ずっと「導師」と書いていたけど、よく見たら「道士」だった。
◆第17話「出ました新戦士」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:杉村升)
グホンからの電波により、6人目のダイレンジャー、キバレンジャーの誕生が近い事を知る道士カク。
「……白虎神剣」
……ってあれ? もしかして道士、白虎神剣の存在、初めて知った?
そしてその白虎神剣からテレパシーを受けた小学生、スケボー少年・コウが登場。
「俺コウ、今日からお姉ちゃんの弟になるからな」
と、突然、リンに宣言するコウ。
通りすがりのカップルのシェイクを盗み
リンに痴漢し
ハンドバッグを盗み
中の鍵を手に入れ
……120%犯罪者だゾ
そんなコウに、呼びかけるテレパシー。
「コウ……急いでリンのマンションに行くんだ」
指 示 し て い た の 剣 か !
(※この時点では、コウにはテレパシーの主は不明)
盗まれたハンドバッグを追っていたリンと将児(通りすがり)は、ゴーマ怪人、指輪官女・ネックレス官女・イヤリング官女、の地獄の三人官女と遭遇。デザイン怖い。
地獄の三人官女に苦戦するホウオウレンジャーとテンマレンジャーだったが、残り3人が救援に駆けつけ、三人官女は「キバレンジャーは誕生させない」と言い残して撤退。道士から話を聞いた5人は、6人目のダイレンジャーが出現しようとする事を知る。
「強い人が来てくれると、いいですね」
和さん、どこか他人事。
「一刻も早く白虎神剣を見つけ、ゴーマから守るんだ」
そしてやっぱり、道士に教えてなかったグホン(笑)
その頃、ゴーマ3事務員の前に、人力車に乗った老人と子供が姿を見せていた。老人の名は、田豊将軍。子供の名は、阿古丸。
二人+付き従う三人官女を前に、半身で「けっ」とか言ってしまうシャダムさん、また嫌な上司が来やがった……モードかと思いきや、なんとビックリ、阿古丸はシャダムの息子であった!
昼間のパパはいい汗かいてる〜 昼間のパパは男だぜ〜
作戦の指揮権を託した阿古丸を残し、人力車で去って行く田豊。
ここで、「これは元老院の決定だ」と、ゴーマの背後組織の存在が明るみになります。
怪人達から全く敬意を払われない様子、営業成績の悪さ、上層部への態度の悪さ、子供を上に置かれてしまう酷い扱い…………3事務員って、ゴーマの中では窓際族の落ちこぼれはみ出し者なのではないか、という疑惑が。もしかしたら対ダイレンジャープロジェクトは、ゴーマの主業務ではなく、辺境の子会社に異動みたいな扱いなのでしょうか。3事務員が全員、左遷されて今の立場に居ると思うと、そこはかとないやる気の無さとか、態度の悪さとか、色々納得なのですが(笑)
「待て阿古丸、どういうつもりだ。我々の邪魔をして」
「今の私は田豊将軍の息子だ。あなたの指図は受けない」
3人官女を引き連れ、白虎神剣を探して動き出す阿古丸。
阿古丸は生まれてすぐに養子に出されており、実の父であるシャダムを憎んでいる、とどうやらこちらの父子関係も複雑な模様。……次から次へと、駄目な父親の出てくる作品だなッ!
