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『快傑ズバット』感想14

◆第19話「悲恋 破られたラブレター」◆ (監督:広田茂穂 脚本:長坂秀佳
テニススクールの憧れの男・石上新也にラブレターを渡そうとして渡せずじまいの少女・八鹿(ようか)いぶき(高校生ぐらい?)は、その帰路、石上の父がデビル団のボス・セントデビルに殺される現場を目撃してしまい、構成員達から逃げ出す事に。
真っ暗闇のトンネル?に逃げ込んだ少女をスポットライトが追いかける、というなかなか面白い演出。
逃亡むなしく構成員に囲まれてしまういぶきだが、そこで暗闇が光に照らされると、何故か場所はナイター照明の野球場。ギターを奏でながらマウンドの方から近付いてくるのは、早川健
というイカれた演出も素敵。
早川は雑魚をあっさりと撃破。取り囲んだ雑魚を早川が打撃すると硬直し、何かの仕種とともに倒れる、という演出が定番でしたが、今回は硬直したままの雑魚を背に、少女の元へ歩み寄る早川。
「気絶してるだけなんですよ。わかりやすくしてあげましょうか。ギターを叩いてみてください」

意外と躊躇なく叩く少女。
その響きと共に倒れる構成員達。
「はっはっはっはっはっは」
呻き倒れる男達を背に、暴力の喜びに笑いだす早川を、ちょっと胡乱げに見る少女(笑)
デビル団に狙われるみずほを守ってその場を離れる早川であったが、二人の前にデビル団の用心棒、魔の鎖鎌使レッドフォードが姿を現す。
たぶんロバート・レッドフォードを意識したっぽいカウボーイスタイルなのに、どうして鎖鎌。
そして今日の用心棒は、予備の武器を持っていた(笑)
レッドフォードを退ける早川だったが、二人に銃撃が迫る。
「君には安全な隠れ場所を探そう」
早川が隠れ場所を探すと、ろくな事がないので気を付けろ。
だが、両親がデビル団に殺されたという過去を持ついぶきは、どうしても想い人である新也に父親殺しの犯人がセントデビルである事を伝えたくて仕方がない。しかし彼女は、逃亡中に落とした定期入れの指紋を利用され、偽の真犯人に仕立て上げられてしまう。早川が東条に連絡をつけるも、その東条によって逮捕されそうになってしまう。
早川、また東条を殴る。
早川が東条にすぐ実力行使するのは、、東条にあらぬ疑いがかけられないように……という友情の発露のような気はしないでもないでもないでもないのですが、どちらにせよ不手際てんこ盛り東条さんの評価はがた落ちだと思われるので、もう、どうでもいい気もしないでもないでもないでもありません。
それでも左遷されない東条はおそらく、代々の警察官僚一族で祖父は政治家、父は天下り先の警備会社を経営、とか、物凄いコネの持ち主。
東条を撃破した早川は、いぶきの願いを聞きいれ、彼女を新也の元へと連れて行く。容疑者だと疑われているのを承知で、切々と事件の真相を語るいぶきを、表面上は優しく受け入れる新也だったが、お茶を入れに行くふりをして警察に通報。それに気付いた早川はいぶきを連れ出し、石上家を訪れるパトカーを見せつけて現実の世知辛さを教えるが、恋は盲目、いぶきは新也の通報という現実を認めようとはしない。再び現れた東条は逮捕状を突きつけ、
「どうしてもやろうってのか、東条」
「おまえも公務執行妨害でぶちこむぞ」
と、いぶきは結局逮捕。
……あるんだ、その犯罪(笑)
この顛末に、首領Lは大喜び。
「はっはっはっはっはっは、さすがは悪の大組織、ダッカーの一員だけの事はあるぞ、セントデビル。いぶきを警察に捕まえさせるとはな」
今日の首領は万馬券でも当てたのか、悪の大組織の基準が大甘です(笑)
