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『仮面ライダーキバ』感想5

◆第6話「リプレイ・人間はみんな音楽」◆ (監督:舞原賢三 脚本:井上敏樹
今回のものしりコーナーは、バイオリンの語源は、ラテン語の「ビジュラ」。
1986年――嶋は、さらわれたゆりの救出を音也に依頼すると共に、自らの素性を明かす。
「私は、人類の天敵であるファンガイアと戦う、素晴らしき青空の会、会長だ」
NPO法人
「ゆりを助けたら、俺もその、なんとかの会に入れてくれ」
音也、就職を決意する。
一方ゆりは、壁に自分の盗撮写真の貼られた、奇妙な部屋(何かのステージ風)に捕らえられていた。その前に姿を見せるのは、かつて取り逃がした、蜘蛛のファンガイア。
「気になっちまったんだよ〜、あれ以来。おまえの事をーーー」
新しい、Mだった。
2008年――母と同じく囚われの恵が縄をほどこうと暴れていると、その衝撃で壁にかかった布が外れて、その下から母親の盗撮写真が(笑)
凄く、厭な状況です。
「会いたかった〜。ゆーーーり♪」
羊ファンガイアの背後から変な踊りで現れたのは、22年前と同じ場所に、母の身代わりとして娘を攫った蜘蛛ファンガイア男。
今回も、母のせいで、大迷惑だ!
「い〜や、おまえはゆり、そのものだ〜。その美しさ、きつい性格。大好きだーーーーー!」
蜘蛛の人は、1人ミュージカルというか、常に歌うように節をつけながら喋るのですが、散らばった奇っ怪な小道具や周囲の舞台装置など含めて、よく知らないので大きく間違っているかもしれませんが、前衛演劇とかこんな感じなのだろうか、という演出と演技。
好きか嫌いでいえば好きではないのですが凝ってはいて、各演出陣、なんとか『キバ』世界と変質者達を面白く描き出そうと、試行錯誤が窺えます。
1986年――ゆりがさらわれた現場で、割と真面目に証拠を探す音也の前にガルルさんが現れる。そして2008年では渡の前に、どうやら蜘蛛に顎で使われているらしい羊眼鏡が姿を見せる。
1986年――閉鎖された遊園地の前。
「女はこの中に居る。俺は鼻が効くんだ」
「なんで俺を助けるんだ」
「おまえには、品がない。おそらく、キリマンジャロモカの違いもわからないだろう。だがまあ、惚れた女の為に命を賭ける男は、嫌いじゃない」
「変なヤツだな。まあいい、礼は言わんぞ」
「あー、せいぜい頑張れよ」
囚われのゆりの爪に「おまえは俺の花嫁になるんだ」とマニキュアを塗っている蜘蛛男。その背後に迫った音也が武器を振り上げ……
2008年――羊男の案内で蜘蛛の前へやってきた渡は、「身代わりになる」発言。
要らないよ。
恵の前(他人の前?)では変身したくないし、道中、羊男と一緒で変身できなかったという事でしょうが、何しに来たのか。
「恵さんは、僕のものだ」と反抗する羊も蜘蛛に追い散らされ、渡も結局、捕まってしまう……。
1986年――喫茶店のガルルさんは、考えていた。
「マスター、相変わらず、コーヒーは完璧だ。だがコーヒー店には美しいウェイトレスが必要だ。違うか?」
そして音也は、さくっと縛られて転がっていた。
…………嶋さん、武器の一つぐらい貸してあげてください。
体脂肪率にしか興味のない駄目上司の事はさておき、蜘蛛が花嫁衣装を取りに席を外している間に、ゆりの身につけていたネックレスの鋭い部分でロープを切断しようとする2人。
「ところであんた、なんであたしに付きまとうわけ? いくらなんでも、しつこすぎる」
「人間はな、みんなそれぞれ、音楽を奏でているんだ。知らず知らずの内に、心の中でな。俺はな……おまえの中から聞こえてくる音楽が、好きなんだよ」
ここで初めて、音也の行動に、理由が付きました。
変態で、キチガイな、芸術家の感性の赴くがままなので余人には意味不明ですが!
まあ、そういうキャラが居てもいいとは思うし、音也はそういう人、というのがここでハッキリ。
「ふーん……ちょっと、格好いいな」
「だろう! 惚れただろう!」
「それはない!」
「それでいい。その方が燃える!」
そして、どこまでもMだった。
ロープの戒めを切断し終える前に、白いドレスを手に戻ってくる蜘蛛男。
「これで結婚式の準備は整ったーーー♪」
2008年――何とか脱出の方策は無いかと周囲を見回していた恵は、現場に落ちていた母のネックレスに気付き、それを用いて渡のロープを切断しようとする。どんな困難な状況でも決して諦めない恵の姿に、尊敬の念を抱く、感化されやすい渡。
「恵さんはなんでそんなに強いんですか?」
「……昔、母さんが言ってたの。人間はみんな、音楽を奏でてるって。私は、自分の中の音楽を守りたいの。そして、みんなの音楽を守りたい」
「人間は、みんな、音楽……」
ううーん、発端が、キチガイの変質者でなければ、いいシーンなのに(笑)
貧弱な武装で格好良くファンガイアに立ち向かうも毎度大ピンチに陥り、しかし懲りずに殺る気満々で何度でも前のめりに立ち向かう恵さん、物凄く前向きなバカなのか、素晴らしくメンタルがタフなのか、のどちらかと思われましたが、何より精神的にヒーローであり、その恵に受け身の渡が感銘を受け、その根っこは実は父の言葉である、という凝った構成。
少し時間をかけすぎた気もしますが、受け身の主人公のヒーロー的動機付けを、他者から生まれさせる、というのはなかなか面白い作り。結局は根っこに父の存在がある、というのは、良し悪しではありますが。最終的に、父の想いを純粋に受け継いでいく形になるのか、父を乗り越えていく形になるのか。まあ今のところまだ、音也が渡に託した想いそのものが、ハッキリしておりませんが。
「ま、あたしも本当はよくわからないんだけどね」
そこへ、青いドレスを手にした蜘蛛男が現れる。
「結婚式をあげるぞーーーーー♪」
羊は? と思ったら、後から踏み込んできていきなりショットガンをぶっ放し、蜘蛛は逃亡。
「恵さん、あなたは、ぼくの花嫁だ」
1986/2008年――ドレスに着替えさせられ、気を失って横たわる、ゆり/恵。
誰が、どうやって、ドレスを着せたのかは、考えてはいけない!
