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『轟轟戦隊ボウケンジャー』感想・第20話

◆Task.20「新たなる巨人」◆ (監督:竹本昇 脚本:會川昇
冒険基地ではゴードムエンジンのアンチパラレルウェーブに対抗する為、全ビークルのバージョンアップを進めていたが、それにかかる時間は最低でも一週間……
「しかし、唯一有効なシルバーの装備が、高丘映士と一緒に消えてしまったのは、痛いですね」
感情的に原因(不滅の牙)を直接追求するのではなく、あくまで淡々とした正論で殴ってくるのがかえって攻撃力が高いさくらさんの言葉に、第5話で稼いだ、俺の《尊敬される上司》ポイントもう使い果たした?と難しい顔になるチーフ(笑)
「映ちゃん、どこに行っちゃったんだろ?」
高丘ケイの残した涙滴型の結晶を見つめる菜月が、映士を早くもあだ名呼びなのはやや唐突に感じましたが、「役職」(チーフ)でも「さん付け」(蒼太・さくら)でも「呼び捨て」(真墨)でもなく、前回の出来事を経ての心情の変化と微妙な距離感の違いを表現。
そういえばしばらく前の回で、さくら→蒼太は「蒼太くん」だと明らかになりましたが(もっと前に呼んでいたかもですが)、さくらが真墨の名を呼んだ記憶がなく、さくら姉さんから「真墨くん」と呼ばれて内心で悶絶する真墨とか見たい(笑) 「映士くん」とか呼ばれて、内心で床を七転八倒する映士も見たい(笑)
個人的に皆が「チーフ」呼びの中、真墨が「明石」呼びなのが真墨のライバル意識と子供っぽさとその他ややこしいあれこれをミックスしていて好きなのですが、映士がチーフをどう呼ぶのかは、気になる所です。お薦めは、「不滅の牙」だ!(おぃ) ああ後、ボイスの「レッドくん」というのも、独自の立ち位置が出ていて上手い呼称だと思います。
「奴は必ずボウケンジャーになる」
「チーフ、どうしてそんなに映ちゃんの事気に入ったの?」
「面白い奴だからさ」
満面の笑みで返す不滅の牙、前回今回と部下に対するフォロー皆無なのですが、皆の心の中の、どうしようコイツゲージが凄い勢いで上昇していきます!
(父さん……俺の中のアシュの血が、また目覚めた。憎しみが俺を怪物に変える。けど……憎しみを消す事なんて出来るか? 俺の中の血と、それを残した母親があなたを、父さんを殺したというのに!)
映士が実家で怒りに任せて鏡をぶった切っていた頃、ガジャ様は巨大ゴードムエンジンを組み込んだ新型ロボを完成させていた。ゴードムの巨人ガガドムによりゴードム文明の復興を目論むガジャ様であったが……その完成を手ぐすね引いて待っていた、Wクエスターに乗り逃げされてしまう(笑)
「ゴードムの巨人で、何をするつもりだぁ!」
「ダサい名前で呼ぶな。ガガドムは今日から、クエスターロボ」
「全ての人間を滅ぼす。ふっ、楽しみに見ていろ」
ダサい「ガガドム」から、よりダサい「クエスターロボ」は明らかにネタですが、ガジャ様のネーミングセンスに文句を付けつつ「クエスター」は気に入っているようなのが、二重にネタになっています(笑)
そして今回のガジャ様の出番は、ここで終了(涙)
エスターロボは勇躍出撃し、ここでサブタイトル「新たなる巨人」と入るのが上手い。
危険なプレシャスの反応に出撃したボウケンジャーは山を掘り返すクエスターロボを目にするが、巨大ゴードムエンジンの作用によりアクセルスーツがまたも動作不良に陥る。クエスターガイに蹂躙される5人の元へ、サガスナイパーの反応からやってきた映士は、仲間である事を頑なに否定し、変身を躊躇っている間にガイに懐に飛び込まれてしまう。
「高丘の、おまえに仲間が助けられるかな? 今度も自分の怪物化を抑えられるとは限らないぞ。おまえのせいであいつらが死ぬかもな? 親父を死なせようにな」
動揺した隙に叩き込まれたパンチで吹き飛んだ映士は川に落ち、背後ではクエスターロボが、巨大なバズーカ型のプレシャス、ハザードレベルなんど550の、カミナリ砲を発掘。大地をえぐり吹き飛ばすその威力に、立ち向かうダイボウケンもやはりパラレルエンジンからのエネルギー供給が遮断されてしまい、ほぼ無抵抗のまま第10話以来の完敗。緊急分離でバズーカの直撃は避けるものの、1−5までのビークルが行動不能に陥ってしまう。