その頃、コウはリンの家に空き巣に入っていた。
剣の指示で部屋の中を引っかき回し、グホンが隠した“ある物”を見つけ出すコウ。そこにリンが帰ってくるが、気力・おっぱい鷲掴みでピンチを回避したコウは、白虎神剣の元へと向かい、それを追ってグホンが白虎神剣を突き刺した寺にたどり着いたリンは、三人官女に遭遇。そこに4人も駆けつけ、白虎神剣の手前で、ダイレンジャーvs三人官女の戦闘開始。
草むらに身を隠すコウ、
「これじゃ、出るに出られないじゃないか」
それを聞いた白虎神剣、敵味方にまとめて爆撃(笑)
三人官女とダイレンジャーはもろともに吹っ飛び、その隙に白虎神剣のもとに辿り着いたコウは、それを引き抜く。
「これで俺も自由になったぜべらぼうめ」
テレパシーの主が白虎神剣だったと知るコウ、そして予想外にてきとーな感じでした。これはまあ、空き巣を推奨するわけです……。
「今日からおめえの心の友ってわけだ。さあ兄弟(きょうでぇ)、いよいよキバレンジャーに転身だ」
リンの部屋から見つけてきたのは、グホンが隠していったオーラチェンジャー。
「気力転身・キバレンジャー!」
転身とともにコウの体はパンプアップし、中の人対応に(笑) 遂に転身したコウは大盛り上がりで、ウォーミングアップで連続バック宙など、無駄に凄いアクション。キバレンジャーの誕生を目の当たりにした阿古丸&三人官女は撤退し、キバレンジャーは明らかに悪人ぽいポーズで高笑いするのであった。
◆第18話「秘密(※○の中に秘)の白虎ちゃん」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:杉村升)
「やったやったー」
大はしゃぎのコウ、町中でキバレンジャーに転身してスケボーを乗り回し、気力で女子高生のスカートをめくるなど、好き放題。
……なんかもう先週から、悪事しか働いていません。
さすがに白虎神剣がそんなコウをたしなめるが、コウは紐で縛って白虎神剣を文字通りに口封じ。
「僕は僕の好きにやるもん。そうだ、閃いた」
キバレンジャーの正体について語り合いながら5人がリンの部屋へ帰ってくると、なんとコウの荷物がリンの部屋に運び込まれていた!
現在、5年前に行方不明になった母親の親友の家で暮らしていたコウ。育ての親の二人はリンをすっかりコウの生き別れの姉だと信じ込み、引っ越しに協力、コウはリンの部屋の屋根裏に住み着いてしまう。
後のコウの発言だと、コウは育ての両親に邪険にされていたという事なのですが(真実かどうかは不明)、その割にはこの両親(丸大青果の夫婦)は妙に人の良さそうなキャスティング。……まあ、親友の子供を引き取って育てている時点で、人が良いのは確かなのでしょうが。その割にはリンと一切の話し合いをせずに引っ越しを敢行しており、今ひとつ、どうしたいのかよくわかりません。
まあ前回と今回は全編、ここまでは勢いで許して、みたいな感じなのですが(^^;
一方、ゴーマ側の阿古丸も、自分を産んですぐに行方をくらました母親と、自分を捨てた父(シャダム)を恨んでいる事に言及。阿古丸は完全にコウの対比キャラではありますが、ここで二組の親子関係が物語に絡む事に……コウと阿古丸が実の兄弟、というのもありそうですが、さてはて。
個人的には妻子発覚でシャダム事務長がますます面白くなってきたので、そこは楽しい。
阿古丸は、キバレンジャーをゴーマ側へ寝返らせるのが計画の内、と三人官女にキバレンジャーの正体を探るように命令を下す。阿古丸の調べによれば、キバレンジャーの正体は、10歳前後の少年、右腕に虎の形の火傷がある筈……。
その頃リンはコウ追い出し作戦の為に、急にコウに優しくして油断させると、そこへ将児がコウの母親の声真似をして東京駅へと呼び出し、その間に隠れていた男衆3人が、コウの荷物を運び出す、という直接手段に打って出る。
「今の内にあの子の荷物を八百屋のおじさんの所に戻すのよ」
「女っつーのは残酷だよなぁ。子供の気持ちを踏みにじって」
行方不明だった母親からの偽電話にころっと騙されるコウ、でコウの小学生らしさを出してはいるのですが、前回と今回のコウの悪行三昧が酷すぎるので、どうにも同情できません(^^; びみょーに納得していない感じの男衆3人(将児はノリノリ)ですが、いや君等、家に急に知らない小学生が押しかけてきて同居する事になったらと想像してみなよ?!
