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『轟轟戦隊ボウケンジャー』感想・最終話

◆Last Task「果て無き冒険魂」◆ (監督:諸田敏 脚本:會川昇


命がけの冒険に、今日も旅立つ者がいる。
密かに眠る危険な秘宝を守り抜く為に、
あらゆる困難を乗り越え進む、冒険者達!

省略はなく通常OPで本編へと入り、ノリノリのジャリュウを見る事が出来ました!
巨大デスペラート出現により絶体絶命のその時、チーフの操縦するダイボイジャーが駆けつけ、搭乗を指示されて「アタック!」する真墨、「まだチーフやってる」という可哀想な子扱い(笑)
そして座席が足りない為、菜月の席に強引に座ろうとした映士は、「ちょっと映ちゃん邪魔だよー」扱いを受ける(涙)
プレシャスバンクが自爆した際、遂にリュウオーンとわかり合う事かなわなかったチーフは床に投げ捨てていたズバーンに救われ、九死に一生を得ると牧野と合流。牧野やサージェスのスタッフと突貫でネオパラレルエンジンの改造作業を行う為に、姿を隠していたのだった。
「それまではお前達が時間を稼いでくれると、信じていたからな」
「勝手に信じるな!」
「結局明石は、明石だな」
一年間を通して身につけたのは、無敵の自己肯定力です。
俺は俺を信じているから俺が信じているお前達を信じているのだ!
生身にも関わらず普段以上のパワーを発揮する6人は、巨大ズバーンをボウケン轢殺ナックルで打ち出す合体技・ゴールデンスパイラルクリーニングにより、デスペラートを浄化。
「さて、ガジャが来る前に、こっちからお迎えだ」
繭を割ったガジャの反応が目の下にクマの浮いた牧野先生からもたらされ、6人は懐かしのゴードム遺跡の島へと乗り込んでいく。
「真墨が失敗して、浮上させちゃったんだよね」
「……余計な事を言うな」
最終回まで、過去のやらかしをほじくり返すのが身内に厳しいボウケンジャースタイルですが、これが実は後々の伏線に。そして6人の前に、心臓の力で着ぐるみ怪人と化したガジャ様が姿を見せる。
「我が名は、ガジャドム。かつて大宇宙より飛来し、巨大なる破壊神あり。その名はゴードム。その脳髄と心臓は、偉大なプレシャスとして、ゴードム文明に遺された。それを取り込み、我はゴードムを超える――神となる」
ガジャ様が宇宙生命体なのかはわかりませんが、謎だったゴードム文明は大宇宙由来であると判明し、最終回にして広がる風呂敷。……まあ大宇宙には、神秘とロマンが一杯なのです。
迷走から立ち直って原点に回帰し、あらゆるプレシャスを吸収する(支配下に置く)事で高みに立ち、自ら神になれると思い込む所まで自己肯定力を高めたガジャ様改めガジャドムはスペースサンダーでによる範囲攻撃6人を吹き飛ばすと、ダイボイジャーに搭載されたプレシャスを吸収しようと光を放つ。
「チーフ! ボイジャーのプレシャスが取られちゃうよ」
「落ち着け! 明石暁が、何も考えずに来るとは思えない」
来そうな気が……
だがチーフはニヤリと笑い、ガジャドムはダイボイジャーのパラレルエンジンにプレシャスが内臓されていない事に気付く。
「プレシャスがない?!」
「その通りだ。牧野先生が頑張ってくれた」
なぜかチーフが偉そうに胸を張っていますが、
牧野先生、マジ凄い。
歴代シリーズ屈指の有能さを最終回でも発揮した牧野(以下スタッフ)により全てのビークルからプレシャスが取り出されており、ボイスによるビークル緊急封印はこの作業の為の時間稼ぎであったと判明。そしてプレシャス無しでもビークルが起動するのは――
「ネオパラレルエンジンの最終リミッターを解除しただけさ。とにかく――」
それは解除していいものなのかどうか大変不安が募りますが、ガジャドムのスペースファイヤーを受けながらも立ち上がった6人は、揃って生身でフル名乗り。