ダイボウケンを降したクエスターロボは市街地を無差別砲撃し、梁田ドラゴン→強者の弓→カミナリ砲、と最近の『ボウケンジャー』世界は、『ビーファイター』世界ばりにクライシス。……そして、超強力プレシャスと同レベルで市街地を廃墟に変えた梁田ドラゴン、物凄く強かったのでは。
いちはやく気絶から立ち直り、動かないビークルを降りた菜月は、川岸で倒れていた映士を発見。映士が頑なに仲間を作ろうとしない理由、その過去の悲劇を教えられる事になる――。
「父さんを殺したのは……俺と……母親だ」
少年時代、父(元宇宙刑事)と旅していた映士は、ガイから自らの出自が人間とアシュの混血である事を知らされる。亡き母ケイはアシュを増やす為に父親に近づいた、という話に動揺した映士は己の中のアシュを目覚めさせ、母との愛が真実だったと語り、映士を抱きしめた父は背後からガイに襲われ致命傷を負ってしまう。
「映士……よく聞くんだ。この錫杖は、アシュの弱点だ。だからこれなら、お前の中のアシュの血も目覚めない。……いいぞ。……離すなよ」
ソウルウェポンを託して父は絶命し、シリアスな回想シーンなのですが、戦隊基準で見ても少年映士の演技力が桜島大根で、物語への没入が断線させられるレベルだったのは残念(^^;
子役のキャスティングとしては小学生ぐらいの方が選択肢が広くて、中学生ぐらいがむしろ一番キャスティングが難しいのかもですが。
「俺のアシュの血が目覚めたせいで、父さんは死んだ。憎まずにはいられないさ。父さんを殺したものを。アシュの血を。そしてそんなものを残した母親を。この憎しみは消せない。だから俺は……いつかまた怪物に変わる。そしたらお前達を父さんみたいに!」
映士の頑なさは独りよがりなのではなく、他者を傷つけたくないという思いゆえだとわかった一方、チーフ以下の4人は、クエスターロボによる無差別砲撃を伝える、牧野からの通信で目を覚ましていた。
「――行くぞ」
「どうするつもりだ? ゴーゴービークルはもう、動かないんだぞ!」
「あのマシンの側では、変身も出来ない筈です」
「この状態で、プレシャスを回収できるとは……」
「俺たちの任務はなんだ? どんな状況でも俺たちの任務は、プレシャスの保護じゃないのか!!」
時にロマンとプレシャスの為に地球環境の一つや二つ躊躇なく傷つけるけれど、かといって地球が大事じゃないわけではないし、消えゆく命を一顧だにしないわけでもない――この星に生きる一つの命として当たり前の思いは持っていて、それを「正義や平和や愛の為に」と大上段から示せるほど強くはないけれど、「プレシャスの保護」という建前を振りかざした時に、命を守る事に命を懸ける理由にする事は出来る――という形で、今作におけるヒーロー像を彩る「本音と建前」が一周。
今作の大きな特徴として、「冒険者である個人」を「本音(浪漫と欲望)」、「ボウケンジャーというヒーロー」を「建前(理屈と大義)」と置いた上で、本音と建前を横に並べているというのがあるのですが、ここでポイントになるのが、本音こそ正しく尊いのではなく、あくまでも、この二つは併存しているという事。
今回後半の映士の描写を見ていると、今作には、今の自分を好きになる為の「理由」を探す物語、という側面があるのかなとも思われるのですが、理屈を感情が飛び越えていく事もあれば、感情に理屈で折り合いをつける事が必要な時もあり、だから今作は、人が動き出す為の理由として、「本音と建前」のどちらも否定せず、横に並べてみせる。
會川さんは後半からメインライターとなった『仮面ライダーブレイド』の中でも特にキングフォーム誕生編の際、「9.11後にヒーロー物をどう描くのか」に関して強い意識があったそうで、ままならない現実のややこしさと、フィクションのヒーローをどうやって接続するのか? というのが、この当時の一つの課題としてあったのかもしれません。
そこで理想に寄せたのが『ブレイド』だとしたら、現実に寄せたのが今作なのかな、と。


