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『特捜ロボジャンパーソン』感想38

先週分。
◆第45話「衝撃!!処刑の街」◆ (監督:金田治 脚本:宮下隼一/鈴木康之)
真壁を捜して家出をしたガンギブソンは、ブラボータウンに辿り着く。そこは人間とロボットの共存する街……の筈だった。ロボットが人々に追われ、リンチを受けている姿を目撃したガンギブソンはそれを止めようと乱入するが、逆に助けようとしたロボットに腰の銃を奪われてしまう安定の迂闊ぶり。そこを元教師ロボット・ロイドに助けられたガンギブソンは、リンチを受けていたロボットとともに、ロボット安酒場へと連れていかれる。
「この街では、ロボットはあまり騒がないほうがいいな」
1年前、街外れに建てられた呪いの塔。その塔から発せられる電波はロボットの運動回路を破壊する効果を持っており、それ以来、ブラボータウンでは共存の理想は崩れ、ロボット達は人間によって支配されているのであった。
そもそもロボットの人権がかなり認められている(としか思えない)『ジャンパーソン』世界で、人間とロボットの共存する街、と言われても微妙にピンと来ないのですが、恐らくはロボットの人権問題について先進的な活動を進めたモデル地区、とか、そういった所か。
だが、その地区は今や、見る影もない無法地帯へと堕していた。
「なぜ立ち上がらない?」
人間への反攻をそそのかすガンギブソン
その言葉に、一斉に銃を構える酒場に集うロボット達。実は彼等はロイドをリーダーとするレジスタンスであり、これまでは戦力不足から手をこまねいていたが、ガンギブソンの来訪をこれ幸いと、彼を仲間に引き入れて反攻の狼煙をあげようとしていたのだ。しかしGGの目的はあくまでジョージ真壁への復讐……仲間入りを拒んだガンギブソンは外に出た所で、ロイドを慕う少年・祐二から声をかけられる。かつてロイドの教え子だった祐二は、争いを憎み愛と慈しみを説いていたロイドがおかしくなったと、ロイドを止めるようにガンギブソンに頼むのであった。
……うんまあ、活動家としてはそれほど珍しくない気もします。
無法の街にやってくる流れ者のガンマン……という今作の初期コンセプトに存在したと思われる西部劇をなぞる展開なのですが、街の外へ脱出できない理由が特に提示されていない為(GGさん普通に入ってきてるし)、武装蜂起まで追い詰められる理屈が少々弱い。肝心な部分なので、ここは何か理由をつけて欲しかった所です。舞台と状況設定は面白いのに、どうも詰め足りない(^^;
その夜、酔っ払いロボットが奪われたガンギブソンの銃で殺され、それをきっかけにロボットと人間の対立が加熱。衝突寸前の状態まで行く両者の様子を窺っていたガンギブソンは、人間サイドの不意打ちを受け、ジープから鉄鎖で引きずり回される。
一方、<ネオギルド>がロボットによる世界征服を目的としているなら、どこかで人間とロボットの全面戦争を始めようとする筈……と探りを入れていたJP基地では、ブラボータウンの異変をキャッチ。それこそ<ネオギルド>の陰謀に違いない、とラスボス出撃。
走行するジープに引きずり回されるガンギブソンのシーンは迫力たっぷりで、今回最大の見所(これも西部劇である)。なんとか脱出に成功したガンギブソンは、ロボットの迫害を扇動し、ブラボータウンで人間とロボットの対立をあおっていた者達の正体が、<ネオギルド>のロボットである事を知る。バイクと一緒に奪われたスピンドルキャノンで吹っ飛ばされそうになるが、その時、風を切るJPカード!