「熱き冒険者、ボウケンレッド!」
「迅き冒険者、ボウケンブラック!」
「高き冒険者、ボウケンブルー!」
「強き冒険者、ボウケンイエロー!」
「深き冒険者、ボウケンピンク!」
「眩き冒険者、ボウケンシルバー!」
「果て無きボウケンスピリッツ!」
「「「「「「轟轟戦隊・ボウケンジャー!!」」」」」」

そしてビークルの封印解除により、ボウケンジャー、スタートアップ!
から勢いで倒されるかと思いましたが、ガジャドム強し。
「あいつには俺様達の攻撃が通用しないのか?!」
「いや。奴はまだ<ゴードムの脳髄>を得ていない。不完全だ。絶対に倒せる。そう信じるんだ」
「そうだな。そう信じる」
精神的全裸防御を身につけた伊能真墨は、無敵だ!
赤のサバイバスターを手に取った黒は、「撃ってみろーーー!」と叫びながら両手を広げて突撃していくという精神的全裸道の極みを見せると、スペースビームで蜂の巣にされながらもガジャドムに取り付き、その油断を突いて脇腹に零距離射撃。よろめいたガジャドムをハンマーで吹き飛ばすと、そこからチーフのレッドゾーンクラッシュに皆が続く個人武器ラッシュが怒濤の如く繰り出され、最終回ならではの変則合体攻撃という感じで格好良かったです。
チーフによるトドメの追撃から6人並んで背中を向けるとガジャドムは大爆発し、やはり前々回の陛下に足りなかったのは、このワンモーションだと思うわけです。
しかし爆炎が収束するとガジャドムは巨大化し、5人の乗ったダイボウケンと銀の乗ったバイク戦艦によるライディングアドベンチャードライブすら受け止め、ボイジャー木っ葉微塵。
「プレシャスの無いビークルでは、話にもならん」
「それはどうかな!」
「まだまだだよ!」
数多の全滅寸前を乗り越えてきたボウケンジャーがもはやこれぐらいの事でへこたれる筈もなく、今、盛り上がる自己肯定力で改めて究極轟轟合体! ときっちり見せてくれるのは、序盤から追加ビークルの物語への組み込みを重視してきた今作らしい構成。
「シルバー、おまえも来い!」
「おう!」
哀れダイボイジャーと一緒に殉職も懸念されたシルバー、生きてて、呼ばれて良かった(笑)
……が、席は無いので棒立ちなのであった。
……まあ一応、コックピットに居る事でアクセルスーツによるエンジンとの連動効果が発揮されるのかと思ったら、シルバーも含めて6人の姿が光に包まれ、放たれたアルティメット飛び蹴りがガジャドムをよろめかせる!
「なんだこのパワーうはぁぁぁ?!」
「ダイボウケンのパワーの源は今、俺たち自身だ!」
「ありえん。人間がパワーとなるなど!」
「人が夢見る様々な可能性……その想いがプレシャスを作った。パラレルエンジンはプレシャスに込められた人の想いを、現実の力に変える装置だ。だからリミッターを全解除した時!」
「パラレルエンジンは、私たち一人一人の想いを」
「希望を、夢を」
「そのまま、力に変える」
つまり今こそ、愛とか正義とか夢とか希望とか勇気とか絆とか、目に見えない力(の源)を、1年間の冒険を通してボウケンジャーが遂に振るえるようになった(からこそのリミッター解除である)、というのを、パラレルエンジンという触媒を通す事で劇中における説得力を持ってロジカルに具体化するという、會川さんがまたややこしい事を(笑)
しかし正義を標榜せず、メンバー間で大人の距離感を保ち、本音と建前を共に尊重する、ボウケンジャーという戦隊の到達点として、前回の「仮面を捨てて剥き出しの本音を叫ぶ」というシチュエーションにもう一つ頷けなかった身としては、この落とし込み方に物凄く納得。これこそ、“ボウケンジャーならでは”の到達点と思えますし、丹念なロジックに取り込みつつ“想い”という要素を劇中の事柄と重ねて人間という存在の持つ力を肯定的に扱っているのも良いところ。
「まるで、俺様たちがプレシャスになったみたいだな」
「ふっ……さあ行くぜ、プレシャス諸君」
これがつまり、闇を乗り越えるという事なのか。

