以下、先日書いた『サマーウォーズ』感想を受けての、tundratiger氏(劇場版・TV版、ともに視聴)との、Twitterでのやりとり。
口調が多少ぞんざいなのは、古い知己だからです(笑)
やり取りそのものがどうこうというよりは、『サマーウォーズ』をサンプルに、もう少し作劇論をやりたくなってきたので、その叩き台としてのメモです。
gms02
「『サマーウォーズ』感想追補メモ。 「これは誰に見せたい映画だったのだろう?」 補完するかもしれないし、しないかもしれない。」
tundratiger
「ブクマに簡単な感想を書きました。ナツキ先輩がアレなのは当時見た時も思って、途中カズマが男の子だと気付くまで(テレビ版だと男の子だという描写が遅れに遅れて焦ったw)ずっと「真のヒロインはこの子か!」と思ってましたよw」
gms02
「感想さんくす。カズマが女、という誤解はしてなかったけど、でもやっぱり真ヒロインの立ち位置だよね(笑) あれで女の子で、行った先で真ヒロインに遭遇、という展開は新しかったかもなぁ(笑)」
tundratiger
「ナツキのシーンは例えば序盤の侘助との花札シーンもバッサリだったし、序盤隠れていたところから盛り返してくるうねりが弱まったのは否めないかも。あとおばさん連中(皆非声優)の演技の妙も減ってるので無駄に中村正&永井一郎コンビが目立ったのかもしれない。」
「まぁナツキ先輩は上映当時からいろいろ言われてたしなぁ(笑)。自分は悪くない編集と思っていたけど50点と言われるとその評価を改める必要があるのかな…。」
gms02
「まあ、中村&永井は、あのクラスの中でも、ひときわ、わかりやすいからなぁ。おばさん連中とかはむしろ、有りだとは思うのです。比較論の問題というか」
「例えば大河ドラマとかで、人気と話題性で選んだようなキャストの中に、時代劇畑のベテランが一人か二人居ると、所作とか言葉遣いのキレが目立ちすぎてしまう、というような話だと思ってくれれば」
tundratiger
「そのバランスが、あの編集で乱れたような気がします。おばさん連中、特に仲里依紗演じる由美さん(ふとっちょ眼鏡)は息子の長野県地区大会のシーン全面カットでかなりのシーン減ったからなぁ…」
「ベテラン声優枠は基本的に第二世代、中村正さんと永井一郎さん、そしてその2人の姉の役を演じる信澤三惠子さんですな。ただ、他の人達も声優キャリアは結構ある人たちばかりなのよね、調べると。あと確かにおじさん連中はあまり個性が…とは当時も思った(^^;」
gms02
「そうそう、ばあちゃんの長女役の人は、中盤のシーンで迫力あるんだよね、やっぱり。勿論、そこを意識したキャストなんでしょうけど。後まあ単純な話としては、声で個性わけてくれた方が、キャラ多い作品だと見ている方が楽、という要素はある」
tundratiger
「加えておじさん連中は結構みんな仕事も似てるので見分け付かないんだよねぇ…」
gms02
「まー、公務員おじさんズは3人まとめて一緒なんだろうけど、ここまでのキャスト分けの流れで行くと、自衛隊(も公務員か)と侘助さんは差別化しても良かったかな、とは思う」
tundratiger
「というか、あの一族基本的に公務員だらけなのよね、翔太も警官だし(笑)。」
gms02
「そういえばそうだ(笑) 翔太、割と出番あったのに、100%忘れていた。おばちゃんの一人も、役所の書類持ち出していたものなぁ」
tundratiger
「基本、あの映画って「体制側」の人達の話なのよね。飛び出した侘助がああなっちゃったり。という批判は当時からありました」
gms02
「あーなるほど。私は作品を論ずる時にそういう視点を全く持たないから、その観点は面白いなぁ」
「追補メモもう一つ。「なぜ『サマーウォーズ』は怪獣映画にならなかったのか?」
「いやまあ、答は「それじゃ売れない(と判断された)から」に決まっているのですけど(笑)」
「やっとわかってきましたが、私が『サマーウォーズ』のストーリー構成にどこかすっきりしないのは多分、無意識に“特撮怪獣映画”のロジックを読み込んでいるからっぽい」