「そいつらネオギルドのロボットだ!」
うん、聞く前にシャドージェイカーで思い切り轢いたけどね。
駆けつけたジャンパーソンは暗殺ロボット達を蹴散らすが、街では緊張状態が限界に達し、抗争の火花が切って落とされてしまう。
「人間対ロボットの戦争が始まっちまったんだ!」
うーん……うーん…………例えば『ジャンパーソン』世界で一般的には、人間型ロボットがそれほど社会の一員扱いされているわけではないけれど、このブラボータウンでは一歩進んだ共存がなされている。しかしその、ロボットにとっての理想郷といえる街で……という展開ならわかるのですが(たぶん脚本サイドはそう志向している)、これまで散々、人間と区別つかないロボットが人間社会に混ざりまくって一般に受け入れられてきたので、ブラボータウンの特異性が全くなく、どうにもここまでの作品世界とピントが合っていません。
監督が初参加の金田治というのも、これまでの世界観の把握という点で、悪い方向に働いている感じ。
せめてロイド先生がロボットヘッドだったらまた雰囲気違ったかと思うのですが、ロイド先生は人間類似型だし、そもそもロイドを慕う祐二少年が人間なのかロボットなのかも、この後のシーンまでわからないという始末。
見た目では区別のつかない人間類似のロボットとそうでないロボットが特に理由なく(主にメタ的なキャスティングの都合で)混在しているという番組都合でやむを得ない作品世界の欠点が、人間とロボットの交流というテーマにおいて、悪い方向で噴出した形に。
そしてロボット達とサブマシンガンで撃ち合う人間達(笑) レスキューポリスシリーズの世界観の延長線上にあるといえばさもありなんですが、無法地帯すぎるぞブラボータウン。
まあこれまでも、全てが危なすぎるロボット刑務所とか、謎の宇宙開発頓挫?、などありましたので、恐らくこのブラボータウンも革新政権時代に作られた特区で、法律の問題でその後も残ってしまった歴史の闇の残滓か何かかと思われますが(だから一般人が近づかず、都市内部で閉鎖的なコミュニティが完結している)。
抗争が激化する中、呪いの塔が発動。次々とロボット達が苦しみ倒れるが、ジャンパーソンとガンギブソンには何の影響も及ぼさない。そして武装蜂起を扇動するロイドもひとり何事もなく、呪いの塔へと歩みを進めていく。それを見たガンギブソンは、ロボット酒場で皆が口にしていたアルコールオイルの存在に気付く。呪いの塔はロボットの運動回路を破壊しているのではなく、アルコールオイルを飲んだものにだけ不具合を発生させているのだ! そう、自分は口にせずに街のロボット達にアルコールオイルを振る舞っていたロイドこそネオギルドの一味であり、ロボット側からこの暴動を仕組む工作員だったのだ。
ロイドは手はず通りに呪いの塔を破壊し、制圧される人間達。そしてそこに、革命の支援者として姿を見せるジョージ真壁一行。人間に不当な忍従を強いられてきたロボット達に暴動を起こさせ、勝利を味わわせる。そしてこのブラボータウンから暴動の火を世界各地に拡散させ、革命の炎とする。それこそが、<ネオギルド>最終作戦!
作戦計画自体は面白いのですが、どうもこう、上述してきた理由の積み重ねで、これまでの作品世界と巧く繋がっておらず、盛り上がりきれない感じに。今作ぐらいはっちゃけた世界観なら、都市一つで暴動などとケチな事を言わず、日本全国でいきなりロボット革命の火の手を上げるぐらいで大丈夫だったと思います(笑)
結局これが、<ネオギルド>の限界なのか……!
最終作戦の第一段階発動に満足げな笑みを浮かべるジョージ真壁。だがその前に、ラスボスとガンギブソンが立ちふさがる。
次回、ラスト・オブ・ネオギルド!


◆第46話「NG(ネオギルド)最終決戦!!」◆ (監督:金田治 脚本:宮下隼一/鈴木康之)
ロイドをサーチしたジャンパーソンは、彼が暴動を操る為にネオギルドによって第二の人工知能チップを埋め込まれ、人格改造を受けている事に気付く。その他、真壁に誘導されているだけのロボットを撃つわけにはいかない、と仏心を出すJPさんは、祐二少年の案内で街外れの廃屋に逃げ込む。10年前から放置されているというその廃墟で、ジャンパーソンは一枚の家族写真を発見。そこに写っていたのは、中年男性と二人の子供、一体のロボット。そして背景に書かれていたのは「真壁慎一郎」の文字。まさかこの二人の子供は、ジョージ真壁とベン藤波なのか? ジャンパーソンはかおるに真壁慎一郎についての調査を依頼する。
回想で、久々に登場のベン藤波、改めて物凄いインパクト(笑)
にしてもこの写真は、前回の内に見せても良かった気がします。
人々を救出しようとするジャンパーソンとガンギブソンだったが、ロイド以下の攻撃を受け、囲まれてしまう。
「かおるとアールジーコによろしくな。あばよ坊主!」
ジャンパーソンに祐二の護衛と人々の救出を任せ、囮を兼ねて突撃するガンギブソンだったが、真壁率いる<ネオギルド>のロボット軍団の攻撃を受け、追い詰められる。銃を撃とうとするも右腕を吹っ飛ばされ、地面に落ちた腕が引き金を引こうともがく、というのは格好良い演出。
蜂の巣にされるガンギブソン、真壁によるトドメの一撃が迫るが、その時、風を切るJPカード!
