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『轟轟戦隊ボウケンジャー』感想・第40話

◆Task.40「西のアシュ」◆ (監督:坂本太郎 脚本:小林靖子
Wクエスターが何やら暗躍する中、ボウケンジャーは広範囲で枯死した森の調査に向かい、その原因がプレシャスではなく、アシュの術によるものだと映士が見抜く。
「クエスターって事か」
「違う。どこに隠れてやがったのか知らねぇが、正真正銘、混じりっけなしのアシュがいやがる」
そこで待ち受けていたのは、レイに助けられてクエスターに手を貸す、西のアシュの長、その名をオウガ。映士との対比の意味もあるのか、銀色の狼というデザインなのですが、声(CV:矢尾一樹)といい容姿といい、この人、冥府神の生き残りなのでは(笑)
「貴様が、高丘の跡取りか」
「だったらどうした」
久々のアシュを前に獣のように笑う映士だったが、オウガは思わぬ名前を口にする。
「貴様こそ、ケイがこの世に残した、唯一の穢れ」
「てめぇ……なんでお袋の名前を?!」
映士の母・ケイは元々、西の一族の女。だがアシュの仇敵である高丘の子を産んだ罪により、その魂は次元の狭間で永劫に苦しんでいるのだとオウガは告げる。
「ケイの魂を救う為、一族の長として、貴様を、消す!」
オウガはシルバーに躍りかかり、銀と銀の激しい一騎打ち……とかその手の浪漫に興味の薄いボウケンジャー速攻で背後から一斉射撃(笑)
人間! なんという卑劣な種族! と怒りのオウガが幻術で5人の鏡像を作りだして定番のコピー対決となり、その間にシルバーを追い詰めるオウガであったが、かつて高丘の術士に受けた古傷のダメージにより、苦しみながら撤収。
「とにかく奴を追う……奴を封印しなければ、山は元に戻らねぇ」
オウガの後を追おうとする映士だったが、新たなプレシャス発見につき基地に帰還してほしいと牧野から連絡が入ってしまう。
「そっちはプレシャスに関係ないからね。ボウケンジャーの任務じゃないよ」
ボイスはプレシャス最優先というドライな分別を要求し、映士の因縁に関わるか、任務を取るか、選択を迫られるボウケンジャー。積極的に映士寄りの姿勢を見せる真墨と菜月のみならず、蒼太やさくらの態度にも迷いが見え、決定的なイベントという形ではなかったものの、映士が徐々に馴染んでいった事を示す形(ズバーン登場後は、映士がサロンに居るシーンも多い)となりました。
また前回かなり強調しましたが、今作が序盤からそれとなく示している、本当に大切なのは「プレシャス(物)」なのか「仲間(人)」なのかというテーマが、ここまでの積み重ねを踏まえてクッキリと浮かび上がる構造に。
「確かにこいつは、ボウケンジャーの任務じゃねぇ。おまえらは戻れ。だが俺様は、アシュの監視者として奴を追う」
「映士」
「文句は言わせねぇ」
映士は一人で走り去っていき、さくらに対プレシャスの指揮を託したチーフもまた、その後を追う。
「明石! まさか自分だけ行くつもりか」
「これは命令だ。質問も反論も受け付けない。ボウケンジャーの任務を忘れるな」
「……明石のやつ、自分は命令違反しといて、なにがボウケンジャーの任務だ」
シルバーは、レッドにとってのプレシャスだからね!(笑)
……つまり、不滅の牙にとっての矛盾はゼロだ!
ぷりぷり怒っている真墨ですが、きっと真墨が闇の力に惹かれそうになった時も、《不滅の牙は狙った獲物を逃さない!》は再び発動すると思うので、覚悟しておけ真墨!!
「ついてくんじゃねぇよ! 命令違反だろ!」
「チーフ特権だ」
この台詞、チーフ独特の、“感じ悪い一歩手前の言い回し”が最高にはまって大笑いしたのですが、チーフ、いざとなったら、辞めさせられるものなら辞めさせてみろとか、解雇されたらされたでソロプレイとか、手にスキルのある人は土壇場で強い。
「相手はアシュだぞ。おまえじゃ役に立たねぇ!」
苛立つ映士――ここでの映士は、映士なりに5人に気を遣っている――は不滅の牙のプライドめがけて剛速球を放り込んだ!
「俺が気になっているのはアシュじゃない。おまえだ」
だが不滅の牙は、顔色一つ変えずに会心のピッチャー返しだ!(笑)
