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 特撮作品の感想は、順次こちらにHTML形式でまとめています→ 〔特撮感想まとめ部屋〕 (※移転しました)

SF

『無限がいっぱい』(ロバート・シェクリイ)、読了

名手シェクリイの短編集。もともとシェクリイは好きなのですが、やっぱり面白いなぁ。 特にお気に入りは、地球の生活に馴染めず独り辺境の惑星に移住した青年が、一世代前の航行システムを用いて辺境宇宙を飛んでいた事で現代地球の科学技術に取り残されてい…

『終わりなき戦い』(ジョー・ホールドマン)、読了

画期的な宇宙航法であるコラプサー・ジャンプを発見した人類は、それにより多数の移民船や探検船を果てしない宇宙へ送り出したが、その内の一隻が正体不明の異星人の攻撃を受けるという事態が発生する。人類はトーランと名付けたこの異星人と戦争状態に突入…

『たんぽぽ娘』(ロバート・F・ヤング)

「ジョナサンと宇宙クジラ」などで知られる、ヤングの日本オリジナル短編集。 短編集のアベレージとしては『ジョナサンと宇宙クジラ』(これは個人的に非常に好きな短編集)の方が高かったですが、それなりに面白かったです。ヤング作品はアイデアの切れで勝…

『遙かなる地球の歌』(アーサー・C・クラーク)、読了

太陽の爆発による太陽系の壊滅を察知した人類は、自らの種を残すべく、遺伝情報を積載した播種宇宙船を建造し、別の惑星系へと送り出した……数百年に渡る旅の末、惑星サラッサに辿り着いたその内の一隻は、植民に成功。陸地の不足による人口統制の問題はあり…

『ワイルド・カード1 大いなる序章(上・下)』感想

1946年9月15日――第二次世界大戦の余韻覚めやらぬアメリカ・マンハッタン上空で、異星人がもたらしたウィルス爆弾が爆発し、撒き散らされたウィルスに感染した者の90%、推定1万人が死亡するという大惨劇が発生する。生き残った10%もまた、後に…

『ドリーム・パーク』感想

『ドリーム・パーク』(ラリー・ニーヴン&スティーヴン・バーンズ/1981年)、読了。 物語の舞台は、2051年の最新技術の粋を集めて作られたテーマパーク――ドリーム・パーク。そこでは子供から大人までを楽しませる様々なアトラクションが日々華やか…

最近の読書

◇『ブラッド・ミュージック』(グレッグ・ベア) 知性ある細胞を作り出した天才科学者ヴァージルだが、禁止された分野の実験に手を出した事で、会社を解雇されてしまう。実験の中止を余儀なくされたヴァージルは、思わずその細胞を自分の体内に注射する事で…

キャプテン・フューチャー元年!

あらゆる悪に決然と立ち向かい、これを片端から撲滅していく正義の味方――キャプテン・フューチャーその人の名を知らぬものは、太陽系のどこをさがしても一人として見あたらないにちがいない……。 この、赤い髪をした長身の陽気な冒険者こそ、全太陽系住民ひと…

『重力が衰えるとき』&『太陽の炎』(G・A・エフィンジャー)、感想

電脳ソケットに装着する事で、別人になりきりその性質と技能を得る事が出来る人格モジュール――モディーと、一時的知識を与えてくれるアドオン――ダディー。脳改造が一般化し、人々はモジュール一つで自分のものではない性質と技能を得られるようになっていた…

『流れよわが涙、と警官は言った』(フィリップ・K・ディック)、感想

調子が微妙なので本でも読むか、と手に取ったのがディックだったのは我ながらどうかと思った。 人気TVショーの司会者にして歌手、三千万人のファンを持ち、優れた容姿と能力に恵まれたタレントのジェイスン・タヴァナーは、ある夜、女性関係の問題から瀕死…

『SF九つの犯罪』、読了

ミステリSFアンソロジー。 収録9編中、「とどめの一撃」(ジャック・ヴァンス)、「マウスピース」(エドワード・ウェレン)、「予定犯罪者」(ウィリアム・テン)、が特に面白かった。 「とどめの一撃」は、閉鎖空間のステーション内で発生した殺人事件…

忘れないようにメモ

たんぽぽ娘 (奇想コレクション)作者: ロバート・F・ヤング,伊藤典夫出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2013/05/30メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 307回この商品を含むブログ (35件) を見るいつの間にやら、ロバート・F・ヤングの短編集が…

『シティ5からの脱出』(バリントン・J・ベイリー)、読了

ワイドスクリーン・バロックの旗手として知られる、ベイリーの第一短編集。 奇想天外な世界観に理屈をつけて展開し、数学的・哲学的解説説明部分が長いのですが、本質的に壮大な法螺話の傾向が強いので、小難しい説明が続く割にはなんとなく楽しめる、という…

『アーヴァタール』(ポール・アンダースン)、読了

<アザーズ>と呼ばれる謎の種族により作られた、時空を繋ぎ超遠距離の旅を可能とする巨大装置Tマシン。宇宙のそこここに残されたマシンの一つを発見した地球人類はそれを使ってポイボス星系の開拓を始め、更に別の知的種族との接触に成功する。だが、ベー…

『塔のなかの姫君』(アン・マキャフリイ)、感想

<パーンの竜騎士>シリーズなどで知られるアン・マキャフリイの、60〜70年代の作品を集めた短編集。 マキャフリイは『歌う船』を一編だけ読んでリタイアした為に避けていたのを久々に読んでみたのですが、やはり、どうも、合わない(^^; どの短編も…