GoGoGo! GoGoGo! Ready Go!
すすめ!ボウケンジャー
地球の果てまで 目指せ!ボウケンジャー

流れ始めたOPをバックに、心の光で炸裂するアルティメット火の鳥。ここで全員が気合いを入れるとスーツが燐光を放つ(リミッター解除したパラレルエンジンと連動したアクセルスーツのハイパー化現象)事により、ヤイバ先輩との決着においてブラックが放ってしまった「光の力」とはつまり、真墨の中の想いの力がパラレルエンジンと共鳴して一時的にアクセルスーツの限界以上の性能を引き出していた、という解釈が可能な範囲に。
続けて放ったドリルアタックを受け止められ弾き飛ばされてしまう究極ダイボウケンだが、空中で緊急分離するとレスキュービークルも召喚し、ビークル大集合による総攻撃、というのは実に今作らしいこだわりのラストバトル。
作品の特性として、最後まできっちりとビークルを大事にする姿を見せてくれたのは嬉しい。
「貴様ら人間の夢など、力を求めるものばかり。それがプレシャスという滅びの力を、生み出してきたにすぎない」
「プレシャスは、滅びの力なんかじゃない。その真の意味は――未来へと受け継がれる、人類の生きた証」
そしてガジャドムがプレシャスの負の面を真っ向から突きつけ、チーフがそれを敢然と否定するのに頷くメンバーの姿で、「プレシャス」という存在の二面性を最後の一押し。
またメタ的には、先人達の築き上げてきた様々な物語があってこそ今の作り手が居るのであり、過去を大事にすると共に未来へ継承していこう、という“願い”を物語と繋げる形で強調。
そしてその中で、各々が見つけ、作り出すのが――自分だけの宝。

君は出会うだろう ただ一つだけの
宝が誰にも眠っているんだ

そんな想いを持っているこそが皆――
「常に未知の世界を求める、冒険者の魂だ!!」

GoGoGo! GoGoGo! Ready Go!
すすめ!ボウケンジャー
ミッション! それは情熱! 最高のチームワーク!

吠えるチーフのダンプを戦闘に、次々とメンバーの操るビークルがガジャドムへと突撃していき、最後の大技は、まさかのビークル乱舞。

発進!アクセル踏んで
燃えろ!アドベンチャー
世界が待ってる 行くぜ!ボウケンジャー Ready Go!