……なおこの会話は蒼太さんの盗聴によりメンバーに筒抜けで、さくらさんが(やはり……高丘さんは始末しなくてはならないのでしょうか)と実弾の準備をしたとかしないとか、全ては風の噂です。
「何をするかわからない顔してるぞ。前のようにな」
「…………久しぶりに、自分がなんなのかを思い出しただけだ。……あのアシュ、お袋と同じ種族だって言いやがった。そいつらから見りゃ、俺ははみ出しもんってわけだ。その俺を産んだせいで、お袋が……」
久しぶりに思い出した、という事はボウケンジャーと一緒に居る時は「忘れていた」わけで、映士にとっての「社会」との接続と、「仲間」の存在の意味が間接的に盛り込まれていて、好きな台詞。そして今の映士は、独りよがりとしてアシュを追っているのではなく、組織に所属する5人への気遣いも不器用ながら確かに持っている。
思い詰めた表情の映士をチーフが引き続き追いかけている頃、サロンに戻った4人は、<メルクリウスの器>という、正体不明のプレシャスについて聞かされていた。
「みんな、任務は忠実に頼むよ。明石チーフには後で厳しく言うつもりだけど、命令違反は絶対に駄目だからね」
君らに幾ら払ってると思ってるの!
「チーフは映ちゃんのこと心配してるんだよ!」
「明石は明石だけど、ボイスも冷たすぎるんだよ」
真墨、いい人だだ漏れすぎて、闇のキャラ作りがいよいよ消えて無くなってしまいそうです。気をしっかり持って真墨! ヤイバ先輩は! 違う貴方を求めているのよ!!
「……みんな、行きますよ」
労働者の権利とやらを主張し始めた4人の出撃を見送り、困り顔のボイス。
「ボイスの言ってる事……間違ってないよねぇ……?」
「……正しすぎるのが、まずいんじゃないでしょうかね」
以前にも、どこかの誰かの浪漫のせいで大変な事になりましたが、本格的にボウケンジャーと財団上層部の関係が情と理で軋む中で、そこに存在する“人”を見ずに正論を振りかざす危うさが盛り込まれ、それを指摘するのが牧野先生、というのもなかなかおいしい。今作、牧野先生やボイスなどサポートメンバーは基本的にちょい役なのですが、少ない尺の中で着実に牧野先生に意味づけを与えてきたのが主に小林脚本回で、その存在感が唐突になっていません。
あとボイス、皆の態度が割と厳しいのは、前回の今回なのも影響していると思います!(笑)
山中を進む映士&チーフは遂にオウガを発見するが、映士は父が大切にしていたのと瓜二つの首飾りをオウガが手にしている事に驚き、オウガはオウガで、映士父がそれを持っていた事を知って仰天する。
「……ケイが、作ってやったんだな。幼い頃から、こういう事が得意だった。だが! 人間ごときに! あのケイがぁぁぁ!」
オウガは突如、周囲に当たり散らして大暴れを始め…………あれ、この人、もしかして、フラれ男?
そして高まる高丘父とオウガ双方の、ケイが軽い気持ちで趣味の手作りアクセサリーをプレゼントしたら、(え? もしかしてこいつ、俺に気があるの? いやー、困ったなぁ、ははは。困っちゃうなぁ)と一方的に盛り上がっていた疑惑。
大丈夫か高丘父!
そして大丈夫か高丘母!
なんだか決して開けてはいけない真実の扉に指先が触れているようで、全てを知った映士がしなびたセロリと化して森でアクタガミと体育座りをしながら、「ナニが…………ナニが残るんだろう」と腐ったカボチャのような瞳で円周率を数え始めないか心配です。
かつて高丘一族の術士と戦い、百鬼界送りは免れたものの深傷を負って山に縛り付けられていたオウガは、通りすがりのレイに助けられて数十年ぶりに活動を再開。だがそこで、幼なじみで首飾りまでくれて完璧にフラグが立っていると思い込んでいたケイが、よりによって高丘の術士との間に子供を成していた事を知り(レイに脚色込みで吹き込まれて?)、大ショック。恋の恨みを晴らす為、そして次元の狭間で苦しむケイの魂を救う為に、一方的に映士に対して怒りをぶつけるのであった。
「絶対にあってはならんのだ! 貴様に、少しでも母を想う気持ちがあるなら、これ以上ケイを、穢すな」
「俺が死んだら、お袋が救われるのか……?」
「少なくとも、ケイの穢れは消える」
オウガの猛攻を受けた映士は、一度はその断罪の刃を甘んじて受け入れようとするが、脳天に斧が振り落とされる直前、サガスピアーでガード。
「……やっぱり死ねねぇな」
かつて、自分の出自を


