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笑福亭鶴瓶、立川談志を見舞うの段

新潮社広報誌『波』連載、落語家対談シリーズ「寿限無の言い分」(聞き手・吉川潮)より、〔笑福亭鶴瓶(後編)〕から。


鶴瓶
「僕は、さだまさしを介して談春と知合いだったんですよ。で、談春の真打昇進パーティに呼ばれたんです。そしたら「師匠、乾杯の音頭を」と。あの錚々たるメンバーの中で、乾杯の音頭なんてイヤですやん。落語もやってない頃で、あほやと思われるしやね、「あかん、あかん」言うたんですが、無理からやらされそうになったんで、逃げて帰ったんですよ。談志師匠に挨拶する余裕もなかった。師匠は手術後で、前田外科から抜け出して来た時ですよ」
吉川
「そう、家元は車椅子で来ていた」
鶴瓶
「それで、次の日に見舞いに行ったんです。さんざん考えても何を持って行ったらいいのかわからないから、もう手ぶらで病院に行きました。それで僕、ちょうど点滴打ってはった師匠を思いっきり笑わせたんですよ。「やっぱり面白ぇな、祝儀やらあ」言うて、くれたのが「桂三枝」って表書きしてある見舞い金なんですよ(笑) 「いくら入ってんだ?」訊きはるから、覗いて「五万円です」「お前、取っときな」。そりゃ、取っとけないじゃないですか。それで三枝兄さんに電話したら、兄さんが心配性でね、「少なかったんかなあ」(笑) 「兄さん、とにかく僕、何とかしますわ」言うて、「笑福亭鶴瓶 見舞十万(内、桂三枝五万)」て書いて置いてきたんですよ、今度は談志師匠に会わんと」
鶴瓶の語り口の巧さというのもあるのでしょうが、私でも、脳内再生して笑える、各人の存在感と行動が凄い(笑)
この後の、別の入院の時に、偽医者の扮装で病室に行ったら……のくだりも面白い。
『波』は一応バーコードついてますが、書店店頭で売っているのは見た事ないのですけど(基本、自社新刊の書評本)、この連載シリーズは対談相手にもよりますが、なかなか面白いです。私は落語業界は全然わからず、人間関係とかもさっぱりですが、逆にその分、全て一般化して芸能論として読んでしまっていますが。

鶴瓶
「若手に言うのは、バラエティに出ろ、と。一番大事なのは、時代と一緒に生きることだと思うんです。時代を連れていかないと、落語は衰退します。マスコミの時代ですから、テレビで生きていくことは大事です。映画でもいい。大衆芸能をやる以上は、時代を連れていくような芸人でないとダメですよ」
鶴瓶が特に好きという事は無いのですが、NHKの『家族に乾杯』での姿とか、この対談の内容とか読んでいると、なんというか、底力のある人、だなぁ、と思う。