はてなダイアリーのサービス終了にともなう、旧「ものかきの繰り言」の記事保管用ブログ。また、旧ダイアリー記事にアクセスされた場合、こちらにリダイレクトされています。旧ダイアリーからインポートしたそのままの状態の為、過去記事は読みやすいように徐々に手直し予定。
 現在活動中のブログはこちら→ 〔ものかきの繰り言2019〕
 特撮作品の感想は、順次こちらにHTML形式でまとめています→ 〔特撮感想まとめ部屋〕 (※移転しました)

『烈車戦隊トッキュウジャー』感想40・41

遅ればせながら2週分。
◆第40駅「誰があいつであいつが誰で」◆ (監督:竹本昇 脚本:小林靖子
「明……」
「ザラムだ」
シュバルツのクライナーを追うトッキュウジャーの前に立ちはだかった明は、横領したアプリチェンジャーで6号に変身すると、トッキュウジャーを攻撃。
「何故お前達が騒ぐ? これは俺の事だ。お前達は今まで通り大して変わらん」
シュバルツの目的は打倒ゼットなので利害関係はむしろ一致する筈、とシュバルツのクライナーに乗り込み姿を消してしまう。
明は自分達と一緒でなくても寂しくないのだろうか?
レインボーラインでクライナーを追いかけながら、思い悩む5人。
「多分なんだけど……明くんには、僕たちが明くん、止める理由、本当にわかんないんだと思う。もし、明くんが寂しかったとしても、僕たちまで、そうだと思ってない、ていうか……」
「そんなの! 仲間が居なくなって寂しいの、当然だよ」
「当然じゃないんだよ。シャドーだった明くんには」
自分達が寂しい、という気持ちを言葉で説明するのは難しい……ならば連れ戻すしかない、と決意を固めるトッキュウジャー。一方、明もまた、説明できない胸のざわつきを感じていた。
「どうした?」
「おまえとの約束で動いてはいるが、こうなってみると妙にざわつく」
「血が騒ぐか」
「かもしれん」
「昔のままだな。行くぞ」
明は5人の気持ちがわからず、シュバルツは明の気持ちがわからず、そして明は自分の気持ちの意味と正体に気づけない。
それぞれの立場と目的、人間関係を錯綜させつつ、感情と思惑の擦れ違いを絡めて展開するのですが……これを、明とトッキュウジャーのみならず、関係者ほぼ全員で展開したという、非常に多重構造の脚本。
なお、「ほぼ」に入らないのは、すっかり一番わかりやすい人になったネロ男爵です(笑)
……いや、男爵と陛下の気持ちも擦れ違っているといえば擦れ違っているので、含めてもいいかもしれませんが。
キャッスルターミナルでは謎の蠢動が起こり、居ても立っても居られないネロ男爵が陛下プライベートルームのカーテンを開くと、そこには白い羽根の舞い散る中、グリッタ嬢が座っていた。
驚愕の消失トリック!
様子を窺っていたノア夫人が1クールぐらい準備していた謎の風呂敷(紫の地に白い翼の衣装で、グリッタを示していると同時に、陛下のイメージカラーでもあり、何やら意味深)をかけようとするが、グリッタはそれを押しとどめる。
「お母様、待って! 私は、皇帝陛下から離れるわけにはいきません」
と、グリッタとノア夫人も擦れ違い。
そうこうしている内に陛下が主導権を握り直し、かつてない勢いで吹き飛ばされるノア夫人。そこへシュバルツの操るクライナーがカチコミを敢行し、陛下&ネロ男爵vsシュバルツ&ザラム(トッキュウ6号)という、今作屈指の好マッチアップが成立。トッキュウ6号に変身し、状態異常:〔クリスマス反対でやる気激減中〕の陛下にレインボーラインの力で切りかかる6号だが、手傷を負うもゼットは範囲攻撃でまとめて吹き飛ばし、6号を引きずったままクライナーでキャッスルターミナルから脱出する。
今回も巻き添え食らったネロ男爵がピクリとも動かずに床に転がってシュバルツ様にまたがれたのですが、大丈夫か?(笑)
シュバルツのクライナーを追ってシャドータウンへ突入しようとしていたトッキュウジャーは、外に出てきた皇帝専用クライナーと擦れ違い、ポイ捨てされた6号を発見。突入を後回しにしてとりあえず烈車に運び込むが、その正体はなんと、ザラムからアプリチェンジャーを奪い取って変身したゼットだった!