未来を夢見た人類の意志、そしてそれを継承して未知の世界を切り拓いていこうとする冒険者達の魂、その力により遂に、希望を食らい尽くし絶望を撒き散らそうとした3つのゴードムエンジンが砕け散り、ガジャドムは大爆発、ゴードム遺跡の島は崩壊し海中へと沈んでいく……。
冒険者達め……」
ボウケンジャーが各ビークルで島から脱出していく中、元の姿に戻ったガジャはよろけながらも遺跡の内部へと向かう。
「またしても敗れるとは……愚かな人間の夢などに」
この最終回、物語序盤からの位置づけはともかく、道中の出番の少なさや“個人としてのガジャ様”の掘り下げの弱さから、性格としても思想としても最後の敵としてのガジャの存在感の薄さが若干盛り上がりに欠けて引っかかっていたのですが、このラストで、ウルトラC。
「またいつか、必ず甦らん」
自ら棺に身を横たえたガジャが石と化すと棺の蓋が閉じていき、ガジャが以前にもこういった形で封印された事が示唆され、封印するのも人間なら、甦らせてしまうのもまた人間であり、ガジャという存在が「個人」ではなく、ゴジラ的な「シンボル」と化す事で、鮮やかに着地。これはお見事でした。
6人は眠りについたガジャ様(裏ヒロイン)を乗せて沈んでいく島を見つめ……どうでもいい脱線ですが、逆巻く波が岸壁に打ち寄せる中で崩壊していく孤島、という映像を見るとナチュラルに『コンドールマン』第11話を思い出して困ります(笑)
「僕たちがプレシャスだなんて、妙な気分ですね」
「プレシャスが人の夢なら、私たちの中にも、それはあります」
「これからも菜月たち、冒険できるんだよね」
「ああ。ネガティブは居なくなったりしないしな」
「それにしても、沢山のプレシャスが失われちまったな」
「また探せばいい。プレシャスのある所ならどこまでも行く。ボウケンジャーの冒険は――無限だ!」
必殺《俺は既にいい事を言った! このボウケン(びしっ)レッドが!》。
……チーフはホント、研究資料や文化財としてのプレシャスはどうでもよくて、プレシャスを求める過程のドキドキこそが至高だし、究極的には「未来へと受け継がれる、人類の生きた証」としても現物よりそこに込められた想いがあればいいと納得できてしまうのがどこまでもチーフで、それは「俺が選んだんだ!」と引っこ抜いた大事な剣も無造作に放り投げるわけですね!!
……――そして半年後。
シルバーが正式発足したサージェスレスキューとして活動し、立派な社会人となった一幕が描かれるのは、やはり會川さん的に映士のテーマ性として気にかかるところだったのか。
「なんとかサマになってきたな。この仕事もなかなか冒険だぜ」
火災現場から助け出した少年に生野菜の大切さを伝え、一息ついた映士が真墨からの通信に「久しぶり」というリアクションなのも、5人から離れて映士の世界が広がりつつある事を窺わせ、良いフォローになりました。
そんな真墨からの緊急連絡の内容は……
「ゴードムやハイド・ジーンのように、宇宙から来たプレシャスもある。宇宙にもプレシャスが散らばってるんだ。誰かが調査しなきゃならない」
なんと明石暁が改造したダイボイジャーに乗り、一人で宇宙へ旅立とうとしているという事だった!!
どうやら出発当日まで何も伝えられていなかったらしく、怒る映士と拗ねる真墨。
どこまでも通常運転の不滅の牙ですが、友達だと思っていた相手から全く友達だと思われていなかったという事実を、最終回にして宇宙旅行という形で突きつけられる映士が、新たな闇の力に覚醒しないか大変心配です。
「なんでだよ?! ボウケンジャーは無限だとか、おまえが言ったんだぞ! それがまた一人だけ」
必死に翻意させようとする真墨だが、何故かその胸ぐらを掴む不滅の牙(笑)
「プレシャスがあるところならどこまでも行く! 真墨――後は頼むぞ」
不滅の牙は自分の中の闇を乗り越え、精神的全裸防御を身につける事でたくましく成長した世界で二番目のトレジャーハンターに向けて手を差し出し、その決意の固さを認めた真墨は、手を合わせる代わりにぱしっとはたいてみせる。
「……宇宙から戻ってきてももう、おまえの居場所は無いからな」
「その時は奪い返すさ。この不滅の牙がな」
これにて真墨はチーフから親離れし、不滅の牙はそんな真墨を対等な男と見なし、拾い残した個人の要素を詰め込んでまとめてくるのは、さすがの會川さん。
