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『轟轟戦隊ボウケンジャー』感想・第9話

◆Task.9「折鶴の忍者」◆ (監督:中澤祥次郎 脚本:會川昇
サージェス財団が20年ほど前から交渉を続けていた唐物屋波右衛門の人形が遂に譲り渡される事になり、受け取りに向かうボウケンジャーだったが、そこでサージェスを騙る風のシズカ(ミニスカコスプレ担当)とばったり遭遇。
「でも、なんで青のジャケット? 僕のこと、忘れられないって事かな?」
むしろうちの組織のイメージカラーとおまえが被ってるんじゃぁ、と開き直ったシズカは、色々と混ぜっ返されながらも本物を主張し、一悶着。
「ふぅ……やっぱりサージェスなんて信用できないわね。なんか胡散臭くて」
正解です。
それを耳にしたシズカは今度は節操なくダークシャドウの正体を現すと、唐物屋の現当主である老女・和子から人形を受け取ろうとし、ドタバタ騒ぎになった所に飛び込んでくる、ヤクザ忍者。
「初めてお目にかかる。闇のヤイバと申す」
(?! 闇のヤイバ……こいつ、ダークシャドウだったのか)
「互いが違いの主張を繰り返すのみでは、らちがあきません。ここは両者力の勝負で、勝った方に人形をお譲りいただきたい」
丁寧な口調で、滅茶苦茶な事を言い出したーーーーー!
とうとう前線に出てきた、お小言忍者ヤクザ先輩ですが、予想外の丁寧な口調から激しく偏った自己主張で自分の好きな方向に話を進めるという、トンデモな人でした。
当然、何言ってるのこいつ、という空気になるボウケンジャーだったが、ヤイバの事を知るらしい真墨が一対一の勝負を勝手に承諾してしまい、その姿に勝負を任せるチーフ。
少年時代、とあるトレジャーハンターチームの下っ端として乱暴にこき使われていた真墨だが、ある時、首尾良くお宝を手に入れた後の宴会の場に姿を見せたヤイバにより、チームが皆殺しにされてしまう。
「やめておけ。私の本当の顔を見て、生き残ったものはいない」
マスク開閉ギミックを見せたヤイバは、立ち向かってくる真墨を見逃し、姿を消す……それ以来、ヤイバは真墨にとっての仇敵だったのだ。
「そうか……あの時の小僧か」
「言った筈だ。今度会ったら、倒すと!」
激突する両者は戦いの場を森へと移し、二刀を振るうヤイバは黒の攻撃を退ける。
「なぜあの時、私がおまえを見逃したと思う? 私はおまえの中に、闇を見たのだ。おまえは大人達を盾にして、自分一人生き残った。それでいい。欲望の為に他人など犠牲にする。ただ己の強さだけを求める、それが闇だ」
……あれ?
「ほざけっ!!」
切りかかる黒だが、ヤイバはそれを紙吹雪の目くらましで鮮やかに回避。
「もっと俺を楽しませてくれ。闇を解放しろ。欲望のままに力を求めろ!」
……もしかして。
「どこだっ?!」
「これが闇の力だ!!」
つまり、所属はシズカの先輩なものの、生き様はむしろ真墨の先輩だったヤイバのエターナルダークフォースツインブレードを受けたブラックは吹き飛び、戦いの決着を待つ屋敷では、老女が人形を取りに蔵へと向かう。
老女が自分の腕輪に目を止めていた事に気付いた菜月は、その後を追いかけて腕輪について質問。老女の答は「昔それと同じものを見たような気がするがハッキリ覚えていない」というものだったが、それをきっかけに老女から人形の事を聞いた菜月は、唐物屋波右衛門の人形――二体の雛人形――が、老女の個人的な宝物であるという想いを知る。
だがそこへ、人形を奪おうと、がま口×掃除機ベストマッチ!の妖怪が登場。勝負を持ちかけたヤイバの行動は、初めからダークシャドウの陽動であったのだ!
その頃、変身解除級のダメージを受けて崖下へ吹き飛ばされた真墨は、他者を犠牲にして生き延びた自分の過去を思い返していた。
「闇、か…………あいつの言うとおりだ」
魂のシンクロにより、案の定、覿面に病状の悪化した真墨は、様子を見に来たチーフに自らの過去を語る(※以下、副音声でお楽しみ下さい)。
「俺は欲望のまま、自分が強くなる為だけに生きてきた。それが俺だ。俺に必要だったのは……闇の力だ。今度は勝つ」
(赤き戦士サトウルよ、しょせん俺は血塗られた翼。封印してきたこの力で、天上の星全てを闇に堕とす事こそ我が定めだったのだ!)
「本当にそうなのか?」
(我らが同志の誓いは幻だというのか?)
「そうさ。おまえだって知ってるだろ。ボウケンジャーになったんだって、おまえに勝ちたかっただけだ!」
(もはや俺はボウケンブラックではない。今日から俺の事は、緋色の罪に閉ざされた地上という名の牢獄を彷徨う片翼の堕天使、と呼ぶがいい!!)
「違う! 俺たちは皆、自分だけの宝を探して集まった。おまえが本当に探しているのは……自分の光じゃないのか?」
(待て黒き戦士マスミール! おまえの秘められた真の名は、闇をも浄める神聖なる漆黒、悠久の楽園に吹き渡る風の冒険者だ!)
「なんだよ。俺はな――!」
(なんだって?! では、この記憶は……!)
「そして光は! 闇に打ち勝つ!」
(我らが永遠の誓いは! 如何なる闇の呪縛にも汚される事はない!)