人々を無事に救い出したジャンパーソンが間一髪間に合い、結局、市民ロボット達も含めて実力行使で完全制圧。泡を食って逃げ出す真壁の前に立ちふさがる、ジャスティスの化身。
「おまえは人間だったのか」
かおるの調査によって判明した事実……それはジョージ真壁がロボット工学の権威・真壁慎一郎の息子であり、弟のベン、執事ロボットのボニーとともに、20年前、このブラボータウンで一家仲良く暮らしていた、という事実であった。
だが悲劇は突如、一家に襲いかかる。
買い物途中に公務執行妨害を行ったボニーが、警官の銃撃を受けてパニック状態に陥り、拳銃を奪って子供を人質に取る行為に及び、射殺されたのだ。この事件の責任を追及された真壁博士は、世間の糾弾に対する悲嘆の中、病死。残された兄弟は追われるように街を出る事になった……。
「罪を犯して、追われ、傷ついたロボットを偶然介抱したせいで……」
いやいやいやいや。
回想シーンではどう見ても、目の前でロボットを取り押さえた警官を突き飛ばしているのですが、これが悪質な公務執行妨害でなくて、何なのか。
道で倒れているロボットを見つけて介抱していたら警官が駆けつけて誤解された……ならわかりますが、全くそんな映像になっていないので、非常に意味不明。
なおこの、物語上では悲劇に同情させるべきなのに、シナリオと映像が全然そうなっていない為に根本的な所が激しく破綻している、というのは『特救指令ソルブレイン』第45話「標的は小さな証人」で、同脚本コンビがやらかしています。(※無謀運転の対向車の為に交通事故に巻き込まれた少女が、原因は対向車ではなく自分の父親と断定された事で警察不審に陥る物語だが、この父親は飲酒していた上に、どう回想映像を見ても娘に気を取られて脇見運転している。)
映像演出の問題も含むので脚本だけの不手際とは言い切れないのですが、時を置いて、違う監督で、ほぼ同様のミスをしているので、脚本の問題と言って差し支えなさそう。
後ぽっと出の同年代の子供の区別などつかないので、ジョージがボニーに人質にされた方なのか、或いはそれを見ていた方なのかわからない、というのも地味にマイナス(こちらは演出のウェイトが大きいけど)。
まあ、突き飛ばされていきなり銃撃する警官も警官ですが、なにぶん20年前の話なので、この当時のロボットの人権は、そんな扱いだったのかもしれません。というかその辺りの要素も盛り込めば深みが出たのに、そういう事も無し。そして混乱していた?とはいえ警官の銃を奪い、自分の仕えていた子供を人質に取るボニーは、明らかに人工知能に欠陥があり、真壁博士は糾弾されて当然。
むしろこの展開なら、家族とも思っていたロボットに裏切られた兄弟がそのトラウマから、ロボットを奴隷のように支配しつつ更にそのロボットに人間を支配させる、というねじくれた願望に突き進む、ぐらい歪めた方が面白かったと思うのですが、ちょっとしたボタンの掛け違いで大事なロボットと幸せな家庭を奪った人間社会とこの街への復讐が動機だろう、とごく普通に収めてしまうJPさん。
「違う……違う……違う! ぬぁぁぁぁぁ!!」
感情的な復讐を否定し、ラスボスに突撃するジョージだが、軽くいなされる。
自分が求めるのは復讐ではなく力だ、と吠えるジョージ。だが……
「そんな力に……愛や慈しみを無くしたそんな力に、未来はない!」
あ、自分、全否定した。
力の権化として正義を執行してきたラスボスが、無力な小悪党を身も心も叩きのめす、という酷すぎる展開。
まあ何というか、どこまでも覇道を往くヒーローです。
「俺が見たのは……目的の為なら手段を選ばず、人間も、ロボットも利用しようとする、おまえの卑劣な陰謀だ! ジョージ真壁、俺はおまえを許さない!」
ラスボスに追い詰められるジョージだが、まだくじけない。
「既に火の手は上がった。時間の問題で全面戦争が幕を開ける。それに勝利するロボットが人間を支配し、そしてそのロボット達をこの私が支配する。ブリキではない、この私の肉体が!」
一生懸命鍛えた肉体で、ラスボスに必死で殴りかかるジョージだったが、全く無効。
愛を見失った人間が、超魔王ジャンパーソンに傷を付ける事など、出来はしない!
