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『爆竜戦隊アバレンジャー』感想9

◆第17話「戦場のアバレかっぽれ」◆ (監督:中澤祥次郎 脚本:浦沢義雄
久々に普通に登場の介さん、いきなり、かっぽれを踊り出す。
その動きに過去の戦いのトラウマを呼び起こされたアスカ、恐怖で気絶(おぃ)
長らく、割といい年してからエボリアンの侵略があったのかと思っていたのですが、今回の回想シーンで、少年期からエボリアンに侵略されたダイノアースでレジスタンスとして戦っていた事が判明。
……誤解していたよアスカさん。
好きで武力一本槍にステータスを割り振っていたのではなく、そういう風にしか生きられなかったのですね。
アスカの快復その他もろもろを祈願する介さん、神社でトリノイド・アヤメガネズミの光線を受けると、何故か頭にアヤメの花が。
……どうして、2回続けて頭髪ネタですか浦沢さん
アバレンジャーが駆けつけるが、体に染みついた恐怖の記憶を呼び起こされてしまったアスカは「私は平和の為に戦う事のできない体……いえ心になってしまったようです」と、アバレブラックに爆竜チェンジする事ができない。メンバーがそれぞれアスカに「平和とは何か」を取り戻させようとするが効果はなし、その一方で、着々とアヤメ頭の人間を増やしていたアヤメガネズミは、咲き誇るアヤメの力で、梅雨前線を呼ぶ
更に梅雨前線は梅雨前線山脈と化し、噴火
さっぱり意味はわからないのですが、物凄く強力
磁力でアバレンジャー成層圏まで飛ばしてしまうようなのも居ましたが、トリノイドは全体的に、性格と運用方法に難があるものの、個体の特殊能力としては、歴代シリーズの怪人でもトップクラスの性能なような。
変身能力を失い(何度目か)、戦いへ駆けつける事が出来ずに歯噛みするアスカに、介さんは戦時中の思い出を語り出す。あのかっぽれは、腹を空かせて泣く妹や弟を一時でも笑顔にする為に、覚えたものだった。その言葉に、かつてダイノアースでの戦いの日々の中で、マホロ兄妹の為にダイノハープを吹いた頃を思い出すアスカ。――それが、自分にとっての求める平和であったのかもしれない。
ここで明らかになる、思った以上に常在戦場だったアスカさんが“自分にとっての平和――戦う目的――とは何か”を見つめ直す、というテーマは良かったのですが、そこへ持っていく為の「平和を忘れたので変身できない」というネタは、どうにも無理がありました(^^; 後半から格好いい話になっただけに、勿体なかった。
戦うダイノガッツを取り戻したアスカはアバレブラックに変身、圧倒的なパワーでアヤメガネズミを蹴散らすと合体攻撃に参加し、割と成り行きでスーパーダイノボンバー誕生。けれど相変わらず巨大戦の時は役に立たない……と思ったら、ステゴスライダーを活用する為に、大波を呼ぶという、離れ業。
V−MAXアスカさんは、頼もしいというより、危ない
かくて梅雨前線山脈は元の梅雨前線に戻り、人々の頭に咲いていたアヤメも無事に消えてなくなる。そしてその戦いの顛末を見ていた男が一人……「そろそろ最強プレイヤーの出番だな」。果たして、この男の正体は……?!
ところで、アスカさんのテーマ(「Fight! For the earth!!」)はサビの2回目のところで、
マホロー マホロー
というのが格好いいなぁと長らく思っていたのですが、タイトルと歌詞を確認したら、
誰も 何も
でした!
全然違うよ!!
むしろ自分の妄想力を誉めたいレベル
◆第18話「誰だ? アバレキラーだ!」◆ (監督:中澤祥次郎 脚本:荒川稔久
トリノイド出現を察知したアバレンジャーが現場に駆けつけると、そこにはトリノイドの姿はなく、立っていたのは初夏だというのに白いコートを着た一人の男。アバレンジャーと話す為にトリノイドを消したという男は、3人の目の前で白と黒からなる5着目のアバレスーツに爆竜チェンジ!
「おまえらと組む気はさらさらないんだ」「どうせなら、自分の為に楽しく使おうぜ」と5人目のアバレンジャーになる事を拒否する男は、自らをこう名乗る。
アバレキラーと!!
ヤツデンワニさん、これ以上ない出オチ
かませというレベルの戦闘力さえ発揮させてもらえなかった、まさしく出オチ。
四ヶ月前――爆竜がアナザアースに現れた日。
一人の男が、爆竜の暴れ回る銀座で、「ときめくぜ!」と叫んでいた。
その男は天才外科医、仲代壬琴。彼もまた、爆竜の声が聞こえる者であった。
医者でありながら楽しいか楽しくないかを手術の基準とし、人生に飽きて刺激を求める壬琴は、爆竜という未曾有の存在に興奮し、接触をしようとするが、彼の目の前で、幸人、らんる、そして凌駕が次々と変身。
自分を呼んだのは彼等ではなかったのかと落胆した壬琴は、アバレンオーによる空中要塞の撃破直後にその場を去ろうとするが、突如、激しい胸の痛みにうずくまる。そして空中から飛来した巨大な卵とブレスレット……そのブレスレットを身につけた時、彼もまた、アバレスーツ着用者となったのであった。
本編第1話、ヒーロー誕生の陰で、まさしく、もう一人の陰のヒーローが生まれていた、という非常に面白い構成。
また、ビル崩落に巻き込まれた凌駕を手術していたのが壬琴、凌駕がティラノと接触したのは手術直後だった事が判明。凌駕を見て「こんなつまらない奴の命を助けるんじゃなかった」とこぼす壬琴ですが、その後の回復力を見るに、壬琴が手術しなくても、凌駕は地獄の底からでも這い上がってきそうな気がします、何となく。
強力すぎるスーツを4ヶ月かけて着こなしたアバレキラーは、アバレンジャーを圧倒。相手が人間という事で青と黄は攻撃を躊躇し、赤は必死に戦いを止めようとする。
そんな凌駕に、