更にセントデビルは、指紋付きの拳銃と定期入れを残しただけでは動機や入手ルートなどの問題が生じるであろう事を予期してか、護送中のいぶきを襲撃・抹殺する計画を立てる。そのいぶきを守る為に、警察署の前で大暴れして意図的に逮捕される早川。
それを目撃した、みどりさんとオサムくん。
「俺、なんだか早川さんの助手になるのやめたくなっちゃたよー」
……これを最後に出てこなくなったらどうしよう。
護送車を爆破していぶきを亡き者にしようとするデビル団はマンホールに爆弾を仕掛けて待ち伏せるが、護送車がなぜかマンホールの手前でぴったり停車。いつまで経っても動き出さない様子にじれて、
「やむをえん、やれ!」
と爆弾を爆発させると、その騒ぎに乗じて白兵攻撃を開始。
「えーい、やれーやれー!」
と、首領自ら陣頭指揮して突撃するが、護送車に乗り込んだ構成員達は次々と叩き出されてしまう。
「ええい、どうしたぁっ! おおぁぁぁ!?」
自ら首を突っ込むと、額に突きつけられるのは機関銃。
セントデビル(阿藤海はえらくいい声で、いちいち面白い。
護送車に乗り込んでいた早川は奪った機関銃片手にデビル団を追い詰めるが、別働隊のバズーカ砲が護送車を狙い、一転大ピンチに。囲みを切り開いてバズーカ部隊を撃破するも、マシンガンで撃たれて崖を滑り落ちる早川健
実に楽しそうです。
護送車から引きずり出されたいぶきに銃口が迫るその時、ズバット参上! ズバットは雑魚を蹴散らし、いぶきを救出。早川の使った技をコピーした用心棒に追い詰められるが、ブーメラン鎌をキックで防ぐと、鞭の超乱打で撃破。
セントデビルを追い詰めると、高い所に上がって
「2月2日、飛鳥五郎という男を殺したのは貴様か?!」
「知らん……知らん……」
「ずばぁっ!!」
ジャンプして着地。
「貴様だな!!」
聞いちゃあいない。
「俺じゃない。俺はその頃……北海道に……い、居たんだ……ぐうぁっ」
セントデビルは気絶し、ズバット・アタック無しという変則パターン。
「飛鳥……やはりこいつでもなかったよ」
戦いを終え、街を去り際にいぶきの元を訪れた早川は、足下に落ちていたラブレターを拾って手渡す。
「失恋できる内が、青春さ」
だがそれをきっぱりと、否定するいぶき。
「失恋なんかしてません。新也さんは優しい人です。警察に電話したのは、あの人じゃありません」
早川は彼女の肩をぽんと叩いて去っていき、その後ろ姿を見送ったいぶきは、手にしたラブレターを破り裂く。
いやぁ……凄い。
恋に恋する少女の頑なさと一抹の愚かしさで落とすのかと思いきや、そこから一転、流れ者の前では想い人を悪く言うことなく、自分の恋も間違っていないと言い切りながら、現実を現実として受け入れる、少女ながらも女の意地。
それをラストシーンに集約する事で、全くこれまでにないエンディングを描き出しました。
新也サイドから見れば、割と常識的な反応しかしていないのもミソ。
これは凄かった。


◆第20話「女ドラゴン涙の誓い」◆ (監督:広田茂穂 脚本:長坂秀佳
青十字軍のボス・十文字青兵衛の豪邸に忍び込んで取り囲まれた女を助けた早川健。ところがどっこい、助けた筈の彼女に銃を向けられてしまう。彼女の正体は青十字軍の新しい用心棒、中国八卦掌の使い手・レッドドラゴンであった。
服、青いけど
お約束の決闘シーンでレッドドラゴンに敗れる早川だったが、何か様子が妙。実は女はレッドドラゴンの偽者で、警察の潜入捜査官「加村令香」であり、それを見切った早川は故意に敗北して逃亡したのであった。
「東条、あんまり小細工すると、彼女の命取りになるぜ」
早川は東条に忠告し、青兵衛は偽ドラゴンに早川の抹殺を指示。
一方その頃、本物のレッドドラゴン(赤い)が来日。
……本物の足止めをしているわけでもなんでもなく、東条の作戦は相変わらず杜撰すぎ。