力とは何か?
正義とは何か?
力が正義だ!
更にやってきたガンギブソンに首根っこを掴まれ、大ピンチに追い込まれるジョージ。だがそこへ、祐二を人質にしたロイドが現れ、真壁の解放を迫る。真壁は自由を取り戻すが、祐二少年の必死の呼びかけにロイドの封じられていた電子頭脳が活動を取り戻し、祐二を解放。少年に銃を突き付け、やがて下げるロボット……その姿に過去の自分を思い返す真壁は愛用の鉄球をロイドへと投げつける。
「やめろぉぉぉぉぉ!!」
あの鉄球、ホントに最後の武器だった。
車で乗り込んできたかおるに危うくトドメを刺されそうになりながら、必死に逃げ出す真壁。ブラボータウンの地下に隠されていた<ネオギルド>のアジトに辿り着くが、もはや、その身を守るロボットは一体も居ない。
つくづく<ネオギルド>最終作戦って、<ネオギルド>側の準備が整ったのではなく、ジャンパーソンに追い詰められた結果の文字通りの最後の作戦であったという事が窺えます。
「何が力だ! 結局おまえは、この街から離れる事の出来ない、ただの甘えた子供に過ぎなかったんだよ!」
ガンギブソンにまで罵倒され、真壁様、心身ともにフルボッコ
ガンギブソンは真壁に銃口を向けるが、ジャンパーソンはそれを止める。
「人間だから撃つなってか……冗談言うな! こいつはキャロルの仇だ、復讐の相手なんだ! やっとそいつが果たせるんだ……俺はこいつを撃つ!」
「そうじゃない! もう戦いは終わった。ネオギルドは壊滅したんだ。今更……今更この男を倒す意味は無い!」
……あれ、本当にもう、地上でジャンパーソンが制圧した分で、最後の戦力だったのか(^^;
かつて、最終決戦でここまでゴミのような扱いを受けたボスキャラ(3分の1とはいえ)が居たでありましょうか。
「俺は誓ったんだ! キャロルの墓に、ジョージ真壁を倒すと!」
ガンギブソンはジャンパーソンを振り切って引き金を引く……が、その銃弾は真壁のヘアバンドをかすめただけに終わる。
「キャロルが止めたんだ……そんな事しちゃ駄目だって。あいつが……そう言った気がしたんだ」
ジョージ、ガンギブソンにすら、殺す価値もなし扱いを受ける。
ボスキャラとしてあらゆる権威を破壊し尽くされ、組織もプライドも力も全てをラスボスの猛威の前に否定されたジョージは、ゆらりと立ち上がる。
「まだだ……まだ戦いは終わってはいないぞ。貴様らも、この街も、全て地上から抹消してやる」
最後は自爆装置をぽちっとな。
大爆発が、街を、<ネオギルド>本部を破壊していき、JPとGGはグランドジェイカーを召喚して脱出。
「ボニー……ベン……ボニー……」
真壁は引き出しから家族写真を取り出して見つめながら、炎の中に消えるのであった……。
ここに<ネオギルド>は壊滅、ブラボータウンも大損害を受けるが、正気を取り戻したロイドの指導のもと、人々とロボットは再び手を取り合って街の再建の為に立ち上がるのだった。
「終わったな……」
「いや、始まったのさ。ガンギブソン、おまえもな」
ロボットと人間の融和は、街の復興を通じて、再びここから始まるのだ……。
そして、復讐を終えたガンギブソンの新たな人生も。
この重ね合わせ自体は悪くないのですが、しかしこれなら、やはりロイド先生はロボットヘッドでやるべきであったろうな、と。
演技させる都合などもあったのでしょうが、自分達の積み重ねてきたものを信じきれずに、中途半端な事をやってしまった感。
