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『轟轟戦隊ボウケンジャー』感想・第33−34話

◆Task.33「レムリアの太陽」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:會川昇
人形を巡る闇の力回で知り合った、唐物屋和子の蔵の掃除を手伝う菜月。あっけらかんと話してしまっていますが、「新たなプレシャスが見つかるかもしれないから任務として喜んで行ってこい」という職場のお墨付きだそうで、唐物屋和子のサージェス財団への不信感がまた一つ上昇した!!
そんな和子はガジャ様に洗脳されて大暴れしたきり出番が無かったので、再登場して良かったです(笑)
掃除の最中、菜月の腕輪に関する心当たりを思い出した和子は、唐物屋の初代が海の底から引き上げた、と伝わる像を菜月に見せる……。
その頃、チーフに真っ二つにされた事は忘却の彼方に追いやり、不屈のドラゴガッツで復活したレムリマニアの竜王陛下は、Wクエスターが持ち込んだ巨大ゴードムエンジンを組み込んだ、新たな大邪竜を起動しようとしていたが、エネルギー不足で失敗。
「へっ! てめぇの大邪竜と俺たちのテクノロジーを合体させれば、すっげぇ化け物マシンが出来る筈だったのにな」
産業スパイに特許権を先に認可されてしまったガジャ様は今頃、新宿西口のガード下でゴードム文明のお花畑の幻覚を見ながら虚ろな瞳で「赤とんぼ」を口ずさんでいます。


「ガジャからゴードムエンジン取ったら、何が残るんだっつーの」
「ナニが…………ナニが残るんだろう」
竜王陛下がエネルギー源として口にした「レムリアの太陽」を耳にしたWクエスターは、10万年前に滅びたレムリア文明人の生き残りの心当たりを求めて動き出す……。
一方、手伝いを終えて戻ってきた菜月の様子はどこかおかしく、唐物屋から持ち帰った包みに手を伸ばすズバーンに対して、怯えたような反応を見せる。
「ズーズバ!」
「あなたなんか知らないんだから!」
「ちょっと待った! 菜月ちゃん、ズバーンが怖いの?」
蒼太が割って入ったその時、映士から街でクエスターが大暴れしているという急報が入り、ボウケンジャーは緊急出動。チーフ達ボウケンジャーがプレシャス保護を任務として通常は基地で待機しているのに対して、サージェスレスキュー(仮)所属の映士の通常任務はパトロール、と考えれば良さそうでしょうか(映士は割と真面目に仕事をしていた!)。
プレシャスによる破壊活動や不法行為に監視の目を光らせ、最速で対処、あわよくば 強奪 回収、のちサージェスによる有効活用を推進すると共に、街の治安維持に徐々に介入、戦力の保持を正当化し、世界の実効支配を進めていくのです。
全てサージェスの計画通りだ!
秘宝管理機関サージェスに栄光あれ!!
「菜月! おまえもしかして……昔の記憶を取り戻し始めてるんじゃないのか?」
真墨の問いかけに菜月は何も答えず、クエスターを止めようとする6+ズバーンだが……
「私たちの心強い仲間を紹介しよう」
人間を完全に捨てて悪魔とも手を結ぶと宣言した竜王陛下が姿を見せ、友情のトライアングルバスターが炸裂する!!
仲間に裏切られて死にかけた事で人間に絶望しているが故に、徹底して自分に忠実な捨て駒の兵士だけで周囲を固めている陛下ですが、一方でガジャ様をかばったり、出し抜かれて怒鳴り込んでもお土産貰ったらころっと丸め込まれたり、クエスターと業務提携して一番先頭に進み出たりと、不滅の牙流に言うと「リュウオーン……おまえ本当は、一緒に冒険できる仲間を求めているんじゃないのか?」であり、今作第三の、“実はいい人”なのでは(笑)
少なくとも200年前の冒険者時代は、気さくで部下思いの人だったのではと想像され(だからこそ裏切りによる心の傷が深かったのでしょうし)、いずれ悪行の報いを受ける事にはなるのでしょうが、表裏を成す不滅の牙により、その最期に一片の救いがもたらされてもいいかも、という気がしてきました。
ジャスター連合は、黄と黒をさらうと、あっさり撤収。菜月を発見した場所を教えろと真墨に迫り、過去の記憶に関する菜月の迷いを見た真墨は、案内を承諾。
鎖でぐるぐる巻きにされ、真墨のヒロイン力が激しく上がった!(あれ?)
