています。カマキリ奇械人が電キックに耐えるのも、単に新技を出す事情だったり、第5話(トラフグン給食回)レベルのしっちゃかめっちゃかぶり(^^;
原因の一つに、ラストの「エレクトローウォーターフォール」以外にも、オートバイ部隊のバイクを遠隔で停止させる「バッテリーショート」、赤外線レーダー「カブトキャッチャー」など、恒例の「エレクトリックファイヤー」含め、やたらとストロンガーが電気技を使う場面が入った事が考えられるのですが、児童誌なりひみつ百科なり出版関係との連動の都合でもあったのか。
また今回から、タイタン怪人が裏が赤地の黒マントを羽織り、ドラキュラめいたコスプレでイメチェン。第2話以来の登場とった首領(の声)肝いりと思われる大規模作戦も失敗し、そろそろ立場が心配になってきますが、タイタンおじさん(34)はいつまで格好をつけていられるのか?!


◆第10話「恐怖のガンマー虫! 人間を狙う!!」◆ (監督:内田一作 脚本:伊上勝
タイタンは人間を洗脳するガンマー虫を開発し、実験体とされた実験人間(さらっと「実験動物」とかけられていたり)が、命令のままに自ら首を絞めて死亡するというショッキングシーンから入るのが70年代前半の空気。
今回面白かったのですが、このガンマー虫がいつもの奇械虫とデザイン上の大きな差が無い為、何が特別なのかわかりにくかったのは、惜しかった所。
ブラックサタンは、ガンマー虫の培養に適した大学の細菌研究所に目をつけ、そこを管理するトドロキ博士を狙う。
突然現れた奇械人ハゲタカンを相手に、割と普通に話し合う博士がたくましく、戦中派の力強さを感じさせます(笑)
ハゲタカンの申し出を拒否して襲われる博士だが、そこへ最初から変身して現れるストロンガー。オートバイ部隊とハゲタカンとの戦闘があり、ハゲタカは博士を諦めて逃走。博士を介抱して事情を聞こうとする茂(と後から通りすがったユリ子)だが、そこへ「娘が交通事故に遭った」と博士の妻がタクシーで駆けつけ、博士が慌てて帰宅すると、妻と娘はブラックサタンに憑依されていた!
「おまえは、さっきの」
「そう、ハゲタカンは一度狙った獲物は逃さん」
何故か天井に逆さまに張り付いているのを含めて、妙に面白かった台詞(笑)
博士を追いかけてきた茂は悲鳴を耳にして家にあがりこむが、ハゲタカに憑依されてしまった博士に追い返されてしまう。かくしてハゲタカは博士の研究室で、東京上空にばらまく為のガンマー虫の培養を開始する。……そしてそれをフォローするべく、研究所の正門前で、焼きトウモロコシ屋のおじいさんに変装して周囲を監視するタイタンおじさん。
早速、培養中の虫が一匹、表に出てしまったのを発見。
おい、奇械人。
部下の頭が悪すぎるので、おじさんはもう、転職を考えた方が良いのではないでしょうか……。
表に出た虫は人間に入り込み、そこに行き会った藤兵衛はブラックサタンに襲われる羽目に。やってきた茂が戦闘員を蹴散らすが、ハゲタカはどさくさの間にガンマー虫を回収。
「奇械人ハゲタカン、トドロキ博士を狙ったわけはなんだ」
「知りたいかライダーストロンガー。死ね!」
単刀直入(笑)
戦いの末、またしても飛んで逃げられてしまうストロンガーだが、藤兵衛からの情報で、謎の虫の存在に気付く。と、じわじわ、藤兵衛が役に立つようになってきている今日この頃。「レーサー……俺が育てるべきレーサーはどこだぁぁぁぁぁぁぁ」も薄れてきており、ブラックサタンの存在を認識した事で、心の傷から立ち直りつつあるのでしょうか。
……もしかしたら、もはや悪の秘密結社の存在が無くては正気で生きていけない体質になっているのか。
シ ョ ッ カ ー の仕業だ!