「広瀬さん……ヒーローって、居ると思います?」
「さぁ……でも、ヒーローになろうって、頑張ってるやつなら、知ってるよ」
たった一人きりの存在がいつか世界の全てを変える事は無理でも、様々な「理由」をつけて立ち上がる事が出来るなら、時に「建前」も捨てたものではない、というのが今作のスタンスなのかもと感じるところ。
日笠P−宇都宮サブP−會川昇、という陣容を考えると、メンバーの重なっている『ブレイド』への意識が全く無かったとは思えませんし、今作におけるヒーロー像の冒険には、スーパー戦隊シリーズ第30作目記念作品であるからこその、「ヒーローとは何か?」という大きな問いがあるのかもしれません。
だからこそ、18−19−20話は、チーフと映士がそれぞれ、自分の「弱さ」と向き合う話になったのではないか、とも思えます。
「捨てられたらな……この過去も、憎しみも」
「……駄目だよ。過去を捨てるなんて」
「おまえに何がわかる!」
「わかるよ! だって、菜月には……過去がないから」
消え入るように呟いた菜月の腕輪に映士が目を止め、そのままBGMを繋げてアイキャッチに入るのがまた格好いい。
生身で市街地に向かった4人は変身できないままナンバー6以降のビークルに乗ってクエスターロボに立ち向かい、生身のままでゴーゴージェットに乗って戦闘機動をこなしてしまう不滅の牙をはじめ、全員の無茶しすぎて死にそう感が凄い。
身も蓋もない話としては、元を辿ればヒーロー側(というか不滅の牙)の大やらかし案件なので、それをヒーロー的な格好良さに転換してしまうのは若干悪質なマッチポンプなのですが、今作だとそこまで酷い展開の印象を受けないのはどうしてか……と考えて思い至ったのは、つまるところボウケンジャー自体が、いきすぎた科学技術のメタファーなのではないかという事。
「十分に発達した科学技術は魔法と区別がつかない」とはSF作家アーサー・C・クラークの有名な言葉ですが(なお、『火星の砂』『海底牧場』『幼年期の終わり』などがお薦めです!)、つまるところボウケンジャーとは実質的にも比喩的にも“未来から見たプレシャス(危険な現代文明の技術の粋)”であり、そんなボウケンジャーが、危険なプレシャスとして古代文明の技術の粋を回収している、という自己矛盾こそが今作の本質(にして英雄と怪物が同一であるという神話的構造であり、また改造人間テーゼでもある)なのかも。
ゆえに、いきすぎた科学技術がロマンで暴走すると惨劇が発生する、というのは警句として必然であり、寓話としての物語構造上の納得感を持つに至っているのかもしれません。
「過去なんて、知らない方がいいかもしれないぜ」
「うん。ちょっと怖い……でも、知りたい。だって、それも菜月の一部だから。でも、お母さんは、映ちゃんのお母さんみたいに、優しいといいな」
謀略として父に近づいた悪しきアシュとして母に怒りを向ける映士に、母ケイは魂になっても映士を見守っていたと語った菜月は、涙滴型の結晶を渡す。真墨からの通信が入って助けに向かおうとする菜月を、思わず呼び止めてしまう映士に、振り返る菜月。
「映ちゃん、冒険ってなんだかわかる?」
「あ?」
「あのね、不可能と思う事に挑戦する事。だから、映ちゃんにとって、初めての仲間を作るって、冒険なんだよ!」
そのまま受け取ると凄くグサッと来ますが、「冒険」という一般的な単語の、個人に合わせた展開としては綺麗に収まりました。
今作において最も「冒険」を象徴しているキャラクターはチーフなのですが、そのチーフも「誰しも探している自分だけの宝」が大事だと言っているように、「冒険」という言葉が示す意味は決して一つではなく、それぞれの解釈が、一人一人の自分にとっての「冒険」がある、という今作のテーマとして非常に重要な部分を示してくれたのも良かったです。
「あいつはアシュだ! 父さんを騙してつけこんだ、そんな奴だ!」
菜月が走り去った後、結晶を放り捨てようとする映士だったが……しかしその解釈だと、父さんは美人のアシュにころっと騙されてまんまと子供を作ってしまったとんだ大間抜けという事になってしまうので、考え直した方が良いのではないか映士!