そしていよいよ、妙ににこやかな蒼太と菜月、先程からしゃちほこばった口調で何故か作り笑いのさくら、言葉を失う映士、背中を向けたままの真墨を残し、チーフ、宇宙へ出発。海面を割るダイボイジャーの離陸シーンからEDテーマが流れ始め、地上からそれを見送る5人。
さくらさんが十把一絡げに居残り組にまとめられてしまい、これはまさかの某宇宙刑事エンドなの……でもそれにしては様子がおかしいような……と思っていると……
「先生、もういいですよ」
「……そうですか」
「「あーーーーーーーーーー?!」」
そこに居たさくらはなんと牧野先生の変装で、声を合わせて驚く闇の力ブラザーズ。
「本物のさくら姐さんは、どうしたんだ?」
「……まさか?!」
真相に気付いた二人は脱力してチーフへの憤懣がどこかへ吹き飛び、蒼太・菜月・牧野は、「大成功」と大喜び。
たぶん「知っていると顔に出るから」と作戦を知らされていなかった真墨と映士の扱いが酷すぎるのですが、いつの間にやら騙す側に加わっている菜月の半年間での成長が凄く不穏です。真墨、真墨、君が子離れできない内に、菜月は既に親離れしている可能性があるぞ!!
そしてあのチーフすら完全に欺く牧野先生の変装術が凄いのか(変装時に「アトランティス」という単語を口に出すという、牧野先生のキャラを出しつつの上手い伏線あり)、チーフのさくらさんへの興味が薄いのか、色々と不穏です。
なお、変装解除した時に牧野先生がぴちぴちのタイトミニ姿だったら最終回にしてちょっとした冒険すぎてどうしようかと思いましたが、さすがにそれは回避されました。
牧野先生、ホント優秀。
そして飛び立ったダイボイジャーのコックピットでは……これからの冒険に意気揚々と胸を躍らせる不滅の牙の背後に、おずおずと姿を見せる西堀さくら。
「……さくら?! おまえなんでこんなところにいるんだ?!」
不滅の牙、番組史上最高の驚愕(笑)
「チーフ、いえ、明石……さん。私も、宇宙プレシャス探索に、加えてください。お願いします」
椅子の陰にちょっとずつ隠れながら喋るのが、最終回にしてあざとい(笑)
「え……あ、なに言ってるんだ?」
すっかりソロプレイ気分だったので、一瞬、素が出る不滅の牙。
「これは危険な任務だ。だからお前を連れて行くわけには」
「まあ、ついてきちゃったものはしかたないよ。二人とも、仲良くね」
そこにボイスが割り込んでフォローを入れ、さすがになんとなく、全て仕組まれたものである事に、きっと気付いた。
「……戻るわけにもいかないな」
「はい!」
いい笑顔を浮かべるさくらさん、だが……
「しかしさくらがそんなに宇宙プレシャスに興味があったとはな」
「えぇ?!」
この人、俺が宇宙プレシャス一番乗りの筈だったのに……とライバル意識を燃やしているだけだった。
「私が一緒に行きたいのは! …………もういいです」
不滅の牙と真っ正面から見つめ合ってしまったさくらは、小声で呟くと諦めて座席に腰を落ち着け、押し切れないのがさくらさんではありますが、押しかける所までやってくれたのはグッジョブでした(笑)
前半から規定事項として展開していた桃→赤→冒険、の関係性、最終回でさくらさんの可愛げ全開で一押ししてエンディングに繋げてくれたのは大変良かったです。
不滅の牙、一人で冒険させると、確実に星間問題を引き起こしそうですしね!
「まったくレッドくん、鈍感なんだから」
そして<ゴードムの脳髄>を傍らに、どこかで不滅の牙をそう呼んだのは、あの謎めいた少女。
「ピンクちゃん、頑張ってね」
少女はボイスの声でエールを送り、ボイスのボイスはボイスチェンジャーのボイスだったのー?! と前回匂わされた要素が映像的に回収されましたが、少女は何者なのか、ミスター・ボイスとは何か、という点についてはハッキリ語られず。……これまで見せた判断からすると、見た目通りの年齢ではないのか、複数存在するのか、という感じですが、まあ、この辺りは會川さんの途中離脱で描ききれなかったけど折角設定があったので少し見せたかったという事だったのでしょうか。
手法としてはあまり好みではありませんが、少女のキャスティングが雰囲気出ていたのと、最後のフォローが良かったので、まあ良しという事で。……にしてもそこに無造作に置いてある脳髄は、いったいどんな実験に使うつもりなのか、大変不穏です。
そして舞台は再び地球上へと戻り……プレシャスを巡って争うダークシャドウとジャリュウ一族。ジャリュウ一族が生き残っているのはやや強引な気がしますが、「悪の組織を壊滅させるのが目的ではない」という特色を最終回で押し出すのにダークシャドウだけだと弱かったので、判断としては良かったと思います。