「本当に……見守っていたっていうのか。魂のまま、この世界に留まって。……あんたと、父さんは、本当に愛し合って……そして俺は生まれた。そうなんだな。俺の中のアシュの血は……その証」
と肯定的に捉え直す事でアシュの血の呪縛を乗り越えた映士が、人とアシュの間に居る“自分がなんなのか”を思い出し、「人と交わる事は穢れである」というアシュの理屈をぶつけられる事で自己肯定力の根っこを揺らされる(ボウケン学校回のチーフと同じ構造ともいえる)も、ギリギリで自己肯定力を取り戻してそれを断ち切るのですが、完全に吹っ切れたのかどうかは、今回の限りでは保留。
「明石、いつか使命にこだわるなって言ったな。けどそいつは忘れろって意味じゃねぇよな。俺様の中のアシュの血も、そのせいでお袋の魂が彷徨っているとしたら尚更だ。俺様はやっぱりアシュを根滅するものだ! 高丘流、アシュの監視者としてな!」
使命だけに生きるのではないが、使命を捨てるわけでもない、という形で映士が自分の出自を完全に受け入れて前に進む……のかどうも、保留(^^;
今回、映士の両親(特に母親)への想いがやや唐突な描写だった第20話のフォローをしながら映士の転換点を描くのですが、それなりに劇的にやりつつも、一押し弱いな……と思ったら最後まで見ると次回へ引いて続くので、諸々どうもスッキリせず。
「気安くお袋の名前を呼ぶんじゃねぇ!! てめぇがどれだけ一緒に居たか知らねぇが、お袋が何を望んでるかぐらい、俺様にもわかる!」
ラスト間際に映士自身も迷いを見せるのですが、今回の限りでいうと、オウガも映士も、ケイ(母)に対して一方的な思い込みで理解しているという点では“同じ”といえます。果たしてケイの魂は、この世界に留まり映士を見守っていたのか、それとも、どこへ行く事もかなわず苦しみ続けているのか……「死者は何も答えてくれないから、生きている者が自分で乗り越えて前を向くしかない」というのは、チーフが自己肯定力を身につけた第18話で描かれているのですが、予告によると次回ケイが登場するようなので、どう着地させるのか、そこに映士のここまでの積み重ねがどう活かされるのか、を楽しみに待ちたいと思います。
「てめぇがぐだぐだ言ってんのは……嫉妬でおかしくなった男にしか見えねぇぜ!」
激しい戦いの中、映士は再び、禁句を剛速球。
不滅の牙ほど自己肯定力の高くなかったオウガは見送り三振し、映士はセロリ、じゃなかったスピア投擲からの連続攻撃で、なんと生身のまま、オウガを撃破!
「……やっぱり死ねねぇな」から一連のアクションは、久々の映士単独での見せ場という事もあって力が入っており、JACvs倉田プロという点で演者も熱が入ったのか、大変良かったです。
「ケイ! ケイぃぃぃ!!」
オウガは最終手段で肉体を捨てて巨大化し、命令違反で単独行動中という自覚が一応あったらしいチーフは、ビークルを召喚せずに巨大ズバーンを解放。
「ズバーーン!」
「ぬお……?」
数十年ぶりの人間界で巨大化したら、あまりにも予想外のものが目の前に出てきて、オウガ、ちょっと困惑。
ズバーンがオウガを押さえ込んでいる間に、映士は錫杖の無い分を補助する呪文を地面に刻み、その映士を戦いの余波からかばうレッド、今回の希少な見せ場。
一方、各ネガティブと渡りをつけ、目的のブツを求めてとある洞穴へと辿り着くクエスターだったが、くしくもそこに<メルクリウスの器>を探すボウケンジャーも到着する。
両者の狙いは同じで激突必至と思われたその時、さくらにチーフ達の危難を伝えてくる牧野。
「あの……ボイスには内緒なんですが、アシュが、巨大化して、明石くんたちが苦戦しています。迷ったんですが、やはり、お知らせした方がと」