ボウケンサロンに撤収したチーフらはジャスター連合の目的を図りかね、菜月が持ち帰った風呂敷包みを開けてみると、中から出てきたのは黄金の剣を手に持ち、菜月と同じ腕輪を身につけた女神の像。
「菜月の腕輪がレムリアのもの……? だとしたら――」

「そうだ。おまえはレムリア人だ」

菜月の腕輪を見た時からその正体に気付いていたガイとレイは、菜月が、10万年前に滅びたレムリア文明人である、と告げる。菜月のブレスレットはレムリア文明でも高貴な血統の証であり、菜月はレムリア文明の秘宝<レムリアの太陽>が放出するエネルギーの影響を受けていたのだった。
その大きな証拠が、真墨が菜月を発見した洞窟の入り口に咲き誇る季節外れの菜の花…………という事は、洞窟で発見した記憶喪失の“可愛い”女の子に、近くで見た花の名前をつけてしまったという事で、真墨ぃぃぃぃぃぃぃ!!(両手で顔を覆う)
…………ボウケン男子は、ロマンチックでなくてはいけないのです。
なおこのシーンで「菜の花」がキーになる所からの逆算もあったのでしょうが、アバンの鬼灯の入れ方など、そこかしこでどことなく長石多可男タッチな演出で、これは弟子筋の渡辺監督が、長石監督フォロワー同士である會川さんの為に、長石演出を彷彿とさせる撮り方をしたのかも。
ズバーン、レムリアの像、そして目覚めた場所……記憶を取り戻しかけている菜月をクエスターは揺さぶり、長年眠っていた場所に両親の秘密が隠されている筈だ、と囁く。
「どうだ、知りたいだろう?」
自らの過去、そして両親の事、菜月の先導で一行は隠された洞窟に辿り着き、そこで遂に強力なエネルギー装置である<レムリアの太陽>を発見する。
一方、
「菜月ちゃんが、10万年前のレムリア人だったなんて」
ボウケンサロンでは4人が物凄い速さで状況を飲み込んでおり、レムリアの太陽に反応して飛び出していったズバーンの後を追って出撃。
「みんな! イエローちゃんとブラックくんを頼んだよ!」
本音は、〔レムリアの太陽>>>>>(千尋の谷)>>>イエローちゃん>>>(亜空間)>>>ブラックくん〕ぐらいかもしれませんが、珍しくボイスが個人を気遣い、不滅の牙以下の無茶苦茶な活動を見ている内に、ボイスにも多少の変化が生じているのかも。
「おまえの両親は、ここに、幼いおまえを眠らせた」
レムリアの太陽の側には、棺のようなカプセルが安置されており、その中には赤ん坊をくるんだと思われる布が。
「……お父さん……お母さん……」
「おまえは、5千年に1歳のペースで成長しながら、この中で眠っていた。そして……時が来て目覚めた」
「未来を侵略する時がな」
「なんだと?!」
菜月は甦る両親の記憶に想いを馳せ、回想シーンで登場するのは、土屋圭輔(元キリンレンジャー)×たなかりえ(元メガイエロー)という、黄色×黄色×黄色な親子。元メガピンクの子供はムキムキで目つきの悪いセロリマンでしたが、元メガイエローの子供は可愛い女の子でした(笑)
「レムリア人は、自分たちの文明が沈んでも、必ずいつか復活すると信じた。その為の兵士が、未来へ送り込まれた」
「そんな……そんな……」
「未来の人類を侵略する為の兵士。それがおまえだ」
「このレムリアの太陽は最強の兵器だ。おまえが兵士として送り込まれた証だ」
「さあ、おまえの両親の願いを今こそかなえよ。レムリアの太陽を発動させ、未来を侵略するのだ」
