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『魔法戦隊マジレンジャー』感想24

◆Stage.36「神罰執行〜マージ・ゴル・ゴジカ〜」◆ (監督:鈴村展弘 脚本:前川淳
OPがマイナーチェンジで冥府10神が入ったりしているのに、何故かウル皇帝が健在なのは、悪質な嫌がらせとかでしょーか。
「冥府の神々、破壊の限り尽くすとも、地上の民、決して歯向かう事許されず」
マジトピアに伝わる、悪しき冥府神の伝承を引き、小津兄妹に戦いを禁じるヒカル先生。
「僕が戦う。地上の民でない、天空聖者の僕なら戦える!」
「たったひとりで?!」
「マジトピアの言い伝えは絶対なんだ!」
地底では、ワイバーンによる「一番の食いしん坊」とか、「一番頼りになる」とか、割と雑な神様紹介。これにより、10神が更に、2極神/3賢神/5武神、に分けられている事が判明。
最も偉いのは2極神のスレイプニルとドレイクだが、実質リーダーは3賢神の一柱ダゴン。上の二人は……仕事しないのか。
従来の(一応)強力幹部キャラだったバンキュリア(ナイとメア)を、ちまちまと飛び回らせる事で、10神の桁外れの力を示しているのは、前回に引き続き巧いところ。
裁きの石版によるルーレットで指名されたイフリート(CV:稲田徹)が、神罰の執行役として地上に出現。トラベリオンを一撃で粉砕すると人間大に小型化し、マジシャインを子供扱い。そこへマジレンジャーが駆けつけるが、シャインは母親を救おうといつにも増して前のめりな5人の動きを封じる。それには、ヒカル先生が口にしていない、ある秘密があった――。
「もし、神々に刃向けることあれば、地上のみならず、天空までもが滅ぶなり」
マジトピアの伝承には、地上の民が冥府神に歯向かう事があれば、地上のみならず天空聖界まで滅びしてしまうだろうという、続きがあったのだ。やたらマジトピアの言い伝えに詳しいイフリートは、神罰執行のタイムリミットを設定して一旦帰宅。小津家では、マジトピアの言い伝えを守ろうとするヒカル先生と母大事で加熱気味の兄妹の間に軋轢が生じる。
「マジトピアがどうなってもいいというのか?!」
「あんたこそ、母さんがどうなってもいいっていうんだな?! 家族じゃないからそんな事言えるんだ!」
かたや“古い言い伝え”で、かたや“水晶玉の映像からの思い込み”なので、凄く、不毛な争いです。ここでさらっとさばけずに魁を殴ってしまう辺りに、想像を超える敵の出現に対するヒカル先生の動揺が窺えるわけではありますが。先生はマイペースにアップルパイを焼いてきた麗にもあたってしまい、芳香の勧めで半ば強引にアップルパイを食べさせられる。
「なんて優しい甘さなんだ……」
「それ、お母さんのアップルパイなんだ」
かつて何度も小津家の兄弟喧嘩を収めてきた、母のアップルパイ。その 隠し味である沈静的薬物 優しい甘さにヒカル先生は落ち着きを取り戻し、小津家の絆を改めて知ると、麗に謝罪する。
「そしてわかった事がある。やはり深雪さんは、君たちの手で助け出すべきだ。マジトピアの言い伝えは絶対かもしれない。でも、だからといって諦めちゃいけないんだ。ブレイジェルも言ったように、可能性は自分で作るものなんだから」
ここでお父さんのインフェルシア皆殺し宣言を絡めて繋げたのは、良かった所。
「忘れてたよ、君たちがブレイジェルの子供達だって事を。そして僕がブレイジェルの弟子だって事も。よし、みんなで一緒に戦おう!」
先生、吹っ切れる。
……というか、母のアップルパイに込められた呪力による、間接的洗脳?!
地上に再臨し、巨大火の玉で神罰を執行しようとするイフリートの前に、立ちはだかる6人。
「運命は僕たちが切り拓く!」
全ての攻撃を一睨みで蒸発させるイフリートにはレジェンドパワーも通用せず追い込まれる6人だったが、ブルーに新魔法の水流波がDLされ、その蒸発により発生した水蒸気に紛れたシャインが零距離射撃を炸裂させる。巨大化したイフリートは、トラベリオンピストンパンチを受けながらも、マジレジェンドのファイヤートルネードを無効化するが、ここで自ら戦いに設定したタイムリミットが来てしまう。
極めて強大な力を持つ冥府10神だったが、闇の戒律により、自ら定めたルールを守らなくてはならない。俺ルールの達成に失敗したイフリートはダゴンの裁きを受け、「母親を助けたければ茨の園を司る冥府神を倒せ」と言い残して、死亡。
強面の割に、親切に色々と教えてくれる神様でした。
冥府10神との初戦は、相手が自分ルールで爆死、という結末に。いきなり「勇気で殴り勝ち」という今作の鉄板駄目パターンにしなかったのは良かったですが、今後も「ルールに対する勝利」路線で行くなら、今後のシナリオ(ルール設定)の凝り方に期待したい所です。ダイヤルも二つほど余っているし、レジェンドのパワーアップ展開もどこかで入るのでしょうが。
「闇の戒律は厳守しなくてはならない。さもなくば冥獣帝が転生しない。ン・マが絶対神として降誕する事こそ、我らが願い」
冥府10神の究極の目的がン・マの転生であるらしい事が明かされつつ、いよいよ物語は終盤戦、神々との戦いへ。
それにしても今回の成り行きで新魔法がDLされるという事は、やはり魔法配給システムは、もはやマジトピアの管理を離れた摂理と化しているのか。或いは、「ハーフだからいいんじゃない?」という解釈なのか。