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『ブルースワット』感想2

◆Volume2「ロンリーバトル」◆ (監督:辻理 脚本:宮下隼一)
3人のアーマーは、一応、青・紫・黒で色分けされているのか、という事に気付いた第2話、結局みんな暗いけど、内容は第1話に比べるとだいぶ良かったです。
冒頭に登場する女性キャスターが凄く若林さん(『特捜ロボジャンパーソン』)に似て見えるのですが、他人のそら似でしょうか。
前回エイリアンに憑依された女所長の右手だけ変身は格好いいのですが、演出で顔に強風を吹き付けられ、女優さんが大変な事になっております。
女所長エイリアンが何やら企んでいる頃、エイリアン襲撃による基地の崩壊が爆発事件という扱いになっているのはともかく、自分たち3人がその容疑者であり、なおかつ現場で死亡したという報道に、愕然とするサラ。
エイリアンの魔手は思った以上に社会の各所に伸びており、事件とブルースワットの存在が丸ごと闇に葬られてしまったに違いありません、と焼きそば作りながら淡々と解説するシグさん、素敵(笑)
もはやエイリアンによる地球侵略について知っているのはこの場に残った3人だけなのか……前回ラストの大勝利から一転、廃工場のような所にこもっての状況整理は、うまく雰囲気が出ました。
職も戸籍も失ったけど、それを逆に利用してゲリラ戦を仕掛けよう、と使命感に燃えるサラとシグだが、ショウはそれを無視して九州のスポーツ大会に出場すると言い出す。
「ヒーローはいいけど、ただ働きはごめんだしなやっぱ」
ショウはあくまで、給料があってこそやる気が出るというスタンスを崩さず、対エイリアン戦から脱ける事を宣言。金にこだわる一見軽薄な主人公、というアンチヒーロー的な描写は、戦隊では前年の『五星戦隊ダイレンジャー』が、“変身は出来るようになってもまだヒーロー未満”の主人公達を意識的に描いていましたが、90年代前半のこの時期、「ヒーロー」に関する東映の試行錯誤が窺えます(『ジャンパーソン』も、方向性は真逆でしたが、ヒーローとは何かを突き詰めていく作品でしたし)。
「地球を守れるのはあたし達しかいないのよ。それがあたし達の使命なのよ」
それに対してヒーロー正論をぶつけてくるサラというのは、『鳥人戦隊ジェットマン』(1991)が正面からえぐった部分を、意識的に取り込んだような感じ。
「ご立派。けど、俺は忙しいんだ。夢を追うのに。……なんてな!」
「地球を乗っ取られたら夢も終わりよ」
「たぶん命も」
「俺の夢に俺の命だ。ほっとけ」
この辺りのやり取りは秀逸で、少し面白くなってきました。
ショウが自転車で走り去った直後、スワットカーに謎のシグナルが入って前回の盗聴男・セイジと通信で接触するサラとシグだが、セイジはエイリアン所長に襲われ、通信は途切れてしまう。
一方、九州へ向けて走っていたショウは、所長命令を受けた警備員が逃げ出すセイジを止めようとして、入り口で揉めているのを目撃。ここで、女所長が仕切っているのは、各分野の様々な天才や秀才を集めて開発研究を行わせている組織である事が語られ、セイジの背景を補強。とっ捕まえられたセイジの「所長はエイリアンにインヴェードされている」という言葉に反応したショウは、その場を離れたと見せかけて、取って返すや施設へ潜入する。
(ただ働きはやだっつてんのにこれだよ。ガンもメットも無くてバカか、俺は)
うん、きちっと各キャラの感情や心理が見えて、前回よりはぐっといい。
やはり第1話は、終始サングラスをかけっ放しで、メインキャラの表情が全くわからないまま進行したのが一番まずかったと思うのですが、あれは一体なんだったのか(^^;
ショウは通信のシグナルを逆探知してやってきたサラとシグに合流し、3人は施設内部でセイジを救出。所長の目的が、海外から訪れた視察団を捕まえてエイリアンを憑依させる事だと知ると、セイジの案内で廃棄された研究施設へと向かい、そこで眠らされた使節団を発見。だがその時、
「来ます……奴等が来ます」
突然、目を見開いて立ち止まるシグは、やはり国連の開発したサイボーグなのでは……。シグの瞳のアップが、大気圏に突入してくるエイリアンの宇宙船の映像に切り替わるので、本体は人工衛星、とかでしょうか。
