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『快傑ズバット』感想6

◆第9話「涙の河を振り返れ」◆ (監督:田中秀夫 脚本:長坂秀佳
少女を必死に捜す初老の男と出会うオサムくん。
「その子なら、ほら、あのボートの上に乗っているよ」
「ああ……あの子だ。おーい……!」
その瞬間、ボート 大・爆・発
そして入るサブタイトル。
鬼すぎる(^^;
冒頭2分で限界突破。
迸る狂気に唖然とする他ありません。
その男の周辺では先月から立て続けに3件の殺人が起こっていた。果たして彼は何者なのか? 男が黒服に囲まれている所に行き合った早川はちんぴらを撃退、そこに現れたTTTの用心棒・釣師十兵衛(見た目のインパクト大)を退けたところで、男の正体が中根という科学者だと判明。ガンの薬の研究中に恐ろしい毒薬を作り出してしまった博士は、悪の組織TTTから「毒薬を渡さなければ何の関係もない子供達を殺す」という脅迫を受けていた。
TTTは博士に殺す予定の子供の写真を渡し、博士が子供を助けようと必死に探すその目の前で子供を殺害、という残虐非道なやり口で博士を追い詰めていた。警察に言っても殺す、と脅され切羽詰まっていた博士に今回渡された写真……そこに写っていたのは、飛鳥みどり!
……こ、子供?
どうやら博士の脅迫と早川健の抹殺をまとめて行おうと、手抜きしたらしいTTT(ても素敵なつのめ?)。
こう見ると、ダッカーはかなり意識的に早川を抹殺しようとしているのですが、いかんせん日本各地で地道に活動する犯罪結社なので、戦力の一局集中ができない(恐らくは、その概念もない)のが、泣き所。まあ、あくまで今のところは、“脅威”というよりは“面子を潰された相手”という見方のようでもありますが。
偽電話で呼び出されたみどりを救おうとした早川と博士だが、どさくさの中で博士がちんぴらに撃ち殺されてしまう(^^; 物凄く本末転倒感が漂う中、早川はTTTの脅迫に応じ、毒薬をもってみどりの処刑予告現場へと向かう。
今回は井戸に吊されるみどりさん。
さすがに段々、可哀想になってきました……。
TTTのボス・鉄の爪は一人で早川の前に姿を現し、右手にはその名の通りの鉄の爪を装着していると、ちょっぴり武闘派。
「偽物だな……本物が白い事はわかってるんだ」
「ふふふふふふふっ、本物さ……本物の、黒色火薬だ!」
瓶を投げつける早川だが、咄嗟にかわす鉄の爪。
鉄の爪に迫る早川は、仕掛けられていた地雷を踏んで、思い切り吹き飛ぶ。死んだ……? と思ったら無事だったので、どうやら爆風の勢いを利用して自ら飛ぶ事で衝撃を緩和した模様。
「走れ! 飛べ! 貴様の体が疲れ切って休んだ時、そこが貴様の墓場になるんだ! これが鉄の爪の、マシンガン地獄よ! はっはっはっはっはっはっは」
銃弾の雨をかわしながら廃倉庫に飛び込んだ早川は、ちんぴらを人間の盾にしたりしつつみどりの元へと向かうが、みどりが吊り下げられたロープはろうそくの炎で燃え落ちる寸前。鉄の爪の妨害を振り切り、燃え落ちたロープを掴んだ早川によってみどりはギリギリで助かるが、その早川に容赦なく撃ち込まれる弾丸。
撃たれてる、撃たれてるよ早川。
……だが。
けっこう至近距離から銃弾を浴びた筈なのに、何故か死なない早川。
TTT一味が気圧されている内にロープを縛りなおしてみどりの安全を確保した早川だが、鉄の爪の攻撃を受けて倉庫から落下。これでさすがに死んだだろうと一味がホッとしたのま束の間……
やってくるのはズバッカー!
ちんぴら達を叩き落とし、みどりを助け出してズバット参上!