……大五さんは、受け入れそうだけど。
ところが八百屋へ向かう途中の3人は、ゴーマ怪人と遭遇。
三人官女、火傷の跡を探す為に、街で小学生を脱がしまくる(笑)
というか、銭湯を襲っていた。
連絡を受けて外へ駆け出したところで、騙された事に気付いて戻ってきたコウと遭遇するリン。
「僕を騙したな」
「だってあなたが私の部屋から出て行かないから」
「好きだったのに!」
凄くひどいやり取り(笑)
その場を駆け去ったコウは、官女の一人と遭遇し、腕をまくられる……そこにあったのは、間違いなく虎の形の火傷。
虎に見える形の火傷、とかではなく、文字通りに虎の形の火傷。
実は幼い頃、コウは実の母親によって、虎の形の焼きごてを押しつけられていた!
「恨むなら、ママを恨みなさい!」
……いったいぜんたい、どういう家系なのか。回想シーンの映像では、なんかこう、古い日本家屋っぽいですが。あと前回の白虎神剣の台詞でコウを「運命の子」と言っているので、なにがしかの因縁はあるようですが……ますます、いまのところ特に因縁の設定されていない、大五、将児、和、は何故ダイレンジャーに選ばれたのか不明に。……数合わせで、単純に潜在的力の高い人間をスカウトしたのかもしれませんが。
そこへリン、続いて男4人が駆けつけ、ダイレンジャーvs三人官女。吹っ飛ばされたリンを抱き留める形で、亮がナチュラルにお姫様だっこしていて、なかなか格好いい。
三人官女に苦戦するダイレンジャー……官女、3事務員より強くないですか(笑)
戦闘を怖がるコウだったが、白虎神剣の「遊ぶ時だけ転身して、それでも男かよ」の言葉、そして官女に追い詰められるリンの姿に、戦う事を決意して気力転身!
「吼新星・キバレンジャー!」
戦いは素人のコウであったが、白虎神剣に操られる形で、イヤリング官女と戦闘。気力技「吼新星・乱れやまびこ」(何故かロックバンドのイメージ映像で、音を操り増幅してダメージを与える攻撃)によりイヤリング官女を撃破し、3人官女は撤退。重傷を負ったイヤリング官女は阿古丸にキバレンジャーの正体を伝えようとするが、その前で絶命。しかし阿古丸は前後の出来事などから、キバレンジャーの正体がコウである事を見抜くのであった……。
戦い終わり、川で黄昏れるコウに「しばらくの間、一緒に暮らしましょう」と告げるリン。その条件は、
「絶対におっぱいをさわらない事」
……て、同居の条件、そこなんですか(^^;
こうして二人の同居生活が始まるのであった……圧倒的にグホンのせいで、リンが被害者。またコウが、自分がキバレンジャーである事を秘密にしている理由がさっぱりわからず、お陰でただひたすら不自然に。そこがオープンならもうちょっと、同居展開もスムーズに出来たと思うのですが。正体を秘密にしている理由は作品(キャラクター)としては何かしらあるのかもしれませんが、それが見ている方にさっぱりわからないので、見ている方としては、もやもやとしてしまいます。
ここまでの無茶は許して、という線引きはともかくとして、さすがにリンがコウを受け入れるに足る理由は、もう一押し無いと、幾ら何でも厳しかったと思います。
リンの新衣装は、戦隊にしては普通に可愛げがあって、そこは良かった。
しばらくコウ編になるのでしょうか……もうちょっと落ち着いてくれないと話を回しにくいので、さっさと落ち着かせてくれ、という感じですが。
なお、2回連続でロボ戦なし。
ところで今作、『三国志(演義)』由来と思われるキャラクター名が、賈ク、李儒、張遼、虞翻、田豊、と基準がさっぱりわかりません(笑) 一番メジャーな所は外した、というのはわかるのですが、統一感も無ければ、なぞらえている感じでもない。李儒でなくて「沮授」だったらまだ、ゴーマ側は袁紹麾下縛りか、とかわかるのですけど。……まあそれはそれで、どうしてゴーマ、袁紹? という新たな謎が出ますけど(笑) その上で、3事務員は横文字だしなぁ。