今年のベスト1は、『キリンヤガ』(マイク・レズニック)。
- 作者: マイクレズニック,Mike Resnick,内田昌之
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1999/05
- メディア: 文庫
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SFの手法/機能の一つである、“近未来を舞台にする事によって「現代」をノスタルジーの対象として描く事を可能にする”という特性をうまく活かし、失われゆくものへの賛歌と、失われていく事の自明とを共に表現し、個人と伝統の在り方を問うた名作。
連作短編形式で読みやすく、寓話的な要素も強いので、かちかちのSFは苦手、という方にもお薦めできる一冊。
あと短編集『フェッセンデンの宇宙』(エドモンド・ハミルトン)の文庫化を知り、ようやく「向こうはどんなところだい?」を読む事が出来ました。評判に違わぬ逸品。
その他に読んだ長編は今年は微妙なものが多かったのですが、『キリンヤガ』がとにかく良かった。