ジャスター連合は菜月にたたみかけ、菜月の動揺と記憶の混乱につけ込んでレイが洗脳ビームを発射。デザイン的には格好いいものの両者の差別化が薄れていたクエスターですが、今回はレイが終始、悪魔的誘惑を仕掛ける役目で特徴づけられていたのは良かったです。
「菜月ーーー!!」
「我ハ、レムリアノ人間」
駆け寄ろうとするもガイに背後から撃たれた真墨の目の前で、虚ろな表情となった菜月の髪をまとめていたヘアゴムが弾け飛び、髪型と衣装がチェンジ。真墨は手を伸ばしてゴムを拾い、そこにズバーンを追ってきたチーフらも駆けつける。
「クエスター! イエローに何をしたんですか!?」
「こちらは、レムリア文明最後の姫」
「さあ、いまこそレムリアの太陽の力を、邪機竜グランドに送り込むのだ」
「我ハ、未来ヲ侵略スル」
菜月の承認によりレムリアの太陽から莫大なエネルギーが放たれ、グランドが起動に成功。余裕綽々でジャスター連合は菜月を連れて去って行き、真墨はその後を必死に追いかける。
「菜月は俺が連れ戻す絶対に!」
残された4人は、全貌を見せた無敵戦艦ダイ、じゃなかった、恐竜戦艦もとい邪機竜グランドを食い止めるべくアルティメットダイボウケンとサイレンビルダーを召喚。冒険ロボは、“最低一人でも動かせるが、少人数ほど操縦性能とパワーが落ちる”というのが折に触れて明確に描かれているので、分割展開を呑み込みやすいし、戦いの苦しさが理屈で入ってくるのは良いところ。
また第24話で菜月がひとりアルティメットでジェノサイドしていたのは、菜月に影響を及ぼしていたレムリアの太陽のエネルギーによるもの、という事で一応の解釈は可能でしょうか(笑) 普段は無意識にセーブしているのが、テンションの高さによって引き出された的な。
陛下の超兵器グランドは、戦艦+ティラノサウルス、という実にストレートなデザイン。単なる巨大ロボではなくジャリュウ一族の戦闘母艦としての役割も持ち、次々と戦闘機部隊を出撃させる事で、戦いのスケール感がアップしています。更にズバーンが、どこぞの力押しでプライドの高いマッチョよりも、レムリア文明の正統後継者の女の子の方がいい、と出奔(笑)
ズバーンを食い止めようとするサイレンビルダーだったが、ダイソードモードの突撃により土手っ腹をぶち抜かれ、完敗。アルティメットダイボウケンも飛行部隊に囲まれつつ究極火の鳥を放つがグランドに通用せず、グランドの一斉砲火を浴びて合体が解除され、赤青桃は海へと投げ出されてしまう。
ゴードムエンジン×レムリアの太陽×大邪竜、悪のネガティブ企業連携により、ボウケンジャー壊滅が迫るその時――海中から浮上した巨大な戦艦が、3人を回収する!
「牧野先生……」
「これは?!」
「ゴーゴーボイジャー、サージェスの隠された戦力です。詳しい事は、後です」
これまで、新装備や強化展開には丁寧な前振りを仕掛けてきた今作ですが、時期とはいえ、ものすっごい唐突(笑)
今回のエピソード自体もやたらめったら展開が早いのですが、この時期、複数の仕事を抱えていたという會川さんの事情もあって詰め込めるだけ詰め込むという事になってしまったのでしょうか。
ボウケンジャーめ、まだあのようなメカを。だが我が敵ではない」
陛下は飛行恐竜部隊を次々と繰り出し、それをゴーゴーボイジャーの砲台で撃ち落としていくという、予想外の戦艦バトルが展開。どちらかというと、マイティジャックとか轟天号とか、円谷−東宝ラインを思わせるノリですが、そういう点では、バトルオリオンシップ(『宇宙戦隊キュウレンジャー』)の先祖めいた所もあるのか。
(俺が、俺があの場所に連れて行ったばっかりに、菜月が……!)
