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『宇宙刑事ギャバン』感想21

第39話「学校から帰ったらぼくの家はマクー基地」
凄く嫌なサブタイトルです。
ごく平凡な一般家庭・山口家に、突如乗り込んできた黒い影。それは近所の公園で知り合いの少女の歩行リハビリに付き合う一条寺烈を狙撃しようと企む、マクーの構成員達だった。
今回のダブラーは、ノットリダブラー
もうどこまでもフリーダムです。
乳飲み子を人質に、強力な熱線銃による絶好の狙撃ポイントとして、接収される山口家。
マクーはもう、正攻法で勝てないのが前提すぎて泣けます。
山口家の少年・つとむは、学校から帰宅後、母親と一緒に捕まってしまうが、ダブラーが寿司100人前の食事をとっている隙を見て、風船に「たすけて」という手紙を書いて外に飛ばす。その後、椅子にしばりつけたシーツを伝って2階の窓から脱出を試みるという将来有望な冒険野郎ぶりを見せるが、これには失敗。早く帰宅した父親も捕まってしまう。更には、風船の手紙を見た人からの通報を受けてやってきた警官も、「こどものいたずら」という事で、追い払われてしまう。
山口家がマクーの手に落ちている事は誰にも知られる事なく、着々と暗殺の為の準備は整い、遂に烈と少女、小次郎とマリーンが公園に現れる。
烈、絶体絶命。
ノットリダブラーの指が引き金を絞ったその時、
通り過ぎるトラック
大 爆 発
コンバートスーツごと破壊すると豪語した割には、トラックはともかく運転手は無事だし、大した事ないぞ熱線銃。
狙撃に失敗したダブラーは何を血迷ったか「儂と勝負しろ」と打って出るも、ギャバンに撃破され、今回も無惨に作戦失敗。何故か最後は少女の歩行訓練に(結局、直接は全く関わらなかった)山口家の皆さんも勢揃いし、大団円。
折角サスペンスフルな展開にしたのに、頑張って少年が助けを求めた行為が全く活かされなかったのはちょっと勿体ない。終始ギャバンのあずかり知らぬ所でマクーの暗躍が決定的になりかける、的な事をやろうとしたのかもしれませんが、やりすぎてギャバンが助かった理由が「単なる偶然」になってしまったのも、いただけない。出来れば少年の奮起がギャバンを救うような展開にまとめて欲しかったところ。
ただその分、シナリオ内での飛躍的な無茶が少なかったので、話は割とまとまった、といえばまとまったのですが。「運も味方」というのは、リアルといえばリアルですし。ただまあ、それなら風船のくだりは必要無かったし、何かした分の報いは、フィクションとして少年に与えられるという展開にしてほしかったなぁ。


第40話「死の谷の大決戦 君も宇宙刑事だ!」
鬼ヶ山を調査していた清水博士は、山中にあった謎のホットドッグ屋で、つい一服してしまう。
水滸伝』とかだったら、眠り薬が入っていて肉饅頭にされるパターンだなーと思ったら、店員に変装していたヨウカイダブラーに襲われる。
実はこの鬼ヶ山ではデビルニウムという鉱物が産出され、その確保を目論むマクーが、訪れる登山者などを次々と拉致していたのであった。
その頃烈は、小次郎に甥っ子の史郎(太め)の世話を押しつけられていた。宇宙刑事に憧れる少年は、小次郎がつい吹いた「自分とギャバンは親友」という法螺を真に受けて上京、小次郎の適当な紹介で、烈は「同じ宇宙刑事志願の仲間」扱いされてしまう。
テンションの高い少年に振り回される烈は、鬼ヶ山で続発する神隠し事件(成る程それでヨウカイダブラーか)の調査に向かうが、そこで史郎と再遭遇。やる気満々の少年を無下にする事も出来ず、史郎のフォローをしながら一緒に山歩きをする二人は、ホットドッグ屋に遭遇。
出された飲み物の怪しい匂いに気付いた烈が、史郎が飲みかけたそれを払いのけると、ヨウカイダブラー出現。さくっと気絶する少年。念力を操るヨウカイダブラーやマクーの構成員と戦っている内に、少年は人質として攫われてしまう。少年を追い、更に山の深い所に分け入る烈。山奥で、鉱石掘りの人足代わりにこき使われている清水博士その他の行方不明になった人々と史郎少年を発見するが、少年はヨウカイダブラーが化けた罠だった。
戦闘の最中、
ジープのフロントウィンドウにぽっちゃり少年を縛り付けて姿を見せるサン・ドルバ。
絵が凄すぎる。
今日も息子さんはとことんダメ路線です、お父上。
しかし隙を突き、ギャバンは少年を救出、少年が人質を連れてうまく逃げだし、運び出されそうになっていたデビルニウムはレーザーZビームで木っ端微塵。というか、積んでいたトラックが、跡形もなく消滅しました。
こうしてマクーの野望は砕かれ、史郎少年はギャバンと言葉を交わした事を胸に、体を鍛え直して宇宙刑事を目指すんだ、と田舎に帰っていくのでありました。
この終盤に来て今更ながら、魔空空間での戦闘におけるギャビオンと中のマシンのテコ入れが激しいのですが、これはもしかして、敵(ダブラー)が強くなっている、という事を演出的に補完しようとしているのかなぁ。
しかし、ギャバンが大型兵器で虐殺しているようにしか見えないのが困りもの。
脚本は、2本目の筒井ともみ。次回予告ではどうなる事かと思いましたが、前回のホープ星人のお姫様回同様、何となくまとまった話になり、健闘。