再び偽ドラゴンと対決する早川は、青兵衛が加村令香の弟の仇であると知る。彼女は車で轢き殺された弟の敵討ちの為に自らこの危険な潜入捜査に志願、あわよくば直接的な復讐の機会を狙っているのであった。
「私はあなたを倒します。弟のような犠牲者を出さないためにも、私がやるしかないんです」
令香は早川の制止を拒否。彼女に同じ復讐者としての想いを見た早川は、本物のレッドドラゴンに前に立ちふさがる。自分が勝てば何も言わずにこの街を去れ、という早川の申し出を、武道家として受けた本物レッドドラゴンは飛び蹴りで狛犬の目をくり抜き、それで早川を攻撃する、という荒技を見せる。
(女にしては、確かに凄腕だ……いってぇ……)
と、ガードした早川、珍しい独白(笑)
対して早川は、目玉を戻すとともに狛犬の顔を半壊させる。
「石の狛犬を笑わす技を持っているのは、世界で何人いるかなぁ……」
神社でそんな技、練習するな。
本物レッドドラゴンを打ち破った早川は青十字軍の本拠地に乗り込み、青兵衛と対峙。
「貴様が今まで、車で何人の人を殺したのか、聞きたくなってね」
「さぁ……数えてみたことはありませんが……趣味なのです」
青兵衛は不気味な仕種と喋り方で、ここまでの支部長と雰囲気を変えてきていて、面白いキャラクター。
再び偽ドラゴンと戦う事になった早川はわざと敗れて彼女の脱出の機会を造ろうとするが、早川にとどめを、と青兵衛に拳銃を渡された偽ドラゴンはその銃で青兵衛を撃とうとする……だがその弾倉は、空。
「とうとう尻尾を出しましたね、女刑事さん」
「なぜ……」
服が、青いから
「親切に報せてくれた人が居るのですよ」
そこに姿を見せたのは、早川に敗れて街を去った筈の、レッドドラゴン
「汚ねえぞレッドドラゴン。約束を破ったのか!」
青兵衛に撃たれまくって逃げる早川は、屋上から転落。
今日も楽しい死んだフリ。
というか明らかに、
拷問に代わる新しいゲージのチャージ手段。
本物と偽物の戦いが始まり、偽者が追い詰められたところで、ズバット参上。
レッドドラゴンは格闘戦でズバット相手に善戦するも、
ズバット、行くよーーー!!」
と高い所から必殺技を放とうとしたところを、
“飛び道具”で倒される(笑)
初の女性用心棒であった駒太夫とは戦闘というほどの戦闘にならなかった為、実質的な女性用心棒との初戦闘になりましたが、武器(鞭の握りの部分)で顔面殴ったり、相手が女でも一切ぶれないのが素晴らしい。
逃亡した青兵衛はさくっと仕留められ、残されたズバットカードを見つめる刑事達。
令香「早川さんが弟のかたきを……」
東条「いや、早川じゃない。これをやったのはズバットという男だ」
東条、揉み消しに必死。
はさておき、なんか、いいやり取りではあります。
ここでは「快傑ズバット」が“仮面のヒーロー”として、不条理な世の中への怒りの代弁者へと昇華していて、それは古典的なヒーローの作用であります。とかく早川が色々とやりすぎるので、そういう要素を感じる余裕が無かったズバットが、復讐者のゲストを用意する事で、ヒーロー物のそういった一面を意図的に取り上げて描いてみせた、というのは面白い。
前回から初参加の広田茂穂監督ですが、映像としては前回ほど面白い演出は無かったものの、ラストシーンでは前回に続いてこれまでの今作とは一味違う雰囲気を出す事に成功。こういう事があると嬉しい。
なお今回の個人面談では、首領Lに
「最近、警察の動きが活発だから気を付けろ」
という台詞があり、なんとなく物語の進展を表現しているっぽい。
本日のみどりさんとオサムくん:レッドドラゴンにタクシー待ちを横入りされて抗議するも、結局譲る。
良かった、出番があった。