なんだかんだサージェスの論理に染まり気味と思われた牧野が配慮を見せ、またも選択を迫られるボウケンジャー
「私たちの任務は……」
さくらの視線は洞穴とは別の方向を見据え……オウガの反撃で倒れたズバーンが縮小回収された後、その前に立ちはだかったのは減給3ヶ月は覚悟の上、と4人が乗った究極ダイボウケン。
いきなりタイヤで轢くのを期待していたらダイボウケンで驚きましたが、チーフが乗り込んで5人が合流した究極ダイボウケンは、嫉妬に狂うオウガの攻撃による損傷から変形を組み替え、6−10のビークルが合体する冒険フォーメーション2を発動し、ダイタンケン合体完了。
えらく唐突なダイタンケンは夏の劇場版で先行登場していたようですが、00年代の戦隊は、『アバレン』のクライマックス、『マジ』のいつの間にかバレてた、『ゴーオン』のたっくんなどなど、夏の劇場版ネタの本編への取り込みには、色々と苦慮が窺えます。
大探検のデザイン自体は、スマートで格好いい。というかそんな所に顔隠していたとか、何この念入りな仕込み。そして限りなく透明になっていくサイレンビルダーは雨が降っても顔を上げて旅立つしかないのでは。
ボウケンジャーの隠し玉、大探検のオーラ系必殺攻撃・ボウケンフラッシュでよろめいたオウガに映士のアシュ根滅が炸裂するが、
「貴様の穢れた魂だけは……俺の命に代えてもぉぉぉぉ!!」
オウガの特殊効果《おまえも一緒に連れて行く》が発動し、一緒に墓地送りにされた映士は、倉庫の片隅で忘れ去られていたジャガイモのように石化してしまう!
そしてクエスターは高笑いで、謎のプレシャス<メルクリウスの器>を入手していた……でつづく。
エスターによるプレシャス入手は、いっけんボウケンジャーやっちまった案件なのですが、戦力差を考えるとプレシャスを優先して洞穴に突入していたら4人全滅も有り得た事から、仲間を選んだ事で九死に一生を得たという可能性が示唆されており、先に気付いて待ち伏せの体勢を取るクエスター、のカットが入っていたのが細かく秀逸。
1エピソードとしては完全に引き回で消化不良な部分が目立ちましたが、ボイスの態度も更なる硬化を見せるようなので、今回張り巡らせた要素がどう集約されていくのか、楽しみです。特に相変わらず映士父の存在感がどうも曖昧なので、首飾りは是非、拾ってほしい。
次回――4大ネガティブまさかの結託?!
「「「「ボウケンジャー、我々の絆の力を見せてやる!!」」」」
そして度重なる命令違反に、とうとうボイスの堪忍袋の緒が切れる――


「何者だ?!」
「君たちは?」
「邪魔だ! とっととサロンに戻ってろ!」

追い詰められたボウケンジャーの前に現れる新たな5人の戦士!

「我々の体には、パラレルエンジンが埋め込まれ、エネルギーが尽きる事はない」
「まさか……生きていたのか?! そうなのか柾木!!」

その名を、ネオボウケンジャー

「あなたは、私に対する個人的な感情で、彼等を追放するのですか?! もしそうなら、この私を、追放してください!」
「君を追い出す? ははは、はは……とんでもない、ははは……」

チーフ以下6名解雇、そして牧野降格?!
激化する戦いの末、生き残るのは誰だ!

「長生きしたけりゃ、んー? その反抗的な目を止めるんだな!」
「見ているがいい、ボウケンジャー。おまえ達を……あの世に送る、地獄の……使者の、誕生をぉ……!」
「無能な指揮のもとでは、どんな宝石も輝きを失う。しょせんお前達はな、見世物小屋の道化師だ。
ははははははは、あっははははははは!!」

次回――「命令!戦隊交代せよ」に、アタック!
(嘘予告)