至近距離から銃撃を浴び(肉体的被虐)・みどりが目前で殺されそうになり(精神的被虐)・基本サブマシンガンに過剰反応(憎しみのオーラ力)と三拍子揃った今日の早川健テンション最高潮。
十兵衛の釣り竿による連続手榴弾攻撃を回避すると、逆に手榴弾のストックに叩き込み、十兵衛、手榴弾を抱きしめて大爆発。
用心棒史上最高の大爆死。
残った鉄の爪は、
首に鞭→投げ→土下座からの隠し銃攻撃を回避→首に鞭→投げ→鞭攻撃×2→投げ→首に鞭→高い所に投げて落とす→掴んで地面引きずり→パンチ×2→ドラム缶に叩きつける→腹パンチ→顔面パンチ→締め上げ→「飛鳥五郎を(以下略)→「知らん!」→顔面パンチ→ズバット・アタァっっク!
のお仕置きフルコース。
すっきりしたズバットは、親友の妹を助けた満足感を胸に、ズバットカードを残して去っていくのであった……。
なお今回のバトルは歌(BGM)無しで展開したのですが、やはり色々な意味で、音楽はかかっていた方がいい気はします。色々こう、誤魔化しが効かない(^^;
そういえば、ズバット状態でみどりと会うのは初めてでしょうか? みどりさん、割と平然とズバットを受け入れていましたが、声を聞いて早川だとわかったのかはどうか、不明。そして残されたズバットカードを手に取る東条にみどりが「早川さんは?」と聞き、東条はカードを手に無言……とこれまでにない展開が演出されました。“ズバットの正体”ネタが物語に絡むかはわかりませんが、絡めても大丈夫なように一応している、という感じでしょうか……名指ししないけど、バレバレ、な気もするしなぁ(笑)
東条の男の優しさなのか、本気で気付いていないのか。そもそも早川に隠す気はあるのか。謎のようで謎でもないけど謎です。
ズバットスーツといえば、さすがの早川健対銃弾・対爆発という点ではズバットスーツ頼りなのではいかと考えていたですが、地雷を踏んでも大丈夫至近距離から鉛玉をぶち込まれても大丈夫という事が判明してしまい、ますますスーツの意味が薄くなって参りました。
やはりスーツ最大の機能は、警察無線の傍受なのか。
「(警察が来るまで)あと3分しかない!」


◆第10話「野球の敵を場外へ飛ばせ」◆ (監督:奥中惇夫 脚本:長坂秀佳
とあるビルの一室、バンドグループの奏でる「二人の地平線」アレンジにギターで飛び入り参加する早川健
「突然入ってきて、失礼しました」
知り合いじゃないのか。
「私の親友の、作曲なんです」
「二人の地平線」は飛鳥五郎の作曲であった事が判明。バンドのリーダーも飛鳥の知り合いのようですが、後の展開を考えると、なんとほどほどに人口に膾炙している模様。
数日後に石森という野球の名選手の誕生パーティ出演を控えるバンドメンバーと語らう早川だが、その時突然、天井裏に潜んでいた男に
トランペッターが射殺されてしまう。男を追う早川の前に姿を見せる、“日本一のペット吹き”を自称する用心棒トミー。トミーの特技はトランペット……というか、仕込みトランペットによる吹き矢攻撃。ストレートに打ち込んできたトミーに対し、跳弾を用いて腕の違いを見せつける早川。
にしても、毎度の事ながら、用心棒達は平気で自分の獲物を早川に渡します(笑) 普段はちんぴら付きで優位(だと認識している)な状況なので言い訳も出来たのですが、一対一の状況で渡してみせたトミーさんは、実は男らしいのかもしれない。……トランペット向けられて、一瞬、焦っていたけど(笑)
トランペッターを射殺したダッカー配下、黒とかげ(今回は支部名出ず)らの目的は、バンドメンバーになりかわって、石森選手(特別出演:石森章太郎)の誕生パーティに出席し、TVの前で石森を殺害する事にあった。
暗殺のリハーサルを見て大喜びの首領L、
「ただ殺すのではないぞ、うーんと苦しめろ。憧れの石森選手が、醜く殺されるさまをTVに映し出し、全国の少年たちの夢をぶっ壊してやるのだ! ふっはははははは!」
もっともらしい理由をつけていますが、おそらく私怨。贔屓チームが石森選手の活躍で優勝できなかったとか、そういうレベルの。