2013年を振り返る:SF編

今年のベスト1は、『キリンヤガ』(マイク・レズニック)。キリンヤガ (ハヤカワ文庫SF)作者: マイクレズニック,Mike Resnick,内田昌之出版社/メーカー: 早川書房発売日: 1999/05メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 45回この商品を含むブログ (65件) を見る…

『時間の種』(ジョン・ウィンダム)読了

『トリフィドの日』『呪われた村』などの、ジョン・ウィンダムの1940〜50年代の作品を集めた短編集。1956年発刊。 アイデアストーリーというよりも、SF的な状況設定「もし、このような事が起きたら……」に遭遇した人物の悲喜劇、といった形式が主…

『時空と大河のほとり』(グレゴリイ・ベンフォード)、読了

70〜80年代の作品を集めた、著者の初短編集。 初ベンフォードだったのですが、どうも合わず。 ちょっと翻訳が悪い気もするのですが、文章からこう、合わない。 各短編にそれぞれ著者によるあとがきがついているのですが、それがまたちっとも面白く読めな…

『百万年の船』(ポール・アンダースン)、読了

ギリシャ人ピシアスによる北方への航海に加わった、謎めいた航海士ハンノ。教養と博学を併せ持つ彼の正体は、紀元前のフェニキアで生まれた、不老不死の男であった。一定の年齢に達すると老化が止まって若々しい外見を保ち、多少の傷には人間離れした回復力…

『フェッセンデンの宇宙』(エドモンド・ハミルトン)、感想

フェッセンデンの宇宙 (河出文庫)作者: エドモンド・ハミルトン,中村融出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2012/09/05メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 27回この商品を含むブログ (18件) を見る我が愛する《キャプテン・フューチャー》シリーズの作者、…

黄金の果実

■〔「昔のSFを読み直そう」報告/山本弘のSF秘密基地BLOG〕 作家・山本弘氏による、現在でも手に入れやすい古典SFアンソロジーの紹介という、嬉しいエントリ。 特に、出しているのはわかっていても、いざ見る時に河出文庫の存在が頭からすぽっと抜け落ちが…

『こちら異星人対策局』(ゴードン・R・ディクスン)、感想

遙かに発達した文明を持つ異星人と接触し、その後援を受ける事になったものの、未だ銀河評議会には加盟できない、いわば“見習い”身分の地球。まだまだ銀河の多様な知的種族との接触に慣れていないそんな地球の、異星人対策局に務める三等事務官補トム・ペア…

読書メモ『SFマガジン』1997年6月号

特集は、猫SF。 巻頭に、グレッグ・ベアの小特集。 ブームたけなわの頃だったのか、サブカル系のネタはとりあえず『エヴァ』に絡めておけ、みたいな雰囲気が全体に漂っています(笑) 後この頃、『虹色定期便』が始まったらしい。 掲載作品は、これは! と…

『キリンヤガ』(マイク・レズニック)感想

キリンヤガ (ハヤカワ文庫SF)作者: マイクレズニック,Mike Resnick,内田昌之出版社/メーカー: 早川書房発売日: 1999/05メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 45回この商品を含むブログ (65件) を見る 絶滅に瀕したアフリカの少数部族・キクユ族。その伝統と文…

『カエアンの聖衣』(バリントン・J・ベイリー)、読了

“服”に極めて重大な精神的、哲学的意味を持つ文明、カエアン。彼等は状況に応じて様々な衣装に着替え、そしてその衣装は状況に適切な形に着るものの意識を整える。その素晴らしい服飾品の数々の輸入が、「衣装による文化的侵略」なのではないか、と考える、…

読了メモ

『ユービック』(P・K・ディック) 『とうに夜半を過ぎて』(レイ・ブラッドベリ) 『奇妙な関係』(P・H・ファーマー) を読了。 『HOI2』を弱小国でやっていると、生産待ちなどの間、特にやる事がないので読書が進みます(笑)

『失われた遺産』(ロバート・A・ハインライン)、読了

ハインラインの中短編4編を収録。 「深淵」、「失われた遺産」はともに、ある種の超人間の集団が密かに、世界を悪い方向へ導こうとしている集団と暗闘を行っている、というテーマ。 「猿は歌わない」はテーマ的に肌に合わず。 割と脳天気な多次元世界の冒険…

2012年を振り返る:読書&SF編

今年のベスト1は、『渇きの海』(アーサー・C・クラーク)。渇きの海 (ハヤカワ文庫 SF ハヤカワ名作セレクション)作者: アーサー・C・クラーク,深町眞理子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2005/07/21メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 9回この商品を含…

木星船“ハインライン”に関する補足

昨日の、『Vガンダム外伝』の感想補足。 人々は、森、農場、廃墟、迷路などがある<船>が世界のすべてと信じて、種族ごとに生活を営んでいた。だが<船>の正体は、遠い昔に人類がプロキシマ・ケンタウリを目指して送り出した、恒星間宇宙船だったのだ! …

『太陽の黄金の林檎』(レイ・ブラッドベリ)、読了

ブラッドベリはけっこう持っているのですが、どうも幻想小説よりのものがピンと来ない(ブラッドベリがどうこうというより、幻想小説というジャンルがどうもピンと来ない)為に、短篇集の途中で放置する、というのを割とやらかしていて、読み切ったのは久々…