一方、菜月の気持ちを思ってした行動が裏目に出た事を悔いる真墨は、菜月を見つけて駆け寄るも行く手を黄金の剣に阻まれ、菜月自身により、貴様に王子様の資格は無い、と黄金の剣でずばずばーん。
「我ハ、レムリアノ人間。……我ガ使命ハ、人類ヲ滅ボス事」
「菜月ーーーーー!!」
菜月はWクエスターと共に姿を消し、真墨の絶叫が木霊する……で、つづく。
菜月の記憶の回復に始まり、幾ら何でもちょっと早すぎるのではという怒濤の展開でしたが、不滅の牙よりも主筋を選ぶズバーン、というのは、アクセントとしても、ズバーンの使われ方としても面白いポイントになりました。次回、果たして伊能真墨は、間宮菜月の王子様になれるのか?!


◆Task.34「遙かなる記憶」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:大和屋暁
ナレーション「失われた菜月の過去が明らかになった。菜月は、古代レムリア人だったのだ」
ざっくり(笑)
「その危機に登場したのは、サージェスの隠された戦力、超絶巨艦・ゴーゴーボイジャーだった」
満を持した秘密兵器、というより、後ろ暗いから隠していた危険物、としか思えない、安定のサージェス財団クオリティ。
その正体は、ナンバー1−13のゴーゴービークルとは別チームで開発されていたが、あまりにも強すぎて欠番予定となっていた新型のビークルであった。
個人的には、建機路線の究極として期待していたゴーゴーバケットホイールエクスカベーターではなく残念です(笑)
「ホントは、使いたくなかったんですが、今回は、皆さんがピンチだったので、特別に発進させたってわけです」
もう少し、世界の実効支配を進めてからでないと、反対勢力から批判の的になりますからね!
<レムリアの太陽>からの供給エネルギー不足でグランドは撤退し、緊急出撃で調整不足のボイジャーも、ボイスの厳しい命令で追撃を断念。基地に一時帰還したチーフ達は真墨との合流を目指し、丸投げされた牧野先生はボイジャーの最終調整を急ぐ事に。……ここまでの蓄積もですが、この後の諸々も合わせて改めて、牧野先生は超優秀な技術者のようで、アトランティス文明の研究は趣味なのでしょうか。
菜月はジャスター連合の地下基地でレムリアの太陽に力を充填し、グランドが出現した巨大な穴を発見した真墨は、単身で地下へと突入…………なんか、ヒーローぽいぞ!(おぃ)
真墨が真っ当に活躍すると、急速に死亡フラグゲージが溜まっているように見えて、ハラハラします(笑)
だがしかし、遺跡のトラップ解除はお手の物(?)でも、現代文明のセキュリティは専門外の真墨は、地下基地に潜入した途端にあっさりセンサーに引っかかり、陛下自らその迎撃に出陣。前回今回とトカゲ兵士が一切出てこないのですが、第2話の「部下など幾らでも作れるわ!」発言からトカゲ兵士は陛下自身が生産しているのかと思え、グランド生産に手一杯で雑兵を生産できなかった、という事でしょうか。
「菜月はどこだ」
「知る必要はない。おまえはここで死ぬのだからな」
「菜月を助け出すまでは――死ぬわけにはいかないんだ!」
「たわけ!」
真墨は陛下の放った弾丸をアクセルラーの車輪部分で受け止めながら加速する事で、世界で二番目のトレジャーハンターらしくスタートアップし、夢の力と愛の力が、今、激突!!