2008年、戒めを脱した渡は、連れ去られた恵を探そうと、耳を澄ます――
「聞くんだ、恵さんの音楽を……」
1986年では、口づけの寸前、鉄パイプ二刀流の音也が眠るゆりの元に駆けつける。
「待たせたな」
ここから先は、過去と現代が入れ替わり立ち替わりしながらバトルシーンが展開するのですが、感想ではまとめて。
1986年――格好良く現れた音也だが、鉄パイプ二刀流を打ち破られ、蜘蛛に叩きのめされてしまう。今度こそ、ゆり危うし、というその時、現れたのはガルルさん。ガルルさんと蜘蛛は激しく殴り合いながら外へと移動。蜘蛛の逆さ吊りロープアクションなど、なかなか面白い戦闘。そしてガルルさん――脱いだ!
咆吼をあげたガルルさんは、人型の青い狼に変身。
なんか、滅茶苦茶格好いいゾ。
青い狼は足を掴んでの叩きつけなど、圧倒的なパワーで蜘蛛を追い詰めるが、目隠しの糸を浴びせられ、逃げられてしまう。
2008年――恵が捕食される寸前に羊の前に飛び込んでそれを阻止したキバだが、羊の高速移動に今回も苦戦。更にショットガンの雨あられを喰らってしまう。
「こういう時には、あいつだぜ」
キバットさんが緑のお薬を注入し、怪獣城から召喚される、セーラー服に半ズボンの美少年。
キバは装甲と瞳が緑色に変化し、右手にバッシャーマグナムを装着する。
飛び道具フォームが緑色というと、懐かしの『クウガ』を思い出すところ。バッシャーは、半魚人でしょうか。人間体が物凄く、行く所まで行った感じですが(笑)
キバはバッシャーマグナムを乱射して森林破壊を繰り広げると、最後は必殺・バッシャーバイトで、羊を撃破。どうも誘導弾のようですが、CGが大仰な割には、フォームチェンジや必殺技は、どうも盛り上がらず(^^; もう少し、戦闘の変化は力入れてほしい所です。今のところ、月面野球キックが一番格好いいし。
過去で蜘蛛、現代で羊、と、2体のファンガイアを使い分けての戦闘、という構造は面白かったのですが、蜘蛛は結局、過去ではガルルさんに負けて逃げ、現代では羊のショットガンを喰らって逃げ…………また、出てくるのか。
そして、音也はさっぱり役に立たなかった。
名護さんは、全く役に立たなかった!
今のところ、一番格好いいのはガルルさんだなぁ(笑)
音也は厳密に言えば時間など多少稼いではいるのですが、ようやく見せ場回かと思ったら、やっている事は一応男らしいけど、結果が全くともなわなかったのは、残念。キーワードで過去と現代を繋ぐ役目でしたが、ヒーロー物としてもう少し、過去編の主人公らしい見せ場は欲しかった所です。このままでは、ガルルさんに、主役もヒロインも奪われそう(笑)
そして、第二のライダーが出てくるには早すぎるような……と思ったら華麗に「変身」をすかされた名護さんが、ライダーの姿を見せられるのは、いつの日か。
嶋さんに至っては、何者かに頼まれて音也の暗殺を画策していたレベルですが、知恵と勇気だけで戦争は出来ないんですよ?! ポンコツ通り過ぎて、スクラップだぞこの人……。
2008年――渡は、入院した恵の前で見事なバイオリン演奏を披露し、喜ぶ女子高生。
「やったね渡ーーー! 初めてなんですよ。渡が、私以外の人前で、ちゃんと弾けたの!」
てれってってってててー♪
わたるはレベルがあがった!
真人間レベルが、−50から−49になった!
かしこさがあがったきがする!
うごきがすばやくなったきがする!
こころがつよくなったきがする!
1986年――夜の街を歩くガルルさん。
ファンガイアが、顎の辺りからモザイクタイル状のものが展開して真の姿になるのに対し、瞳が黒と赤になって変身する、と、変身からタイプの違うガルルさんですが、その正体はやはりファンガイアなのか、それとも、別の異種生命体なのか。
今回に関しては恵を助けるのに力を振るっていますが、22年後では、
「ねえねえ。僕たちさ、ここに閉じ込められて、何年になるんだっけ」
「まぁ……20年ぐらい、か」
というお城の中の会話で、何者かによって“閉じ込められて”いるようであり、キバに使役されている理由も含め、積み重なっていく謎・謎・謎。
前作『電王』で、個人的にかなり株の上がった舞原監督が参戦。3−4話の石田組ほどではないですが、5話冒頭などはちょっと過剰演出。全体的にフリーダムな感じですが、『キバ』演出は、もう少しさらっとしてほしいなぁ(^^; それでも、過去と現代を交差しながらの話のテンポ自体は良く、なんとなくスルスルと見てはしまえるのですが。