「何言ってんだかわかんねぇよ!」
きっとわからない方がいいぞ!!
……えー、真墨×ヤイバのシンクロ具合に、まさかのチーフまで参戦で、あらゆる台詞が私の中で変な方向に面白く聞こえてしまったのですが、そもそも得意分野でもないので、これ以上ボロが出ない内にこの辺りで副音声を終了させていただきます。すみませんちょっと反省しています。
そんなわけで孤独なる魂を抱えた黒き戦士の光と闇の黙示録が加熱しているところに、蒼き月を纏いし仮面の騎士ヤイバが再び現れる。不滅の冒険魂を牙とする赤き戦士は敢えて神聖加速闘具を地面に投げ捨て、戦いへの不介入を宣言。
「俺はこの男を――信頼している」
「信頼……」
クリティカルなワードが、真墨のハートをずきゅーーーんと貫いた!!
「仲間か。まだわからないのか? 仲間を捨て、欲望のままに生きる、それがお前のさだめだ。あの時と同じ技を受けて、闇の力を解放しろ!!」
黒き戦士に堕天使への覚醒を望む紙忍ヤイバは、オープンフェイスすると、影忍法《千羽鶴闇吹雪》を発動。高速で迫り来る無数の千羽鶴を前にした真墨は臆せず変身すると、かつてとは逆に自らの体をチーフの盾とし、振り回したハンマーでカウンターを炸裂させる!
悪化した病気で還らぬ人になりかけていた真墨が、ボウケンブラックとして仲間の信頼に応える事で、手に入れた力の使い方を選択する、というシーンなのですが、ブラックの後ろで仁王立ちしているチーフの姿は、篤い信頼というより、部下を盾にする鬼畜にも見えます(笑)
良い方に解釈しても、微動だにしないのが物凄いキチガイっぷり。
そして、ブラックのライトニングハンマー炸裂後にぼそっと呟く、
「光の力だ」
は完全に真墨と同種の病気を感じ、香川慈門先生の小説は、この世にどれだけの光の戦士を解き放ってしまったのか。
「面白い。それでこそ戦い甲斐がある」
そして結局、ヤイバ先輩はどっちでもいいのか。
二刀を合体させて長刀モードにしたヤイバと黒が激突する一方、イエローは和子と人形を守って妖怪と戦い、青と桃はシズカと戦闘中。
「正々堂々の勝負だった筈です!」
「ぺぺぺのぺー! 嘘に決まってんでしょ」
桃は恐らく本気で言っていて、青はわかっていて状況を楽しんでいたのだろうなぁ……。
ヤイバの連続攻撃に追い詰められていたブラックだが、一瞬の隙をついた反撃から怒濤のハンマー連打で、ヤイバを撃破する大金星。ダウン状態からの反撃で、最初に相手の膝を潰しにいくのが、ちょっと闇の力を感じます。それにしても、ハンマーがこれだけ活躍する戦隊は、なかなか珍しいような。通常武器との差別化が難しい事もあってか、ピンクの大型銃などは全く出てきませんし(^^;
ヤイバ撃破後、連絡を受けたチーフと黒が屋敷に戻って5人合流すると、がま口妖怪はさっくりドリルで地獄送り。
デュアルクラッシャーは初見、あまりにむごい殺意の高さに愕然としましたが、銃身の前後をひっくり返して2モードというのは、面白いアイデア。……というかそれでデュアルクラッシャーなのか、と今気付きました。
巨大化した妖怪が和子と人形を蔵ごと体内に飲み込んでしまい、手出しできずに苦戦するダイボウケンだが、ブラックがゴーゴークレーンを使って蔵を体内から引きずり出す事に成功(蔵が空中で物凄く撹拌されているのは見なかった方向でひとつ)。ダイボウケンドリル&クレーンとなると、有線ロケットパンチで妖怪を吊し上げ、身動きできない所にドリルをぶちこんでグッジョブ!
これにて一件落着……かと思われたその時、全てを囮にしていたヤイバが人形を奪う、というのは簡単に格が落ちずに良かったです。間一髪、ブラックが跳び蹴りを決めた事で女雛だけは取り返すも、男雛はダークシャドウの手へと渡ってしまう。
「なかなか楽しませて貰ったぞ。だがおまえの本質は闇。光の力など、一時しのぎにすぎん」
真実のソウルフレンドはこの我……無限氷結の檻に封じられたあの御方の手を共に取り永劫への扉を開こうではないかと、あくまで覚醒を迫り、ヤクザ先輩は忍術で撤収。
後日、依頼人に男雛を売り渡すシズカであったが、依頼人の手には不思議な文様が。依頼人の正体はガジャの術によって操られていた一般人であり、真に波右衛門の人形を求めていたのは大神官ガジャ!
「1つだけか……ダークシャドウの役立たずめ! まあいい。もう一体も、必ず手に入れてやる」
と、さすが人の上に立つ人間はお金の使い方がわかっているし資本主義経済に馴染むの早いなガジャ様! と引っ張って、続く。
あやうく真墨の中でひとり炎の黙示録が開幕しそうになりましたが、真墨の掘り下げだけではなく、ここ数話触れていなかった菜月の素性に関する話もやってくれたのは良かった所。また、“サージェスの活動”とは最も遠い所に居る菜月が、ゲストと関わり、プレシャスに関する個人的な想いに共感する、というのは面白く広がりました。
次回――心の闇の次は、サージェスの闇が口を開ける?!