「やるな。だがいいのか? もたもたしているとあの女、死ぬぞ!」
「なに?!」
「レムリアの太陽は、あの女の生命エネルギーを吸収し続けているのだ」
陛下は動揺したブラックを滅多切りにし、チーフ達の接近を感知したガイも、地上へ迎撃に。……意外とチームワークに優れているぞ、ジャスター連合(笑)
消息不明になっていた映士は、てっきりチーフ達がガイに苦戦している所に颯爽と現れるのかと思ったら、事前にさらっと合流してしまい、ちょっと扱いが悪い(^^; ……まあこの後の成り行きを考えるとシルバーvsガイのマッチアップを組めなかったのでしょうが、アシュに対するこだわりが既成事実の積み重ねで溶け去っている事になりつつあるのも、この先で吉と出るか凶と出るか若干不安。
「よお〜、ボウケンジャー! お揃いでどちらへ?」
「決まってます! 菜月を、仲間を連れ戻すんです」
「ふ、無駄だ。あの女は、もう、おまえたちの仲間じゃna〜i!」
「無駄かどうかは俺たちが決める」
4人は変身するも、ガイに大苦戦。
「ざまぁねぇな、ボウケンジャー。そういうの、無駄な努力っていうんだぜ」
「言ったはずだ。無駄かどうかは、俺たちが決める!」
必殺《俺は既にいい事を言った! このボウケン(びしっ)レッドが!》が発動し、自己肯定力を身につけたチーフは入学試験を除けば無敵だ!
そこへ牧野から調整完了の連絡が入り、チーフはゴーゴーボイジャーをアンドック。……て、え、クエスターガイを、戦艦の主砲で木っ葉微塵にするの?(^^;
前回は海中から浮上したボイジャーの基地出撃シーンが改めて描かれ…………描かれ…………マイティジャックか轟天号かと思っていたら、バイク戦艦(アドラステア)だった衝撃。
優位に戦いを進めていたガイは4人が乗り込んだボイジャーの巨大な車輪で無惨に跳ね飛ばされ、菜月のアルティメットジェノサイドを拾いつつ、どう考えても『Vガンダム』です。
いくつもの朝を迎えいつかきっと掴んでみせるのです。
サー○ェス財団「我々はこれより、プレシャスによる地球クリーン作戦を遂行する!」
4人がそのままボイジャーによる突入を敢行しようとする一方、竜王陛下のドリームギャラクシーに追い詰められていたブラックは、土壇場で王子様力を発動、アモーレハンマーを直撃させて逆転勝利を収めると、菜月の元へと駆ける。
「馬鹿野郎! 目を覚ませ、菜月ぃ!」
菜月の生命エネルギーがレムリアの太陽に吸い尽くされてしまうのを阻止しようとする王子様は菜月担当のレイの妨害を受けるが、そこへ天井の大穴から突入してきた4人が合流。
「明石……みんな……菜月は俺が、必ず連れ戻す!」
「よしブラック、クエスターは俺たちが排除する」
「菜月は、あなたの手で、必ず!」
あくまで前に進み出る真墨王子の想いを汲んだチーフら4人は一斉にレイに組み付くと、ブルーのジャイロでレイを地上へと強制排出。菜月に駆け寄ろうとするブラックだったが、その前に立ちはだかるのは最後の砦、黄金の剣。再び剣を手にした菜月の一撃は炎を巻き起こし、直撃を受けた黒は変身解除。
「我ガ使命は、人類ヲ滅ボス事」
「……菜月……」
真墨は菜月との走馬灯モードに入り、思えば荒川さんが蒔いた種が(本人その後参加していないのに)すくすく育ち、思いの外ストレートに開花(笑)
「菜月ぃーーーー!!」
立ち上がり、炎を飛び越えた真墨は、背後から菜月を渾身のハグ。
「過去も未来も関係ない。菜月は菜月だ! 俺の、俺たちのパートナーだ。ボウケンイエローだ!」
ちょっとへたれた(笑)
「イエローは、絶対戻ってくる!」
「ブラックが、必ず取り戻してくれる!」
「信じてるぜ、真墨!」
「信じてます、菜月!」
お姫様を抱きしめる真墨の王子様力が限界に達した頃、地上では4人がレイと激闘を繰り広げ、「コードネーム」と「個人名」をそれぞれに振り分けているのが、「本音/建前」を大事なキーとする今作らしくて良い叫び。また今回に入ってから、あのさくらさんが終始、「イエロー」ではなく「菜月」呼びなのは緊迫感を高める効果も発揮しています。