陛下、クリスマスが嫌すぎて、えすけいぷ。
ワゴンさんの「チケットくんでも変身できる」発言で、アプリチェンジャーは割と誰でも変身できる扱いにしていますが、どちらかというと、“ゼットが変身できる”というのは、クライマックスへの伏線の予感。
出来ればクリスマスとか浮かれたい派のトッキュウジャーはゼットをポイ捨てするかクライナーを追いかけるかで悩むが、その時、レインボーラインの影響か、再びグリッタが主導権を握って表に。
「トッキュウジャー、お願いがあります。シュバルツ様を、止めて下さい」
シュバルツによる救出を望まず、このままゼットの中に居たい、と告げるグリッタ。
「なんで? シュバルツはあなたの為に……」
「知っています。嬉しいし、本当なら、今すぐ会いたい。お側に行きたい」
「だったら」
「危険なんです。私を陛下から離したら、きっと恐ろしい事が起きる。シャドーラインにとっても、あなたたち人間にとっても」
一方、蠢動の続くキャッスルターミナルではモルク侯爵が焦りを見せていた。
「恐れていた事が……もはや猶予はない。ネロ、出るぞ! とにかく、陛下をお連れせねば」
と、シャドーライン側の伏線が展開。これまで非常にふわふわと描かれていた、“闇の皇帝”とは何か、というのが最終盤のキーになりそうな感じ。
「あそこまで近づいておきながら、助け出せなかったとは……」
レインボーラインの力でメリークリスマス! と目論むも陛下に思いっきり力負けしたザラムを回収し、拳を握るシュバルツ。
「おまえが誰かを助ける為に動くのは、初めて見た」
「助け合いなど要らぬ、そう思っていた。私も貴様も、常に1人。共に戦っていようとそこにあるのは自分1人だ」
「今もな」
「そうだ。が、1人である事と守りたいものがある事は別らしい」
「……おまえにとっての虹、か。変わるものだな」
シュバルツ様は、善人になるのではなく、あくまで個人的な武人の誇りとして、騎士道精神を貫いている、というのが良い所。愛よりも崇高な何かの為に、という自分ルール系キャラとしては、かなり珍しい成功例という気がします。
2人を見つけたトッキュウジャーは、ミオがシュバルツにグリッタからの伝言を伝えようとするが、そこにネロ男爵とクライナーロボ@モルク搭乗が現れ、陛下の身柄引き渡しを要求。3勢力が入り乱れる混戦となり、ゼットを狙うシュバルツとザラムは戦場を外れた所でノア夫人と出会う。トッキュウ1号はハイパーレッシャテイオーで侯爵クライナーロボを木っ端微塵にするが、その時――。
白い羽根の舞い散る暗い闇の中では、ゼットとグリッタ嬢が背中合わせに座っていた。
「グリッタちゃん。折角てめえの将軍が迎えに来たのに、それでも俺から出ねぇってのか」
「シュバルツ様を、死なせない為に」
「まったく……キラキラだなぁ」
ここは映像もやり取りも、とてもいいシーンでした。久々の本格登場で、グリッタ嬢が溢れるヒロイン力を最大出力で発揮。対する陛下の、どこか憂いのある感じも素敵。日高のり子は圧巻ですが、陛下は本当に、いいキャスティング。
様々な擦れ違いが複雑に絡み合う中で、対極にあるように見える2人が、どこか繋がっている、というのもとても良かった。
そして――噴き上がる闇とともに、戦場の真ん中に浮上するキャッスルターミナル……そこにはあの、秘密基地の樹が。
「嘘……」「あれって……」「俺たちの、秘密基地」「……うん」「俺たちの街だ…………昴ヶ浜」
ラストでまた、爆弾放り込んできたーーーっ!