またトカゲ兵士が「陛下の遺志を継ぐ」と発言しており、思えば陛下の遺伝子情報(?)から生まれたトカゲ兵士の中にも「冒険者の魂」が存在しており、陛下亡き後に「独立」してプレシャスを求めて「冒険」するトカゲ兵士は、間接的にリュウオーンが冒険者として転生した姿と言えるのかも知れません。
ゲッコウ様もたくさん羽ばたく両者の争いに割って入ったのは、ボウケンブルー、そしてイエロー、ブラック。
ボウケンジャー、なんでいつも出てくるのよ!」
プレシャスは、強いもん勝ちだからねぇ!
途中からシルバーも参戦し、ジャリュウ一族とダークシャドウは撤収。
デスペラート撃破に一役買うも、最終決戦には不在で、アイテムとしてはともかくキャラクターとしてはどうにも中途半端な扱いになってしまったズバーン(どだい色々と無理がありましたし、會川さん的にも登場が本意ではなかった感がどうもありあり)は、どうしたかと思ったらここでイエローが振り回していました。
ダイボイジャーに積み込まれていたらチーフを巡る恋の鞘当てが大変ややこしい事になっていたと思われるので、菜月グッジョブ(笑)
「レスキューの仕事はどうしたの?」
「新しい赤いのと桃色のが入るまで、頼りないチーフを助けてやれってさ」
「そうそう蒼太。まだまだ詰めが甘いよ、チーフ」
「頑張ろう、チーフ」
「……チーフチーフって、うるさいんだよおまえら」
不滅の牙が去ったボウケンジャーでは真墨が新たなチーフに任命されており、前回の真墨の描写は、チーフ代替わりの為であった、という事で納得。……つくづく真墨は、リーダーに突っかかる少年キャラポジション(笑)
「見えるか! さくら姉さん。明石。未来は俺に任せろ」
空に輝く星に向けて勝ち取ったプレシャスを見せつけて指を鳴らし、元チーフの扱いが勢いで戦死者めいているのもそれっぽいです(笑)
「いつまでも仲間だ」
「また会う日まで、お元気で」
「みんなありがとう」
地球を離れたチーフとさくらに向けてという体裁を取りつつ、カメラ(TVの向こう側)へ向けたアップでメッセージ。
「これからも、よろしくお願いします」
「どこまでも、行くぞ!」
そしてチーフとさくらを乗せ、本当の意味でバイク戦艦となってしまったスペースダイボイジャーは、まだ見ぬプレシャスを求めて遙か宇宙に旅立つ……と「ボイジャー」という玩具名称が決まった時点から狙っていたりしたのか、「冒険バカ一代」「悪の組織を倒して終わりではない構造」「果て無きボウケンスピリッツ!」の全てを汲んでふさわしい、地球を飛び出して冒険は続く!という美しいエンド。
各ネガティブとの決着をつけていく段階に入ってから、初登板の武上純希やほとんど書いていない荒川稔久に出張ってもらわないといけなくなる、というメインライター不在の状況が響き、致命的な大惨事には至らないまでも中盤までの出来と比べるとどこか物足りない部分の目立った今作最終章でしたが(そもそも作品として情報量と処理すべき案件が多すぎた、というのもあり)、光と闇、ラスボスの存在感の弱さ、真墨の立ち位置、など個人的に引っかかっていた要素に関しては概ね始末を付けてくれた、スッキリと納得できる、良い最終回でした。
特に、チーフ宇宙へという物凄い、しかし頷ける飛躍と、それにさくらを押し込む事で、直接の恋愛関係を描かないまでも二人の関係に特別性を与えて終わる、というのは非常に良かったです。
またそうする事で真墨の成長と独立もスムーズに描く事ができ、テーマ的にも綺麗に収まりました。
難を言えば、劇中のガジャ様の位置づけが確定するのが本当に最後の最後だった為、クライマックスバトルの盛り上がりが弱くなってしまった所ですが、竜王陛下との最終決戦を踏まえた上での「プレシャスとはなんぞや?」という問答以降は、今作として答を出して欲しかった部分にしっかりと答を出してくれて、満足の着地でした。
構成に特徴のある作品なので、物語全体に関しての話は、構造を振り返りながらまた改めて。
……それにしても改めて第1話、
「ボウケンブルー、ボウケンピンク、俺は既に命令した。このボウケン(びしっ)レッドが!」
からの
「甘ったれんなよ! もう一度選べ。このアクセルラーを受け取るか! このままマグマに焼かれるか! おまえが言ったんだ。俺の牙から逃れられる獲物はいない。その獲物は――お前だ」
は強烈無比(笑)
見応え・噛み応えのある面白い作品でした。