「……なつき……ボウケン・イエロー?」
「そうだ菜月、目を覚ませ! 俺たちは仲間だ!」
「仲間……」
真墨、そして、4人の言葉が届いたのか……菜月の中に、間宮菜月――ボウケンイエローとしての過去が甦り、自分を取り戻した菜月は、レイの洗脳を解除。
(菜月は、ボウケンイエロー)
ここで、個人が社会と結びついた時に自己が確立するというのが、実に『ボウケンジャー』で、前後編の後編だけの担当ながら、大和屋さんが上手く作品のテーゼを組み込みました(この辺り、會川さんから引き継ぎもあったとは思いますが)。
「おまえ……おまえの名前は?! 俺が誰だかわかるか?!」
「なに言ってるの真墨。菜月は菜月、間宮菜月だよ?」
「……戻った……戻った!」
服装も元に戻った菜月を感極まって真墨は抱きしめ、後で思い出して3日ぐらい自室の床をのたうち回る事になりそうですがまあそれは置いておいて、途中までエネルギーが充填されたレムリアの太陽を回収していく陛下。
「レムリアの太陽はいただく。勝つのは我らだ!」
ここで「ら」と言ってしまう辺り、やはりいい人なのでは陛下……。
「おお、グランドが動き出したか。遂にやったな、リュウオーン!」
地上でグランドの起動を確認したレイの台詞回しも、何やら友情パワーを感じます(笑)
「行けるか――菜月」
「任せんしゃい」
真墨は大事に懐に収めておいたヘアゴムを菜月に渡し、いつもの髪型に戻った菜月とともに、チーフ達と合流。そこへ轢死寸前だったガイが復帰するが、いいも悪いもレムリア次第、段々とオートバジンめいてきたズバーンがボウケンジャー陣営に帰参し、シルバーと共にクエスターの足止めを担当する。
菜月も変身して5人揃ったボウケンジャーがゴーゴービークル14−18へと乗り込み、再発進したゴーゴーボイジャーは、グランドがレムリアの太陽の力で生成した要塞群を巨大なタイヤで轢き潰して浄化していく。
……なんかホント、サージェスが一周回ってアクタガミ(ゴセイナイト)になっているんですが(笑)
「みなさん、ゴーゴーボイジャーには、まだまだ沢山の機能が、搭載されています」
「よし、ぶっつけ本番だ!」
「ちょっとした冒険、行ってみよー!」
「「「「「超絶轟轟合体!」」」」」
ボイジャーを構成する5台のビークルコマンダー・キャリアー・ファイター・アタッカー・ローダーが、ボイジャーフォーメーションによりフルCGの分離変形から人型に合体。スケールが縮小されている気がするのはパラレルエンジンの神秘として、何が凄いって、両の拳がローラー(笑)
噴射口の中から何故か拳が出てくる(お約束)とか、いっそブースターで直接殴るとか色々ありますが、タイヤの拳でクリーンにする、というのはなかなかに珍しいような。

人々は油断してる 自分は大丈夫と
そうじゃない 遊びじゃない
鋼の獅子 吠えたける

「「「「「ダイボイジャー、合体完了!」」」」」
……あれ、シルバーの席が、根本的に無いよ?(涙)
グランドに始まって、ゴーゴーボイジャーを挟んでダイボイジャーまで、なんとなく一連のメカデザインに『大鉄人17』を思い起こすのですが、ダイボイジャーは、両腕のローラーといい足回りの四角くて重い感じといい、ローラーロボ×ワンセブン、な印象。
大鉄人17』は作品としては色々あれでしたが、主役のワンセブンといい、敵側のブレインロボといい、時に人型を完全に崩したメカデザインはなかなか面白いのです。
ダイボイジャーのパワーは負けやしない」
全身の火砲をグランドに撃ち込んだダイボイジャーは、敵がひるんだ所に接近すると、両の拳をスクリュー回転して繰り出す、必殺の冒険轢殺ナックルでグランドを殴り轢き殺し、地球汚染源を浄化。
