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『ビーファイターカブト』感想25

◆第37話「倒せ不死身の新怪人」◆ (監督:石田秀範 脚本:鷺山京子)
見所は、すっかりカップルと化している蘭&フリオ。
スーツアクター兼任なので使いやすかったというのはあるのでしょうが、フリオがごく自然に4人目のメンバーとして出ずっぱりで、最初にそれらしく出てきたマック・ウィンディとは何だったのか。
前世の仲違いをすっかり忘れたライジャとデズルは、絆の力メルザードクロスにより、合体怪人メルザード・1、じゃなかった、アラジビレイを誕生させる。
ヤマアラシとシビレエイ?の合体怪人のパワーを見たBFが初めての事のように驚くのですが、以前に合体怪人が居たの、忘れているのか(^^; 強力怪人のインパクトとしても、ここは思い切って4体ぐらい混ぜるべきだったのでは。それともしれっと、ムササビとカレイも混ざっているのか、これ。
BF怒濤の連続攻撃により意外やあっさり粉微塵になるアラジビレイだったが、なんと即座に復活。甲平を謎の繭に包み込むと絶滅兄弟達は余裕で姿を消し、甲平は繭の中で危篤状態になってしまうのだった……。
悲嘆にくれる3人を、前回の負傷を何するものぞと現場復帰した博士が叱咤して非常に珍しく長官ポジションの仕事をするのですが、なにぶん前作の向井博士よりも更に積み重ねが薄いので、3クール終了目前に覚醒されても、もはや別のキャラクターに見えてしまいます。……頭を打った際に、切れていた配線が繋がったのか。
メルザードでは、復活した絶滅兄弟をマザーが猫なで声で迎えており、絶好のチャンスに兄者一味が帰還したのは“いい所を見せたのでマザーに誉めて欲しかったから”というのが、死の淵から甦ってもなお兄弟を突き動かす根本的動機である事には、どこかもの悲しさも漂います。
だが、二人を褒めそやして地上へ再出撃させたマザーの態度は、兄弟が退出した途端に激変。
「ライジャめ、デズルめ。私を差し置いて兄弟を産み出すほどの力を得るとは、二人を甦らせたあの黒い力、やはり思った通り……なんとしても手に入れなければならん」
マザーメルザードは置物系ボスにしては表情を細かく動かせるようにしている工夫が面白いのですが、母性と峻厳さ、恐らくメソポタミア神話の女神ティアマトなどがモチーフに入っているのではと思われる、地母神的存在の象徴する生と死の二面性を演じ分ける山崎和佳奈さんも実に秀逸。前半から好演でしたが、マザーの出番が増えてくると共に、作品内でのウェイトが良い形で増してきました。
そんな時、えらく格好いいBGMと演出で復活する、ラッキークラッシャー4人衆。
「ビークラッシャー、遂に復活したか」
「この日を、待ちかねておりました」
台詞で強引に誤魔化しているのですが、カブト神の生け贄に捧げられたと思ったら、帰ってきた絶滅兄弟について掘り下げもしない内に復活してしまい、とにかく敵も味方も忙しすぎてタメがなく、この復活によりカブト神と絶滅兄弟の株まで連鎖的に下がってしまう、という玉突き衝突。
マザーはBC4人に、次元の潮流を流れる黒い力の入手を指示し、次元の裂け目へと向かわせる。
「これで巨大なパワーが手に入る。地球など一気に滅ぼしてしまえる程の。はっはっはっはっは」
一方、博士の叱咤を受けた健吾・蘭・フリオは絆怪人メルザード1のデータを分析し、怪人は溶岩や海流のエネルギーを吸収して復活していると判明。ビートスキャンでもエネルギー吸収ポイントを見つけられずに一度は追い詰められるが、電磁波に反応する鉱石を用いる事でそれが外部にある事を暴き、その破壊により復活の阻止に成功。
「地球のエネルギーを悪に使おうとしたおまえ達、地球自体が反撃したんだ!」
という決めの台詞は格好良かったのですが、逆転の鍵になるマジックアイテムが(前半に丁寧に説明したとはいえ)特に話の中心に無かった事、異次元から来たメダルで大騒ぎしたり、超古代に光の力が生んだ禁断の最終兵器でジェノサイドしたり、現在の物語の中心から“地球の力”が外れている上に、再三書いているように今作としての積み重ねも弱い事、が重なってもう一つ盛り上がらず。
シダの王様回のように、鷺山さんは前作から引き継いだテーマとして“地球と命”というものを意識的に描いていると思われるのですが、それが『ビーファイターカブト』からズレてしまっているのは、不幸という他ありません。
怪人の撃破によりカブトンも復帰し、メルザードクロスの発動でエネルギーを消費してしまったのか、連続攻撃とインプットライフルを浴びた兄弟、いつものノリに戻って退却。
「やはりライジャ、デズルでは手に余ったか。だがもうすぐあれが、黒い力が我がものに。ふははははははは」
絶滅兄弟はあっという間に没落し、スクラム組んで次元を旅していたBCは、超あっさり“黒い力”を入手。もはや最終回までがっちり予定が詰まっているのか、とにかく展開が早いのですが、それが物語としての面白さよりも、一つ一つのギミックの扱いの軽さになってしまっているのが厳しい。
次回――ジースタッグ&クワガー大ショック。