そして、トミーがトランペッターになりかわる、という不確定要素が入りすぎる計画の為に始末されてしまったペット吹きは、さすがに悲惨(^^;
案の定、バンドの募集に応募したトミーだが、目の前でリュウイチという青年にその座をかっさらわれてしまう(笑)
リュウイチを狙う黒とかげ配下、の前に現れる早川健
「なんだ貴様?」
「地獄から来た渡り鳥」
「なんだとぉ?」
「よしな。景色が逆さまに見えるようになるぜ」
ちんぴらを蹴散らした早川は、リュウイチ(やたらふくよか)とその弟(やけにきらきらした瞳)の命を守るため、みどりとオサムに彼等を任せ、自分がトランペットの代役をつとめる事にする。だが、リュウイチにはどうしてもバンドに参加し、トランペットを吹きたい理由があった。手術を控える弟に勇気を与える為に、石森選手の誕生パーティでトランペットを吹く自分の姿を見せたかったのだ! その思いの強さのあまり、オサム少年を振りきって隠れ家の外へ出たリュウイチはちんぴらに囲まれ、早川がそれを助けに行った隙に、ゴーグル姿でバンドに紛れ込むトミー。
石森選手に「二人の地平線」を捧げる理由は全く意味不明なのですが、応援歌か何かだったのでしょうか。……もしかすると、飛鳥五郎世間ではむしろ「作曲家」という認識で、音楽で稼いだ金を注ぎ込んでズバットスーツを造っていたのかもしれない。
リュウイチを助けた早川が間に合い、トミーの吹き矢による暗殺は阻止されるが、会場に潜んでいた黒とかげ配下によって石森はさらわれてしまう。
「石森選手はこの場で銃殺刑にする」
TVの前で無惨に殺すのが目的だった筈なのに、もうすっかり意味不明に。
石森選手、風前の灯火、のその時、東京タワーをバックに力強く飛んでくるズバッカー! ズバットは石森選手を助けトミー以下を叩きのめすと、バイクで逃走する黒とかげを追う。スーツに半分覆面という衣装で格好良くバイクで走る黒やもりを、建物の間を縫いながら、ズバッカーで追跡する、というなかなか凄い絵。街中に見えない事もないように撮っていますが、ズバッカーで街中でカーチェイスの撮影はさすがに出来なかろうと思われるので、建物の雰囲気から、恐らくは撮影所の中、か。
爆走するバイク、あのデザインで右に左に疾走するズバッカー、と格好いい映像になりました。
ズバット・アタックは、3回連続の跳び蹴り。黒やもりさんの吹き飛び方が熱演で面白かったです。
石森章太郎ゲスト出演回(過去に『仮面ライダー』などでもあり)という事で、撮影スケジュールの都合でもあったのか、展開が雑。……いや、いつも超時空展開は超時空展開なのですが、種類の違う雑さというか。
普段ならもう少し、物語に絡めた責任としてリュウイチ兄弟は丁寧に扱うと思うのですが、結局、兄ちゃんのやった事は乱入して「そのトランペッターは偽物だ!」と叫んだだけ(しかも無視)。弟との約束は果たせないし、弟も顔隠してTVでとはいえトミーを兄と間違えるし、となんだか救われません。
後から入ってきて格好良く合奏を決める早川が、役者が違うとはいえ全て持っていく、というのは仕方ないにしても、もう少し何とかしてあげるべきだったのでは。最後に兄はみどりたちと一緒に「はやかわさーん」と叫ぶお約束シーンに加わって誤魔化しましたが、兄弟に持たせた物語部分は一切合切放り捨てただけ、というのは、少々らしくない。……まあ、関わりすぎて死ぬよりましかも説は無い事もないですが。
さて次回、今回ズバットカードを手に「早川……まだか……」と思わせぶりに呟いていた東条に危機が迫る模様。結局のところ東条がズバットと早川の関係性について気付いているのか気付いていないのか、行く先々で用心棒その他を皆殺しにして回るズバットをどうするつもりなのか、色々と明らかになりそうです。……殺されないと、いいなぁ。
……ああそうか、ズバットスーツ着ている理由って、殺人容疑を快傑ズバットに被せる為なのだろうか(おぃ)