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『扉は閉ざされたまま』(石持浅海)文庫化

扉は閉ざされたまま (祥伝社文庫)

扉は閉ざされたまま (祥伝社文庫)

私個人の、ここ5年ぐらいのベスト作品の一つです。
非常にお勧め。
この機会に是非。
ところでこの文庫版、オリジナルの新書版には無かったおまけとして、エピローグ後に「前夜」という掌編が収録されています。どうやら、オリジナルの発表時に「犯人の動機が納得いかない」という評が多数出た(らしい)のを受けて、犯人の動機を補強する内容を書き下ろしたようなのですが、うーん、正直、蛇足。
編集から要請があったのか、自分で読み直して物足りなく感じたのかはわかりませんが、なんだか言い訳がましくて、全く要らなかったと思います。
オリジナルはあれで十分に物語として成立していたと思うのですけどね。
そもそも個人的にはこの作品は、どちらかというとアンチ本格というか、本格カルトに対するカウンターパンチだと思っているのですが、そうでないと、あの設定であの結末には辿り着かないであろうと。その点で、細かい所を云々されるのは、ある種仕方ないかな、とは。
それを踏まえた上で、舞台とかロジックとかトリックとか動機とか、元来そんなものは全て物語に飲み込まれるべきなのだ、というのが私の主張で、故に、本作と『魍魎の筺』(京極夏彦)の美しい着地は、一読の価値ありとして、ミステリ読みならずとも広くお勧め。
なお、来月12日には、本作のヒロイン碓氷優佳を主人公に据えた新作(倒叙三部作第2弾らしいですが、どう考えてもこれは後付けでしょう(笑))が刊行され、3月末にはWOWOWでドラマが放映されるそうです。ドラマには興味ないけど、それで売れてくれるとちょっと嬉しい。