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『ブルースワット』感想5

◆Volume6「ワンチャンス!!」◆ (監督:簑輪雅夫 脚本:宮下隼一)
セイジが「敵の交信をキャッチした」と事務所で3人に報告して、それを耳にして首を突っ込んできたスミレを慌てて追い払う4人。
スミレに聞かれたくない話をわざわざスミレの居る場所でする、という不自然な状況設定を、コミカルなシーンを挟む、という目的の為だけに行っており、非常に本末転倒。例えばセイジが慌てて駆け込んできてぽろっと喋ってしまい、3人が慌てて口を塞ぎつつスミレを誤魔化すならまだコミカルにもなりますが、3人とも普通に聞いてしまうので、4人揃ってバカに見えるし、スミレの存在が邪魔に見えるしで、何も良い事がありません(^^;
交信の発信源を確認したブルースワットは下っ端エイリアンに憑依された女を取り囲むが、調子に乗って車外に出てきたセイジが人質にされてしまう。サラが女の握った銃だけを打ち落とそうとするが、シグが謎の未来予知でセイジが撃たれる光景を目にして割って入り、サラの放った弾丸は、シグの左腕に直撃。エイリアンを倒し、運んでいた荷物を回収するも、シグが重傷を負ってしまう。
「大丈夫ですよサラ。あなた達地球人より、回復力は多少上ですから」
事務所で治療を受けながら、謝罪を繰り返すサラとセイジに対し、
「2人とも、気にする事はありませんよ。幸い急所は外れました」
とむしろ2人を気遣うシグさん、超イケメン。
……はいいのですが、弾丸が当たったのは左上腕部の筈なのに、瀕死の重傷のような扱いを受けた上で、包帯は肩から胴体にかけて巻かれており、さすがに意味不明すぎます(^^;
それ多分、正体を現したエイリアンの攻撃からサラをかばった時のダメージの方だと思うのですが……この後の展開ではサラは連携ミスによりシグがエイリアンの攻撃を受けた事ではなく、自分の判断ミスからシグを撃ってしまった事を気に病んでおり、更に復帰したシグは包帯すら巻いてない左腕を痛がるなど、演出と脚本が全く噛み合っておらず某『大鉄人17』ばりの亜空間が発生。
トドメに、シグが事務所のソファに転がって気を失った所でスミレが帰還し、慌てて誤魔化す3人。
うん、そこにシグが転がっていたらスミレが何事かと思うぐらい、猿でもわかると思うのですが、誰も何も考えていなくて、頭が痛くなる展開。
食あたりの腹痛と誤魔化した事で、電話をかけて文句を言ってやる、と息巻くスミレのいい娘ぶりがアピールされましたが、その代償として、ショウ達の知力が急降下していきます。
日常要素兼賑やかし兼コメディリリーフという役割の必要性はわかりますが、とりあえず置いただけで、ここまで全く、スミレが“物語の中で事務所に存在する必然性”が描かれていない為、スミレが事務所に居るデメリットだけが上昇し、メリットがさっぱり伝わってきません。
そしてスミレの必然性が提示されてこそ、スミレを誤魔化すショウ達の姿が笑いに転化されるわけで、それが欠けている為にショウ達の頭がどんどん悪くなっていく事に。
……どうして今作は、自分たちで埋めた地雷を、自分たちで次々と踏みつけていくのか(^^;
秘密基地の射撃場へ向かうも、シグを撃ってしまった光景がフラッシュバックして、まともに銃を撃てず苦悶するサラ。一方ショウとセイジは荷物の中に、旧共産圏で開発された凶悪なウイルス入りのカプセルを発見する。エイリアンの狙いは恐らく、ウイルスを侵略計画に都合の良い形に改良する事。引き渡し場所と思われる遊園地のチケットを見つけたショウは、サラの元へと向かう。
「毎日……毎日、毎日毎日、血と、銃声と、硝煙の繰り返しだったわ。幾らガンのテクニックがあっても追いつかない。人間から、憎しみや殺意そのものが消えない限り」
ロス市警時代の事を語るサラ…………ええとそこは、本当にアメリカなのでしょうか。
「警官同士の相打ちも珍しくなかったわ。でも、戦場の中の不可抗力の事故として、簡単に処理された」
この世界のアメリカは、内戦状態だった!