「おまえマジ? 本音で行こうぜ。退屈な世の中でこんな凄い力持ったら、人生面白くしたいと思うのが人の心ってもんだろ」

とあくまで戦いを愉しむアバレキラー
ダークヒーロー、というよりは、ダーク涼村暁(『超光戦士シャンゼリオン』主人公)みたいなものを感じなくもない(笑)
くしくも現在、東映YouTubeで配信中の『超光戦士シャンゼリオン』(1996)は主人公がC調で全編コメディテイストという異色の特撮ヒーローでしたが、その第1話、シャンゼリオンに初めて変身して敵を倒した直後の主人公の台詞が、

「信じられねえぜ……こーれがこんなに強くなるなんてよ。
これって……これって……ひょっとして、超・らっきー?!
こんな力があれば天下無敵。退屈な人生ともおさらばでい、いえぃっ!
たーっ、たまらんなぁ。はっぴー! 薔薇色の人生、まっしぐらぁ!」

というもの(笑)
もしかしてアバレキラーは、荒川稔久から盟友・井上敏樹への、数年越しの『シャンゼリオン』アンサーなのか(考えすぎです)。
苦戦するアバレンジャーの元へかけつける、アバレブラック(最初から出てこなかったのは、前回ハッスルしすぎた為?)。ブラックによると、キラーの纏うアバレスーツは廃棄された筈のプロトタイプスーツ0号であり、強力ではあるがエネルギー制御に問題があり、場合によっては東京が地上から消え去るレベルの大爆発を起こす可能性があるという。
「面白いじゃん? ゲームにスリルが増えて」
それを聞いてもなお戦いを止めないキラーに、やむなく青と黄が攻撃をしかけるが退けられ、割と躊躇なく仕掛けた黒も、ダイノガッツを吸収されてしまう。戦いを止めようとした赤はキラーの攻撃を受け、重傷を負って気絶。相棒の為にダイノガッツを手に入れに来たというキラーは、「本当のゲームは、これからだ」と言い残して姿を消すのであった。
もともとエボリアンが要塞の中に回収していたプロトスーツを取り返そうと出張してきたジャンヌさん、ベンツで帰宅中の壬琴に遭遇するが、頬の爪に触れられて必要以上に動転し、一刀も交えずに取り逃がすという不始末。
……もう設定をよく覚えていないのですが、竜人族の顔の爪に触れるのは、アスカさんが知ったら殺意の波動に目覚めて「東京湾の魚の餌にしてやるけんのーーー!!」になるぐらいの事でしたっけ。
まあここは、マホロの体を奪ったというジャンヌの中にマホロの心があったりなかったり?という演出なのでしょうが。
恐竜やに運び込まれた凌駕、舞ちゃんの涙に、なんとか意識を取り戻す。一方、アバレンジャー達のダイノガッツを吸収した壬琴は、工事現場に隠していた爆竜の卵にダイノガッツを注ぎ込む、そして――!
超高級マンションとかに住んでいそうなのに、どうして不特定多数の人が出入りしそうな工事現場に卵を隠しているんだ、キラー……(笑)
新キャラ登場編。
追加戦士のパワーバランスは毎年の課題ですが、強いスーツが危ないプロトタイプというのはお約束として、着こなすための4ヶ月、自爆のリスク、と説得力をうまく補強したのは秀逸。また前者は1話とキラーの存在を絡めつつもここまで出なかった事の理由付けとなり、後者は壬琴のキャラクター性の強化になっている、と二つとも巧い。
3人+1という変則構成に加えて、巨大ロボが段階パワーアップという事もあってか早い段階で5人目の戦士(?)登場となりましたが、幸人さんのような、ポーズでひねているタイプ、それがダンディズムではなく、全くスタンスの違う、一筋縄ではいかなそうな言動と行動満載で、盛り上がって参りました。
ジャンヌさんにアプローチしてくれたのも嬉しい(笑)
大ハッスル→へたれを繰り返している内に嫁に浮気の気配で、ピンチだアスカ!