まあ単純に、主人公達の目的地と敵の本拠地が一緒でした、秘密基地はわかりやすいランドマーク、というだけの話かもしれませんが、そこに何の仕掛けも無いとは考えにくいし、仕掛けがあってほしいなぁ。
グリッタの言動、モルク侯爵の焦りと繋がりそうですが、“闇の皇帝”同様に、実はこの期に及んでほとんど語られていない、シャドーラインとは何かという辺りに食い込んでくるのか。
シャドーライン、当初は「闇の皇帝を迎える為に闇を集める(為にシャドーラインを広げる)」という目的が明示されていましたが、陛下の復活後に改めての目的が何も語られていない(闇集めは続行しているので、単純に、生息領域を広げたいだけかもしれないけど)ので、その辺り、大きな仕掛けがあるのだと、期待したい。


◆第41駅「クリスマス大決戦」◆ (監督:竹本昇 脚本:小林靖子
「俺たちの街が……あの下に」
(あれが……あいつらの虹)
キャッスルターミナルが出現し、それを見つめるトッキュウジャーだが、噴出する莫大な闇の前に、烈車に拾われて一時撤退。事態を重く見たモルク侯爵は、ゼットの意に逆らう事になっても、グリッタの排除を決意する。
キャッスルターミナル浮上に関しては、今回の侯爵のトーンだと、本拠地バレがまずい、程度の事なのかしら。
烈車では、なぜキャッスルターミナルが昴ヶ浜の上にあるのか、という点について「それは……」と言いよどむグリッタ。知らない、というより、言いにくそう、という感じの台詞回しと仕草ですが、さて。ここまで来ると、どちらでも取れるように、というよりは計算尽くだと思われるので、妙に怪しげ。
ゼットを狙うシュバルツのクライナーがレインボーラインに迫り、ひとまずグリッタの意志を尊重して迎撃に出る5人。
「シュバルツ! グリッタが貴方を止めてって言ってるの。自分を皇帝から離すのは危険だからって。本当は貴方と一緒に居たいのに!」
「手は引けん!」
5vs2の戦闘が発生している隙にこそこそとグリッタを狙う侯爵と男爵だが、その前に現れたグリッタ、いきなり陛下に変貌。
「てめえらまで俺に刃向かう気か」
面倒くさくなると誰でも斬る陛下は、2人を思いきり斬り飛ばし、そこにザラムが突撃。陛下は再びトッキュウチェンジし、ザラムvs6号という変則マッチ。ゼット6号に致命的な攻撃を受けそうになるザラムだが、それを守る1号。
「ライト……てめぇは今、俺を守るんじゃねえのか」
「ああ。でも、トッキュウ6号は明だ。おまえが――それを使うなぁ!」
1号はハイパー化し、互角の戦いで両者変身解除。ライトはアプリチェンジャーの回収に成功するが、今度はシュバルツがゼットに迫る。
「てめぇも懲りねぇな。俺には勝てねぇ!」
「ふふふ、勝つ必要は無い」
シュバルツがその身に受けた大剣を掴んでゼットの動きを封じた所で、背後からノア夫人がダッシュ突き。もやもやと浮かび上がったグリッタに用意していた風呂敷を被せると、遂にグリッタがゼットから分離してしまう。
「さよならグリッタ……あなたはもう、自由」
怒りの陛下はノア夫人を切り裂き、ノア夫人、ここにリタイア。
つい前回までは、グリッタを解放してシャドーライン乗っ取りを諦めていないような発言がありましたが、今回は命がけでグリッタを解放すると妙にさっぱり満足して死亡。素直に捉えていいのかどうかは少々悩める所ですが、ノア夫人はグリッタの事を、娘としても道具としても、双方の意味で大事にしているようではあったので、最後に母の心が勝ったのか。
グリッタが分離した影響か、陛下は更なる覚醒を遂げ、よりメタリックで鋭利な装甲の、闇の皇帝フルアーマーZZへと進化。腰というか腹の風車が気になるのですが、あれは丹田エンジンなのか、それともビームでも出すのか。或いは風を受けて回るのか。
「ったく……なんで闇ばっかり増えるんだろうなぁ。キラキラは一つも手に入らねぇ」
グリッタに手を伸ばすZZだが、食らいついたシュバルツがそれを阻む。
「グリッタ嬢……助けていただいたこの命、ようやくお返しできる」
召喚したクライナーにグリッタを乗せて走り去らせるも、直後、シュバルツはハイパー陛下サーベルでずんばらりん。