と、魂の母も思ったのか、不意に結晶から放たれた眩い銀色の光を目にして、思いとどまる映士。
「母親が、見守っていた……」
最近、慣れない他者との接触が続きすぎた上に、差し向かいで年平均の20倍ぐらい喋ったり、真っ正面から口説かれたり、ミニスカの女の子と二人っきりになったりで、心のバリケードがぐらんぐらんになっていた映士は、結晶の中に母ケイの姿を目にし、そのぬくもりを感じてしまう。
「本当に……見守っていたっていうのか。魂のまま、この世界に留まって。……あんたと、父さんは、本当に愛し合って……そして俺は生まれた。そうなんだな。俺の中のアシュの血は……その証」
天を見上げて涙をこぼし……映士は、自己肯定力を身につけた!
うーん……死者は何も答えてくれない以上、生きている者が自分で乗り越えて前を向くしかないのですが、映士が自分の中のアシュの血を「悪しき謀略の結果」ではなく「両親の愛の結晶」として受け止める、という形に心を動かす為の引き金としては母の魂の結晶に劇的さが弱く、チーフよりも格段に積み重ねが薄いのに、第18話のチーフと似たような構造で自己肯定に至るというのは、かなり強引になってしまいました。
魂の結晶が語りかけてくるわけでもなんでもないので、サガスナイパーも結晶も、下手をすると錫杖も(お父さんの末期の台詞がかなり怪しい)、「自己暗示のアイテムでしかない」という点で一貫しており、そこが今作における一線にして、映士の心を救う「建前」として機能している(いた)、という点では物語の構造と映士の心理がマクロとミクロで連動しているのですが、あまりにも高丘両親不在になってしまい、もう少し両親の存在感を押し出しても良かったかな、と。
高丘父に関しては、
「ばっかおまえ、俺と母さんは愛し合ってたって言ったら愛し合ってたに決まってんだろ! 最悪、母さんが俺を騙していたとしても、俺が母さんを愛していたのは事実だから問題ない!」
ぐらいに自己肯定力が高い人だった気もするので、血の因縁だと思えば納得力はやや上昇しますが。
「俺はアシュと戦う! だが憎いからじゃない。使命だからでもない。あいつらと、冒険してみたいからだ! ……母さん」
かくして血の憎しみを断ち切り、「高丘映士」という自己を認めた映士は、アシュの監視者という役割ではなく、高丘映士という個人としてアシュと戦う――それすなわち、本音としての冒険である、が同時に、社会と接続する為の新たな役割として、ボウケンジャーという建前を身に纏う事になる――という新たな生き方へ一歩を踏み出し、ボウケンシルバーへ変身。
すなわちここでは、「ボウケンシルバーというヒーローになる」事が、「自分の中の獣を飼い慣らして社会と接続する為の仮面」として機能しており、高丘映士は本音と建前の二つを持って、社会に立ち向かっていく力を得た事になります。
市街地では駆けつけた菜月のドリルを含め、ゴーゴービークルが次々と行動不能に陥り、遂にチーフのジェットも撃墜。瓦礫の中で迫り来る爆炎に包まれ、最終回直前レベルで追い詰められるボウケンジャー
「これで、終わりなのかよ?!」
「誰か、助けて……」
炎に巻かれ絶体絶命のその時――サイレンと共に地平線からゴーゴーファイヤーが姿を現し、エイダーとポリスがその後に続く!
「チーフ、あれって……!
「来たか映士! いや、ボウケンシルバー!」
セロリと錫杖だけを友達に高丘の宿命に生きること十数年……これが、溜めに溜めてきた正義の味方力だ!!
ゴーゴーファイヤーは広域の延焼をあっという間に消火し、エイダーとポリスのビーム攻撃にクエスターロボがひっくり返った隙に、早くもゴーゴービークル11−12−13が、緊急轟轟合体!
どーこかでー たすけをー よんでるー こえがするー
なんとなく木枯らし紋次郎の顔が脳裏をよぎるテーマソングをバックに、エイダーとポリスを両サイドに腕部として接続したファイヤーがジャッキアップして立ち上がり、トランスフォーマー顔の新たなる巨人、サイレンビルダー合体完了。消防車が折り畳まれる事で立ち上がる(なお戦闘ではこれを逆に用いて回避にも使用)、という大胆なギミックは面白いのですが、これ玩具、下半身は微動だにしなかったのでは、と余計な事が気に掛かります(笑)
サイレンビルダーは雷砲の弾丸をあっさりと消火してみせると意外や肉弾戦に持ち込み、かち上げのアッパーで雷砲を叩き落とすと、ナックルバルカンから必殺の消化剤乱舞へ繋げて、クエスターロボを粉砕。
圧倒的な強さを見せ、これでどんな凶悪犯罪を制圧するつもりだったのか、サージェス財団への不信感は激しく高まるのだった!!