特救指令ソルブレイン』以降、ろくな事が無い最悪の連名脚本として私の中で確固たる地位を気付いている〔宮下隼一/鈴木康之〕の組み合わせですが、本当にこの後ろの人は何? 宮下隼一の弟子とかなのでしょうか。2年連続で酷い事して、ここでまた最終盤に名前が出てくる事情が理解しかねるのですが、今回も誉められたものではない内容。宮下脚本もそれほど評価していませんが、宮下さん単独の方が、遙かにマシ。
1年もので細かい伏線がすっ飛ばされる事はままありますが、第27話「大首領の正体!!」で触れた“生命の樹”のエピソードを完全無視したのは、さすがにいただけません。前線にジョージが出てきてJP達と戦い、実はそれはコピーロボットで……という展開上の重要さもさる事ながら、生真壁がわざわざ植物学者のもとで助手として働いていたという過去ネタはキャラクターの背景に直接関わる部分であり、そうまでして欲しがった永遠の生命エネルギーというのは拾わなければいけない要素でした。
また、幾らほぼ無かった事になっている1クール目の出来事とはいえ、ジャンパーソンがベン藤波を思いっきりパニッシュしてしまっているので、そこも何とかフォローを入れなければいけなかったと思います(例えば脳以外全て機械化していた、とかでもいいけど、それならそれで真壁が言及すべき)。
他にもロボットと人間の関係、その上で人間愛を信仰しているからロボットはジェノサイドされても構わないという思想のラスボス、など、幾らでもJPvsジョージの対比において盛り込める要素があったと思うのですが、全く汲み取られず。ロボットの為に怒るガンギブソン、という立ち位置も特に活かされないなど、積み上げてきた諸々をほとんど活用できず、実に勿体ないシナリオ。
最初から最後までジョージはへたれでぽんこつだった、というのは合理的といえば合理的なんですが、ジョージがあまりに情けなく終わりましたし、その情けなさが物語の面白さに繋がりませんでした。実は情けないヤツだった、というのは構わないと思うのですが、それならそれを物語として面白くしなければならない。ごくごく単純に、真っ正面からラスボスに粉砕されただけ、というのはあまりに残念。
特にスーパーサイエンスネットワーク最終章で麗子様が真っ向勝負でジャンパーソンの信念を揺るがしただけに、ジョージの残念さだけが際立ってしまいました。
そんな残念なジョージが最後は自爆、というのも実に月並み。月並みそのものを否定するわけではないですが、『ジャンパーソン』はもっと狂ってなくては面白くならないのです。ここまで40数話が狂いまくっていただけに、あまりにも普通。つまり、狂気が足りない。どうせラスボスにゴミクズ扱いを受けるにしても、ボスキャラの最期にふさわしいもっと狂った展開が欲しかった。
ガンギブソンを殺さなかったのは評価しても良い所ですが、全体としては、うーん……<ネオギルド>って劇中の重要度ヒエラルキーとしてはSSNより上なわけですが(だからこの決戦ローテの順番自体は正しい)、その立ち位置の重要性を活かせない、「対立」も「選択」もない、残念な最終章となってしまいました。
実質的に<ネオギルド>最終章は、ジーザス・エンド編だった、という事に。
なおベン藤波は4話のジョージの台詞によると「腹違いの弟」だそうなのですが、ジャンパーソンがざっくり殺してしまった事から純然たる人間ではないと設定せざるを得ず、あれ……もしかして……お父さん、ロボットに子供う(以下検閲削除)
次回、ヒロイン奪取の為に、かおる、起死回生・最後の手段に打って出る!