「私は貴様に勝てなかったが、貴様も私に勝てなかったな……!」
「なに……?」
「私はキラキラを手に入れた。ふふふふふふはははははは……」
武人の誇りを貫き、守るべきキラキラを手に入れ、シュバルツ、リタイア。
「陛下、何というお力、何という闇!」
「どいつもこいつも俺に闇ばかり見せやがって……うんざりなんだよ、てめえらにもな!」
「陛下ぁ何故!?」
懲りずにやってきたモルクとネロ、斬られる(笑) 時々、正確に数えてみたくなりますが、ネロ男爵、陛下に攻撃されたの何度目だ。
「闇が……止まらねぇ! うぉぉっ!!」
キャッスルターミナルが急速に沈んでいき、トッキュウジャーの虹を守ろうと城に特攻するザラムだが、闇が大爆発。何とか無事だった明は、喜ぶ5人に抱き付かれて戸惑う。
「お前達……街が沈んだ事が悲しくないのか?」
「今は、おまえが生きている事の方が嬉しいに決まってんだろ」
「居なくなっても、俺たちは何も変わらないなんて、無いから」
「そうだよ。すっっっごく、寂しい」
「寂しい?」
前回感じた胸のざわつきを思い出す明だが、そこに、闇の穴からクライナーが大量に出現。
「明。また……一緒に戦ってよ」
「……俺が、寂しかったかどうかはわからん。だが……ライト、トカッチ、ヒカリ、ミオ、カグラ。俺は……多分今…………物凄く嬉しい」
人間の感情がまだ完全によくわからないまま、同じ事ではあるのだけど、ネガティブな感情だった事を認めるのではなく、ポジティブな感情を手に入れる、とした、とてもいい台詞。
明はアプリチェンジャーを受け取って6人は変身し、ここからはクリスマスだよロボット大集合祭。クライナー大軍団を相手に全ロボットが登場して変形合体を繰り返し、OPフルコーラスで約3分半のロボット戦。
正直それほどロボット戦の盛り上がる作品ではないですが、これはもう、やりきった事を評価したい。大集合するにしても、3分半やった、というのは凄い。
「見えた!」
「「「「「「おまえの終着駅!!」」」」」」
最後はトッキュウレインボーでクライナー軍団を殲滅。ひとまずの危機が去ると共に、明がレインボーラインに再就職するのであった。
なお給料は、新人と同じ扱いとする(総裁)。
烈車に戻った6人は、宵闇が落ちる中、シュバルツとグリッタの分を含め、カラーろうそくに火を点す。明はお星様にされていたヘルメットを取り戻し、6人はツリーを前にあの歌を口ずさむ……。

きーらきーらひーかる おーそらのほーしよ

明が墓標代わりに荒野に突き刺したシュバルツの剣に、花を捧げるグリッタ……。
より深くなったキャッスルターミナルの闇の中で、秘密基地を見上げるゼット……。
「真っ暗だな……」
果たしてその想いはどこにあるのか、そして、グリッタの予感する“恐ろしい事”とは――。
ラストは、ホワイトクリスマスに、明るくコスプレパーティーで終了。髪下ろしたカグラが可愛い。窓辺で灯る、シュバルツとグリッタ色のろうそくがワンカット入るのが素敵。
敵味方の思いが様々に交錯する3話構成のクリスマス決戦編で、遂にノア夫人とシュバルツ将軍がリタイア。なかなか幹部クラスの数が減らない今作では久々の退場劇となりましたが、何が凄いって、女帝グリッタ含めて、幹部を倒しているのは全部ゼット(笑)
シャドーラインは、このまま完全に内ゲバオンリーで崩壊してしまうのか(シャドータウンが解放されているのも、退職した明が最大の原因ですし)。
そのシャドーラインの諸々に関しては、ゼットがフルアーマー化した以外には特に何もなく、前回から期待した程の踏み込みはありませんでした。放映スケジュール的に、次回が年末年始スペシャル編の雰囲気なので、年が明けての最終章で一気に突っ込んでいく感じになるのか。次回作の『手裏剣戦隊ニンニンジャー』が2/15放映スタートいう発表があったので、年明け残り5〜6話だと思うのですが、結構忙しくなりそうな。
そこの大ネタ次第では最後に大惨事になる可能性もまだありますが、ここまで非常に面白かった作品なので、最後まで、走り抜いてくれる事を期待したいです。
次回、この2話でびみょーにミオと明の距離感が近づいている気がしないでもないので、トカッチ、勝負に出る…………のか?