茂に先んじて研究室に忍び込んだユリ子は培養中のガンマー虫を発見するが、タイタンおじさんにしっかり監視されており、戻ってきたハゲタカンと戦いに。
「今度こそライダーストロンガーより先に、このタックルが片付けてやる!」
「身の程知らずめ」
全視聴者の本音を代弁する怪人。
そして、敗北シーンをカットされる勢いで一瞬で捕まるユリ子(笑)
がんばれたっくる、めげるなたっくる、まけるなたっくる。
茂も大学に向かうが憑依状態のトドロキ博士に追い払われ、頭の悪い部下のサポートに体を張るタイタンおじさんはその様子をよくやったと報告するが、逆にそこを茂に見とがめられてしまう。200円を手に、「トウモロコシを売れよじーさん。それともあんた、耳が悪いのか、あーん?」と迫る茂が、鬼・畜。
「ところでいっけん老人だが手は若い。そろそろ正体を見せたらどうだ!」
河川敷で変装を解いたおじさんは、遂に茂の目の前で怪人に変身。
「ブラックサタン大幹部、その名も、ミスタータイタン」
不意打ち気味にタイタンのパイロキネシスを受けた茂は倒れ、ユリ子ともども囚われの身になると、ブラックサタンの処刑場に運ばれてしまう。あくまでストロンガーでなく茂、という事なのでしょうが、ここで茂が完全敗北しており、例の如く例のようにやられたフリとかではなかったのは、タイタンおじさんが幹部の面目躍如したのと合わせて心底ホッとしました(笑)
処刑場に火が入り、棺桶の中で火葬されそうになった茂だが、すんでの所で熱により目を覚ます。
「このままでは焼き殺される、この体を電気分解して逃げなければ」
なんかさらっと、凄い事言い出した!
そんな事はつゆ知らず、タイタンおじさんは煙突から吹き上がる煙を見て満足して帰ってしまい、またも詰めが甘い。
「ライダーストロンガーの最期にしては、呆気なかったな」
処刑を終えて満足するハゲタカンだが――
「ははははははは! ははははははは!」
響き渡る笑い声に慌てて外に飛び出すと、そこには煙突の梯子に掴まった茂とユリ子の姿が! 電気分解の理屈はさておき、二人の死の象徴とされた煙突の横に堂々と姿を見せつける茂とユリ子、それを見上げるブラックサタンと見下ろすヒーロー、という逆転の構図が非常に格好いい。
「城茂?!」
「ハゲタカン! 俺の力を見くびったようだな!」
「なにを?! どうして抜け出た?!」
「その秘密はおまえ達には明かさん!」
意趣返し(笑)
そして改めて、茂をストロンガーに改造した博士がストロンガー脱出時のどさくさでアジトと一緒に爆死してしまい、ブラックサタンの誰も、奇跡の傑作ストロンガーのスペックを把握していないという疑惑が濃厚になります。
まあ、奇械人に関してはほぼ毎度、ストロンガーの情報を把握していない様子なので、タイタンの作戦支持をすぐに忘れる記憶力など、奇械人の電子頭脳に致命的な欠陥がある可能性も濃いのですが。
…………ブラックサタン、妖魔一族(『世界忍者戦ジライヤ』)並に不安になる悪の秘密結社だなぁ(笑)
梯子を登ってこようとする戦闘員に対し、口で手袋を外して梯子に電流を流す、というのは第3話と同じアイデアですが、高低差を活かした映像と茂の見せる外連味がこれまた格好いい。
「ははっ、ちょっと電気が強すぎたかな」
ストロンガーとタックルは変身し、ED曲をBGMにクライマックスバトルへ。
「ストロンガーバーリア!」
――ストロンガーバーリアとは、ストロンガーの周囲に、見えない電磁波の防御膜を張るものである。
なんでもありだな……。
電キックを受けたハゲタカンは、培養したガンマー虫の詰まった鞄を手に、当初の作戦だけでも遂行しようと飛び立つが、
「そうはさせん。エレクトロぉぉ・サンダー!!」
――エレクトロ・サンダーとは、超高圧の電流を空中に発射し、雷雲を呼び寄せ、人工的に、落雷を起こさせるものである。
ストロンガー、普通に空飛んで追いかけそうだなぁとドキドキしましたが、落雷で撃墜し、ハゲタカはガンマー虫と共に大爆死。かくしてブラックサタンの久々に大規模な東京乗っ取り作戦は阻止されるのであった。
しかし今回、首領が「よその施設を借りよう」と言い出さなければストロンガーの介入を招かなかったような気がするのですが、ブラックサタンだから仕方ありません。……大丈夫かブラックサタン?! 世界征服の前に、もう少し地道な設備投資に予算を回した方がいいのではないかブラックサタン!
そろそろ1クール目も終わりという事でか、正体を現すミスタータイタン、茂の生アクションも盛り目など見所が多く、面白かったです。もしかしたら伊上脚本があまり得意でないのかもしれない、と気付いた今日この頃ですが、なんだかんだ、茂の台詞の切れ味は伊上脚本がダントツ。そしてやはり、茂を格好良く描いてこその作品だな、と。
そしてユリ子は、ふだん物凄く雑な扱いされるけど、さすがに命の瀬戸際では助けてくれるので、反動できめきゲージがぐんぐん上昇してしまうのだろうなぁ……。
前回同様、オール電化推進キャンペーン中のようですがテンポも良く進み、いい意味で『ストロンガー』らしい回でした。