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真空は許してくれない

『ブルー・シャンペン』(ジョン・ヴァーリィ)読了。
ここ数年、積み重なった蔵書の中で、短編集はつまみ食いして並列に読むという非常に良くない読み方しているんですが(たまにどれをどこまで読んだかわからなくなる)、そんなこんなでようやく読み終わりました。えーもう、どのぐらいの期間をかけて読んだのかさっぱりわかりません(^^; 素直に一冊ずつ読めよ、という感じですが。
1970〜80年代に主に活躍した、俊才ジョン・ヴァーリィの第三短編集。ローカス賞受賞の表題作他、ヒューゴー・ネビュラ・ローカス賞を独占した「PRESS ENTER■」など。
収録作の中では、『プッシャー』が一番お気に入り。生活の大部分を地球を遠く離れた宇宙船で過ごす宇宙航法士の男が、ウラシマ効果により彼にとっての六ヶ月が25年になってしまう地球で行おうとした事は……という小品。
SFマガジンで「きょうもまた満ち足りた日を」を読んで以来、ヴァーリィは好きな作家の一人なのですが、最近はどういう評価なのかなぁ……というか、短編集とかは絶版にならずに済んでいるのか。割と(今風に言うならば)ウェットな作風で、日本人受けしそう(特に、後期ティプトリー好きなファン層とか)なんですが、あんまりミーハーな感想を聞かないのは、やや敷居が高いからか。話の中での山谷をそれほど付けず、ヴァーリィの未来世界における日常を窓から覗いて切り取ったような話が多いんで、ややSF慣れが必要なのは確かなのですが。