◆第8話「サバンナのメロディー」◆ (監督:竹本昇 脚本:香村純子)
檜山ヤンキー怪人とチーム・アザルドの親和性高すぎ(笑)
今日もジュウオウジャーはチラシ配りに精を出し(便利な導入)、落ち着きの無いレオはチラシ配りをさぼってフラフラと歩いている内にミュージシャン志望の青年・大輔と出会い、そのオリジナル曲をいたく気に入る……とジューマンと大和以外のニンゲンが触れあう、異種族交流エピソード。
一方、欲望に忠実なアムがチラシ配りの途中で和菓子屋で買い物して出てきた所に近づくセラ。
「アムも真面目にやろうね」
「……うん」
(そうしないとレオと同じフォルダに入れるよ?)という心の声が聞こえた気がします。
デスガリアン反応に、大輔から強奪したヘッドフォンをかけたままで駆けつけたレオは、そのお陰で、バイク怪人のパラリラノイズの防御に成功。凶暴化音波という作戦はスタンダードですが、凶暴化した人々が「ぱらりらぱらりら」口にしながら暴れる、というのは珍しいか(笑)
耳の良すぎるセラが耳を塞いでもなお凶暴化してしまうなどあったものの、レオにノイズが通用しなかった事でバイク怪人は一時撤退。だが、レオからヘッドフォンを取り返そうと追いかけていた大輔が、凶暴化して柱を何度も殴った事で、大事なオーディション前日だというのに右手を怪我してしまう……。
「許せねぇのはわかってる! 気が済むまで殴ってくれ! でも、オーディションには行け!」
悪いと思っているから好きなだけ殴れ、というのは、潔いと同時に割とタチ悪い感じもあるのですが、同時に、殴ったらオーディションへ行け! と持ち出すバカか紙一重かの前向きさにレオの善性と個性が巧く出ました。
「俺はあの曲、マジで好きなんだよぉ! ニンゲンじゃねぇ俺がこんなに気に入った曲だぞ。ニンゲンが気に入らないわけがねぇ!」
レオはジューマンの姿を見せ、それに怯えて後ずさる大輔に、明日引きずってでもオーディションに連れて行くと宣言。
ここで大輔がレオの変身を簡単に受け入れずに恐怖を見せたのは良かったし、その反応を受けてもなお大輔の事を考えるほどに、レオが大輔の音楽を好きだし、相手に対して真っ直ぐに向き合おうとする姿が良い形で描かれました(レオが意図的に変身したのでも思わず変身したのでもどちらでも話が成り立つのも秀逸)。
この真っ直ぐさが、男の信念を曲げるぐらいだったら相手に嫌われた方がマシ、と、レオから見れば矛盾は無いけど、セラから見るとレオが普段と違って自分に正対していないように見える、というのが苛立たしくてややこしい、というのも以前のエピソードと巧く繋がっています。
翌日、バイク怪人が強化再登場し、今度は厳重に対策していたセラ以外の3人がぱらりらしてしまう。
皆公平に目の下を黒く化粧する事になりましたが、最初は手で耳を塞いだ程度で防げ、強化後は〔ヘッドホン+マフラーぐるぐる巻き+ヘルメット〕−鋭敏聴覚、で防げ、バイク怪人の性能には若干の疑問が漂います(笑)
その頃、大輔はレオに引きずられる事なく自らオーディション会場に向かおうとしていた。
「ライオンの君に響いた……俺の曲なら、人間相手でも、爪痕ぐらい残せるかなって」
大輔からヘッドホンを受け取ったレオは戦いの場に駆けつけ、オーディションの演奏開始とレオのヘッドホンから流れる大輔の曲、とを重ねる形で戦闘スタート。怒りのレオは、大声でパラリラノイズをかき消しながら本能覚醒し、バイク怪人のスピーカーを破壊すると、皆回復。ダッシュ攻撃を繰り出すバイク怪人を一対一で叩きのめし、トドメはハンマープライス&ライオンクローのダブルアタック。
巨大化したバイクにワイルド654が苦戦するが、赤がゴリラからイーグルに乗り換えて、早くもキングと同時使用。
「後ろからとか、しゃばい真似を!」
「あなたに言われたくないんですけど」
キングと切り結ぶ怪人を、躊躇無く背後から撃つ白、えぐい(笑)
ひるんだバイクに、キングとワイルドのダブル必殺技が炸裂。ゴリラに赤が乗っていなくても、ワイルドは動くどころか必殺技まで使える事が判明し、けっこうフレキシブルですキューブロボット。
大輔のオーディションの結果は残念ながら不合格。だが担当者から名刺を貰って夢への道は続き、レオは歓喜の雄叫びをあげるのだった……と、合格の数歩手前で収めて綺麗に着地。
一段落しての小品というエピソードでしたが、早めにジューマンとニンゲンゲストとの積極的な絡みを描いたのは良かったと思います。油断していると、戦隊メンバーが主要周辺キャラクター以外の世界と関わりがないまま進行してしまい、物語を集約しようとした時に地雷になる、というのが時折ありますので。
ところでEDの「すぐファンファンエレファント」というのがどういう意味かずっと悩んでいたのですが、「口うるさい小舅のタスク」という事か! と前回今回で納得。