ショウのツッコミに言葉を濁すシグだが、そこへセイジを捕まえた所長が登場。更に宇宙船が突入してきて、ミサイルランチャーvs宇宙船となるのですが、宇宙船がやたら小型だったり、ミサイルランチャーは急に持ち出したりで、どうも冴えない映像。宇宙船を撃破された所長エイリアンがショウの体を乗っ取ろうとし、それをサラが銃撃するシーンでシグが黙って銃架代わりに屈み込んで肩を貸したのは、今作のリアル志向が映像的な面白さに繋がって(ここが繋がらなければ、エンタメとしての意味が無い)、良かったですが。
ダメージを負ったエイリアンがステルス化し、車に戻って持ってきた火炎放射器をめくら撃ちするショウ。セイジがオペレーターを務めてエイリアンをサーチし、サラがレーザーライフルで撃った所を最後はウィークポイントである頭部への一斉攻撃でエイリアンを撃破。
セイジがオペレーターとしての役割を得、サーチ&デストロイという段取りを組む、という流れは悪くないのですが、エイリアン接近をcm刻みで教えたり、エイリアンが最接近した所で箱の中からレーザーライフルを取り出したり、結局レーザーライフルは扇状に撃ったりと、もう一つ、オペレーターが役に立った感じがありません(^^;
毛色を変えすぎた結果、戦闘におけるリアリティとインパクトのバランスが取れておらず、今作ならではの戦闘の面白さ、というのがまだうまく打ち出せていません。エイリアンも、頭部がぬちゃあっと開くギミックは頑張っていましたが、どうにも地味ですし。その地味さを、独自の面白さに変えていく描写は引き続き苦戦し、今後の改善が期待されます。
「あなたは私たちブルースワットのサポーター、いえサテライトです。頑張って下さいセイジ」
セイジを加えて4人で再出発する事になったブルースワットは、シグの提案でよろず相談調査オフィス・ブルーリサーチという表の看板を掲げて事務所を持ち、そこにアルバイトの募集広告を見てやってくる女の子……と新体制スタートへの引き。
ここで、サラは白いブラウスに茶色いワンピース風のロングスカートを合わせてベージュのストールを羽織り、シグはモスグリーンのジャケットにダークブラウンのマフラー、と、作品としての大人っぽさを出す意図なのでしょうが、私服のラインが従来の特撮ヒーローものとは一線を画しているのが、なかなか面白い。
冒頭ではとりあえずミニスカアピールをしていたサラですが、このラストの衣装の方が、全然いいです。
一方でショウはラフかつヒーローとして違和感のない服装で、ラフとカジュアルとフォーマル風味で、キャラクターの色分けをした見せ方は秀逸。
事務所のソファで、金を貯めて辞めてやると騒ぐショウですが、他の二人は、貯金があるから余裕なのか……?(笑)
そして、街に蠢く新たなエイリアンの影で、To be continued.
リアル指向を進めた戦闘がこれといって面白くない――例えば、大型武装は車の中、なのはいいけど、戦闘中に離脱してそれを車内に取りに行く経過が適当なので(敵の攻撃をかいくぐるとか無い)、結局リアリティはどっこい、どころかテンポが悪くなっている分総合的にはマイナス、など明確な欠点は抱えたままですが、前回の大惨事からは、だいぶリカバリー。
特に、社会−組織−エイリアンの現状を明示して整理する事で、暗躍する敵を地下に潜ってヒーローが倒すしかない、という基本設定に説得力が出ましたし、そこに現れる盗聴男との合流も自然になりました。……まあ、「死んだ事になっているからゲリラ戦向きだ」は、エイリアンの情報操作の結果であって、多分エイリアンは3人が生きている事を知っているのですが(^^;
この辺り、闇で悪を刈るヒーロー、の要素も持たせたかったようなのに、表の顔が公権力に所属していた上で情報の線引きを曖昧にしてしまった為に、設定ぐちゃぐちゃになってしまった『機動刑事ジバン』の反省を踏まえたのかな、と思うところ。
また、リアル指向を持ったスペシャルチーム物を提示した上で、そんな職業ヒーローの所属組織の崩壊、という流れに持っていったのは、『特警ウインスペクター』の幻影からの脱皮、を目指そうとする意識も感じます。
次回、果たしてブルーリサーチの経営は軌道に乗る事が出来るのか?!