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生存戦略してみよう

昨年、自分のTwitterタイムライン上でやたらに盛り上がっていた(固有名詞がわからないので、ネタバレ的な理解と記憶はなし)輪るピングドラムバンダイチャンネルで見始めてみました。
正直なところ、幾原邦彦監督の演出は濃すぎて苦手だったのですが、今回は、幾分マイルドか。
ペンギン空間は濃いめだったけど。
背景というか室内のカットなどを、色彩と情報量で見せてくる辺りは、センス。監督のセンスか美術スタッフのセンスかはわかりませんが、兄弟妹の家の内外の絵などは設定から詰めて相当きちっと用意したとは思うものの、お見事。そしてそれらを見せる事にこだわりすぎないで、主に繋ぎのカットとして使う事でテンポよく物語を進めていく演出が巧み。
背景美術が演出上の車輪の軸になっていて、それを非常に巧く取り込んでいます。
……というか今作、その辺りの色彩や造形が柔らかめになっているのが、当たりをマイルドに感じる所以か。
と思って勢いで『少女革命ウテナ』1話とか見てみたのですが……やっぱり濃い。濃いなぁ……あと今見ると思いの外、1話は演出が荒い。Bパート入ってからのはったり感は凄いですが。
そういえば、今作のモブは基本ピクトさんなのですが、「ピクトグラム」と「ピングドラム」って似てますね。
ふと思っただけで、特に解釈も深読みも無いですが。
メタファーの類を読み解くのは苦手ジャンルなので、なんか色々仕込まれていそうですが、あまり過度になるとついていけなくなるんだよなぁとかは思っている。
今のところ(これを書いている時点で3話まで見た)、テンポが良くて楽しく見ています。
フィクションの世界に存在する「可愛い(格好いい)から許される」というルールを、確信犯的に前面に押し立てているえげつなさは、作劇としてなかなか興味深い。
裏を返せば、フィクションで見過ごされがちな、ちょっとした(ちょっとでない事もある)不法行為に対して、物語が自覚的なのであろう、という気がしますが、さて。