「まさか、グランドのパワーを上回るとは。ダイボイジャー、恐るべき力。うわぁぁぁぁ!」
グランドは大爆発、陛下は珍しく脱出成功(?)し、それを見たWクエスターは例のごとく例のようにすかっとトンズラ。やはり生き残るコツは余計なプライドを持たない事だと思われますが、そういう点で、今作の敵サイドであるネガティブシンジケートは陛下を除いて、逃げると決めると早い(笑)
「お母さんとお父さんが、これに菜月を眠らせたのは、どうしてかな? やっぱり、クエスターが言ってたように……」
サージェス財団への不信感は高まる一方だが、とにかくにもボウケンジャーは大勝利を収め、人工冬眠カプセルを見つめていた菜月のブレスレットがレムリアの太陽に反応すると、両親の映像が浮かび上がる。
「リリーナ、君がこの映像を見る頃、君は幾つになっているかな」
レムリア文明崩壊の寸前、未来への一縷の希望にかけてカプセルで眠りにつかされた小さな命、それが菜月であった。
「リリーナ、お父さんとお母さんの、最後の願いを聞いてくれ。未来で、平和に、精一杯生きるんだ。そして、幸せになれ」
「レムリアの太陽を、あなたに託します。幸せな未来を築くために、使うのよ」
劇中では破壊のエネルギー源として使われたレムリアの太陽が本来は希望を込められたプレシャスであり、道具は結局、使う者次第である、というのはボウケンジャーそれ自身を含め、今作全体のテーマの一つといえます。
「未来を、頼んだぞ、リリーナ」
「元気でね。私の、可愛いリリーナ」
「…………お父さん、お母さん……」
「良かったな」
両親の本当の想いを知った菜月は、ひとまずレムリアの太陽を封印。
「おい、いいのか?」
「いいの。だって、菜月は菜月だから。真墨が言ったでしょ?」
「そりゃあ言ったけど」
「それに、このプレシャスがなくたって、菜月は十分幸せだから」
道具は使う者次第であり、また、使わない事を選ぶことも出来る……レムリア文明と菜月の関係から両親の真実まで、予定調和の展開ともいえますが、“道具の意味”を絡めつつ、穏当に着地。
「チーフ、みんな、迷惑かけてごめんなさい。菜月は、間宮菜月でボウケンイエロー。そういうわけなので、これからも、よろしくお願いします」
そして、自分だけの大切な宝――間宮菜月である事そのもの――を見つけ出した菜月は、海に向かいブレスレットを見つめながら、心の中の両親へ微笑みかけるのだった。
(お父さん、お母さん、菜月は元気だよ)
で、つづく。
もう少しじっくり時間をかけるのかと思っていた菜月の正体(レムリア文明との関係)が一気に明かされると共に、菜月が一足早く自分だけの宝を見つけ、そこに新ロボ登場までを詰め込んだ、怒濤の前後編。正直、菜月の正体関係は急ピッチすぎると感じましたが、會川さんの後を受けた大和屋さんが基本的な構成能力の高さを発揮し、今作これまでのテーゼを織り込みつつ、なんとか滑走路内での着地に成功させてくれました。
各ゴーゴーボイジャーの追加からスーパーダイボウケン(第11話)、そしてアルティメット(第16話)までの流れが段階を踏んでよく出来ていただけに、サイレンビルダー(第20話)を経て1クールあった割にはダイボイジャー登場はどうにも唐突になりましたが、戦艦→5台のメカが分離変形→人型に、というダイボイジャー自体は、タイヤナックルのインパクトも含めて好きです(笑)
最近すっかり忘れていましたが、考えてみると今作は車戦隊の要素も持っているので、むしろ初期コンセプトに回帰した結果、バイク戦艦になってしまったのか。
中にシルバーの席が無いのは気になりますが、今後、追加アタッチメントがあるのだと期待したいところ。そして、ズバーンに風穴開けられたサイレンビルダーが殉職していないか、安否が気になります。
次回――ガジャ様は銭湯で壁の富士山を見つめながら「ふるさと」を歌っているのでまたお休みです。