これ多分、最新鋭の警備ロボと聞いて配備したら、悪を完全破壊する殺人マシンだったパターンだ!!
「プレシャス回収完了、てやつだ」
颯爽と飛び降りた映士はボウケンジャーと共に戦う事を認め、父さん、母さん、俺様にも友達が出来ました!
……ただ映士、ボウケンジャーの背後関係に関してはほとんど認識していないと思われるので、この後でサージェス財団名義の各種契約書の内容を見て顔を青ざめさせる事になるかもしれませんが、もう逃げられません! とりあえず、サガスナイパーの無断持ち出しの件で、始末書30枚と減給3ヶ月です。
「よろしく頼む、ボウケンシルバー、高丘映士」
映士はチーフの差し出した手を素直に握り返さず、グーで胸を突いて笑い、ちょっぴり抵抗。ここで握手とかしたら、刺激が強すぎて心停止する可能性がありますからね! そんな映士に菜月は、メンバー加入の証として、銀色のジャケットをプレゼント。
「しょうがねぇな……」
口調とは裏腹に満更でもない様子でコートを脱ぎ捨てた映士は、真墨とはひと味違う腕の筋肉をちらっと披露し、なんだかジャケットもぴちぴち気味です。
「映ちゃん格好いい!」
すかさず菜月は腕を組み、反対側からはがっちりチーフが肩に手を回し、もう絶対逃げられません!
そして背景では黒い人が、二重三重に嫉妬の炎を燃やすのであった……! (俺の事も「まーくん」て呼んでくれていいんだぜ菜月ぃぃぃぃぃ、勿論俺は嫌がるけど、それでもしつこく呼んでくれていいんだぜ菜月ぃぃぃぃぃぃぃぃ)と新たな闇の力が覚醒しそうになった所で、つづく。
初登場〜正式パーティーインまで4話構成という贅沢な新戦士登場編でしたが、インパクトのある新キャラと新たな敵勢力を出しつつチーフを過去と向かい合わせた上で、ボウケンジャーとは如何なるヒーローなのか、を改めてひとまとめする、という濃密な展開で面白かったです。
高丘両親の真実に関しては今後語られる可能性もありそうですが(ケイがアシュを裏切ってガイに殺されたとか)、そこを明確にしなかったので最終的に映士が強い思い込みで全てを好意的に解釈する、という姿がチーフと被り気味になってしまい、チーフなら納得できても映士ではまだ苦しい、という最後の最後で着地が崩れてしまったのは残念でしたが、既存メンバーとの絡みの中で上手くリカバーしていってほしい部分。
どこぞの冒険バカが身内の地均しも根回しも一切していないので、赤と黄以外からの好感度はオール10(最大100)だけど、頑張れ映士! たくましく生きろ!! 君にはセロリの力がある!!!
そしてWクエスターは今回も逃走に成功しましたが、巨大な力を得て単純な破壊活動に走る、という形で小物化が進行してしまったのは、ゴードムエンジンの副作用なのか?! 菜月も絡めて映士との因縁をもう少し引っ張りそうな気配になってきたので、あまり安い悪役にはならないのを期待したいです。
ところで、三宅健太さんというとマッチョキャラのイメージが強かったのですが、ガイの演技を聞いていると江原正士さんに割と声質が似ていて、粗暴なようでどこか奥のある、癖の強い悪役演技に、近年の活躍ぶりに納得。凄く好キャスティング。
次回――受け入れられたら受け入れられたで、案の定全力で突っかかる真墨(グリンピース嫌い)は、果たして偏食を乗り越える事が出来るのか? 率直に、お茶の間は野菜の戦士の味方だぞ! もったいぶる事なく、さっそく闇の力に魂を惹かれる者同士、期待のマッチアップがぶち込まれ、退魔のプロだが冒険のアマチュアである映士が、元トレジャーハンターとどう対比されるのかなど、楽しみです。