「私もそれが当然だと思ってた。でも、ある時ふっと虚しくなって、辞職。……そして放浪。戦う理由を求めて、探して、私は歩き続けた……。結局答は見つからないまま、私はブルースワットの一員としてスカウトされ、帰国した。でも……でも今少なくとも一つだけわかったわ! 不可抗力なんかじゃ済まされない。放浪なんかじゃ解決しない事なんだって!」
……台詞の前後を繋げると、サラはどうやら昔の職場で、同僚を数人撃ち殺した経験がある模様。そして戦争状態のアメリカを離れ、日本で改めて同僚を撃ってしまった事で、自分の過去の行為が「殺人」であると自覚したようです。
恐らくこの世界のアメリカは南北戦争で分裂し、事あるごとに小競り合いが行われ、国内の治安は最悪という泥沼の状況にあるのかと思われます。エイリアンもそんな危ない国は後回しにして、まずは適度に発展した手頃な国家という事で、日本に先遣部隊を送り込んできたのでしょう。
世界観が繋がっているわけではない(筈)ですが、かつて『特警ウインスペクター』第32話に登場した、日本から出向先のアメリカ連邦警察で胸部にガトリング砲他の魔改造を施されてしまった、ロボット刑事ブライアンの
「俺は後悔はしていない。俺は去年1年間で253人の凶悪犯を抹殺した」
という台詞が、なんだか新しい意味を持って聞こえてきます!
「戦う理由か。そんなもん俺にだってわかってるかどうか、怪しいもんだよ。けど、怪しくったって虚しくったって、戦わなくちゃならない時があるんだ! それだけは確かだ。それが今なんだよ。そしてそれにはこいつが必要なんだよ! こいつを撃つ、こいつで戦う、それが俺の、おまえの、選ばれた者の義務だ。ガラじゃねえけどよ、俺はそう思うぞ」
そしてすっかり、正統派ヒーローになってしまうショウ。最後に「ガラじゃねえけどよ」と付け足してはいますが、「選ばれた者の義務」とまで言ってしまい、急速に特色が薄れてきてしまいました(^^;
「自分が戦わなくて誰が戦うんだ。そう思ったからこそ、帰ってきたんだろ、この日本へ。そいつを思い出せ、サラ」
サラは落とした銃をショウから受け取り、ブルースワットは遊園地へ。サラが運び屋にされていた女に変装してエイリアンとの接触に成功するが、追い詰められたエイリアンはウイルス入りのカプセルをその場で撃って拡散させようとする。
セイジが「やばいよ」と慌てているのですが、素直に本物を持ってきたのでしょうか(^^; まあそこには結局焦点が当たらず、ショウとシグに促されたサラが射撃ではじき飛ばしてトラウマから回復。サラは自分にしか出来ない戦う意味を掴み直すのであった。
液状化して逃げ出したエイリアンにセイジが発信器を打ち込み……って、そもそも今回の問題の原因を作り、前半散々シグに謝っていたセイジがまた車から外に出ているのですが、幾らシグさんがイケメンでも、いい加減にしないと宇宙ビームをお見舞いするぞ!
一応、発信器を打ち込む係という理由をつけてはいるのですが、エピソードの軸になっている要素なのですから、少なくとも今回ぐらいは大人しく反省を見せて車内からのサポートに徹させるべきだったのでは。セイジが事あるごとに戦闘現場へ出てくるのは何だか大人の事情も感じますが、チームの役割分担的面白さも減じてしまっており、今作のまとまりの悪さにますます拍車をかけてしまっています(^^;
エイリアンを追跡し、むしろエイリアンのトラップに引っかかる3人だったが、最後は連係攻撃で撃破。そして悪魔のウイルスは火炎放射器とロケットランチャーによって処理されるのであった。
なお、シグの変な予知能力?に関しては全くフォロー無し。すっかり、テレパシーは使えるのが当たり前みたいな扱いになっており、宇宙って便利。
ウイルス改造計画の失敗を悟ったマフィア幹部(久子さん&六角とは別の男女)は、自分たちの邪魔をする存在が居る事を確信し、お怒りでTo be continued.
次回、予告で語られるゲストキャラの造形が扇澤脚本の匂いですが、さて。